創価学会(原田稔会長)は2012年5月24日(木)、東京新宿区信濃町の「創価学会本部別館」で中央社会協議会(原田光治議長)を開き、第46回衆院選の比例代表で「公明党(山口那津男代表)」を支持することを決定しました。選挙区では、神奈川県の地方組織が19日、北海道が20日、大阪が21日、東京が22日、兵庫も22日に、全300選挙区中9人の公明党新人・元職の公認(予定)候補を支持することを決定済み。このうち、北海道小選挙区(北海道10区)は公明党にとって立党50年目にして初挑戦になります。公明党が中央社会協議会に支持を依頼していました。自民党候補者への支持決定は、今回はありませんでした。
創価学会中央社会協議会は公明党を支持する理由として、次の3点を挙げました。
①「大衆とともに」との立党精神を貫き、東日本大震災からの復旧・復興に向けた取り組みなど全国のネットワークを駆使して生活者の視点に立った政策実現に尽力している。
②日本再建を担うにふさわしい、見識と人格を兼ね備えた実力ある人材を公認候補として擁立している。
③「経済・財政の立て直し」「新しい福祉社会の実現」「政治の信頼回復」など日本再建へ向けてのビジョンと政策提言を提示している。
としました。
公明党は新進党解党による勢力分裂と再結集後(New Komeito)も勢力の長期低落傾向が続いており、衆院では第3党ながらわずか21議席で、議席占有率は5%を割っています。公明党国会議員と話しても、「うちは小さい党だから」が決まり文句で、「予算委員会にも(党首以外)全員で質問して、準備が相当大変だった」としています。
公明党は菅内閣で文部科学副大臣秘書官を務めた官僚など、キャリア官僚や弁護士など30歳代の新人が続々擁立しています。第23回参院選(来年7月下旬ごろ投開票)でも40歳代の会社員などの新人を擁立しています。創価学会婦人部では、新進党を解党した小沢一郎さんを絶対に許せない、「小沢一郎は白ゆりの敵」とされていますが、来夏以降は、公明党も「もはや小沢一郎ではない」という新時代になりそうです。世代交代の時計の針は着実に進んでいます。
公明党北海道本部は立党50年目で初めての北海道小選挙区の闘いでは、創価学会が無所属で初めて進出し第4回参院選で、夕張炭鉱で働く創価学会員が、「炭労(炭鉱労働組合)」推薦の候補者を応援しなかったことから、炭労が創価学会員締め出しを1957年6月決議した「夕張炭労事件」を持ち出し、北海道全域の総力を結集することにしています。そのため、旧日本社会党地方組織や総評系労組が強い北海道を中心に、公明党と民主党旧社会党出身者、社民党など社会・共産主義者と公明党との距離がこじれる可能性がでてきました。最近では総評系議員が小沢グループに出席するケースが増えています。いずれにしろ、「大衆とともに」を体現できる組織はどこなのかの真価が問われ、公明党にとっては存亡の危機とも言える厳しい第46回衆院選を迎えることになります。政治はだれのものか、一人一人の有権者に一歩踏み出す勇気と、力のある者の背中を押す気づかいが求められます。
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時代の流れが速くなってきました。
石油を輸入に頼る我が国にとって震災後の経常・貿易収支は絶望的な「出血多量」の状態が続いていきました。夏の電力不足懸念も、原子力発電というよりも、石油資源の輸入増にともなう経常・貿易赤字が懸念されます。
26日付読売新聞1面トップは、6月以降に東京と上海に、日本円(Yen)と中国人民元の直接取引市場が開設されるという歴史的ニュースを報じました。日中は輸出も輸入も毎月12兆~14兆円規模になりますが、これまでは国際基軸通貨米ドルを通じた取引になっていました。つまり、日本も中国もともに、アメリカに手数料を支払っていたことになります。これがお互いに手数料を払わなくなれば、日本はより単価が安い日用必需品を調達でき、その分貿易支出を抑えることができ、日中の貿易収支をトントンにして、対米輸出で儲けて、中東から石油製品を買うことができます。何とか食っていける状態になります。一方、中国としては人民元の国外での流通が増えることで、国際的信用度が増し、米ドルに代わり、人民元がアジアにおける基軸通貨的存在になることも夢ではありません。まさに、win-winの関係であり、日本外務省の命名で言えば、「戦略的互恵関係」です。
野田佳彦総理は温家宝総理と、以下の「日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化に関するファクトシート」に合意していました。2011年12月25日、素晴らしいクリスマス・プレゼントです。私も2007年12月に、野田佳彦・民主党広報委員長らと同じ訪中団に参加しましたので、例の巻物のような集合写真がますます価値が上がって家宝になります。
[外務省ホームページから引用はじめ]
日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化 ファクト・シート 平成23年12月25日
日中両国間の拡大する経済・金融関係を支えるため,日中両国首脳は,両国の金融市場における相互協力を強化し,両国間の金融取引を促進することに合意した。これらの発展は市場主導で進められるとの原則に留意しつつ,具体的に以下の分野で協力。
(1) 両国間のクロスボーダー取引における円・人民元の利用促進
円建て・人民元建ての貿易決済を促進し,両国の輸出入者の為替リスクや取引コストを低減
日系現地法人向けをはじめとする,日本から中国本土への人民元建て直接投資
(2) 円・人民元間の直接交換市場の発展支援
(3) 円建て・人民元建て債券市場の健全な発展支援
東京市場をはじめとする海外市場での日本企業による人民元建て債券の発行; パイロットプログラムとしての,中国本土市場における国際協力銀行による人民元建て債券の発行
日本当局による中国国債への投資に係る申請手続きを進める
(4) 海外市場での円建て・人民元建て金融商品・サービスの民間部門による発展慫慂
(5) 上記分野における相互協力を促進するため,「日中金融市場の発展のための合同作業部会」の設置
このほか,日中両国首脳は,チェンマイ・イニシアティブにおける危機予防機能の導入及び危機対応機能の更なる強化など,ASEAN+3で進められている金融協力の強化に向けた取組みを加速することに合意した。
[引用おわり]
この件については、今国会で2月15日の衆院予算委員会の本予算(案)の一般的質疑(テレビ無し)に民主党1期生(岐阜4区比例)で登場した金融マンの今井雅人さんが「これは余り目立たないんですけれども、実はクリーンヒットだ」としています。その後、地元の市長選では今井総支部長の意に沿わない格好で、敗戦・トラブルが発生して、現在まで尾を引いていますが、この事件は他の衆院議員に非があり、今井さんはどうどうと金子一義さんとたたかって欲しいです。
きょうは五十嵐文彦・財務副大臣が、「明日の安心対話集会」の47都道府県最後の会場である岩手県に殴り込みをかけますが、今井さんと五十嵐さんの歴史観・世界観・経済観が分かるやりとりは以下の通りです。
[国会議事録データベースから引用はじめ]
180 - 衆 - 予算委員会 - 9号
平成24年02月15日
(前略)
○今井委員 ぜひ、早急の結論をよろしくお願いしたいと思います。
時間がありませんので最後の質問になりますけれども、先ほど円高の話をしましたが、それに関連しまして、ちょっと人民元の話をしたいと思うんです。
実は、昨年の十二月二十五日、日中首脳会談において、日中両国の金融市場の発展に向けた相互協力の強化というのが発表されているんですね。これは余り目立たないんですけれども、実はクリーンヒットだと私は思っておりまして、次のページにもありますけれども、今、一番の貿易国は中国なんです。ですから、今、為替の問題は、ドル・円、ドル・円と皆さん言っていますけれども、今後は人民元ということが非常に重要になってくるわけですね。
これは、今現在は、人民元は直接取引できませんから、一度ドルにかえて、それからまた中国国内で人民元にかえるという、これは決済リスクもあるし、それからコストも二重になりますから、企業にとっては非常に問題なわけです。しかも、これは、人民元で直接取引をすれば為替リスクの軽減にもなるということなので、これが進みますと、私、この円高対策の一つの大きな鍵になると思っておりまして、ようやく来たかなというふうに感じております。
今、中国がだんだんと元の国際化を進めている中での合意ということではあろうかと思いますけれども、今後、これの進みぐあいとか、それから政府としての取り組みについて、最後、御答弁をお願いしたいと思います。
○五十嵐副大臣 お答えいたします。
おっしゃるとおり、間にドルを挟むということでコストがかかりますし、それから為替の安定という意味でも、直接交換できるということは大きなメリットがあると思います。
中国ビジネスが膨らんでいるので日本企業にとってもいいということでありますし、中国の元の国際化を支援する意味でやっているわけではありませんけれども、結果としてはなる可能性もあるということで、我が国と双方の利益のために、これからも、スモールスタートでございますけれども、規模が大きくなればメリットも大きくなるので、やらせていただきたい、こう考えております。
○今井委員 どうもありがとうございました。
この中には、実は、債券の発行というのも書いてありますので、今、外貨準備、日本は一兆三千億ドルぐらいあると思いますけれども、財務省は通貨の比率を教えてくれませんが、相当な部分をドルで持っているのは間違いないわけで、これを少し人民元にかえていくということをすれば、これは、ドルを売って人民元を買うだけ、円相場には直接は影響ありませんから、ドル・円には余り影響はありませんので、これをやっていけば、だんだんポートフォリオの改善にもなっていきますし、それから人民元に対して円安をもたらすという好効果も出てくると思いますから、ぜひこういうことも検討していただきたいということを最後にお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。(後略)
[引用終わり]
ちなみに、ユーロは現在にいたるまで、一度も円とユーロの直接取引はされていません。テレビで報じられている数字は、ドルを介在した相場であり、ユーロと円の両替にはドルと円の数倍の手数料がかかります。遠くて遠い国々であり、日本製デジタルカメラなど贅沢品で利益を儲ける貿易相手です。4月2日の日銀短観を精読すると、ソフトウェアの新規設備投資は大企業よりも中小企業が多い。今の時代に伸びている産業があって、それはレンタル業です。こういったより細かいソフトウェア開発、レンタルとその管理という細かい仕事にはフロンティアがあります。私には不向きですが、日本の最大のフロンティアである女性には向いているのではないでしょうか。銀行も赤字国債を買う誰でもできる仕事ではなく、そういったフロンティアに融資すべきです。国民年金など社会保障をしっかりと整備して、頑張れる人は頑張りましょう。日本は必ず甦ります。
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