ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

田中法相「集団イジメ」の深い闇 ヤクザと新聞社の根深い仲、公取人事に潜む真実【追記あり】

2012年10月21日 19時34分39秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散


 このニュースは知らなかったのですが、報道によると、警視庁は2012年10月9日、稲川会理事長の容疑者を「金融とヤクザ」がらみの案件(クレジットカードが使えない神奈川県内の性風俗店の決済を飲食店の白紙伝票に付け替えた)で、逮捕したそうです。これにまつわる手数料5万円を受け取ったとされる容疑者は稲川会のナンバー2にあたるそうで、「負け組ヤクザ」稲川会が、追い込まれ、高利貸しもできずに、人間の最終的な欲望である「性欲と金欲」につけこみ、わずかな手数料で食いつなぐ、阿鼻叫喚に追い込まれてると察することができそうです。


[画像]ヤクザである稲川会理事長、内堀和雄容疑者逮捕を伝えるニュース、日テレニュース24から。

【追記 2012年10月30日 午後7時半】

 報道によると、東京地方検察庁(東京地検)は内堀和雄氏を嫌疑不十分で不起訴とする方向で、2012年10月30日、釈放しました。本人が容疑を否認しており、起訴後に確実に有罪にするメドがたたなかったものと推測されます。

【追記おわり】

 この2日後に、三文雑誌「週刊新潮」にヤクザが田中法相との関係をしゃべって記事になっており、ネタ元のヤクザも同様に追い込まれていることでしょう。ですから、「暴力団(ヤクザ)と付き合いのある田中法相では、暴力団は追放できない」との論は、皮肉にも、稲川会ナンバー2の神奈川県内での犯罪を警視庁が逮捕する、というように、時計の針はドンドン進んできたということになります。これを機会に、負け組ヤクザ・稲川会を潰すべきです。せっかく自民党が野党で、せっかく与謝野馨・衆議院議員が引退を表明したいのですから、住吉会も潰すべきです。国粋会なんてのはすでに実態がなく形骸化しているのだから、警察庁が指定を外せば自動的に潰れるのではないでしょうか。工藤会の組員だって学校一つ分ぐらいないし、立件材料は山ほどあるのですから、撲滅できるでしょう。そして、山口組も含めて、日本からヤクザを根絶し、地上から消し去りましょう。マフィアは隠然たる犯罪組織ですが、ヤクザは顕然たる犯罪組織。 すなわちヤクザは日本人のムラ社会、物言わぬ社会の裏返しであり、一人一人の心の弱さ、社会の絆の弱さの裏返しです。そして、ヤクザを消し去るためには、小遣い稼ぎに三文雑誌にしゃべったヤクザの圧力で法相が辞任すべきではありません。まあ、政治家の出処進退は本人が決める。けいしゅうさん次第ですが、けいしゅうさんは政界に良い優れた友人がいることもあり、まったく心配はいりません(^_-)

 さて、心配なのはむしろ、私の古巣である、新聞社の方です。議員宿舎から病院まで追いかけまわし、「田中法相進退論」「田中法相辞任論」「田中法相辞任不可避」「田中法相辞任へ」とマインドコントロールさながらの集団イジメ。こんなのリンチですよ。なぜこのような陰湿なイジメをするのか。その背景のうち、知っていることの3分の1ぐらいをきょうは書きたいと思います。

 戦争中、岸信介商工大臣は戦時経済統制をつよめ、日本中の地方紙を各県1紙に統合したほか、業界紙を1紙に集約し、「日本経済産業」としました。これが戦後すぐに改題したのが「日本経済新聞」です。岸さんは山口出身でのちに首相を務め、その孫は首相も務めた安倍晋三・自民党総裁(山口4区)です。

 
[写真]岸信介首相、首相官邸ホームページから。

  新聞販売店のうち、新聞社側から見て、自分の新聞をメーンに配達してくれている新聞販売店を「専売店」と呼びます。例えば、ASAは朝日新聞社の専売店で、YCは読売新聞社の専売店です。よく「日経の専売店は東京など首都圏にしかない」と言われますが、実際には、日経専売店の1号店は神戸です。戦後まもなく、神戸港の港湾荷役の主導権争いに敗れた集団が、神戸市、姫路市、川西市などで港湾荷役のメソードを応用して、新聞配達を始めたそうです。この専売店社長らは、今でも「神戸会」(こうべかい)という組織をつくっています。とはいえ、神戸会系の新聞販売店で、配達や集金をしている新聞奨学生などの若人は、未来ある純朴な青年たちです。ぜひ素晴らしい未来があってほしいと思います。

 このように、新聞社とヤクザの関係は浅からぬものがあります。そして、ヤクザではありませんが、かたぎの用心棒を新聞社はかかえています。例えば、読売新聞社重役である、佐藤謙・元防衛事務次官(大蔵省出身)は小林与三次元社長(警察官僚出身、故人)の娘婿です。新聞は「再販売価格維持制度」で割引ができないことになっています。だから、新聞販売の現場では「オマケ」が充実しているわけですが、この新聞は割り引きできない制度は、戦後すぐに出された公正取引委員会告示にもとづくものです。この公正取引委員会の竹島一彦・前委員長(大蔵省出身)の子息は、毎日新聞で小沢一郎氏の番記者をつとめた竹島一登記者です。日経新聞の紙面製作のトップであるT元編集局長は大蔵省銀行局長から公取委員長に転じたTさん(故人)の子息であり、朝日新聞にも公取事務局職員でトップをつとめた父を持つY記者がいます。日本新聞協会は民主党政権に対して次の公取委員長をめぐる国会同意人事へ圧力をかけています。毎日新聞は9月26日の竹島委員長退任記者会見を伝える記事で、「政治の混乱で自らの後任が決まっていないことに「残念だがいかんともしがたい。一日でも早く補充をお願いしたい」と話した」と伝えています。

 もちろん、公取はかたぎですし、大蔵官僚らが多いわけですが、こうやってしっかりかたぎの大蔵官僚をおさえて、再販売価格を維持した上で、新聞販売システムが成り立ってきました。そうやって、現在の日本の新聞業はなりたっているわけです。これを象徴するかのようなエピソード。東映ヤクザ映画の主演俳優・菅原文太さんの娘は日経新聞の記者です。事情を知らない若い同僚が「うちの会社には菅原文太の娘がいてすが、ニックネームで、菅原文子(ぶんこ)と呼んでいます」とうれしそうに話し、取材先の他業界の社長さんに当惑され、会社命令で禁止されました。ちなみに、女性の記者は結婚しても姓は変えない人が多いのですが、彼女は姓を変え、「小菅(こすげ)記者」になりました。「菅原」から「小菅(こすげ」)へ。これはリアルな話だなあと思いました。

 実につまらない話をしてしまい、反省しておりますが、ファンの方には申し訳ありませんし、有名人の親を持つ気持ちはてんで分かりませんが、すばらしい演技力を持つ菅原文太さん。しかし、ヤクザとの会食するなど交遊関係があったのは事実。なによりも、役柄と名演技のためとはいえ、しょせんは娯楽の映画産業とはいえ、「ヤクザ(YAKUZA)」の存在感を国内外に高めてしまいました。これは大問題です。結果責任です。そして、カップルも親子も脚を運ばないヤクザ映画の「東映」の経営は当然にして傾き、現在では健全経営の旧財閥系「東宝」の配給収入の3分の1しかないジリ貧に追い込まれてました。ヤクザと付き合った会社は傾き、労働争議を経験した会社はやがては栄えるということです。


[写真]自民党の安倍晋三総裁(元首相)、山口4区、清和会、自民党ホームページから。

 過去に短い期間で辞任に追い込まれた閣僚にはある共通点があります。リクルート事件で4日間で辞めた竹下内閣の長谷川峻法相は、宮城県出身。安倍内閣の遠藤武彦農相は山形県出身。羽田内閣の永野茂門法相は大分県出身、福田内閣の中山成彬国交省は宮崎県出身、野田内閣の鉢呂吉雄経産相は北海道出身、橋本内閣の佐藤孝行国務大臣・総務庁長官も北海道出身。というように、東北・北海道および(薩摩・肥前・熊本以外の)九州出身者です。全員がメディアスクラムで辞任に追い込まれました。これは言うまでもなく、明治維新で負けた方です。佐藤氏に関しては、もともと国民が持っていた情報をもとにした辞任要求が首相官邸に殺到した経緯もあります。永野法相辞任は、毎日新聞のオフレコ破り報道で辞任に追い込まれたのですから、まさに毎日新聞こそヤクザとしか言いようがありません。また全員が非世襲です。

 勝った方の山口、岸首相のおかげで現在の繁栄があることへの新聞社の恩返しが浮き彫りになります。まして、田中法相は福島県出身。この150年間、イチバン辛い思いをした地です。挙げ句の果てに原発爆発ですよ。ここまでヒドイ思いをした福島県出身の法相をたたき続けるイジメ体質。そして、東海道五十三次の宿場町戸塚に出てきて当選6回、落選3回という非世襲をたたく体質。非世襲議員が戸塚で勝ち上がるためには、様々な努力が必要です。ヤクザとまったく付き合いのない政治家が戸塚で当選できるわけがないでしょう。そういう、福島県出身で、戸塚で勝ち上がった非世襲政治家が法相になったとたんに集団イジメで突き落とそうとする新聞社。世も末に思えますが、その間隙に、稲川会ナンバー2を逮捕した警視庁という存在もあります。「官尊民卑」を地でいく、新聞社がまさに、ジレンマに陥り、ますます官尊民卑のあり地獄。とはいえ、「官」の中でも、警視庁と神奈川県警の「仕分け」がなされています。


[写真]小泉純一郎・元自民党総裁(首相)、自民党ホームページから。

 このような新聞社の集団イジメは許せません。新聞とヤクザ、金融とヤクザ、原発とヤクザ、廃棄物とヤクザ・・・そして基地とヤクザ。例えば、小泉純一郎首相は、米軍池子住宅の建設に携わったことから、その周辺では絶頂期でも情勢は芳しくなかったようです。このようなヤクザがわずかにしのぎをえている分野をしっかりと仕分ける。新聞だって、ページ数を減らして値段を下げて夜回りを廃止すれば、もっと良い商品がつくれるでしょう。軽減税率を適用して、新聞は無税にすべきです。そのうえで、今、何が何でも公取委員長人事で影響力を行使したい新聞社が自分たちの力で法相を辞めさせるという実績を作ろうとしています。それが時代遅れであることは自明の理。

 ヤクザはつぶすべきです。彼らは日本列島以外に居場所がありません。日本から消せば、地上から消えます。今こそヤクザを完膚無きに根絶すべきです。田中法相になって、警視庁が稲川会ナンバー2を逮捕したという事実を受け止めるべきです。権力と権力の攻防。私たちカタギは今こそヤクザに対して一歩も退いてはなりません。ヤクザは追い込まれています。今こそ、一人残らずヤクザを消し去るときです。ヤクザ撲滅は最大の景気対策です。

 ところで、「中華民国籍の男性」を「台湾出身の男性」といいかえて記事が分かりにくくなっています。ちなみに、横浜中華街では中華人民共和国系の中華民国系は10対1くらいの比率ですが、そもそも、東京など日本生まれがほとんどです。中華民国籍でも、中国福建省などがルーツの人も多いです。政治に対してしっかりした考えを持っている人が多いように感じました。駐日経済文化代表のことを「大使」と呼ぶので、私も「大使」と呼ぶと、突然「宮崎さん、大使じゃないですよ。国交がないから大使はいませんよ」と訂正されました。私が記事に書いてしまったら不憫だとおもんばかってくれたのです。学校も持っています。

 朝鮮日報電子版の記事が面白かったので添付します。

朝鮮日報(日本語)電子版から引用はじめ]

 NHKが19日報じたところによると、暴力団関係者との交際が発覚した日本の田中慶秋法相(74)が、近日中に辞任する見通しとなった。今月1日の内閣改造で入閣した田中法相は最近、暴力団幹部との交際や、中国人から政治献金を受け取っていたことなどが週刊誌に報じられ、辞任を求める声が強まっていた。労働運動家出身で当選6回の田中法相は、今回が初めての入閣だった。

  田中法相は「神奈川県議会議員だった30年前、暴力団幹部と付き合ったことがあり、暴力団関係者の結婚に当たって仲人を務めたこともあるが、20年前からは(暴力団幹部と)会っていない」と釈明した。だが「暴力団との戦い」を指揮しなければならない法相として適任ではない、と指摘する声が出ている。日本では2-3年前から、暴力団との付き合いや取引がある企業関係者のリストを公開するなど、暴力団の根絶に向けた運動が繰り広げられている。

  暴力団は政治家や芸能人と切っても切れない関係にある。自民党の安倍晋三総裁も2008年、日本最大の暴力団・山口組の金庫番とされる幹部と一緒に撮った写真が最近公開され、問題になった。また、ある週刊誌によると、城島光力・財務相も選挙の際に暴力団系列の企業から支援を受けていたとの疑惑が浮上した。このほかにも、多くの国会議員が暴力団と関わっていたといううわさが飛び交っている。

  暴力団はもともと、国粋主義の政治家の支援を受けて成長してきた。帝国主義の時代には、政治家たちが暴力団を侵略の手先として活用し、戦後は右派・左派の対立に利用してきた。戦後、芸能界やスポーツ界を通じ、企業のような形態になった暴力団は、建設業や不動産業、金融業、人材派遣業などに手を広げてきた。「反韓」を唱え街宣する一部の団体も、暴力団を母体としていることが知られている。

東京= 車学峰(チャ・ハクポン)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

[引用終わり]

 とにもかくにも、稲川会がしゃべって法相が辞任することは、稲川会の影響力を高めてしまうことになります。私たちが潰すべき敵が稲川会であることは党派に関係なく、当然のことです。

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