ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

頼もしい谷垣総裁「総理は小沢を切れ」衆参ねじれ解消へ9月総裁選の「前後」がカギに

2012年03月20日 22時59分29秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革


 報道によると、第46回総選挙での政権交代に向けて全国行脚を続ける自民党総裁(シャドウ首相)の谷垣禎一さんは、2012年3月20日(火・祝)、青森市で「総理が党内融和を大事にして小沢一郎さんと妥協する道を選んだら、問題は何も解決しない。断固反対派を切ってでも前に進む決断ができるかどうかだ」と述べ、「総理にもし会ったら」小沢切りを「申し上げたい」と述べたようです。

 頼もしい限り。

 谷垣さんは9月に自民党総裁選任期を迎えます。この前に解散・第46回総選挙があるかどうかは非常に重要なポイントです。おそらく解散せずに、総裁選を迎えると、谷垣さんは勝てません。一方、総裁選には自民党最大派閥清和会会長の町村信孝さん(67歳、北海道5区当選10回)と幹事長の石原伸晃さん(54歳、東京8区当選7回)、参議院自民党幹部の林芳正さん(52歳、参院山口当選3回)が出馬すると考えられます。

 この2年半、私は自民党派閥というのは人材発掘・若手育成機関として有効だったと考えを改めつつあります。仮に9月より前に第46回衆院選があった場合、結果は野田首相続投か、谷垣内閣誕生かのいずれかです。第46期衆議院の任期は2016年3月以降とれば、与党であれ野党であれ町村さんは厳しくなります。71歳という年齢もありますが、それ以上に、4年も清和会の金庫はスッカラカンになるでしょう。町村さんは民自協力による話し合い解散には断固反対でしょう。

 谷垣シャドウ首相が言った「総理は思いきって解散権を行使し、消費増税を堂々と公約して戦ったらどうか」というのは総裁の後見人的存在である伊吹文明・自民党税調顧問のアイディアです。昨年の秋の第179臨時国会の3次補正のしめくくり質疑で、自民党税調顧問の伊吹文明さんは「消費税増税準備法を成立させて、(民主党が)選挙に負けたら、(消費税増税のプログラムは)どうするんですか。日本の未来のために、民主党は党をまとめて(第46回衆院選)マニフェストに(消費税増税を)入れてください。自民党もマニフェストに入れますから。以上!」」と語っています。

 谷垣さんにも申し上げることがあります。2013年夏の第23回参院選まで、どっちが勝っても衆参ねじれは続きます。谷垣総裁は、参議院自民党を切るべきです。少なくとも、林芳正さん(参院山口)、山本一太さん(参院群馬)、西田昌司さん(参院京都)の世襲トリオを除籍すべきです。世耕弘成さん(参院和歌山)はおじさんからの世襲ですし、能力が高いので良いでしょう。そのうえで、衆院民主党と衆院自民党による大連立で、参院の力を制限する(例えば定数を240削減で定数2(1ずつ改選)にする」というような公職選挙法改正案を衆院の3分の2ルール(日本国憲法59条)で可決、成立させ、第23回参院選(2013年7月施行)から施行すべきです。小沢切り民主党と谷垣自民党は衆院で320議席以上になります。

 それから、お互いにマニフェストに入れるのではなく、これからは、二大政党はお互いに法案(閣法と衆法)にまとめてから、信を問い、勝った方が特別国会の会期をたっぷりとり、一気呵成に成立させるという選挙・国会戦術をとるべきです。これは現行のシステムのままでもできる「決められない政治からの脱却」であり、参院封じにつながります。

 総理(代表)は勇気を持ってください。

 谷垣総裁の言うとおりに、総理は小沢切りをすべきです。

 全国津々浦々から「小沢切り」の声を挙げて、総理の背中を押しましょう。

時事ドットコム:自民総裁「小沢元代表を切れ」=機会あれば首相に進言

 自民党の谷垣禎一総裁は20日、青森市で講演し、消費増税関連法案について「野田佳彦首相にもし会ったら申し上げたいことがある。首相が党内融和を大事にして小沢一郎民主党元代表と妥協する道を選んだら、問題は何も解決しない。断固反対派を切ってでも前に進む決断ができるかどうかだ」と述べた。首相が、衆院解散回避を模索する小沢氏との妥協に動くのをけん制した発言だ。
 谷垣氏は「首相は思い切って解散権を行使し、消費増税を堂々と公約して戦ったらどうか」とも語った。 
 民主、自民両党の大連立について、谷垣氏は「民主党が社会保障や外交も全部、自民党と同じ公約を掲げて(選挙を)戦えば組めるが、そうはならないだろう」と、否定的な考えを改めて示した。(2012/03/20-17:42)

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