【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

愛知7区の山尾志桜里さんが日刊スポーツに載っていました

2009年08月20日 23時01分25秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 “ブーム”や“風”というよりも“地殻変動”の政権交代選挙。

 解散後、“姫刺客”への関心が増えていて、当ブログにも、「山尾志桜里」「山尾志桜里 アニー」というキーワードで連日30人前後が来ています。

 愛知7区の山尾志桜里(山尾しおり)さん、新聞標記の関係で、「山尾志桜里」さんでの検索が圧倒的に多いので、当ブログも「山尾志桜里」さんの標記をメーンにしたいと思います。

 20日付日刊スポーツは「注目選挙区 初代Annieつじ立ち連呼 東大→検察官 民主・山尾氏 愛知7区舞台に立つ」の見出し。

 名前にあやかったんでしょう、桜(サクラ)柄の浴衣姿で握手する山尾候補の大きな写真と、小6・中1の「初代アニー時代の山尾さんの写真(日テレ)」、そして、ハンドマイクを持ち本人タスキをかける公示前と思われる辻立ち姿が載っています。

  記事では、「愛知7区は事実上、民主vs自民の一騎打ちだ」としたうえで、初代アニー→東大法学部卒→元検事の華麗な経歴を紹介。

 かねがね、芸能界→東大法学部という経緯が気になっていたのですが、記事によると、山尾さんは映画版「アニー」を見て感動し、日テレ製作の舞台のオーディションに応募。小6・中1の2年間、初代アニーになり、芸能活動はそれだけだったようです。ウィキペディアの情報では、東京の私立小4年生のときに通っていた英語学校のアマチュアミュージカル「アニー」で主役を演じていたそうで、これがきっかけだったようです。

 山尾候補は、東大法学部在学中に“被害者とともに泣く検察”という言葉にグッと来て、司法試験を志したそうです。

 私が首相番をしていたころ、山一証券廃業・北海道拓殖銀行破たんに続き、「大蔵省・日銀接待疑惑(ノーパンしゃぶしゃぶ)事件」が発生し、大蔵省の大臣・次官、日銀の総裁・副総裁のクビがいっぺんに飛ぶという、おそらく金融行政史上最悪のできごとがありました。このとき、大蔵大臣をリリーフしたのは松永光さんという人でした。物静かな手堅い人物で、けっして実力者ではありませんでしたが、橋本龍太郎首相は「検察官出身である」、「経済閣僚の通産大臣の経験もある」ということで、松永氏を起用しました。実際のところ、松永氏の検察官経験は1年弱しかなかったようなのですが、そのことを記者から指摘されても、首相は「元検察官が大蔵省を不祥事から建て直す」というメッセージで押し切り、世論の支持を得ました。

 芸能界にも立派な人がいます。とはいえ、やはりヤッちゃんが幅を利かす社会。民主党愛知7区総支部は、小林憲司元議員が覚醒剤所持で逮捕されるという不祥事がありました。日刊スポーツは、「(山尾候補は)『まだまだこれからです』と言うが、一時は党の信頼が揺らぎ、支援者が離れていった選挙区で手応えを感じている」とリポートしてくれています。

 がんばれ!!









初代「アニー」の元検事が民主党から出馬へ 愛知7区(2007年12月13日付)

民主党山尾しおり・みなさんへご挨拶~日々の活動と政策提言
http://www.youtube.com/watch?v=ggsYoif_-NM

民主党山尾しおり政策動画1/4「政権交代に向けて」
http://www.youtube.com/watch?v=Rl7hoC0JwkM

初代アニー民主・山尾氏つじ立ち後は連呼 - 政治ニュース : nikkansports.com

 愛知7区は事実上、民主VS自民の一騎打ちだ。民主党の新人山尾志桜里氏(35)は、ミュージカル「アニー」の初代アニー役を務め、東大法学部卒の元検事。対する自民党前職の鈴木淳司氏(51)は「落下傘には負けない。桶狭間の戦いだ」と地元出身をアピールする。選挙区の豊明市には桶狭間古戦場がある。

 山尾氏は近くに今川義元の墓がある沓掛地区の交差点でマイクを握った。車の中から手を振る多くの男性に「ありがとうございます。頑張ります」とガッツポーズと笑顔で応える。つじ立ち後は住宅地などをくまなく回り「無駄遣いしてきた当事者に無駄はなくせません。官僚とのしがらみを断ち切ります」と連呼。人を見つけると、笑顔で駆け寄り支持を訴える。年配女性は「娘みたいだ」と話した。

 山尾氏は映画版「アニー」を見て感動し、ミュージカル「アニー」のオーディションに応募。小6から中1の2年間、初代アニー役を務めた。その後、芸能界には進まず、人の役に立ちたいと東大法学部へ進学。在学中「被害者とともに泣く検察」の言葉をきっかけに司法試験を目指し、検察官になった。東京地検を皮切りに名古屋地検岡崎支部を歴任するも、社会に希望を持てない人が犯罪に走る現実に、世の中を根本から変えたいと政治家を目指した。

 「元検察官として、この選挙区の公募に応じました」。覚せい剤所持容疑で逮捕された元民主党候補の地盤でマイナスからのスタートを選んだ。公募に合格した07年12月から瀬戸市に居を構え、つじ立ち、飛び込みでのポスター張りを行ってきた。夕暮れ時になると「桜柄の浴衣」に着替え、地域の盆踊り会場へ飛び入り参加する。これまでに大小合わせて約40の夏祭り会場に足を運び、最近では逆に握手を求められる人気ぶり。本人は「まだまだこれからです」と言うが、一時は党の信頼が揺らぎ、支援者が離れていった選挙区で手応えを感じている。【鈴木健司】


【保存版】予算書コード番号の読み方 財務省主計局長の解説

2009年08月20日 23時01分15秒 | その他

(このエントリーの初投稿日は2009年8月20日)

【追記 2011年6月19日】

 さて、このエントリーはありそうでない一級品の資料です。これは丹呉泰健(たんご・やすたけ)財務省主計局長(当時、後に財務事務次官、昭和49年大蔵省入省)が、参議院予算委員会で、民主党の大塚耕平さんの質問により、予算書コード番号の読み方を政府参考人として答弁したようすです。政権交代前最後の通常国会となった第171回国会です。このエントリーにオンベッドしていたYouTube動画のリンク先が切れていますので、議事録をご紹介します。【追記、いったん終わり】

 国の一般会計予算書には各政策ごとに「 予算書コード番号」が付いています。しかし実際は、国会議員、秘書、議会事務局、官僚、新聞記者とも読み方を知っている人はかなり少ないようです。“いわゆるアニメの殿堂”157億円は、2009年度(第1次)補正予算書には次のように書かれています。

 

【追記 2011年6月19日】

 で、この「95072130516」の読み方。

[以下、主計局長の答弁から引用はじめ]

 予算書のコード番号は全体で11けたになっております。
 それで、まず左の2けた、この例でございますと「95」と書いてございますが、この左の2けたは、社会保障関係費など、政府の諸施策がどのように配分されたかを示す主要経費別の分類でございます。この「95」は「その他事項経費」でございます。
 それから、その次の「072」という3けたは目的別分類ということで、予算がいかなる経費に分類、配分されているかということで、例えば国家機関費とか社会教育・文化費、国土保全等々に分類されております。
 それから、その右の「」という数字でございますが、これは公債発行対象経費か非対象かということで、この「1」というのが「建設公債の対象の経費」を示すものでございます。
 それから、右の「30」という2けたは経済性質別分類ということで、支出を経済性質から分類したもので、例えば資本支出ですとか現金による社会給付といったような形で分類しております。
 それから、この表では「」という数字がございますが、これは使途別分類ということで、人件費、物件費というような形の経費で分類してございます。
 それから、最後に二けたの、この表では「16」という数字がございますが、これは目別分類ということで、経費の最終支出によりまして分類したものでございます。
 こういったコード番号によりまして予算を多角的に分析できるようにしているところでございます。

[引用おわり]

 ということで、予算書コード番号を理解しましょう。一般会計予算書や特別会計予算書の最後の方にも、解説のページがあります。

 次のpdfファイル(http://www.bb.mof.go.jp/server/2011/dlpdf/DL201111001.pdf)の995ページもみてください。

 こういう言い方も何ですが、予算書こそ「利権の宝庫」なんですから、政務三役でない与党政府外議員、野党議員も予算書をみて、どんどん議論していきましょう。国民もチェックして、政治を国民の手に取り戻しましょう。

[議事録から引用はじめ]

第171回通常国会(麻生内閣) 参議院・予算委員会 - 22号
平成21年05月21日

(前略)

○大塚耕平君 テレビを御覧の国民の皆さんには非常に分かりにくいと思うんですが、これまた予算改革のためには大事なことなので、これが予算の各目明細というものです。(資料提示)与党の先生方や閣僚の皆さんもよく御存じのとおりです。ここにコード番号というものが予算ごとに付いているんです。皆さんのお手元には、この「補正予算の実態」という資料の下の方にアニメの殿堂の含まれている百五十七億の予算のコード番号を付けてあります。
 主計局長にお願いしたいんですが、このコード番号、よく分かるように御説明ください。

○政府参考人(丹呉泰健君) お答え申し上げます。
 コード番号は、予算の内容につきまして、その分析を多角的に行うため、予算書に添付している予定経費要求書において経費の最終支出を表す予算の各項目ごとに設定しているものでございます。
 それでは、先生の資料、「補正予算の実態」の下段に「予算書コード番号」というのがございますので、これに沿いまして御説明させていただきます。
 予算書のコード番号は全体で十一けたになっております。
 それで、まず左の二けた、この例でございますと九五と書いてございますが、この左の二けたは、社会保障関係費など、政府の諸施策がどのように配分されたかを示す主要経費別の分類でございます。この九五はその他事項経費でございます。
 それから、その次の〇七二という三けたは目的別分類ということで、予算がいかなる経費に分類、配分されているかということで、例えば国家機関費とか社会教育・文化費、国土保全等々に分類されております。
 それから、その右の一という数字でございますが、これは公債発行対象経費か非対象かということで、この一というのが建設公債の対象の経費を示すものでございます。
 それから、右の三〇という二けたは経済性質別分類ということで、支出を経済性質から分類したもので、例えば資本支出ですとか現金による社会給付といったような形で分類しております。
 それから、この表では五という数字がございますが、これは使途別分類ということで、人件費、物件費というような形の経費で分類してございます。
 それから、最後に二けたの、この表では一六という数字がございますが、これは目別分類ということで、経費の最終支出によりまして分類したものでございます。
 こういったコード番号によりまして予算を多角的に分析できるようにしているところでございます。

(後略)

【追記おわり】


きょう(20日)から政見放送スタートしました ※地域により

2009年08月20日 09時47分01秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 早い地域では、きょう(20日)から政見放送がスタート。

 こちら首都圏では、

 TVは、午前8時35分から、衆院小選挙区群馬、11時5分から、比例南関東(前半)、午後4時5分から、小選挙区・千葉、午後10時50分から、比例南関東(後半)の政見放送があります。

 ラジオでは、午前8時20分から、衆院比例南関東ブロック、午後8時5分から、小選挙区・千葉の政見放送があります。

 TVとラジオは内容が違います。政見放送のほかに、経歴放送があります。これは立候補者の経歴をアナウンサーが読み上げます。

 第45回衆院選に積極的に関わりたい方で、選挙事務所に行ったり、外出したりしない方は、政見放送の時間を調べて視聴し、投票の基準にしたり、マニフェストへの理解を深めることをおすすめします。

人件費2割削減(1・1兆円)は初めに地方分権ありき

2009年08月20日 05時12分41秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 マニフェストの「ムダづかい(の削減)」、国家公務員の人件費(今年度は5・3兆円)の2割削減、1・1兆円の節約について混乱がでているようです。

 おとといの新聞に次のような投書がありました。

 「民主党マニフェストに国家公務員人件費2割削減という項目がある」「しかし、公務員を冷遇することが国家、国民のためになるだろうか」「公務員だから給与を低く抑え酷使しても許されるというのはおかしい」「優秀な人材を集めるにはある程度の厚遇も必要である」と51歳男性。

 ご説ごもっともですが、ここには「国の出先機関を原則廃止し地方分権をすすめるので国家公務員の人数が減る」という大前提が抜け落ちています。

 マニフェスト、これは公選法上の文書(パンフレット)なので、党本部のホームページには出ていませんが、手元にあるマニフェストの7ページに、次のような説明文が載っています。

 「地方分権推進に伴う地方移管、各種手当・退職金等の水準や定員の見直し、労使交渉を通じた給与改定(公務員制度改革後)など様々な手法により、人件費を削減」すると明記してあります。

 人件費2割削減=給料2割カットではありません。国の出先機関(○○省関東○○局など)を自治体に移すという地方分権をすすめるので、国の公務員の人数が減ることになります。

 マニフェスト19ページの各論でも、「国と地方の二重行政は排し、地方にできることは地方に委ねる」「国の出先機関を原則廃止する」と書いてあります。

 私は総務庁の出先機関が集めた情報に基づく「行政監察」という国のしごとを10本以上新聞記事にした経験があります。これは今で言う、総務省○○管区行政評価局です。私の経験からすれば、この出先機関はきょう全廃しても、日本中でだれひとり困る人はいないと思います。職員の雇用への配慮は必要です。廃止はできない仕事をかかえる、その他の出先機関も、自治体に機関を移したり、自治体への法定委託事務にすれば十分でしょう。

 仕事が増える自治体には、地方一括交付金が手当てされることになります。地方一括交付金は地方交付税交付金と補助金を整理して作ります。このスケジュールは、マニフェストの工程表(来年度から4年間)には載っていませんが、民主党政権の改革スケジュールに乗っていることは間違いありません。

 岡田幹事長は、ゆうべ(19日夜)の報道ステーションで、「マニフェストに書いてありますから、4年後に2割(削減)というのが目標ですけれども、その中には地方に移したりというのも入っていますから、そういうのも含めて2割(削減)ということになりますが、私は思いきってやるべきだと思います」と述べましたが、岡田さんも「初めに地方分権ありき」の「人件費2割削減」であることをもっと明確に説明した方がいい、と思います。

 人件費2割削減は地方分権が大前提です。