物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

マンデラの死

2013-12-07 12:39:53 | 国際・政治

ネルソン・マンデラの死が報じられた。95歳だった。彼は南アフリカ共和国の大統領であった。

マンデラは人種隔離政策に反対して27年間の間監獄につながれた。それにもかかわらず楽天主義であったという。

いつかは自分は釈放されるという希望を捨てなかったという。もともと終身刑で牢獄に入れられたというのに。

1991年に釈放された後で、少数民族との白人との和解を促進して、見事に国を治めたという。1994年からの5年間の1期のみ大統領を務めたが、それ以上は務めなかった。

若いころに中国の革命を指導した毛沢東の伝記を読んだことがあるが、彼も楽天主義だったということに感銘を受けた覚えがある。

私自身は若いころは悲観主義であり、なんにでも悲観的であった。最近は比較的には楽観主義となっているけれども。

マンデラはなんでも看守の人までも巻き込んでしまうといういう、いい性質の方であったらしい。第一1961年くらいに終身刑で牢獄に入れられたのだから、実は私の大学の学生時代である。

その後、世界の国々から南アフリカの人種隔離政策が批判されて次第にそれがボディブローのように効いて来て、ついにマンデラは釈放された。

27年というのは長い。私の大学の勤務年数は37年にちょっと足らないくらいなので、その人生の大半以上を牢獄で過ごしたことになる。

それだのに釈放されてから、大統領を務めるなどということは牢獄生活中のその努力とか能力とかが、すばらしい。

ちらっと新聞には出ていたのは夫人が愛人をつくっていて、かつ公金を費消したので、釈放後に離婚せざるを得なかったとあった。夫の名声によって集まった公金であったのに。

公金を費消したのはほめられないが、愛人をつくっていたというのは人間としてみたら、非難はできないだろう。

そんなつまらない感想をマンデラの死についての記事からもった。


再々、特定秘密保護法案

2013-12-07 11:38:28 | 国際・政治

特定秘密保護法案が国会で承認された。この法案は終盤に来てかなり国民の反対の声が大きくなったが、国会では自民党、公明党の与党はまたったく耳を貸さなかった。

どうも秘密の内容の指定が限定されていなくて、はっきりしないとか、第三者のチェック機構が本質的にないこと、情報は本質的に国民に公開されるべきだとの理念に欠けている。

それだけではない、終盤に至ってはこれは国会の権限自体をも制限してしまう虞れがあることまで指摘された。朝日新聞は国会の危機だとまで述べた。

しかし、自民党の国会議員でもそれに反対することができないように思えた。そこはもうすでに思ったよりも危険な状態に至っているとも考えられる。

もっとも法案が通ったら、すべての終りが来たわけではないので、これからも気長にこの法案の危険性に注意をしていかなくてはならない。

政治が間接民主主義なので、一度議会で多数をとると、世論調査で反対が多くても法案を通してしまう。

多分、日本の国民の民主主義の程度がまだ十分ではないのだろう。政治的に安倍政権が怪しげだったことを知る人は知っていたはずだが、民主党への失望からか約1/3の人が自民党を支持した。そして国会での絶対多数を与えてしまった。

それがこの事態を引き起こしている。新しい自民党とか言われたが、その本質はむしろ古い考えを復興させている。

新自由主義というのは「国家は国民を支配するが、国民の面倒は見ない」というのであるといつか新聞で読んだが、そこに本質があるようだ。

主権在民の力を見せるときが来るだろうか。


金色の小さな鳥の・・・

2013-12-07 10:54:34 | 日記・エッセイ・コラム

通勤の途中の勝山町の分離帯のイチョウが黄色に色づいて、風に揺られて路面に落ちている。

先週だったか火曜夜のテニスでテニス仲間のUさんが平和通りのイチョウ並木が見事に黄色に色づいていると教えてくれた。

それが勝山町も同じようになった。

この落ち葉を見たり、黄色の葉が落ちるのを見ると中学校だったかに高校だったかに日本語の教科書に載っていた短歌をいつも思い出す。

金色(こんじき)の小さな鳥のかたちして、銀杏(いちょう)散るなり夕日の岡に

これは伊藤佐千夫だったかなと思うが、定かではない。後でインターネットで調べてみよう。

(注) インターネットによれば、上の短歌は伊藤佐千夫ではなく、与謝野晶子(大阪府出身)(1878~1942)の短歌だとわかった。間違った記憶に関して謹んでお詫び申し上げます。 

上のブログは記録なのでそのままにしておく。


保存食品

2013-12-06 12:45:39 | 外国語

「保存食品って、英語でどういうのかな」とつぶやいたら、コタツの隣の座椅子に座って編み物をしていた、妻が「ではスマホで探して見ようか」と応じてくれた。

私はconserved foodとかいうのを期待していたのだが、スマホの検索結果はpreserved foodであった。そしてついでに「conserveは保守党をconservative partyというよ」と聞きたくもない情報までも物知り顔に教えてくれた。そんなことは百も承知だのに。

それでも、エネルギー保存とか運動量保存をconservation of energyとかconservation of momentaというよとは言わなかったのは亭主の専門が何かはちょっとはわかっているらしい。

というより、そういう概念があるということを知らないのであろう。しかし、ここでは妻の無知をあげつらうことが目的ではない。そんなことは専門家と素人との違いであって、あんまり威張れることでもない。

ところでこの保存食品が何を意味するか分からなくなってしまった。

それで、さっき広辞苑(第5版)を引いてみたが、さすがに載っていなかった。ジャムとか、たくあんとか白菜等の漬物をさすのだろうか。佃煮なども入るかもしれない。

念のために調べてみたら、私の英和辞典にはconservesのところに「(果物の)砂糖煮、砂糖漬け、ジャム」とほぼpreservesと同じような訳がついている。


IT産業は何をすべきか

2013-12-05 13:01:19 | 科学・技術

昨夜、ニュースを見ていたら、北朝鮮人民共和国は核、ミサイル、サイバーを重点を入れているという。

特にサイバー攻撃は安価な攻撃の手段として3000人くらいのサイバー要員を育成しているという。それもロシアから優秀な大学教員とか研究者を招いてサイバー要員を養成しているという。

その攻撃に備える必要が日本にもあるだろう。本当に攻撃をされるかどうかはわからないが、備えはいつでもしておかなくてはならい。

どういう風にすれば、そういうサイバー攻撃に対する要員が養成できるのかは私には定かではないが、その必要は認める。本当はそういうことをしなくてもいい状態がもちろん望ましいのだが。

それとこれはもっと一般的な話であるが、暗号の研究もとても必要である。この暗号の研究とかサイバー攻撃に備えることもどちらも簡単なことではない。

しかし、IT産業のするべきことの一端は示している。

また、コンピュータのアドレスも問題であるが、これはすでにIP6として研究がされている。昔の私のゼミ生でこのアドレスの問題に関心をもっていた、H君は福岡かどこかのIT企業で働いているはずである。

H君は自分でこの問題を見つけて来て、それを卒業研究のテーマとした。指導する私は卒業論文を修正するのに苦労をしたのも懐かしい思い出である。このとき子どものもっていた本が大いに役に立った。


遺伝子のスイッチ

2013-12-05 12:01:32 | 学問

いつもこのブログにコメントを下さる医師の飯尾先生から、細胞レベルではある種の獲得形質の遺伝があるのだと以前にドイツ語のクラスで聞いていた。

それに関係する記事が朝日新聞に載っていた。これはマウスが身の危険を感じるとその「記憶」がマウスの精子を介して子孫に伝えられるという実験が科学誌のネイチャー・ニューロサイエンス電子版に発表されたという。

(引用はじめ) 実験はオスのマウスの脚に電気ショックを与えながらサクラの花に似た匂いをかがせ、この匂いを恐れるように訓練、その後、めすとつがいにして、生まれてきた子どもに様々な匂いをかがせた。すると、父親が恐怖を感じたサクラの匂いのときだけ、強くおびえる仕草をみせた。孫の世代でも、同様の反応が得られた。

父マウスと子孫の精子のDNAを調べると、嗅覚を制御する遺伝子に変化の跡があり、脳の嗅覚神経組織細胞の集まりが大きく発達していた。父マウスから精子を採り、人工授精で子を育ててその脳を調べると、同様の変化が見られた。

生物の遺伝情報はDNAに刻まれて親から子へと引き継がれるが、生活習慣やストレスなど、後天的な要因で遺伝子のスイッチの入り方が変わることが知られている(注)。(引用おわり)

このニュースにどうして私が注目しているかというと、1950年代終りまたは1960年代の半ばには遺伝学でメンデル遺伝学の正統性が確立をして、いわゆるルイセンコ遺伝学が間違っていた。この事実と思想的には関係があろうかと考えるからである。

ルイセンコ遺伝学が遺伝学として間違っていたことは確立した事実だが、武谷三男がその後でも獲得形質の遺伝を主張していたということで、その思想を断罪する書『武谷三男の生物学思想』が最近になって、医学者の伊藤康彦氏によって出版された。

ところがもちろん1950年代末に決着がついた遺伝学の論争ではないが、その後に遺伝子レベルのある種の「獲得形質」の遺伝がわかったというわけである。

だから、直ちに伊藤の主張が間違っていたなどと主張するつもりは毛頭ないが、議論はもっと注意をしてする必要があるということを示している。

これは先ごろ利根川進の免疫における研究を知ったときにも感じたことだが、自然はなかなか簡単ではない。

また、私の科学史の論争相手である、Aさんがこの事実をどう考えるかも知りたいところである。彼は獲得形質の遺伝は50年代の終りに否定されたとして、それがひっくり返ることはないと断じている。

それは確かにその通りだろうが、環境要因による遺伝子レベルの変化が知られたということを彼はどう捉えるのだろうか。

(注) 後天的な要因で遺伝子のスイッチの入り方が変わることは飯尾先生がすでにこのブログでコメントされたと思うが、それがどのテーマに対してであったかは覚えていない。


ホームページの作成?

2013-12-04 12:43:27 | デジタル・インターネット

妻がかつてホームページを作成して持っていたが、彼女に作成法を聞いてももうわからない。

私は自分の書いた数学エッセイが相当の数になっているので、それをホームページに載せたいと思って自分のホームページをつくりたいと前々から思っているが、果たせていない(注1)。

誰かにお金を出して作成をしてもらうということもありうるのだが、残念ながらそういう経済的な余裕が私にはない。

それで自作をしなくてはならない。一度ホームページをもとうとしたことがあって、私の編集した「電気電子工学科ミニマム」はそのホームページの遺跡として残っている(注2)。

その後、そのURLも忘れてしまってどうしようもない。だが、自分の書いた数学エッセイの数もさることながら、それが一般の人の役に立つのだが、という気が強くなっている。

世の中の人は数学が好きでかつ達者な少数の人と大多数の数学嫌いの方々である。私はその中間くらいであろうか。

それでそういう大多数の数学嫌いの、または数学を分かりたいと思いながら、それに障害を感じている方々の橋渡しをしたいと願っている。

NTTのOCNのpage onの部分のホームページの作成の案内を昨夜読んで見たら、まだできるという自信にまでは至っていないが、それでも私にもホームページの作成ができそうだとの希望が出てきた。

そういうことを感じてからも実際に自分のホームページをもてて、かつ自在に活用できるにはまだかなりの時間がかかるであろうが、少し見通しをもつことができた。

(注1) 本当は本にできるくらいの量を書いてあるのだが、本をつくると費用がかかる。その費用を支出する経済的な余裕はまったくない。それに数式が多くあるとそのような本は世間では全く売れない。

電子ブックにするというのも一つの手だが、電子ブックにする手前としてホームページがあるだろうか。

(注2) 「電気電子工学科ミニマム」はいまでも検索をすれば、アクセスできる。これは大学の理工学科の初級生が学ぶ数学をまとめたものである。


数学・物理通信3巻7号

2013-12-03 13:20:44 | インポート

数学・物理通信3巻7号をさっき発行した。

11月の半ばには発行の用意ができていたのだが、時期が来ないので大分長く待っていたが、ようやく時期が来たので発行した。

これで1巻11号、2巻6号、3巻7号まで発行されたことになる。できたら、3巻8号を年内に発行したいと考えている。

N先生とその知人と友人、他の方々に関心を持って頂いているので、結構広がりを見せ始めている。

それといつも言うことだが原稿の投稿が結構ある。現在一つの論文について難しい判断を迫られている。

一応、掲載のお断りをする可能性が強いと投稿者に急いでメールしたが、それを掲載のお断りを最終的に決めたわけではない。サーキュラーの性格をどうするかにかかわって来るので、共同編集者のNさんと協議して決めなければならない。

数学・物理通信はレフェリーという制度はとっていないので、基本的に無審査で論文の掲載がされる。そのことは変えるつもりがないが、ある程度理性に反しないことが必要であると考えている。

ところがその境は最終的には編集人に一任されている。それでそこらあたりをどう考えるのかは難しいところがある。

いままでもちょっと議論があるかと思われる原稿もなかったわけではないが、まあそれが理性に反したわけではない。編集人としてはちょっと暗黙の仮定の中に結論が含まれているという可能性があるのではないかという疑いをもったのであった。

もっともそれを明白に示すことはできなかったので、掲載の措置をとった。それに、たとえ間違えていたとしてもそれほど害があるわけではないと思ったから。


座標変換で作画

2013-12-03 11:33:16 | デジタル・インターネット

まだ作画はしていないのだが、座標変換で疑似楕円形を水平から斜めに傾けたい。

これがいま私がしたいことである。それほど面倒なことではないはずだが、座標形式で入力をしているので、座標の数値を水平から50度だけ傾けたい。

電卓でもできるのだろうが、電卓計算するのは面倒なので、JIS Full Basicというソフトを昨日ダウンロードした。

前にもこれを使って計算をしたことがあったが、もう計算を何十年も自分ではしないのでプログラムがなかなか組めない。

すべてまったく新たな試みみたいなものである。


ブログ2370回

2013-12-02 12:02:30 | 日記・エッセイ・コラム

前のブログで2370回を達成した。

今年中に2400回を達成することは難しいが、それでも2400回を来年の1月には達成できそうである。

一番不思議に感じていることは書くことがなくならないことである。はじめは直ぐに書くことがなくなるだろうと考えていた。

だから、いくつか考えたことをもっていて、少しづつ小出しにしてブログを書くという計画だった。

どうしても、毎日異なったテーマで書くことは難しいと思ったからである。ところがどんどん書いてみるとどういうことか書くテーマがなくならないことがわかった。

これは自分に対する自信というのではない。単に経験則として書くことはつきないという事実だけが積み重なった。

それで、いまではもっているネタはなんでも新鮮なうちに書いてしまおうという姿勢でこのブログを書いている。

書くことが好きだということは事実だが、それだけではブログは続かない。自分の知的好奇心をいつもいっぱいにして、新鮮にものごとを見たいと思っている。


門限

2013-12-02 11:32:14 | 外国語

「門限」という日本語は専門語ではなく、普通の日本語である。

だが、それを英語でなんというかは昨日まで知らなかった。昨日、朝日新聞を読んでいたら、curfewという語が出ており、門限と書いてあった。

あわてて、学習英和辞典を引いたら、晩鐘とか夜間外出禁止令とあった。それでしかたなくその辞書の余白に鉛筆で門限と書き込んでおいた。

もっとも仕事場に来て、もっと新しい英和辞典を引いたら、ちゃんと門限も訳として出ていた。(戒厳令下での)夜間外出禁止令とか門限とかの訳がある。

もともとの意味はcoeverfu(=couvrir+feu)から来ていると説明があった。feuはフランス語で火のことであり、灯火のことであろう。covirirもフランス語で英語で言うならcoverであるから、火を覆うという意味である。

curfewは中世ヨーロッパの消灯・消火の合図の意味から来たと辞書には説明があった。晩鐘などとの訳もある。晩鐘などというとミレーの晩鐘という有名な絵を思い出すが、あれはむしろ仕事の終りを示す鐘かと思っていたが、そうではなかったのかしら。


NO NUKES えひめ

2013-12-02 11:02:47 | インポート

昨日「NO NUKES えひめ」という催しに参加した。

とはいってもその一部であり、10時過ぎから12時くらいまでであった。

なかなか元気のいいスピーチが多かった。午後からは鎌田慧、広瀬隆、秋山豊寛等の著名人も参加スピーチをされたらしいが、私はこれらの人のスピーチは聞かないで帰宅した。

午後は雨となったようで、南海放送のテレビのニュースでは、参加者は傘をさしているのが写っていた。大きな傘を私は持参していたが、その傘を開くことは午前中はなかった。

木村俊雄という元東電の技術者だった方が東電が新しく提供したデータによって、原発の冷却システムが津波ではなく地震によって止まったことが明らかになったと言われていた。

木村さんはもともと東電の発表データの欠落をおかしいと言い続け、地震によって原発の冷却システムが壊れてしまっているのではないかと主張し続けてきた人である。

これは西村肇先生なども同じような主張であったと思う。だが、木村さんの名前は私は朝日新聞のシリーズ連載「プロメテウスの罠」から知った。