物理と数学:老人のつぶやき

物理とか数学とかに関した、気ままな話題とか日常の生活で思ったことや感じたこと、自分がおもしろく思ったことを綴る。

期待値は誰のためか

2021-04-23 11:49:53 | 数学
統計学の中に期待値という概念がある。

ある高校の数学の M 先生は宝くじの期待値を計算して見せて、その期待値が小さいことから、宝くじなんて買うものではないと授業の中で触れたという。

生徒たちの反応は「先生は夢がないねぇ」というのものであったという。それはある意味で予想された反応でもあったろう。

それを聞いたとき、私の思ったことは期待値は宝くじを計画して売る側の利益を得るために必要なものであろうとの推測であった。

統計学上の概念としての期待値もそれを宝くじを買う側だけから見たら、それこそ夢のないことになってしまう。

本質はそれを計画して利益を得ようとする方たちのものであるということである。

別に私はごりごりの社会主義者ではないが、学問の概念(この場合には数学の概念であるが)は市民一般の大衆のためだけでは、決してないということを示している。





Liebeszitate (NHK E テレの「旅するドイツ語」から)

2021-04-22 11:16:00 | 本と雑誌
     Die Uhr schl"agt keinem Gl"uckchen.   ( Friedrich von Schiller)

   (ディ ウア シュレクト カイネム グリュックリッヘン (シラー))

      時計は幸福な人には時刻を打たない

幸福な人たちには時間が経つのは早いということらしい。それはそうであろうか。

カッコの中のカタカナはドイツ語を知らない人のためのおよその発音を示すものなので、ドイツ語の堪能な方は無視してください。

高木貞治『代数学講義』

2021-04-22 10:36:45 | 数学
高木貞治『代数学講義』(共立出版)を開いて4次方程式の解法を調べた。これは I さんの論文との関係でどうも私にはしっくりこないところがあったからである。

比較的新しい志賀浩二『方程式』(岩波書店)にも解説が詳しく書かれているのだが、私にはもう一つしっくりこなかったからである。まがりなりにもようやくメモをつくって I さんに送った。

I さんはご自分ではすでに納得されていたのかもしれないが、私にはどうも納得できる書き方だとは思えなかった。

どうも、ものわかりがわるくて困るがこれが自分であるから、しかたがなはい。

高木貞治『代数学講義』(共立出版)は漢字とカタカナ交じりで書かれた古い版である。漢字と平かなにその後改訂されたが、そちらはもっていない。それだってもう50年くらい昔の版となっている。

いや一生のうちにこの本を読もうとは思わなかった。もっとも1か所だけだが、鉛筆で?マークか何かの印がつけた箇所があった。古本で買ったわけではないので、これは自分でつけた印である。

まれなことではあるが、こういうことがあるから、私は本の積読の効用を否定したくない。ここらあたりが妻にはまったく理解してもらえない。



4次方程式の解の公式

2021-04-21 12:57:43 | 数学
4次方程式の解の公式とその分解3次方程式のことを考えている。

分解3次方程式の解 y_{1},y_{2}, y_{3} が求まれば、それと元の4次方程式の解 x_{1},x_{2}, x_{3}, x_{4} との関係がつく。ここまではいい。

そして、y_{1},y_{2}, y_{3 } のそれぞれに対して2次方程式の解を求めれば解が得られると本に書いてある。ところが y_{1},y_{2}, y_{3} のそれぞれに対して4つの解があれば、それで12通りの解が得られるような気がする。

しかし、元の方程式は4次方程式なので4つしか解がないはずだ。

元にもどると y_{1},y_{2}, y_{3} と x_{1},x_{2}, x_{3}, x_{4} との間には3つの関係があり、もう一つ分解3次方程式と元の4次方程式の判別式が等しいという条件があって、確かにx_{1},x_{2}, x_{3}, x_{4} を求める連立方程式はあるのだが、その解を簡単に見つけることができるのか、その方法をいまのところ知らない。

これは最近知り合いになった埼玉の I さんとの間で問題になっているところである。今朝、 I さんから電話があってこのことを考えざるを得なくなって考えあぐねている問題である。

私にそれについてのいいアイディアが出てくるのかどうか自信がない。だから、I さんに手紙を出すといったのだが、なかなか出せないでいる。

(2021.4.23付記)
4次方程式の4つの解が分解方程式の3つの解の組み合わせで表されるという風になっているらしい。だから、3つの解に対してそれぞれがなっているわけではない。理解と説明が十分ではないが、これを私は高木『代数学講義』から理解した。

これはようやく一昨日ほぼ一日かけて高木『代数学講義』の該当箇所を読んでの結論である。










e-learningのコンテンツに

2021-04-20 12:58:59 | 数学
私が以前にかなり時間をかけてつくったe-Learningのコンテンツに三角関数の章が欠けているので、だいぶんこのコンテンツを読んで、出版を勧めてくれたK社のT社長さんにはわるかったがお断りをしてしまった。

これは三角関数の章がうまく書けないためであった。いまでもうまく書けていない。数年前に書きかけたが、途中で筆が止まったままである。そしてそれを再開するきっかけがなかなかつかめない。

だからというわけでもないのだが、先刻県立図書館で『コンピュータの数学』を借りたときに、その本のそばに雑誌「Newton」別冊の「サイン、コサイン タンジェント」があったので、つい借りて来た。

三角関数が量子力学の分野で役に立つとかなんとかいうページがあったので、つい借りる気になったのである。

いまちょっと見たら、正弦法則のぺージがあるのに気がついた。もっともクトルのベクトル積と正弦法則の関係に触れているかとちょっと覗いてみたが、言及はしていないようである。日本で出版された本の限界なのだろうか。

ベクトルのスカラー積から余弦法則が導出できるし、ベクトル積からは正弦法則が導出できることはアメリカで出版されたベクトル解析演習書には載っているというのに。もっとも、これらの書は訳書が2冊とも日本語で出版されている。


『コンピュータの数学』

2021-04-20 12:35:18 | 数学
『コンピュータの数学』(共立出版)第2版は訳書である。この本があることは知っていたが、なにせ定価が9,000円と高価なことと直接に必要になることは今までなかったことで関心をもつことはなかった。

ところがインターネットで知りあいになったUさんがこの本に依拠した短い論文を書いてくれたおかげで、関心をもつことになった。

著者の一人はKnuthさんであり、彼は私などがいつもお世話になっている、texのシステムを自力でつくった人である。

ということで、すぐにこの書を購入することはしないで県立図書館から借りてきた(注)。直接には自然数のべき乗の和に関心がある。これについては「数学・物理通信」にいくつかの論文の投稿があり、それにつられてだったかどうかは覚えていないが、私もこの関係のエッセイを書いてきた。

そして、いつだったか忘れたが、ベルヌーイ数による自然数のべき乗の和の求め方について書いたので、この種のエッセイをもうお断りするつもりであった。

だが、Uさんによれば、自然数のべき乗の和の話題の総括的な議論がこの『コンピュータの数学』でされているとの情報を得たことと、最近読んだSさんのレポート「高校数学迷い記」に触発されてもう一度話題に挑戦して見たくなった。

うまくまとまるかどうかはわからない。どこかで完全なレポートとなることを願っているのだが。

(注)もうすぐ81歳となる老人なので、この書の購入はちょっと躊躇しているが、いい本であるのは確かなので、購入に踏み切る可能性は高い。

歳も歳なので

2021-04-19 18:12:43 | 本と雑誌
歳も歳なのでそろそろ今までやってきたことをある程度まとめておきたいと考えるようになった。

私の物理の理解など浅薄なものだが、それでも他の物理屋さんが考えないような捉え方をしているところもあるかもしれない。そんなことを考えている今日この頃である。


大学の教師をしていた関係で、これは専門ではない人に歴史的な原子物理学の展開の様子を講義する機会が数回あった。

これはいわゆる教養課程がなくなって、工学部に所属していた私などでも法文学部の夜間主コースの講義を受け持ったこともある。

これらの人々にはあまり専門的な話はできないので、適度に歴史的な話をしながら、講義をした。これは簡単なプリントを用意して渡したりもした。それらが残っている。

もっとも私の一番の弱点が歴史なので、私がある意味での歴史の先生というのはちょっと気が引けるどころではなかった。

もっともこの講義が7時半くらいから9時過ぎまでの講義であり、その前に時間を利用して、カナダ人のフランス語の先生の講義をとった。これが私の3回目の大学でのフランス語を母語とした先生の講義の受講であった。

その授業の後に私の講義があり、その講義を一緒に受講した学生さんがおられたらしい。試験の答案にそういうことが書かれてあったからわかった。


日曜日にはアクセス数が多くはないのだが、

2021-04-19 12:34:09 | 本と雑誌
このブログは日曜日には更新しないので、アクセス数が多くはないのだが、昨日のアクセス数が、1800位にかなり近かった。

普通は順位は2000代の後半から3000代の後半である。だから、どなたかが熱心にアクセスされたためであろう。

ありがたいことである。

すこしリフレシュしたのか

2021-04-19 12:15:13 | 本と雑誌
私はすこしリフレシュしたのだろうか。

インターネットでの活動は最近控え目にしてきた。その間、数学エッセイとか物理の講義ノートの一部を入力したりしてきた。

もっともそれらが完成するのはちょっとまだ先のことである。これらのインターネットでのトラブルで、自分の考えが消極的で後ろ向きになってしまった。もっと積極的で前向きでなければならないのに。

ここ数日の間に元愛媛数学教育協議会の会長だった、Sさんの「高校数学迷いある記」を読んでいる。Sさんは小学校の先生だったので、普通の意味では高校数学は知らなかったのだが、小学校から中学校へと塾生として来ていた生徒さんが高校生になっても来たので、自然と高校数学を教えることになった。

そして、その経験を「研究と実践」(愛数協)の季刊の雑誌に書かれた。それをまとめた小冊子を発行されたので、それを手に入れていたのである。

経験を大切にされた、その記述はなかなか興味深い。









6月か9月には通巻100号となるので

2021-04-17 11:55:26 | 物理学
6月か9月には通巻100号となるので「数学・物理通信」を終刊にしたらどうだろうかなどと考えるようになった。

これは別に本当にそうするということではないが、そんなことも選択肢の一つに入れなければならないほど私が追い詰められたということである。

これはワクチンソフトと関係している。マカフィというワクチンソフトとの関連でいろいろウイルス汚染の脅しをかけられたので、つくづくインターネットが嫌になったからである。

この件は少し落ち着いて来たらしいので、どうするかを再度よく考えてみるつもりである。

このブログも「数学・物理通信」の発行も私の仕事の大きな部分をなしているので、そう簡単には止められない。

もうひとつの私のやってきた、月1回の雑談会はこのところでのコロナ感染の増加でしばらくお休みを余儀なくされているのだが。

図を除いて

2021-04-16 13:59:48 | 物理学
図を除いて、ようやく特殊相対論の講義ノートの数式は入力をした。問題は図の入力である。

これはかなりの日数がかるはずである。そしてこれが終わらないとなかなか原稿ができたとは言い難い。

余弦定理の2つのエッセイについても図を除いて入力をしたが、図の入力をどうするかすぐには取り掛かる気が起こらない。これではいけないのだが、事実だからしょうがない。

以前と比べれば、ずいぶん図の入力が楽になっているのだが、それでも図の入力を考えるときはずいぶん身構えてしまう。

特殊相対性理論の講義ノート

2021-04-15 13:19:46 | 物理学
特殊相対性理論の講義ノートとはいっても普通にある講義のようではないものをE大学の工学部で「応用物理学」の講義の冒頭にしていた。この応用物理学は初歩の原子力工学であった(注)。

これはアインシュタインが導いた有名な質量とエネルギーの関係E=mc^{2}を天下りではなく、導くためであった。

だから、この特殊相対性理論の講義ノートは普通に大学の理学部で学ぶ相対論の講義のようではまったくなかった。そういうふうに導くことなどできない事情があったからである。

それを昔、自著の『数学散歩』(国土社、2005)に再録をしたが、今回「数学・物理通信」の原稿として入力しなおしている。以前にはwordで書いたのだが、それをlatex入力している。

図も書き直すつもりである。あまりきれいな図ではなかったので。

(2024.5.16付記)
このブログでは今にもの特殊相対性理論の講義ノートのlatexによる書き換えが終わりそうな雰囲気で書いてあるが、3年後の現在も一向に進んでいない。
その事情は当分変わりそうにないのは残念である。

最近は少し物理づいていて、定年退職後に4年ほど非常勤講師を務めたM大学薬学部の講義ノートも再入力するつもりである。いつか機会があれば、発表したい。

これはあまりページ数が多くなくて20ページをちょっと超えるくらいである。しかし、この講義ノートの演習問題につけた解答はやはり10数頁であるので、これも付け加えると30ページは超えるであろう。

(注)この講義の内容は私の決めたものではなく、上司の故荒木次郎先生が決めたものであり、この講義の準備のために原子炉の原理をはじめて学んだ。

とはいっても独学である。テクストは大山彰『原子力工学』(オーム社)であった。これも荒木先生の選んだテクストである。この本は読むのが難しくなくていいテクストだったと思う。

しかし、原子炉の臨界条件を解くところが、1か所だけ上の『原子力工学』では明瞭ではなかった。A先生の講義ノートを見てその説明を見つけて、私もそれにしたがった。これはStephanという方の英語のテクストに載っている説明だった。

『原子力工学』で原子炉の原理を教えた方が私と同じにいたとして、この箇所をどう教えておられたのだろうか。

このノートもいつかまとめてみたいとは思うが、いまでは原子炉の理論を面白く思う人など皆無かもしれない。それにこういう講義ノートなどまとめれば、原発賛成ととられる心配もある。

(2024.5.16付記)
もっとも、原発反対を晩年に説いて回った物理学者・武谷三男と豊田利幸さんの著書として、岩波講座「現代物理学」に『原子炉』がある。これは名著だと思われるのだが、ちょっと説明が簡単すぎて、わかり難いのが玉にきずである。



松山英樹のマスターズ優勝

2021-04-14 11:51:53 | 本と雑誌
松山英樹のマスターズ優勝は日本人にとって誇らしいことであった。

これは私の住んでいる松山が松山さんの出身であることもあるが、そだけではなく、日本全体が今回わいたことは確かである。

また、今日の朝日新聞ではは二つの会社が全面広告を松山さん姿とともに掲載していた。

その略歴も知らなかったが、松山市の雄郡小学校を卒業した後、明徳義塾中学校・高校を経て、東北福祉大学の出身だという。

そのどこの学校でもどこでもゴルフをする環境があったのだろう。

ゴルフはまったく門外漢だが、松山さんおめでとう。

名前もいろいろある?

2021-04-13 15:39:14 | 数学
いや、余弦定理の導出法についての以前に書いたエッセイを改訂しているのだが、その英語訳を調べたら、cosine ruleとかcosine theoremとかlaw of cosneとかいろいろあることに気がついた。

日本語でも余弦定理という人もあれば、余弦法則という人もあり、どれが正しくてどれが間違っているとかわからないし、いずれも正しいのかもしれない。

いや、定訳などないのかもしれない。