小林道正著『基礎から発展まで 三角関数』(ベレ出版)という本が来年2020.1に出るらしい。本の概要しか書かれていないのだが、ちょうど私が考えている内容にとても近い。もっとも私のほうはまだまだ形になっていないのだが。
小林さんは民間教育団体の数学教育協議会会長もされた方であるが、数式処理に私が凝りだしたころに数理解析研究所の研究会で数回会ったことがある。小林さんは私のことをまったく覚えておられないだろうが。
そのころには小林さんが数学教育協議会とも近しい関係にあるとは全く知らなかった。彼は数学者であったし、私は物理学の研究者であったから、直接に話をしたことはない。
研究会の後で、京都の百万遍近くの駸々堂でグループでコーヒーを飲んだその中の一員であったにすぎない。
小林さんの新しく出る本が私の書こうとしている内容と近いようだというのは今日知ったばかりである。しかし、私の方は別に三角関数をトピックとして、1冊の本を書こうとしているわけではない。
前に私がつくったe-learningの一部として欠けていた、三角関数の章を書こうとしている。このe-learningは大学の理工系学部には入ったが、その後の進路に迷いが生じたような人を対象にしていた。
e-learningとしてE大学で提供されたほかには、私自身がその原稿を幾人かの人に配布したことがあるが、例題がちょっとおもろしいとの評価を得ている。これは私が物理を専門とするということと関係がある。
もっともこの三角関数の部分が書ければ、前に書いた部分とあわせて一書にまとめることができるようになる可能性はある。そういうちょっとした動機のちがいがある。
他の分野の例題が興味深いものとして受け取られたように、三角関数の分野でも同じような興味深い内容にしたいと私は考えている。