ノーベル賞の受賞者が最近毎年出るので、政治家はまったく危機感がないが、大学の研究は窮地に陥っている。
それは大学への運営交付金がもう私が大学に勤務していたころと比べて1/3以下になっており、その傾向はまだずっと続きそうである。
歴代のノーベル賞受賞者などがこの件を憂いてしかるべき筋に訴えているが、首相をはじめとしてまったくそのことに耳を傾ける気がない。
学問とか研究とかはだいたい無駄になることがほとんどである。そういう無駄の中から有用な研究や成果がでてくるのである。
こういう風に資金を投入したら、こういう風に成果が出てくるなどというようなことに雄大な構想も法外な価値もないものである。
そういう無駄をおおぴらにできるだけの余裕がまったく日本の大学になくなっているのが、危惧を感じる理由である。