自民党の麻生幹事長は4日、民主党(DPJ)をナチス(国家社会主義ドイツ労働者党)に例えました。
これは内容云々に限らず、国際社会では絶対に許されない行為で、福田総理(自民党総裁)は麻生さんをすぐに更迭すべきです。
戦後の世界秩序は、ナチスを「絶対悪」として封印しました。「絶対悪」というのは、比較(相対化)することすら許されない悪、という意味です。
ですから、ナチスを何かに例えることは許されません。これはドイツでも、欧州全体でも米国でもそうです。
ユダヤ系の人が影響力をもっている世界において、ナチスを相対化する行為は絶対にいけません。
例えば、2002年9月18日、総選挙中のドイツのドイブラーグメリン法相は、ブッシュ米大統領がイラク戦争の準備をしていることについて、「経済など内政の困難に起因する不満を外にそらせる手法はヒトラーも採用した」と述べました。
総選挙に苦戦するシュレーダー首相の辞任要求を法相は突っぱねましたが、22日にシュレーダー首相が「総選挙後の法相更迭」を発表。翌日になって法相は首相に書簡を送り、自発的な辞任を申し出ましたが、時既に遅し。
総選挙で大敗した社民党は政権を失い、シュレーダー首相は退陣・議員引退し、CDU(キリスト教民主同盟)党首のメルケルさんが首相につき、政権交代しました。
このように「ナチスの相対化発言」は、ドイツでは政権交代に直結します。多少なりともユダヤ系の影響力がある社会では絶対にしてはいけない発言です。
ですから日本でもナチスの相対化は絶対にしてはいけません。日本は、世界的な石油高に悩まされています。これが「ナチスを相対化することが許されない世界」に日本がいることの証左です。
どのような表現であろうとも、ナチスを引き合いに出した時点で、麻生発言は絶対に許されません。麻生さんが政権政党のナンバー2である限り、日本は世界の孤児になります。
きょう8月4日は、64年前に「アンネの日記」のアンネ・フランクが、秘密警察に逮捕された日です。私も子どもの頃、深町眞理子さん翻訳の『アンネの日記』を読んで、物語をぶった切るように「日記」が終わってしまった違和感と、その理由が明かされる父親による「あとがき」を読んで、ナチスの鬼畜ぶりに激しく憤りました。
私が読んだのは旧版で、父親の意向で、終わりの方の思春期特有の性的描写が一部カットされた「日記」だったので、いっそう「ナチスに人生をぶった切られた」怒りが大きく感じられたのでしょう。
それにしても、日本の元外相で、(現在の)政権政党ナンバー2がこのような発言をするとは、虫酸が走ります。
麻生太郎は幹事長どころか、日本国衆議院議員を辞めるべきです。
1日1クリック集計の人気ブログランキングに参加しています。
国会閉会中も1日1回、ボチッとよろしくお願いします<(_ _)>
↓
麻生幹事長:早くも舌禍 「ナチス発言」に鳩山氏猛反発(毎日新聞)
自民党の麻生太郎幹事長は4日、就任あいさつやテレビ番組収録などに追われた。この中で、国会内で会談した江田五月参院議長に「民主党が政権を取るつもりなら、ちゃんと対応してもらわないといけない。ナチスドイツも国民がいっぺんやらせてみようということでああなった」と発言。民主党が「ナチスと同じ扱いは許しがたい」(鳩山由紀夫幹事長)と激しく反発する一幕もあった。
麻生氏は記者団に「国会での審議が大事なんじゃないかという話をした」と釈明したが、与党内でも懸念された「舌禍」が本格始動初日に早くも飛び出した格好となった。
この後、麻生幹事長の実現に動いた森喜朗元首相と国会近くのホテルで会談。森氏から「一生懸命、頑張れ」と声を掛けられた。
就任あいさつに先立ち、党本部では民放番組の収録に臨み、首相への意欲を聞かれると「期待に応える義務と責任はある。自分なりに覚悟はしている」と強調。福田康夫首相に関しては「これまで接点はほとんどなく、好きとか嫌いの対象ではなかった」と語った。
[資料写真、ナチス強制収容所で飢え死んだ人々=NHK「映像の世紀」第5集]