宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

民主党・国民新党が衆参統一会派

2012年10月18日 19時51分05秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

 民主党代表の野田佳彦さんと国民新党代表の自見庄三郎さんは2012年10月18日(木)、国会議事堂中央部3階「委員長室」で会談し、衆参両院での統一会派結成の覚書に署名しました。

 これにより、衆議院では247議席で議席占有率51・8%、参議院では90議席で議席占有率37・3%となります。横路孝弘衆議院議長と平田健二参議院議長は除きました。

 なお、これを計算したときに気付いたのですが、議会運営上まったく意味のない数字ですが、国会の総議員にしめる与党議員の割合は46・9%と過半数ないんですね。かつてないほど苦しい議会運営です。すっかり寒くなり、ストレスも限界に近づいているでしょうが、ぜひとも、衆参とも選挙区選出議員には、健康に留意していただきたい。

 野田民主党と自見国民新党は親友です。惑星と衛星のような仲だといえるでしょう。「万有引力とは引き合う孤独の力である」(谷川俊太郎)。小沢一郎氏に裏切られた民主党と亀井静香氏に裏切られた国民新党。その孤独を引き合う万有引力。第45期衆議院も残り10ヶ月、通常国会1回を残すのみとなりました。3・11のときには、同盟国アメリカが駆けつけてくれ、ホントウの「トモダチ」が分かりました。

 この苦しい局面で、裏切る人間は、どこにいっても裏切るでしょう。万有引力だろうが、表面張力だろうが、使える力はなんでも使う。ぜひ、裏切り者を出さないよう国民総監視の下、来るべき選挙を迎えましょう。

 
[写真]中国・人民大会堂で記念撮影に収まる野田佳彦民主党広報委員長(前列中央)と自見庄三郎国民新党副代表(前列右端)。前列左端は高山智司・現環境政務官(兼)内閣府政務官、2007年12月。

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火事場泥棒の自民党が逃げ出し、与党・蓮舫さんが政府を正す 復興予算「全国防災」流用事件 参決算委

2012年10月18日 17時23分46秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院決算委員会筆頭理事に就任した民主党の蓮舫さん。与党議員が政府の予算編成・箇所付け・執行をただすという、国会史上初の光景が見られました。

【参議院決算委員会 閉会中審査 2012年10月18日(木)】

 9月8日に閉会してから、6週間、初めての閉会中審査として参議院決算委員会が開かれました。同委員会は先の国会の会期末処理で、山本順三委員長(自民党)が「国家財政の経理および国有財産の管理に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか」とはかり、全会一致で継続調査要求をしていたので、これに関する国政調査としてきょうの委員会が開かれました。なお、法案に関しては、参院の委員会は通例、継続審査(閉会中審査)にしないことになっています。これは次の国会が召集された瞬間に参議院先議法案となってしまうため、重要法案は参議院では継続審査せず、審議未了廃案とするのが慣例となっています。ですから、8月28日に特例公債法案と定数是正法案を衆議院本会議で強行採決した背景にはこの慣例を踏まえて、民主党国会対策委員会が作戦を立てていた可能性があります。その城島光力さんも、きょうの審議では、城島財務相として答弁でビューしました。城島さんは児童手当に関する議員立法で3党合意を代表して答弁したことはありますが、政務三役は初めてになります。

 二大政党は秋の臨時国会で委員会の配置換えをして、1年間国会を運営する人事戦略をとっていますが、民主党は参院決算委で元行政刷新相の蓮舫さんを筆頭理事に起用しました。輿石東さんが控える民主党・新緑風会会長室には、各委員会の配置をホワイトボードで示しており、委員長の名前の上には赤いマグネット、筆頭理事の名前の上には青いマグネットをつけています。ただし、他党議員が委員長を占める委員会では、筆頭理事の名前は、委員長の位置に書いてあります。ですから、決算委員会については、蓮舫さんが実質的な委員長さん、責任者ということになります。院からの待遇(委員長室、公用車)では委員長と筆頭理事はまったく違いますが、参院民主党“輿石教室”では、決算委は蓮舫さんが責任者として委員長さんと同じ責任をもってしっかりやりなさい、という扱いになります。いろいろと悪口を言われる輿石さんですが、彼の民主党・新緑風会の運営は、何か小学校のクラスルームのように思えますが、「当たり前のことが当たり前にできない未熟な政党」において、余人を持って代え難い。立派な方です。

 さて、きょうの審議ですが、蓮舫さんの質問はとてもよく、自民党の50年王国ではあり得ない、政府による予算の箇所付け、執行を与党議員が厳しく追及する素晴らしいものでした。このなかで、経済産業省の平成24年行政事業レビューシートで、「災害用リチウムイオン蓄電池導入支援事業費」(情報通信機器課・荒井勝喜課長作成)について、210億円の予算を「一般社団法人 環境パートナーシップ会議」という法人に随意契約で委託したことで「執行率100%」としていることが分かりました。たしかに荒井課長はこのレビューシートの中に注釈を書いていますが、近藤洋介・経済産業副大臣の答弁によると、「実際に事業者に渡っているのは約10億円なので、執行率は5%ぐらい」とのことでした。この基金を法人に渡して執行率をわたして100%と豪語する行政は、まさにシロアリです。マスコミが追及しろと言っても、どこに住所があるかも分からないし、無理です。まさかこのシロアリに経産官僚が天下りしているようなことはないですが、官僚たちには恥を知れとしか言いようがありません。

 蓮舫さんは3・11当時の行政刷新担当大臣として「閣法には全国(防災)が入っていなかったことは押さえておきたい」と発言しました。これが利いてか、この後の自民党清和会の森まさこさん(福島選挙区)は「まるで事業仕分けのように一つ一つ金額をあげつらう(蓮舫さん)の質疑には、福島県民は怒っています」とし、同じく自民党宮城選挙区の熊谷大さんは田中けいしゅう法相を要求し、出席を得られないと、質問を放棄してしまいました。このように、被災地出身議員を起用しておいて、復興予算の全国防災への流用に関する閉会中審査という本筋から逃げた自民党には、まさに恥を知れとしか言いようがありません。

 先週から今週にかけての、報道の変化などから、気付いていらっしゃる方もおおでしょうが、実は「全国防災」は第177震災国会の民自公3党協議のなかで、自民党が復興基本法に入れたものです。自民党の案を飲まないと、参議院で法案が一本も通らないという国会状況の足元をみられた格好です。

 民主党内閣が国会に提出した第177閣法70号の第2条は次のように書かれていました。

 未曽有の災害により、多数の人命が失われるとともに、多数の被災者がその生活基盤を奪われ、被災地域内外での避難生活を余儀なくされる等甚大な被害が生じており、かつ、被災地域における経済活動の停滞が連鎖的に全国各地における企業活動や国民生活に支障を及ぼしている等その影響が広く全国に及んでいることを踏まえ、国民一般の理解と協力の下に、単なる災害復旧にとどまらない抜本的な対策が推進されるべきこと。この場合において、行政の内外の知見が集約され、その活用がされるべきこと。

 これに、自民党による加筆が入って、現在の東日本大震災復興基本法(平成23年法律125号)では次のようになっています。自民党による加筆部分を【】で補いました。 

 未曽有の災害により、多数の人命が失われるとともに、多数の被災者がその生活基盤を奪われ、被災地域内外での避難生活を余儀なくされる等甚大な被害が生じており、かつ、被災地域における経済活動の停滞が連鎖的に全国各地における企業活動や国民生活に支障を及ぼしている等その影響が広く全国に及んでいることを踏まえ、国民一般の理解と協力の下に、【被害を受けた施設を原形に復旧すること等の】単なる災害復旧にとどまらない【活力ある日本の再生を視野に入れた】抜本的な対策【及び一人一人の人間が災害を乗り越えて豊かな人生を送ることができるようにすることを旨として行われる復興のための施策の推進により、新たな地域社会の構築がなされるとともに、二十一世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべきこと】。この場合において、行政の内外の知見が集約され、その活用がされるべきこと。

 こうなっています。

 自民党は東日本大震災の復興にあたって、「新たな地域社会の構築がなされるとともに、21世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して行われるべき」とまで書き込んでいます。「3・11」はそんなに余裕がある状態だったのでしょうか。「3・11」の直後、民主党1期生の教師役だった岡田克也幹事長は、1期生を集め、「こういうときこそ人は見られている」とし、政府外議員が被災地に自主的に視察するなどして現場を混乱させないようにたしなめました。そして、この文言を挿入したのは、被災地とは遠い、鳥取1区選出の自民党政調会長、石破茂さんでした。災害の直後、まだ原子力災害の行方が見えず、津波による行方不明者が発見できず、がれきの処理が完了していない昨年3月~6月に、「21世紀半ばにおける日本のあるべき姿を目指して」という文言を挿入した石破さんの姿は、火事場泥棒としか言いようがありません。そして、この全国防災費の財源は再来年6月からの、住民税均等割の一律年間1000円アップ(県税、市税半分ずつ)をあてることになっています。広く薄く住民税均等割をアップして、特定の企業・団体だけに歳出するというのは、究極の逆進税制だし、税額控除などで積み上げてきた、自民党利権政治の再現でしかありません。

 この復興増税と全国防災に関しては、自治体から反論が出ていました。

 当事者である、石破茂さん。なんか言ったらどうなんでしょうか。しょせんは、この程度の政治家なんですよ、石破というのは。その石破さんを県連投票でトップに選んだ自民党。まさに大ブーメランに入りつつあります。そう言う意味では、ある意味、そろそろ衆議院解散の良い頃合いかも知れません。

 火事場泥棒というのは、私が知る世間では、人として最低の行為です。次の仕分けは議員仕分けです。

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参院選一票の格差「違憲状態」と最高裁 抜本改革すべきだが次期衆参選挙は「有効」では

2012年10月18日 09時33分04秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[画像]8月28日(火)の衆議院本会議で定数是正法案の「可決」を委員長報告する赤松広隆・政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員長、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 最高裁判所大法廷は2012年10月17日(水)、第22回参院選(2010年7月11日セブンイレブン投開票)の選挙区(都道府県ごと)の1票の格差に関する2つの上告審(平成23(行ツ)51事件と平成23(行ツ)64事件)について、「違憲状態」と断じた上で、選挙結果については有効としました。裁判官のなかでは、参議院の都道府県ごとの選挙区制度では1票の格差の是正に限界があり、選挙制度を変えるべきだとの意見も出ました。

 すでに、昨日の判決については、最高裁判所のホームページから、判決文全文がダウンロードできますので、お読みいただきたいと思います。

 最高裁のホームページで、

 1件目はhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82641&hanreiKbn=02
 2件目はhttp://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=82642&hanreiKbn=02

 から全文を取り出して読むことができます。

 ここからは、あくまても、短期的な現実論として私見を書きます。タイミングとしては、今書くことではないのですが、どうやらきょうの民自公3幹事長会談で、公明党の井上義久幹事長が「定数是正法案の成立を約束することとひきかえに年内解散」という条件を出してくるという観測があります。ところがこの「井上提案」が仮にあっても、国政は1ミリほど前に進むだけの話であり、井上提案はほとんど意味のない提案だということです。

 まず、最高裁が衆議院に求めていること。これは国会議員もマスコミも勘違いしている人の方が多いですが、まずは衆議院選挙区画定審議会設置法(区割り審設置法)の第3条に書いてある「47都道府県ごとの基礎配分1」(1人1枠方式)の削除です。そのうえで、都道府県ごとの定数を0増5減することです。そのうえで、2010年国政調査にもとづき、村松岐夫会長らの内閣府区割り審議会が新区割りをつくり、総理に勧告し、国会が公職選挙法改正案を成立し、天皇陛下が公布するという流れです。ただし、来年8月29日に第45期衆議院の任期が終わるので、極めてギリギリのスケジュールです。

 そこで、民主党は第180通常国会に180衆法22号を出しました。この法案について、私は「1人1枠方式を廃止し、0増5減し、定数をさらに40削減し、比例を全国ブロックにし、一部連用制を導入し、第47回衆院選から定数400とする附則をつけた法案」と表現しています。この法案は8月28日(火)の衆議院本会議で全野党欠席のなか、民主党・国民新党の賛成多数で可決しています。上の赤松広隆・衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員長の委員長報告がその証拠です。その後、参議院に送られましたが、審議されず、9月8日(土)の会期末に審議未了廃案となりました。ただし参議院では採決していませんから、参議院が否決したという事実はありません。

 参議院の定数是正に関しては、第23回参院選までに「4増4減」が必要です。これは、民主党・新緑風会の一川保夫、参議院自民党の溝手顕正の両幹事長が発議者として、180参法36号として「公職選挙法改正法案」として出されています。これは4増4減のシンプルな法案なので、二大政党の参院会派共同提出が可能となりました。会期末の9月7日(金)の参議院本会議で、賛成202、反対36の賛成多数で可決しています。次の足立信也・特別委員長の委員長報告の画像がその証拠です。この後に開かれた先の国会最後の衆議院本会議で、議院運営委員会を飛び越して、直接、特別委に付託し、閉会中審査として継続審査案件となっています。


[画像]参院選挙区の4増4減の定数是正法案の審査結果「可決」を報告する足立信也・政治倫理の確立および選挙制度改革に関する特別委員長、2012年9月7日、参議院インターネット審議中継から。

 ですから、国会としては定数是正について、何一つ仕事はできていません。ところが、衆院選の定数是正については衆議院が、参院選の定数是正については参議院がそれぞれ法案を可決しています。最低限の努力をしています。いやむしろ、少なくとも衆議院にとっては、「民主党・国民新党の賛成」というねじれ国会の参議院での可決・成立が見込めない状況のなかでは、「衆議院としては最大限の努力」と言えるのではないでしょうか。この第180通常国会の議事録が残っている以上、最高裁は、第46回衆院選、第23回参院選の選挙結果について、引き続き「違憲状態」ないしは「違憲」と断じても、「選挙結果を無効にしてやり直させる」という判決を出すようには、私には思えません。

 要するに、きょう、野田佳彦内閣が日本国憲法第7条による解散詔書を公布し、衆議院議院運営委員会で横路孝弘議長が朗読して、衆議院を解散し、第46回総選挙をしても、選挙は有効である、と私は考えます。あるいは、参議院も来年7月にこのまま第23回参院選をしても、選挙結果は有効ではないでしょうか。

 ですから、きょう、井上幹事長が「定数是正法案を衆参で通して成立させてあげるから、12月9日(日)投開票に間に合うように解散してほしい」と要求しても、衆院での可決が衆参両院での可決・成立になるだけであって、新区割りによる選挙ができない以上は、国政は前進しない、しいて言えば、一ミリ程度の前進に過ぎないのではないでしょうか。

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