[画像]国土交通委員会に出席した自民党の平沢勝栄さん、2012年5月18日(金)、衆議院インターネット審議中継から。
「問責決議」について、「新・国会事典 第2版 用語による国会法解説 浅野一郎・河野久編著」は参議院の総理や大臣に対する問責決議は法的な意味を有せず、政治的な意味しか有しないとし、内閣に対する不信任・信任の決議権が衆議院のみの権能とされた理由は、憲法が二院制を採用した根本的理由に基づくものであり、衆議院に参議院よりも頻繁な民意の反映を求めたことによる、としています(145ページ)。
前田武志・国土交通大臣と田中直紀・防衛大臣の2人の自民党出身参院議員に対して、参院自民党・たちあがれ日本、みんなの党、新党改革が問責決議(案)を4月18日(水)に提出し、提出者に公明党を加えて4月20日(金)の本会議で可決されてから4週間が過ぎました。
参院議員である輿石東・民主党幹事長は、参院での問責決議可決による大臣辞任の連鎖をここで断ち切りたい考えとされています。一体改革特には、国交省、防衛省は関係なく、衆参国交委員会、衆院安全保障委員会・参院外交防衛委員会には今国会で是非成立させなければならない法案がないことから、私は突き進むべきだと考えます。
きょうは、衆院国土交通委員会が開かれ、関越自動車道での乗り合いバスの事故に関連して、「バス事業などに関する参考人質疑」が開かれました。この中で、自民党の平沢勝栄さんが登場し、冒頭で、警察庁と法務省刑事局長に前田さんの公選法違反ではないかとする告発が受理されているかどうか質問しました。個別具体的には答えず、すぐに本題に入りました。
そもそも、公選法違反だとしたら、それを取り締まるのは第一義的には岐阜県警の仕事です。それを立法府である参議院が問責するのは、二重、三重に問題があります。
私は福田康夫・総理大臣の問責決議を審議する国会を傍聴して、「公開処刑ショー」が気持ち悪くなってしまい、ともに縁のある両大臣なので本会議に行きたかったのですが、怖じ気づいていけませんでした。インターネット中継で見る限りは、「公開処刑ショー」色は薄まっていたようです。おそらく賛成票を投じた参院議員のなかにも、問題意識を持っている人がいたのだと思います。
きょうのように実績を積み上げていって、「参院問責による辞任の連鎖」を絶ちたいと考えています。議会は実績の積み上げです。
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