宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

「総理も同じことをしていたのだな」 

2012年03月04日 06時09分00秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


[総理も同じことをしていたのだな 竹内譲さんと野田佳彦さん]

 公明党の竹内譲さん(比例近畿ブロック)は当選2回生

 2012年2月23日(木)の衆院予算委員会集中審議(円高・デフレ・一次産業)のなかで、野田佳彦総理と心が通い合う場面がありました。

 「(昨年8月の)民主党代表選の演説を聞いていて、ああ、総理も同じことをしていたのだな、と感じました。総理と私は平成5年に初当選して、2人とも平成8年に落選しました」としました。

 平成5年(1993年)の第40回衆院選で野田さんは日本新党公認で、竹内さんは公明党公認で初当選。ともに新人ながら、両党ともに初めての与党経験として、細川護煕・羽田孜内閣を支えました。この間、京都市を地盤とする竹内さんは、阪神・淡路大震災について、橋本龍太郎首相に質問をしたこともあります。そして、新進党結党。竹内さんは新進党京都府連幹事長も務めました。第41回衆院選では同じ新進党公認で出馬した野田さん、竹内さんですが、当時の小沢一郎党首が選挙直前に政策審議会(政調会)が積み重ねた「政権交代に向けた公約」にまったくなかった「消費税の5%への引き上げ絶対反対」という抵抗野党“社会党化”したマニフェストで、55年体制崩壊政治改革のムードが台無しになり、多くの有能な人材が犬死にしました。野田さん、竹内さんも落選しました。

 「その後、私は自ら志願して、地方議員になり、紆余曲折がございまして、ここにいます」と現在2期生の竹内さん。

 竹内さんは衆院落選後、京都市議会議員を3期やり、第45回衆院選で国政復帰しました。それから2年は、竹内さんは財務金融委員会で野田さんとずっと議論してきました。

 野田さんは「竹内さんとは同期生で、私も中小(および零細)企業を回って、1ヶ月に1万円を集金して、領収書をきってまわりました」。

 野田佳彦さんは2011年8月29日(月)の民主党両院議員総会で、「3年8ヶ月の浪人中に、当時所属していた政党(新進党)は解党してしまいました。政党助成金(支部交付金)は来ません。中小(および零細)企業のおやっさんのところを、振り込みだなんて失礼ですから、歩いて回って、領収書を切って回りました」と語り、同月直木賞を受賞した「下町ロケット」のように中小および零細企業の技術力が日本のフロンティアだと演説。代表に当選しました。

 竹内さんは今は違う党ですから、それをテレビで聞いて、「ああ、総理も同じことをしていたのだな」。その中で、中小企業のことをよく知ることができたとしています。野田さんは「社長の奥さんがいるときには、もらえないこともありました」と照れ隠し。「そういうみなさんは、きょうより明日は良くなると信じて毎日暮らしていた」として分厚い中間層の復活を期しました。

 [外相吊し上げが沖縄の心の原点 遠山清彦さんと岡田克也さん]

 2月26日(日)と27日(月)に野田佳彦首相が初めて沖縄を訪れましたが、これに先立つ2月17日(金)の衆予算委集中審議(在日米軍・安全保障)。

 公明党沖縄方面議長をかねる衆院議員の遠山清彦さんが登場しました。


[写真]遠山清彦さん。

 普天間飛行場の海兵隊員のグアム移転と辺野古崎沖の埋め立てが切り離され、明るい兆しがでています。しかし、「最低でも県外」という鳩山由紀夫首相による妄言による政府と沖縄の不信感の中で、ホントウに(普天間飛行場の)先行返還ができるのか。



 この写真は朝日新聞さんの報道写真です。岡田克也さんは外相時代の2009年末、民主党沖縄県連の第3区総支部(玉城デニー衆院議員)と4く総支部(瑞慶覧長敏衆院議員)主催の対話集会で吊し上げにあったことがあります。その後の記者会見のようすです。この後、国内での調整は官房長官が担当することになりました。

 遠山さんは「よく民主党政権の閣僚のみなさんは『沖縄に出向いて直接説明したい』という言い方をするんですが、沖縄県民からは『知事や市長に会っているだけだ』と言われています。この点に関して、きょうは(質問通告をしていないので)ここに見えておりませんが、鳩山内閣で外相をしていた岡田副総理が、普天間で住民との直接対話集会を開きました。マスコミはクローズでしたけど、たくさんの人が参加していたので、そのときの記録を後で私読みましたけれど、大変な怒号、批難を浴びる中ですね、岡田さんが話をされていた。その話の中身は今は(言及するのは)避けますけれども、私はこの岡田外相がですね、沖縄県民の皆様方と直接対話をして政府の立場を説明したことは非常に勇気のある行為だったと思っております」と評価しました。

 遠山さんは2001年7月の参院選で初当選。4月に就任したばかりの小泉首相旋風の中、平成になってから2回しかない与党が勝った参院選です。この後、衆院に転出しています。



 公明党参院議員といえば、浜四津敏子さんです。上の写真は、小沢一郎氏による新進党解党に抗議する岡田さんですが、この画像をよく見ると、浜四津敏子さん(赤丸)が斜め後ろから岡田さんを凝視していることが分かります。



 浜四津さんは2010年7月、「新進党などで小沢一郎さんと行動した時もあったが、政策を聞いてもらった覚えがない」と朝日新聞のインタビューに答え、「早い引退とも言われるが、党の定年制に従う。若い人たちに重くのしかかりたくない。私は一弁護士に戻る」と颯爽と可憐に国会を去っています。

 こうやって先輩である浜四津さんの姿勢を、遠山さんはよく見ていたのだと思います。

 支え合う日本、心をつなぐ新進党。

 一方、岡田さんは草川昭三さんの真後ろに座っています。草川さんは新進党公認で愛知6区の小選挙区を勝ち上がりました。これは最近、YouTubeで見た映像です。国難の折、著作権法41条にもとづき当ブログでご紹介させていただきます。

 

 上の画像のように、新進党両院議員総会で、草川昭三さんが小沢一郎党首に「勝ち取ったことなんてことを言いなさんな。(国会運営を)やり直そうや!」と批判しています。



 これに対して、小沢党首(緑丸)の意を汲んだように、大久保直彦・新進党参院議員会長(参院議員団長)が草川さんに対して「何をやり直そうと言うんですかあ!」と言い返しています。大久保さんは公明党書記長(幹事長)を務め、明電工事件での矢野絢也・委員長(党首)辞任の際に連帯責任で副委員長に下がっています。その後、第39回衆院選で、中選挙区に無所属の石原伸晃さんが初出馬しました。私は最寄りの学校に通学していた関係で、荻窪駅南口バスロータリーで石原さんが「元日本テレビ記者の石原伸晃です」と一人でハンドマイクを持ち、朝の駅頭をしているのを何十回も見ています。公示後に、テレビで、石原裕次郎さんの甥で石原慎太郎衆院議員の息子だと知り、ビックリしました。そのころ、隣の阿佐ヶ谷駅を使うようになっていたのですが、投票日の数日前に大久保副委員長が大勢の人と並んで焦った顔であいさつする姿を1度だけ見たことがあります。結果は石原さんが3位に飛び込み当選(自民党から追加公認)。大久保さんは6位で落選しました。その後、参院に転じた大久保さんは、小沢党首から幹部に指名され、こうして、公明党の同僚だった草川さんに対して、小沢氏の意を汲み言い返す役回りをしていたようです。

 草川さんは現在83歳。大久保さんは現在75歳。草川さんは2月7日(火)の予算委員会でも質問しましたが、小沢グループだった大久保さんは国会にいません。

 小沢一郎さんの手により、デモクラシーで最も重要な「所属公認政党」はぐっちゃぐちゃ。例えば、新進党の役員名簿を見ていたら、野田毅・政調会長(政策審議会長)と坂口力代理なんて時代があったんですね。で、坂口さんがシャドウ外相(トゥモロー外交政策大臣)で岡田克也さんがシャドウ外務副大臣(トゥモロー外交政策副大臣)でした。

 あるいは、遠山清彦さんが岡田副総理がマクロ経済スライドを評価したことについて、2月2日(木)の衆院予算委で「当時、参院の厚生労働委の理事にこっぴどくやられたんですよ」と言いました。この理事とは山本孝史さんです。岡田さんと山本さんは、第140回国会での衆院厚労委の伝説の改正国民健康法を100時間審議したときの新進党の筆頭理事、次席理事です。このときの委員長は町村信孝さんで、小泉厚相でした。もちろん、坂口さんも委員でした。

 さて、私たちは重大な局面をしなければいけません。それは小沢氏が4月26日に東京地裁から判決を受けるからです。しかし、小沢さんは裁判所によって裁かれる、法律の敵、「法敵」ではないと私はとらえています。小沢さんは新進党を解党しました。それは歴史に対する犯罪であり、私たちの子や孫に対する犯罪です。小沢さんは歴史という名の下に裁かれなければなりません。小沢さんは、デモクラシーのプロセスを不透明にする民主政治の敵、「民敵」です。そして、新進党という政権準備政党を破壊し、赤字公債や建設公債を800兆円も積み上げるチェックのきかない政治をもたらした、公の敵、「公敵」です。そして、見て見ぬふりをする村社会で、小沢さんを増長させたのは、一人一人の心の中の敵。いわば自分の敵、「自敵」です。

 小沢さんは「民敵」であり、「公敵」であり、「自敵」です。刑事罰より先に、私たちが、小沢一郎被告を裁かなければいけません。その大きな局面を迎えました。それが震災後の日本を生きていくということです。新進党を解党した人物をのさばらせておいて、私たちの子孫に対して、私たちは今を生きた責任を果たせるでしょうか。答えはノーです。私たちは、小沢一郎さんを歴史という法廷において有罪にしなければなりません。見て見ぬふりをする人も有罪です。

 小沢一郎さんの息の根を止めましょう。

 小沢グループを根絶やしにしましょう。

 ところで、新聞報道の間違いが非常に多くなっています。例えば特例公債法案が衆院で可決し、参院で否決したら「廃案になる」と書いた記事がいますが、これは「両院協議会にかかる」の間違いです。消費税増税法案について、その前に解散するということを強調した記事がありましたが、消費増税法案(未提出)は「2014年4月」で、第45期衆議院の任期は「2013年8月29日」なのですから、その前に解散するのは当然でしょう(現行憲法下で解散無しの任期満了総選挙は1回のみ)。

 さて、3月4日週の国会は、5日(月)に衆院予算委員会で分科会が開かれます。8日(木)には予算案を衆院で可決し、参院に送付することができそうな気配となってきました。税制改正法案(国、地方)と特別会計法改正案もひょっとした採決できるかもしれません。一方で、自民党は先週3月2日(金)の衆院財金委員会の午後の審議で、質問者を入れて4人しか出席していないという気のゆるみが見られます。これについては、同日の午前中の審議で民主党から指摘がありました。「定例日ではない」などという国会村の言い訳は国民に通用しません。しっかりと3党協議を進めながら、国会を前に進めないと、維新の会の大躍進の可能性がでています。これは民主党選対が実施した情勢調査でも一部、驚愕の数字が出ています。

 最高のリーダーは絶対にぶれてはなりません。

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