【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

第45回衆院選公示、埼玉15区で高山智司さんがリラックスして出陣した理由は

2009年08月18日 16時39分39秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 第45回衆院選が18日公示され、埼玉15区では高山さとし(高山智司)候補らが立候補を届け出ました。少しだけ秋めいてきた風を感じながら、南浦和駅から選挙事務所まで歩きました。

 高山さんは第一声で「(日常活動で)やるだけのことはやったな。あとはどんどん選挙をみんなが怪我なく、楽しんでやればいいという気持ちに成りました」と語りました。39歳とは思えない、リラックスした出陣で、大変印象に残りました。

 

 私は昨秋から、高山さんが臨戦態勢で、埼玉ですから、国会日程の合間を縫って、地元に帰り、日常活動にいそしんでいたのを知っていたので、やるべきことをしっかりやってきた自信が落ち着きになっているんだと感じました。

 8時頃、かなり早く選挙事務所に着いたので、待っていました。

 数人のスタッフの方に続き、高山さんの奥さんが「何もできませんけど、高山の家内です」と言って事務所に入ってきました。高山さんは独身だと思っていたので驚きました。続いて、高山さん本人が登場。

 8時半過ぎ、立候補番号は4番になったと連絡が入りました。高山さん本人は「1番にならなかった」などと悔しがることなく、実に淡々としていました。大手新聞社さいたま総局の記者も来ました。

 選挙看板のお披露目セレモニーをやって、スタッフ・ボランティアとまずは記念撮影。私がカメラを構えると、「あなたのブログは更新できるんだもんね」とあっさり一言。

 出発式でも「2005年の郵政選挙は、自分でも何をやっていいのかなあと悩みがありました」「お陰様で夕べはよく眠れました」と淡々と話しました。私が民主党を支持するというか、好きな理由はここにあります。自民党代議士はスーパーマンぶる人が多いのですが、代議士はあくまでも人間です。そしてすべての人間は弱い。夕べは眠れたかどうかとか、前回は迷っていた、という人間が弱いという当たり前の現実を認める社会。おそらく、「友愛社会」というのもそういう意味だと思いますが、それを前提にしている。

 人間が弱いと認めることは、欧米、すなわちキリスト教文明では当たり前のことです。まもなく着任するルース・米大使も米上院の承認を受けるための公聴会も、まずは同席する家族の紹介から始まりました。

 私も解散前後から、すさまじいストレスを感じながら、体も心も余裕なくすごしてきて、ブログにも遊びの要素が少なくなっていたのですが、高山さとし候補のあっけらかんとした姿勢にすっかり肩の荷が降りて、楽になりました。高山さんの座右の銘は「明日できることを今日するな」。

 やはり選挙とは人生そのものだと思います。

 しっかりと日常活動を後悔なくやれば、これだけリラックスして公示日を迎えられるんですね。

 埼玉15区はさいたま市の桜区と南区、戸田市、蕨市です。高山さんは前々回は元大蔵大臣を小選挙区で破って初当選しました。が、前回は郵政ブームの下、 32年つとめた前蕨市長の息子である自民党の田中良生さんが小泉チルドレンとして当選。高山さんは惜敗率79%とずいぶん風にあおられましたが、北関東ブロックで比例復活しました。

 埼玉15区には民主党の高山智司さん、自民党の田中良生氏、日本共産党の村主明子氏、諸派の石井安氏が立候補しています。出発式に先立ち、自民党の戸田市議が戸田市長の分も含めて、陣中見舞いに見えたそうです。自民党の事務所にも寄っているのかもしれませんが、市議はさっぱりとした顔立ち。

 今度の選挙は名前を連呼せずに、マニフェストを訴えていきたいという高山さん。毎晩午後7時に駅前でマニフェスト説明会をするそうです。選挙区をよく歩き、その特徴を的確につかんだ高山さん。

 高山さんは衆院議院運営委員をつとめ、本会議場での議場内交渉係を務めています。民主党でも国民運動委員長代理(遊説局長)を務めており、国会・党ともに要職を兼ねています。政治センスに長けたアイディアマンで、所属する一新会のみならず、民主党を代表する青年政治家だと思います。

 私は公示前には小沢一郎さんをこのブログで批判することがありましたが、一新会を全否定しているわけではありません。高山さんのように能力のある政治家は、グループに関係なく、民主党の将来、日本の将来を担う政治家として、応援しています。

 高山さんは近い将来、国会対策委員長や政府の要職をやれる傑物です。政権交代に一丸となるためとはいえ、ときに物が言いにくくなる民主党体質の風穴をあけられる政治家として期待します。与党になっても、高山流をしなやかに貫いてほしいです。

 ぜひ、高山さんに力を与えてください。

 ◇

堂々たる民主党 国策捜査に一歩もたじろがず

(上記リンク先から抜粋引用)

 高山さんは、マイクの前で「いやー昨日はビックリしまして、本当にどうなるかと思いながらどしゃ降りの雪を見ていましたが、今日はご覧の通り、見事に晴れましたので、晴れの本会議で堂々と演説したいと思います!」
 とっさに先輩議員から「なんだ何を言い出すかと思ったよ」と声があがり、この日初めて笑いが起きました。(抜粋引用おわり)


同行取材のてんまつ記 菅さんネットカフェ視察


鳩山・岡田・菅第一声にかけつける方へのお願い

2009年08月18日 06時46分37秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

 民主党ホームページが
http://www.dpj.or.jp/media/index.html
 幹部の活動日程をお知らせしています。

 第45回衆院選公示日のきょう18日、鳩山代表が大阪ミナミで第一声。岡田幹事長は福岡、菅代行は東京で第一声をあげます。

 このもようはきょうのTVニュースで見られますが、幹部の隣りにいる民主党公認候補の姿は、写らないか、モザイクがかかると思います。

 これは公選法第148条が「新聞紙・雑誌は選挙の公正を害してはならない」とし、その第235条の2で「選挙の公正を害した時は2年以下の禁固またあ30万円以下の罰金に処する」との罰則規定があるからです。

 とはいえ、「公正」ならば、候補者の姿を報じても、問題ありません。しかし、そのために他党の候補を取材するのは面倒です。TV、新聞社はどこも経営が厳しく、経費を節減しています。とくにテレビ局は免許稼業ですので、所管官庁やスポンサーからのクレームなどの面倒なことになりたくないのが本音。また、テレビ局の取材・編集の現場は、下請け企業や派遣社員が多く、「触らぬ神に祟りなし」という意識があるのが現状です。最悪の場合、放送免許取り消しもありえます。


 ぜひ演説を聞きに行った人は、民主党の弁士、そして、候補のようすについて、写真や感想をケータイメール、電話、日常会話で広めていただきたいのです。有権者のパーソナル・メディアによる“報道”は公選法の規制外です。

 これから12日間は、鳩山・岡田・菅のトリオが全国をまわりますが、演説先の選挙区はすべて当落線上。民主党候補の当選が確定的な選挙区は一つもありません。ぜひ、パーソナル・メディアで選挙区内外の友人・親戚・知人に雰囲気を伝えて欲しいのです。

 鳩山さんの第一声、大阪ミナミは大阪1区に限らず、他の大阪府全選挙区へのメッセージも込められていると思います。

 菅さんが回る東京の選挙区は、半年前までは当落線上にもはるかに及ばなかったのに、都議選後に可能性が出てきた選挙区がほとんどです。私たち有権者が何も動かなければ、落選でしょう。

 岡田さんが回る九州の候補者は前職が多いですが、前回は惜敗率上位で比例復活した人たちです。第45回衆院選で小選挙区当選は、さらに上積みが必要です。

 遊説日程に、選挙区名と候補名を書き加えてみました。

 ▼鳩山由紀夫代表
 9:15メド~  大阪1区・熊田篤嗣候補 高島屋大阪店前(大阪市中央区難波5-1-5)
 11:05メド~ 京都1区・平智之候補 四条河原町阪急前(京都市下京区四条通河原町東入真町68)
 13:30メド~ 愛知15区・森本和義候補 豊橋駅東口ペデストリアンデッキ
 14:55メド~ 静岡1区・牧野聖修候補 青葉イベント広場(静岡市葵区呉服町2)
 16:45メド~ 神奈川 横浜市長選挙 横浜駅西口
 18:35メド~ 東京1区・海江田万里候補 四ツ谷駅サンサン広場

▼岡田克也幹事長
 10:00メド~ 福岡7区・野田国義候補 八女公園(八女市本町569-1)
 11:00メド~ 福岡6区・古賀一成候補 久留米市東町公園(久留米市東町26)
 12:20メド~ 福岡5区・楠田大蔵候補 くすだ大蔵春日事務所前(春日市天神山3-11-103)
 13:30メド~ 佐賀2区・大串博志候補 三田川町サンプラザ゛駐車場(神埼郡吉野ヶ里町吉田785)
 15:00メド~ 長崎3区・山田正彦候補 大村駅前
 18:00メド~ 長崎2区・福田衣里子候補 島原市役所裏ロータリー(島原市上の町537)
 20:10メド~ 熊本2区・福嶋健一郎候補 荒尾シティモール 2Fシティホール(荒尾市緑ヶ丘1丁目1番地)

▼菅直人代表代行
 10:00メド~ 東京22区・山花郁夫候補 調布駅北口
 12:00メド~ 東京18区・菅直人候補 大國魂神社(府中市宮町3-1)
 13:45メド~ 東京5区・手塚仁雄候補 二子玉川駅西口
 15:05メド~ 東京4区・藤田憲彦候補 大森駅西口
 16:20メド~ 東京15区・東祥三候補 西友東陽町店前(江東区東陽4-12-30)
 17:10メド~ 東京14区・木村剛司候補 錦糸町駅北口ロータリー
 18:00メド~ 東京16区・初鹿明博候補 平井駅南口
 19:00メド~ 東京13区・平山泰朗候補 北千住駅西口ロータリー

 ホントウにカンタンで良いんです。選挙の話題というのはきっかけです。写メールを送るだけでもいいんです。

 毎日、この一覧表を作るのは大変ですので、ご自身でチェックしてください。これから12日間の選挙戦、鳩山・岡田・菅「来る!」は喜びであると同時に、あなたのお住まいの選挙区が政権交代ピンチである証拠なんです。

 12日間、私たち有権者の力を結集して、確実に政権交代を実現しましょう。


さしかえの中屋大介さんも一緒に政権交代めざす 比例単独59人の顔ぶれ決まる

2009年08月18日 05時02分19秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

[写真]左から小沢一郎さん、野田国義・福岡7区公認候補、中屋大介前福岡7区総支部長=2008年9月25日(民主党ホームページ)。

 民主党は18日午前にも全国に11ある比例ブロックの名簿を確定します。午後5時の立候補届出締め切りまでに、届け出ることになります。

 これに先立ち、同日未明、単独候補者59人の顔ぶれが発表されました。全員が小選挙区候補の下位に付きますが、順位は調整中です。

 民主党はすべてのブロックで小選挙区立候補者を1位で重複立候補させます。

 第45回衆院選の民主党候補は公認内定者として、小沢一郎さんが世論調査の結果をみて、党公認候補としました。早くから、「候補者さしかえ」をちらつかせ、日常活動での奮起を促し、情勢分析に基づき昨年11月に1次公認を決定。その後、2次公認、追加公認という格好で、270人の公認候補を決めました。

 公認内定者のうち、福岡7区(前職は自民党の古賀誠元運輸相)では、前回に引き続き、中屋大介さんが日常活動をしてきました。が、中屋さんは地元出身ではなく、調査結果に伸び悩みがありました。2008年9月25日、小沢裁定により、福岡7区総支部長は、八女市長だった野田くによし(野田国義)さん差し替えられました。

 中屋さんも日常活動の中で、「八女市長の野田さんが出てくれたら、民主党も勝てるかもしれないのにねえ」と言われることがたびたびあった、とブログで述懐していました。このため、冒頭の写真のようにさわやかな候補者さしかえとなりました。結局、新人の公認内定者のさしかえはこの1件だけでした。

 九州ブロックには全部で38の小選挙区があり、比例ブロックは21人です。九州ブロックは最近まで比例単独名簿は付けない方針でした。福岡県、熊本県、鹿児島県などで民主党候補がさらに伸びれば、比例下位の中屋さんにも可能性が出てきます。みんなの頑張りで、中屋さんも一緒に政権交代をかけた選挙戦に挑むことができました。

 なお、18日付朝日新聞4面に載っている民主党の比例単独候補者は以下の通りです。未明の発表ですので、最終版にしか載っていないと思います。夕刊などでご確認ください。繰り返しになりますが、順位はまだ決まっていません。

 

[中屋大介さんの関連エントリー]

【鬼小沢】現職の岩國さん、末松さん漏れる 民主党、187人の1次公認発表 内定者の76%
2008-09-12 23:59:41

民主党、総選挙必勝へ、一部候補者さしかえ
2008-05-21 10:41:51 

民主党:小沢代表、福岡7区公認予定候補に八女市長・野田氏擁立を発表

 小沢一郎代表は25日、福岡県八女市内で記者会見を開き、次期衆議院議員選挙福岡県第7区の公認予定候補者として、現役の八女市長、野田国義氏を擁立することを決定したと発表。会見には野田氏とともにこれまで7区の公認内定候補者として活動してきた中屋大介氏、県連会長の松本龍衆院議員、山口連合会長が同席した。

 小沢代表は、日本は戦後公正で平等な社会をつくりあげてきたが、小泉政権以来行き過ぎた市場主義、弱肉強食の政治が横行し、あらゆる面で格差が大きくなったと分析。所得は低迷する一方、税金、保険料、物価は高騰し、国民の打撃を被っているとして、「その最大な原因は自民党政治である」と指摘し、その是正のためには何としても政権交代が必要であると改めて強調した。

 今回、野田氏が「国民の生活が第一」とする民主党の主張に共鳴して立候補を決意してくれたことに謝意を述べるとともに、野田氏がこれまで市長として地域のために改革に取り組んできた経験を高く評価。地域の中で活動してきたその情熱と力を、今度は国政で共に力をあわせて頑張ってもらいたいと出馬を要請、今日の決意に至ったと経緯を説明した。「(野田氏の立候補を)嬉しく思うと同時に力強く思っている。本当の意味の改革、国民の皆さんのための政治を実現するためにともに頑張ろう」と力強く語った。

 また、野田氏の出馬に際し、「自民党政権に代わって勝負するため、立派な候補者が出てきたなら応援する側に回る」と覚悟を決めた中屋氏に対しても「頼もしい」と称え、「解散総選挙と目される日までわずかしかないが、これまでの皆様のご理解に感謝するとともに今後更なるご支援を心からお願いする」と締めくくった。

 野田氏は、「小沢代表に出会い、覚悟と熱意を受け取った。日本を変えよう、地方を再生しようという強い思いを受け止めた」と表明。そのうえで、日本は危機的状況にあるとして、石油や食料の高騰、年金・医療・介護の崩壊などを指摘。「国民は次期総選挙において勇気をもって立ち上がり、政権交代を成し遂げ、日本の再生を実現しなければいけない」と主張。そのチェンジのときに政権選択、総選挙に参画できることの喜びと同時に身が引き締まる思いであるとの所感を述べ、全身全霊を込めて戦っていくことを誓うと宣言した。

 続けて、「何より中屋氏が福岡7区からの民主党のたすきを渡してくれたことに感謝。勝利に向かってそのたすきで全力で走り続けたい」と熱くその決意を語った。

 記者からの「候補者に野田氏を選んだ理由は」との問いには、「私から申し上げるまでもない」と前置きした上で「小選挙区で何としても勝利するため必要な人物」と話した。(後略)


第45回衆院選きょう(18日)公示、ブログ更新続けます。

2009年08月18日 00時12分17秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代
 第45回衆議院議員総選挙はきょう18日(火)公示されます。あす19日(水)から投票が始まります(期日前投票)。

 選挙運動は18日の立候補届出から29日(土)まで。当日投票は30日(日)です。早い自治体では30日午後8時から開票が始まります。

 さて、言うまでもなく、このブログは私個人が運営している物であって、政党・候補者のブログではありませんので、公選法142条の「文書図画の頒布」の対象外です。選挙期間中、投票日もブログ更新を続けます。

 また、公選法148条の「新聞紙、雑誌の報道及び評論等の自由」に定める新聞紙、雑誌に関しても、ブログは規制の対象外となっています。

【ブログ上での選挙区の人気投票は禁止】

 なお、公選法138条の3は「人気投票の公表の禁止」を定めています。特定の選挙区で公職に就くべき者(当選者)を予想する人気投票の経過又は結果を公表してはいけない、という規制です。インターネットによる投票に関しては1999年11月24日、大阪府選挙管理委員会の問い合わせに対して自治省は「抵触する」と回答していますので、ブログでもできないと思われます。

 いわゆる“政権交代ブログ”の中でも、現時点で、いわゆる“郵政造反組”が立候補する特定の選挙区の人気投票を掲載している方がいますが、これは選挙期間中はできないと思われますのでブログから外した方がいいと思います。

 人気投票を禁止した立法趣旨は、選挙賭博により、選挙の結果が歪まないように配慮したものです。