いまでは『大道を行く高校数学』解析編(現代数学社)という名で再販されている、高校数学の本の三角関数の章を昨日の日曜日に読んだ。もっとも読んだのはこの本の旧版で本のタイトルはちがう。
練習問題は基本的にすっ飛ばして読んだのだが、なんとかこの章は読めた。もっとも完全にはわからないところもあるが、ほぼ読むことができたと思う。これはあまり類書のない書き方がされている。
私が前に書いた数学エッセイでとりあげた、\sin \theta, \cos \thetaを\tan (\theta/2)で表すことは、逆に考えると\sin \theta, \cos \thetaをそれらの半角で表す、いわゆる三角関数の半角公式を求めていることになるのだ、とは宇沢弘文さんの数学書『好きになる数学入門』3(岩波書店)で知ったばかりである(注1)。
宇沢さんの本では半角公式ではなくて、倍角公式として出ていた。この本では倍角公式が加法公式よりも教材として前にもって来ることができることを示している。
私は加法定理がなければ、倍角公式は導けないと思っていたが、なんでも深くわかっている人にはかなわない。
インターネットで買った古本の戸田清『三角関数』(旺文社)でもトレミーの定理から加法定理を導いていたが、この箇所で1か所わからないところがあった。
こちらを宇沢さんの本にもとづいて解決がつくだろうか。
話はまったく数学とは関係がないが、先週の土曜日の雑談会でレポートしてくれた人が上に書いた経済学者だった、宇沢さんの子女と孫の方と知り合いだということを話しておられた(注2)。
また、この雑談会に参加されていたKさんは、宇沢さんは経済学にヒューマニズムを導入した方だと言っておられた。しかし、経済学にヒューマニズムをどのように導入するのだろうか。
(注1) もっとも上記の『大道を行く高校数学』では、三角関数の半角公式を図的に導くことができるという観点はもってないようだ。もちろん、私ももっていなかった。
(注2)宇沢弘文さんはもともと東大数学科を出られた方だが、アメリカで数理経済学を修めた方であったと思う。
アメリカの大学で経済学の教授になられたのだが、何をおもわれたか(たぶんその当時の経済学に不満を感じられたのであろう)日本に帰り、東京大学の経済の先生になられた。
晩年には啓蒙的な数学の本を書かれており、その本のいくつかを私ももっている。