ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

◎予算が衆院通過 民主党13年連続で記録途絶える 自民党吉野代議士の精神を見習いたい

2012年03月08日 18時15分39秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[写真]自民党衆院議員の吉野正芳さん。

〈平成24年度当初予算が衆院で可決 民主党結党以来続いた「年度内成立」の記録が途絶える〉

 平成24年度総予算が2012年3月8日(木)の衆院本会議で可決し、参院に送りました。民主党、国民新党、新党大地・真民主の賛成多数で可決しました。ただし、この3党は参院ではわずか110議席(過半数は121)しかなく、新党改革などの協力があっても、参院での否決は確実。日本国憲法60条の「30日ルール」を使うにしても、4月6日(金)の衆院本会議後になります。同日は恩給支給日で、それに間に合わず、暫定予算編成に追い込まれることになります。

 なお、自民党提出の組み替え動議(政府が予算案を撤回のうえ、政府に編成替えを求める動議)に対して、公明党が反対するというハプニングがありました。公明党の「明日につなぐ力」を感じました。

 現行憲法により、国会が「審議」することになってから最長の13年連続だった民主党結党以来の当初予算の年度内成立の記録は消えました。結党以来フロントベンチ(野党第1党から与党のいずれか)に座り続けた民主党。「自民党」対「抵抗野党・社会主義政党」の55年体制から、健全野党・自由主義政党による二大政党政治をめざした民主党の歩み。第1次与党期の3度目の本予算で記録は途絶え、新しいステージを迎えました。でも、第1次与党期の3度目の本予算で栄光が途絶えたのは、大人になるにはいい時期かもしれません。

 もう民主党は子供ではありません。もう若くありません。理想と弁舌だけの時代は終焉しました。これからは、震災後日本で、国会と内閣を連動させて結果を残していく。限られた有能な与党議員と有能な野党議員とともに、あっという間に歴史をつくっていくでしょう。すべての議員は結果を出すか。さもなくば「卒業」するか。それのみ。

〈6党修正の福島復興再生法案、いわば「吉野法」で、吉野正芳代議士の精神を見習うべきだ〉

 衆院本会議では、東日本大震災復興特別委員会(古賀一成委員長)で進んできた修正協議を反映した「福島復興再生特別措置法案」(180閣法23号)が全会一致で修正可決。これは6会派(民主党、自民党、公明党、きづな、国民新党、新党日本、たちあがれ日本の7党6会派)が修正案を提出し、付帯決議を10党が提出し、政府原案、議員修正案とも全会一致で可決しました。いわば自民党議員である吉野正芳さんの名前をとって、「吉野法」と呼ぶべきではないでしょうか。福島県民の苦難は続きますが、国の苦難、国難も続きます。吉野法が6党修正、9党賛成です。福島にできて日本全体ではできないというのはおかしな話です。他の法案が同様にできないわけがありません。ドンドン法律をつくっていっても、第46回衆院選の定数は480で変わりありません。仮に法律工場が滞れば、維新の会が100議席をとって、事実上の定数100減になるかもしれません。

 自民党の三ツ矢憲夫さんは衆院本会議での予算の討論演説で、「最近の世論調査のトレンドは『支持政党なし』だ。それは普天間、一票の格差の問題だけを見ても明らかなように、決められない、前に進まない政治全体への批判だ」として、「早く党内をまとめて一体改革の法案を出して欲しい。ならば議論する」としました。三ツ矢さんは「「ローマは一日にしてならずと言うが、一日にして崩壊してしまった。勢力のある頃にドンドン版図を広げたからだ」「どこかの国の今の姿に似ているではありませんか」とし、「私たちは正直に語り、一人一人の自立を促すべきだ」とし、「政治の信頼は地に墜ちている。(民主党政権は)言うこととやることが違うからだ」と語りました。

〈衆院に残った特例公債法案と年金交付国債法案をテコに衆参ねじれで歳入歳出パッケージ成立をめざすべし〉

 中盤国会は、44兆円の歳入を確保する特例公債法案(180閣法2号)、2・6兆円の年金交付国債を裏付ける国民年金法改正案(180閣法26号)の衆院での修正審議などを通じて、衆参ねじれを力に変えるチャンスとなります。

 きょうの衆院予算委の討論でもヒントがありました。公明党理事の高木陽介さんは反対討論で次の4つの理由を示しました。①マニフェスト総崩れ、②年金交付国債など「粉飾的な手法」、③3党合意の政策効果の検証ができていない④デフレ円高脱却への戦略がないーーの4点です。これを逆に考えれば、年金交付国債を赤字国債に変え、特例公債法案の総額を修正し、国民年金法改正案を撤回する。デフレ円高脱却に向けて公明党の支持者に多い零細・個人事業者への金融支援策などを本予算で増額したり、1次補正での追加を約束したりする。子どものための手当の名称を「児童手当」にする。こういった修正のパッケージにより、本予算を参院で修正したうえで両院協議会の協議案を全会一致で可決したり、平成24年度特例公債法、改正児童手当法を修正可決する。まるごとパッケージで歳入歳出を国会で見直し、国会支持率を回復する。そのためには、暫定予算は50日間くらい組んで、本予算成立が5月にずれ込んでもかまわないと考えます。

 8日の衆院財務金融委員会では公明党の竹内譲さんが安住淳・財務大臣との質疑を「最後に国債が跳ね上がるとか、長期金利が暴落するということは慎んだ方がいいんだろうと申し上げて終わります」と財務大臣の答弁をたしなめました。この後、野田佳彦首相が衆院総務委員会から移動してきて、再開。竹内さんは「自民党の谷垣総裁に限らず、我が党の山口代表とも会ったらいいんですよ」と民主党と公明党の党首会談を呼びかけました。これについては、野田さんは「谷垣さんとは会っていません」と言わざるをえませんでした。

 野田さんは緊張の連続だったためか、ユーモアを交えて答弁しまい、自民党シャドウ財務大臣の西村康稔さんから「冗談交じりで不快な思いをしました」と叱られました。これは昨年6月15日に野田財務大臣が自分のクビと引き換えに平成23年度の特例公債法案を通して欲しいという趣旨の発言をしていることから、「総理の覚悟を問う」との質問でしたから、総理はいけません。

〈地球温暖化対策税が国税改正法で年度内成立確定、「福山・岡田条項」、野党時代の地球温暖化対策本部の議員立法が一部実現へ〉

 衆院本会議では、平成24年度の国税改正法案(租税特別措置法など改正案)と平成24年度の地方税改正法案が民自公などの賛成で通りました。このなかで、地球温暖化対策税が通りました。石油石炭税に上乗せするもので、石油1キロリットル2800円、液化天然ガスなどが1トン1860円、石炭が1トン1370円、ことし10月から段階的に上乗せされます。最終的には2500億円の税収になります。曹達業の発電用は除外になります。これは第169通常国会に民主党が提出した「地球温暖化対策基本法案」(169参法25号)に盛り込まれていたもの。野党時代の民主党には、幹事長の下、政調会の上にある「本部」という政策・国民運動の組織があり、地球温暖化対策本部は発案者の岡田克也本部長・福山哲郎事務局長が運営していました。

 この2人は政権交代後に外務省の大臣、副大臣として、国連に行き、鳩山由紀夫首相の気候変動枠組み条約締結国会議での「1990年比で2025年の二酸化炭素排出量を25%削減する」などとした鳩山イニシアティブ演説の草稿を書きました。法案は閣法として、小沢鋭仁・環境大臣が答弁にあたり、第174通常国会で、衆院を通過しましたが、参院環境委員会の審議中に、鳩山首相・小沢一郎幹事長の「抱き合い心中」の混乱で廃案になってしまいました。その後、原発爆発で前提条件が大きく変わりました。小沢環境相は地球温暖化対策税について、税制改正法案に移してもいいという趣旨の答弁をしていました。こういった形で実現しました。民自公賛成ですし、日切れ法案なので、年度内の成立は確実です。「二酸化炭素に色を付ける」ことで、排出量抑制へのインセンティブをつくるとともに、税収は目的税として使われます。いわば平成24年度国税改正法の「福山・岡田条項」に関しては、衆院財務金融委員会で付帯決議がつきました。民自公を代表して岸本周平さんが提出し、「地球温暖化対策税については現下の厳しい電力需給に配慮し、森林の涵養などの諸施策も推進すべきだ」としました。国税改正法案は、共産党が「研究開発(R&D)減税は大企業優先の政治であり認められない」として反対した共産党も付帯決議に賛成。全会一致で付帯決議がつきました。

 国税改正法案と地方税改正法案が自公の賛成を得られたのは、初めから賛同を得られる内容だけを法案化していたからです。一方、国民年金法改正案について小宮山洋子厚労大臣は「国会で協議して修正して欲しい」という趣旨の答弁をしています。ヒラバの国会で修正するというのもあってしかるべきです。ただ震災後国会は時間に余裕がありませんから、日切れ法案は財務省や総務省がうまくつくったという面もあるでしょう。公明党の坂口力初代厚労相は6日の予算委で「それぞれの党がつくった案だから、かわいいのは分かる」としながら、最低保障年金案を取り下げるよう求めました。これも公明党の100年安心プランをもとにして、マクロ経済スライドがあるうえで最低保障機能を高めるようにすれば、それと引き換えに公明党が「消費増税法案」に賛成してくれるかもしれません。税制改正は年度内に済みそうですから、暫定予算で防御ネットを張って、特例公債、基礎年金の2分の1、年金制度の抜本改革案で合意し、消費増税準備法案を通す。そして、予算も修正して可決成立させ、衆議院を解散するというのがベストに思えます。だから、定数是正は今すぐやらないといけないと私は考えています。

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自民党・公明党幹事長が「農業者戸別所得補償法」制定で合意 政権交代後も永続決定

2012年03月08日 08時24分40秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 自民党幹事長の石原伸晃さんと公明党幹事長の井上義久さんが2010年度(平成22年度)予算書から計上されている「農業者戸別所得補償」について、法制化することで一致しました。2012年3月8日付の公明新聞が前日の会談の内容として報じました。

 これにより、民主党、自民党、公明党の3党協議により、どちらが与党になっても制度が永続化することが確実になりました。政権交代しても自衛隊は変わりません。私はそれは比喩ではなく、まったく同じことだと考えています。

 農業者戸別所得補償は、これまで「バラマキ4k」と呼ばれていました。昨年8月9日の3党合意に基づき、政策効果の検証を予算に反映することになります。

 民主党内では名称の変更の議論が浮上しています。行政指導とは関係なく、なりゆきで、集落営農が増えていますので、「戸別」が実態にそぐわなくなっています。小麦や大豆の自給率向上に関して政策効果が低いとの指摘が出ており、検証が必要となっています。直接支払いがあるからといって、土地改良事業への補助金がまったくなくて良いというわけではありません。米価の変動がなければまったく支払われないということも集配を含めた市場を歪める可能性があります。

 小沢一郎さんが票目当てに2007年の第20回参院選「逆転の夏」マニフェストの為に命名した経緯もあり、3党合意による恒久化にはふさわしくありません。「農業の直接支払い法」「農業者の価格変動補償法」といった名前になりそうです。

 自民党農政のネコの目農政と違って、名称変更は最低限にすべきですが、農業に与野党なし。ついに大潟村でも農業者戸別所得補償への参加が始まりました。現時点では、直接支払いは「被災者に寄付する」という名目でしょうが、八郎潟にもドンドン食糧基地としてやっていって欲しいと考えます。過去を水に流すチャンスです。

 震災後日本の新しい農政に向けて、JAではなく、政治家に直接意見する時代が来ました。

 こうみえても、民主党は少しは良いこともしています。

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ピンハネ率公開の労働者派遣法改正案が民自公修正で衆院厚労委通過 

2012年03月08日 07時54分35秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

 社民党が与党時代の第174通常国会の2010年春に提出された「労働者派遣法改正法案」(174閣法60号)が、衆院厚生労働委員会で可決しました。今国会中に参院で採決できれば成立します。派遣業者の「ピンハネ率」を公開することで、弱い立場で働く派遣労働者を守る法改正です。2010年3月7日(木)の厚労委(池田元久委員長)で、民主党理事の岡本充功さんが修正案を提出しました。自民党の賛成を得るため、「違法派遣があった場合、労働契約をしていたとみなす」規定の適用を3年後に先送り、「製造業派遣・登録型派遣の原則禁止」について「政府が速やかに見直す」という手直しを入れることで法案可決を急ぎました。民自公賛成なので、参院でも採決までいけば、成立します。

 日本共産党は「初めて規制を強化する方向での法律見直しだった」のに「例外が多い」として反対しました。社民党は「政府案を骨抜きにした」として政府原案のみ賛成だとしました。だったら、連立離脱なんてしなければ良かったのに。経営者寄りのイメージが強いみんなの党も反対しました。

 提出時には重要広範議案に指定され、衆院本会議で趣旨説明されました。提出後、社民党の福島瑞穂党首が同党では3回連続となる連立離脱(羽田内閣、橋本内閣、鳩山内閣)をし、福島さんは第22回参院選で38万票をとり6年間の任期を得ました。残された民主党と国民新党は衆参ねじれに。自民党の反対があり、法案が留め置かれて、東日本大震災。ようやく民自公修正で法案が通りました。厚労委はこれから予算関連法案である「国民年金法改正案」の審議がありますので、その前に宿題を片づけた格好です。

 私が「業者のピンハネ率を公開する」としたのは、法案の次の部分です。 

 昭和60年法律88号の第23条を、

 5 派遣元事業主は、厚生労働省令で定めるところにより、労働者派遣事業を行う事業所ごとの当該事業に係る派遣労働者の数、労働者派遣の役務の提供を受けた者の数、労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合として厚生労働省令で定めるところにより算定した割合、教育訓練に関する事項その他当該労働者派遣事業の業務に関しあらかじめ関係者に対して知らせることが適当であるものとして厚生労働省令で定める事項に関し情報の提供を行わなければならない。

 ですから、一人一人のピンハネ率ではなく、派遣元業者と派遣先業者との平均ピンハネ率が公開されるということです。

 連合は2012春闘(春季生活闘争)を闘っており、一部メーカーで定期昇給(定昇)の死守を獲得するなど健闘しています。連合は正社員クラブから脱皮しました。すべての働く者の待遇改善にとりくんで3年目になります。非正規労働者の待遇改善に連合をあげて取り組んでいます。正規労働者と非正規労働者が一緒に働く職場では、「職場から始めよう運動」を展開していて、正社員がそれ以外の社員の待遇の違いを点検する取り組みをしています。

 もちろん職場により、濃淡がありますので、悩んでいる方は、連合に電話したらどうでしょうか。



 電話番号は、「0120-154-052」覚え方は「フリーダイヤルいこうよ連合に」です。

 連合の地域協議会・地域連合は地域による温度差がありますが、連合はかならずあなたのお役に立ちます。

 新聞労連は、NHK労連を見習って連合に加盟すべきです。新聞・通信・民報記者の多くは、NHK記者が寮があったり、長時間労働の歯止めがあったり、本給のわりに手取りのマネーが潤沢なことを知っているでしょう。これがなぜかというと、NHK労連が連合に加盟しているからです。新聞労連では、地方紙の労組でいまだに全共闘崩れがいるのが実情。ためしに新聞労連のホームページをみると、ここ3年間で2本の声明を出しています。「秘密保全法に反対する特別決議」、「大阪府の公立学校の教職員に君が代斉唱時の起立を義務化する条例に反対する」です。新聞記者および社員の待遇改善とはまったく関係がない話。そんなことよりも自分のことをちゃんとやれ、と言いたい。例えば「夜回りを週に3回以内に規制するよう求める決議」とか、「パソコンを持ち歩かなくていい取材体制の確立を求める声明」を出せばいいのです。

 さらに問題なのは産経労組です。産経労組は新聞労連に入っていません。全共闘崩れが多い新聞労連ですから、産経労組の考えには同情しますが、自らを苦しくさせるだけです。産経記者は自分たちがフジテレビの親会社だと思っていましたが、ある日突然にして、逆にフジテレビの子会社になってしまいました。かつてはフジテレビのニュースキャスターとして、元産経新聞政治記者・論説委員だった俵孝太郎さんが出演して、たけしにものまねされていましたが、最近、産経新聞記者がフジに出演しているところを視聴した記憶がありません。それが資本関係が逆転するということなのです。産経労組は今からでも遅くはないので新聞労連に入るべきだし、読売労組と日経労組は任意団体である「大手町共闘」で産経労組を甘やかすのをやめて、新聞労連入りを強く促すべきでしょう。そして、連合に入る。人間らしい記者生活が実現します。

 そしてすべての公務員労組も連合に入るべきです。労働協約を締結し、団体交渉をする。もちろん、自衛隊、警察・消防は制限付きになります。それも含めて、権利と義務の両方を果たすべきで、例えば内閣法制局職場の協約は、他のお手本になるでしょう。

 2012春闘(にーまるいちにーしゅんとう)は、2012年2月10日(金)スタートしました。鉄は国家なり、新日鐵労組が新日鐵経営者に要求書を提出してスタートしました。金属労協が相場をつくり、これから春闘のヤマ場を迎えます。連合はにぎにぎしく、日比谷公会堂で、春闘のスタートを宣言しました。このとき、最後にガンバロウ三唱をしたのが、NHK労連の岡本直美議長でした。日比谷公会堂では、「連合会長代行で、2012春闘中央闘争委員長代行の岡本直美さん」と紹介されました。



[映像]連合会長代行の岡本直美さんによる、2012春闘団結がんばろう三唱、連合2012春季生活闘争・闘争開始宣言2.10中央総決起集会、宮崎信行撮影。

 NHK労連の専従をやっていた記者に聞いたら、「岡本さんはパワフルな人ですよ」とのことでした。当日は、モンゴル唯一のナショナルセンターの会長さんが「日本の春季生活闘争(シュントー)のやり方を学びたい」として来日し、研修していることが古賀伸明・中央闘争委員長(連合会長)から紹介されました。賃金要求作りに参加すると、会社の各部署がどういう風に出来ているのか見えてきます。まさにオカネとは情報の荷札だと感じます。国家公務員のキャリアだって、出先機関の現地採用の職員がどういう生活をしているか知らないんじゃないでしょうか。そういうのも、連合に入って、協約を締結し、団体交渉をすることで見えてくることがあります。

 この日の大会名は「連合2012春季生活闘争・闘争開始宣言2.10中央総決起集会」。いかめしいタイトルですが、とてもアットホームで温かい時間と空間でした。午後6時半から午後7時半ということで、少し遅れて中に入りましたが、それは働く仲間のみなさんも仕事を終えてから来ていますから、はじめは「オープニング」ということで「阿部兄弟&根本麻耶」によつ津軽三味線の演奏。例年はどうしているか分かりませんが、この津軽三味線というのは、ことしのスローガンである「復興・再生に全力、『働くことを軸とする安心社会』を実現しよう~復元、格差社会、底上げ・底支えでデフレ・縮小経済からの脱却を~」に掛けているんのではないでしょうか。開催地が東京ということもあるのでしょう、「津軽三味線による東京音頭」という選曲で、日本はひとつ、絆を感じました。

 著作権法を調べてみましたが、これのご紹介はおそらく問題がなさそうなので、動画でご紹介します。阿部兄弟&根本麻耶さんはすばらしいですね。どんどん活躍して欲しいです。



 午後6時50分過ぎに主催者代表あいさつに立った、古賀伸明・2012春闘中央闘争委員長(連合会長)は、「寒い中、またお忙しいところお集まりいただきありがとうございます」と、1900人の参加者に話しかけました。古賀さんの働く者への優しさ。

 この日の大会では、電力総連の方が空席が多く、出席者も元気がなさそうで心配でした。春闘がない、日教組、自治労の人も一応、のぼり旗を持っていましたが、人数が少なかったようです。小沢一郎さんによると、日教組や自治労は組合員数の割りに票が出るのに、例えば非正規労働者の組織化でがんばるUIゼンセン同盟は組合員の割りに票が出ないからたるんでいるそうです。小沢さんが連合を集票マシンとしかみていないことを如実にあらわすエピソードです。私たち働く者の安心社会の実現のために、小沢一郎さんの息の根を止めて、小沢グループを根絶やしにしなければいけません。さあいよいよ、小沢切りです。団結用意、がんばろー、がんばろー、がんばろー!!!

 そして、死ぬまで働くということが、実は人間にとって一番幸せなことなんですよね。働く人全員が幸せな理想社会の実現。それはムリだとは思うけど、少しでも近づこうとしなければ。それは死だと同じことだと私は考えます。才能や体力や家庭環境にあった働き場である程度自由に働く。それが友愛・フラタニティ(Fraternity)なんです。そして働きながらコロッと死ぬ。それが人生です。

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