【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【代表選断念】野田佳彦さんは「経済・マネー」で研鑽を積んでほしい

2008年08月22日 14時51分00秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 民主党代表選への出馬を検討した野田佳彦さんが出馬を断念しました。

 私は野田さんのことをあまりよく知らないのですが、個人的に期待したいのは、野田さんは早大政経学部政治学科卒業なので、政治学科卒業生初めての宰相をめざしてほしいと思います。

 福田首相は同学部の経済学科卒業です。河野衆院議長も同じく経済学科です。私は1992年に政治学科に入学しましたが、政治学科の女子学生はスーツ姿が多くて、経済学科ではカジュアル姿が多いなど、文化の違いがあります。最近は国際政治経済学科なども新設されたので、政治学科から宰相が出てほしいという希望があります。

 野田さんは松下政経塾1期生。そして日本新党1期生(1993年の第40回総選挙で初当選)。代表選に名前があがっている河村たかしさん、枝野幸男さん、それと元代表(現在・副代表)の前原誠司さんも同じ日本新党1期生です。政権交代の志をもって国会に出てきた人の名前があがっています。この3人は当選5回生ですが、野田さんは第41回総選挙で105票差で落選したことがあり、当選4回。その辺で前のめりになりがちなのでしょうか。

 研鑽を積んで頂きたい。

 何より、野田さんには、会社経営者の経験がないので、「マネーの流れ(経済)」を学んでほしい。私はマネーの流れを学ぶのには、国語、算数が得意なら大丈夫だという持論を持っています。演説のうまい野田さんは、大丈夫なはずです。

 野田さんは毎週、「かわら版」というチラシを駅頭で配っています。

 2006年7月9日の「第.644号」では 「日銀短観」を取り上げています。
http://www.nodayoshi.gr.jp/kawara/backnum/2006/2006_0709.html


(抜粋引用)

 日本銀行が3日、6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表しました。その概要は、大企業の景況感が改善傾向にあり、旺盛な設備投資意欲をもっているというものでした。(略)

 これらの紙面を見て、私は大本営発表ではないかと思わざるをえないほど違和感を覚えました。なぜならば、かねてより私は、大企業の動向を中心とした日銀短観が日本経済の実態を正しく表しているのかどうか疑問をもっているからです。(略)

 日銀短観などによりますと、中小企業の定義とは、資本金2,000万円以上で1億円以下となっています。これは、一般の感覚からすれば、中小企業というよりも中堅企業でありましょう。景気の一番悪いところの実態把握をして初めて、有効な施策を講ずることができるはずであります。(略)

 好調な大企業や中堅企業の「光」ばかりが喧伝され、低迷が続く中小・零細企業の「影」には目もくれないような調査など何の意味もありません。正確な現状認識こそが、問題解決のイロハのイだと肝に銘じるべきでしょう。(略)


(抜粋引用おわり)

 「日銀短観が足元の景気を反映していない」というのは野田さんの言うとおりですが、日銀の短観(TANKAN)はそれでいいのです。日本は傾斜生産方式で経済が発展してきたので、大企業の景況感は「これからの景気」の先行指標になります。日銀の全国支店が3ヶ月に1回、直接アンケートしているので、短観の回答率はたいてい98%以上です。この対象を広げてしまうと、回答率は下がるでしょう。だから、短観は景気の先行きのモノサシとして極めて有効です。

 この「かわら版」については、以前から気になっていたことですので、今回、指摘しました。

 ここはひとつ、財務金融部門会議に所属して、後輩議員の目を気にせず、どんどん質問したらどうでしょうか。

 大きくて長い目標を持ってください、野田先輩。 

民主代表選、野田氏が出馬断念 小沢3選流れ強まる(共同通信) - goo ニュース
(共同通信)

 民主党の野田広報委員長は22日、9月の党代表選への出馬を断念した。小沢代表への支持が党内で揺るがず、自らを中心とする政策グループ内でも慎重論が続出したため出馬は困難と判断した。中堅、若手議員の間には、なお小沢氏の対抗馬擁立を模索する動きがあるが、小沢代表の無投票による3選への流れが強まってきた。野田氏は「慎重、自制を求める声が多かった。現実を受け止めたい。私の力不足で残念だ」と説明。

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