渡辺恒雄の後継者、宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

運命の人・岡田・安住・玄葉3兄弟 人民元と円直接取引今週スタート、初摘発の中国スパイは松下塾関係者

2012年05月29日 21時18分52秒 | 岡田克也、旅の途中


 建国以来、未曾有の国難のなか、歴史の流れが速くなっています。

 安住財務大臣は29日の閣議後記者会見で、今週2012年6月1日(金)から、東京と上海で日本円と中国人民元の直接取引を始めると発表しました。三菱東京、みずほ、三井住友の3つのメガバンクも発表しました。

 
[写真]2012年(平成24年)6月1日(金曜日)からの日本円と中国人民元の直接取引開始を発表する安住淳財務大臣、2012年5月29日のお昼のNHKニュースから。

 29日朝の読売新聞は警視庁公安部が外国人登録証を不正に更新した可能性がある中国大使館の1等書記官に対して、出張要請したと報じました。玄葉外相は日中関係について「なんとも言いようがない。状況把握してから言いたい」と述べました。1等書記官は中国人民解放軍のスパイ組織の構成員とみられます。中華人民共和国スパイのわが国での立件は同国成立後の60年間で初めてと思われます。在東京中国大使館のスポークスマンは1等書記官は今月任期切れで帰国しているとしており、事態の長期化は必至。


[写真]2012年5月29日に発覚した中国大使館員のスパイ容疑にかかわる外国人登録証の不正更新疑惑の報道を受けて、日中外交について見通しを語る玄葉光一郎外相、NHKニュースウォッチ9から。

 さらに、松下政経塾に海外インターンとして入塾した経緯があるとしました。ちなみに、野田佳彦首相、松原仁・国家公安委員長、玄葉光一郎・外相は3人とも松下政経塾出身。日本国内で過激派(共産主義者)が絶滅寸前になったことで、仕事量が減っていると思われる公安警察(警察庁警備局長と47都道府県の公安部・警備課による任意のネットワーク)が存在感を発揮しようとしている可能性があります。昨年の臨時国会(第179回国会)では、NHK入り審議で、参院自民党議員が質問した団体について、警察庁警備局長が「警察としましては、警察法第二条に定められた公共の安全と秩序の維持という責務を果たすため、御指摘の団体を含め極左暴力集団の動向には重大な関心を有しているところであります」と従来にない踏み込んだ答弁をしています。これも公安警察が定員維持を目指しているのかもしれません。

 政治の世界では、絶対に親友はできません。赤坂や銀座で飲めば飲むほど、将来傷つく地雷が増えるだけ。国会議員の名刺は、現在でももてますから、異業種交流会でも行った方がマシです。政界の義兄弟もしかり。竹下登さんと金丸信さんは義兄弟です。比喩ではなく、本当に子ども同士が結婚しています。しかし、経世会は「竹下首相再登板」をめざす竹下系と「小沢首相」をめざす金丸系に分かれ、分裂しました。民主党内で鳩山由紀夫さんが、羽田孜さん・小沢一郎さん・岡田克也さんら「新生党」系列の議員との交流が少ないのは、鳩山さんだけが経世会竹下系だったからです。

 岡田克也さんは実社会でも3兄弟ですが、政界では、岡田克也副総理(7期58歳)、玄葉光一郎外相(6期48歳)、安住淳財務相(5期50歳)が岡田3兄弟です。冒頭の写真のように昨年の第177通常国会では、幹事長、政調会長、国対委員長として、震災を乗り切り、3党合意をつくり、民主党が与党になってから初めての成果のある国会を作り上げました。野田佳彦首相(民主党代表)をつくり、ホッとした表情でしたが、その後、3人とも閣僚となり、まさに歴史の激動のなか、運命の人になっています。


[写真]実の岡田3兄弟、左側の眼光が鋭いのが克也さん。

 昨年は3党合意を作り上げた政界の岡田3兄弟ですが、小沢グループの反発があり、輿石東幹事長に交代しました。しかし、小沢グループに配慮して起用されたその輿石幹事長は、特例公債法案の成立に向けた3党協議をしている気配がなく、国際的な日本(Japan)の経済・財政リスクは高まっています。現在、長期金利が低くなっているのは、「引き潮」に過ぎないと見るのが妥当です。

 その一方、野田佳彦首相側近は、9月の民主党代表選挙に向けて、岡田3兄弟が何か仕掛けるのではないかという疑心暗鬼があるようです。しかし、岡田3兄弟は国の安定を損ねるようなことをするような人たちでは絶対にありません。100%あり得ない邪推です。むしろ、そのような邪推をする野田首相側近に、総理と心中する心構えのありやなしやを問いたい。

 運命の人、岡田3兄弟。

 国難の中、その肩にのしかかる重荷は積み重なるばかり。

 東大卒、上智大卒、早大卒。
 官僚出身、県議出身、マスコミ出身。

 実父が立派な人という共通点はありますが、育ちは違う。竹下金丸義兄弟と違い、志のみでつながった義兄弟。

 そもそも玄葉外相が明治維新以来初めてのミッションスクール(キリスト教系教会設立の大学)出身の外相というのが、以下にこの国が人材をつぶしてきたかの裏返しです。

 to be , or not to be.that is the question.(生きるべきか死ぬべきかそれが問題だ)。

 ハムレットのせりふですが、板挟みになる必要はありません。なぜなら答えは「to be」、「生きる」ことしか政治家としての選択肢はないからです。

 岡田3兄弟とともに、日本を前に進めましょう。

 大丈夫。歴史の証人になれたと思えば、ラッキーです。国は生き続けます。

 ほら、前を向いて。みんな一緒ならきっと走れるよ。岡田3兄弟の背中を強く押して、歴史の作り手になりましょう。政治を国民の手に取り戻しましょう。

円・人民元、直接取引=東京、上海で来月1日から―国内大手銀が参入表明(時事通信) - goo ニュース

2012年5月29日(火)11:53

(時事通信)
 安住淳財務相は29日の閣議後記者会見で、東京、上海両市場で円と中国の通貨・人民元を直接交換する取引を6月1日に開始すると表明した。現在の円・元の取引はほぼ全量、ドルを仲介しており、為替手数料が余分にかかっている。直接交換によりコストが削減されるため、日中貿易の拡大につながる。みずほ銀行など国内大手銀行は29日、円・元取引に参入すると発表した。

 安住財務相は「第三国通貨(ドル)を介さないことで、手数料削減や(ドル相場変動に伴う)決済リスクを低減する効果がある」と強調した。 

安住財務相は「第三国通貨(ドル)を介さないことで、手数料削減や(ドル相場変動に伴う)決済リスクを低減する効果がある」と強調した。 

 

[時事通信社]

スパイ中国書記官、玄葉外相「思い出せない」(読売新聞) - goo ニュース


 警視庁公安部がウィーン条約で禁じられた商業活動をしていたとされる在日中国大使館の1等書記官に出頭要請した問題は、政界に波紋を広げた。

 松原国家公安委員長は29日の閣議後の記者会見で、「捜査内容については答えを差し控える」としながらも、「中国の対日工作には重大な関心を払っていて、情報収集、分析に努めるとともに、違法行為については厳正な取り締まりを行う」と述べた。

  玄葉外相も記者会見で、「今朝新聞で知り、(関係課から)事情を聞いている。警視庁からの要請を受けて、外務省の職員が在京中国大使館に対応したと認識している」と明らかにした。

  ただ、日中関係への影響については「なんとも言いようがない。状況把握してから言いたい」と述べるにとどめた。自身が通った松下政経塾に1等書記官が一時在籍していたことについても、「顔も名前も思い出せない。(自分とは)一回りくらい違うので、訪ねてきたことがあるのかどうかすら分からない」と話した。

[お知らせ1]

 会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますので、ぜひご協力下さい。

[お知らせ2]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが、交通費などがかかります。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

[お知らせおわり] 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

村木厚子さん「小渕報告が出発点」子ども子育て新システムは自公案が基との認識を答弁

2012年05月29日 19時25分15秒 | 第180通常国会(2012年1月~9月)一体改革

[画像]答弁する内閣府政策統括官(局長)の村木厚子さん、2012年5月29日(火)、衆議院インターネット審議中継から。

【衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会 2012年5月29日(火)】

 金曜日と月曜日に「子ども子育て新システム」を議題とし、今日からは「年金(最低保障機能強化と被用者年金一元化)」が議題となりました。自民党から4人が質問に立ちましたが、3人目の小渕優子さん、4人目の馳浩さんの2人がまた「子ども子育て新システム」に戻ってしまい、やはり自民党内で幼保一体化に関して、選挙も近いですし、様々な議論があることをうかがわせました。

 小渕優子さんは、市町村による認証こども園から、市町村の「指定」による総合こども園について、もっと市町村に政策の裁量を持たせるよう要望しました。しかし、これだと首長が幼稚園経営者である場合があり、市町村によっては、首長の顔色をうかがうことになり、反対です。例えば、文部科学省でスポーツ・科学技術(放射能関係含む)を担当している文科副大臣の奥村展三さんも理事長を務める学校法人が幼稚園を3つ経営しています。ただし、奥村さんはこの委員会に出席していませんし、大臣就任後も幼稚園に関する答弁をしたことがありません。このように政治家の身近なところには、学校法人理事長や、社会福祉法人理事長がいます。「指定」にすることが子ども子育て新システムの味噌です。

 小渕優子さんが内閣府少子化担当大臣だったとき、認証こども園の低迷てこ入れ策について出したリポートが「小渕報告」。これについて、小渕さんの後に質問した馳浩さん(石川1区比例)が質問しました。こういったチームプレーは自民党がうまいところです。小渕報告は参照先は、「今後の認定こども園制度のあり方について」(内閣府ホームページ、http://www8.cao.go.jp/shoushi/10motto/06kodomoen/pdf/sh-2.pdf)。

 馳さんは内閣府共生社会担当政策統括官(局長)の村木厚子さんに答弁を求めました。

 ここで初めて知ったのですが、2009年3月の小渕報告には村木さんは厚労省(保育所)側から関わったそうです。そして、2012年3月に国会に提出した子ども子育て新システムには内閣府(総合こども園)側から関わったそうです。村木さんは「その間に職業生活に中断がありましたが、戻ってきましたときに、小渕報告が出発点でした」としました。また、小渕報告の2009年の際は、認定こども園がスタートしてから間もないので、「法律を変えることはやめよう」という考えがあったそうですが、政権交代もあり、時間も経ったから、今回は法律を変えるということで、子ども子育て新システム関連法案の総合こども園法案を書いたということでした。

 馳さんが求めたとはいえ、政府参考人がここまで踏み込んで答弁するのは異例。この委員会は何もかも異例づくしで新しい時代の幕開けを感じさせます。小宮山洋子・少子化担当大臣も、はじめは野党議員から部下に立ち入った質問なので顔をしかめているようでしたが、村木さんが「(総合こども園法案は)小渕報告が出発点でした」と答弁することには大きくうなずいていました。小宮山さんは部下に西村智奈美副大臣もいますが、野党時代から女性議員同士仲が良い傾向があります。この辺は自民党の中堅にも見習って欲しいところです。

 馳さんは、「野党だが、村木さんは半年ごとに野党に説明に来ていたが、そのたびに説明が変わっていた。小宮山大臣と関係団体の間で板挟みになっていたのだろう」としましたが、それが政治主導なのではないでしょうか。そのうえで、馳さんは「私学幼稚園団体の声が反映されていない」として、内閣府政務官の園田康博さんから幼稚園団体への法案の連絡が直前だったとして、「ていねいさに欠ける」とケチをつけました。馳さんには「私学幼稚園団体の声」も大事ですが、保護者とこどもを大事にして欲しいですね。


[写真]ついに出た。自民党幼稚園族を代表して質問に立った馳浩さん、後ろの保育族・田村憲久さんと同床異夢か?。

 この日の委員会は午前9時から午後7時12分まで。中野寛成委員長はまったく疲れ知らずでした。この委員会について、寛成さんに「長時間になりますね」と声をかけたら「大丈夫だよ、座っているだけだから」という長老の何気ないひと言。頼もしい限り。

 自民党のあべ俊子さんからは、「マイナンバー法案は一体改革の給付つき税額控除に必須だ。なぜ、この委員会で審議しないのか」と岡田副総理に迫りました。これは変な話で、元々民主党の城島光力・国会対策委員長(神奈川10区)がこの委員会への付託を求めたのに対して、自民党の岸田文雄・国会対策委員長(広島1区)が前裁きの段階で、衆院内閣委員会に付託させるように促したはずです。ただし、きょう時点で、衆院議院運営委員会(小平忠正委員長)は同法案の付託先は決めていません。答弁を求められた岡田副総理は苦笑いしながら、「それは自民党国対に聞いてください」としましたが、あべさんは納得せず、あべさんの正直さが出ました。自民党も下野後3年が経とうとしています。新進党は野党3年にして解党してしまいました。基本的には小選挙区二大政党制に対する国会議員本人や後援会員の想像力が不足していた面があります。別段、ジュール・ヴェルヌ並みの想像力を求められたわけでもないのですが、今に振り返ると、やはり政治とは想像ではなく、目の前で実演して初めて世論が動くものだと実感します。しかし、最大の要因は、谷垣禎一さんと小沢一郎さんの人格の違い、側近の違いがすべて。谷垣さんが1人の離党者も出していないのは特筆に値します。

 その中で、公明党の遠山清彦さんが第159通常国会(2004年年金未納国会)などで参院厚生労働委員会理事を務めたころ、民主党の森裕子理事らから「小泉純一郎首相の年金記録を見せないと審議に応じない」と言われ、1日に7回理事懇談会を開いたことを披露。そのうえで、質問のなかで「そろそろ過去(民主党が野党時代)の経緯にふれるのはやめようと思います」と語り、前に進みました。与野党問わずベテラン議員が「100時間審議」を求めた理由が分かってきました。

 審議時間はきょうで40時間に乗りました。

[お知らせ1]

 会員制ブログで今後の政治日程とそのポイントを解説しています。

 今後の政治日程 by 下町の太陽

 最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。取材資金にもなりますので、ぜひご協力下さい。

[お知らせ2]

 「国会傍聴取材支援基金」を設けました。他メディアにはない国会審議を中心とした政治の流れをこのブログで伝えていきます。質素倹約に努めていますが、交通費などがかかります。

 「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い

 ご協力いただきますよう、よろしくお願い申し上げます。

[お知らせおわり]  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする