ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

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岡田克也外相が訪問したタンザニアの住友化学蚊帳工場 読売新聞社が国際協力賞を授賞

2012年10月23日 05時28分43秒 | 岡田克也、旅の途中

[写真]タンザニアを訪れた岡田克也外相、2010年5月3日。

 岡田克也外相が2010年5月の大型連休を活用して視察した、タンザニアの住友化学の蚊帳工場が第19回読売国際協力賞を受賞しました。2012年10月23日(火)付の読売新聞1面で発表され、特集面が組まれています。

 岡田さんは衆議院議員としてのブログ「岡田かつやTALK-ABOUT」の2010年5月11日付「アフリカ訪問(3)―現場に行って初めて見えるものがある」のなかで、「まず、第1に行きましたのが、タンザニアの蚊帳工場です」「非常に効果があって、マラリアによる死亡が半分になったという国がいくつか出てきました」「そういった素晴らしい技術を日本の企業が提供しているというだけではなくて、このタンザニアの蚊帳工場では、合わせて6000名の雇用を作り出しています」「いずれにしても、私は、日本の企業が頑張っている姿を嬉しく思いました」と感想をつづっています。

 岡田さんのブログは、現在衆議院議員としてはきわめて珍しく、コメント欄が開設されていますが、ハンドルネーム「いいちこ」さんから「蚊帳技術が外国にしっかりと定着した事は、とっても嬉しいです。でも、蚊が触れただけで死んでしまうような殺虫剤を糸に混ぜて、それを人間が使用して、身体に害は無いのでしょうか?小さい子が謝って端っこを口に入れたりしても大丈夫なのかなぁ・・・などと、ちょっと心配してしまいました」 とのコメントが寄せられました。

 この後、住友化学の米倉弘昌会長は経団連会長に就任しました。

 読売新聞によると、この「殺虫剤が練り込まれた蚊帳」は「オリセットネット」と呼ぶそうで、同社は1985年頃から開発。同社の研究員、伊藤高明さんが、マラリアの流行でアフリカを中心に年間100万人が亡くなっていることを知り、マラリア撲滅をライフワークにすることを決心。洗濯しても殺虫剤が落ちにくくしたり、寝苦しくならないよう通気性を高めたりして開発に成功しました。ただ、売れるかどうか見通しは立たなかったそうですが、タンザニアで青年海外協力隊員としてマラリアにかかった経験がある川崎秀二部長が背中を押しました。2003年にタンザニア企業に技術を無償提供し、2005年に現地企業と住友化学の合弁企業を設立。岡田さんの2010年のブログでは、6000人の雇用となっていますが、きょうづけの読売では、7000人の雇用を生み出しているそうです。

 現地リポートによると、タンザニア・マガディニ村のティパイ・ワガディコ村長は、「SUMITOMOの名前は、誰でも知っている」と、高く評価したそうです。


 
[写真]タンザニアの住友化学の蚊帳工場を訪れた岡田外相、2010年5月、岡田かつやTALK-ABOUTから。 

 これとは別に、先の通常国会の衆議院社会保障と税の一体改革特別委員会の審議でもタンザニアの日本人が紹介されています。元外交官で公明党の遠藤乙彦さん(第45期衆議院で勇退)が、2012年5月31日、「
今、タンザニアで、もう援助の時代は終わってビジネスの時代になって、非常に活性化して成長も進んでいる中で、日本からやってきた三十歳の若者がビジネスで非常に大きな成功をおさめて脚光を浴び、有名人になっている、タンザニア政府からいろいろな助言まで求められるぐらいの存在になっているということであります。沖縄出身の男性らしいんですが、24歳のときにタンザニアに定着して、そこでビジネスに開眼して、今や、5年間で41社を立ち上げ、100人以上の従業員を使い、何と年商300億という話を聞きまして、通称タンザニアのプータロー君というように呼ばれているそうなんですが、ドロップアウトしたような青年でも、国際的に活躍して、実際にそういった起業家精神を発揮して成功している例もあるわけであります」と紹介しています。

 一方、岡田さんのブログには、ハンドルネーム「レイ」さんが次のような具体的提案を寄せています。「孤児である子達が大きくなった時、教育を十分に生かして、悲しい思いをせずに暮らせるようになっていればいいなあ、、と思います。それから、岡田さんのお話にあった、アフリカの大地に広がる、日本と同じ田んぼの風景、をふと思い浮かべてみて、そういえばアフリカでお米を作る、、というのは一体どういうことかな?という疑問がわきました」「それで少し今調べてみたら、色々分かりました。まず、アフリカでもお米の需要が今はとても高くなっていること、(祖先が東南アジア人であるマダガスカルの人たちは、もともと主食がお米なのだそうですが)、ネリカ米という、アジアイネとアフリカイネを掛け合わせた、アフリカの環境にあったお米ができて、生産が十分にできるようになったこと、また、お米に関する優れた技術・支援のノウハウを日本が持っていることなどがあるのだそうですね。なるほど、、と思いました!アフリカでもお米の消費が増えた理由の一つに、調理が簡単、ということがあるらしいのですが、確かにテレビでみたところ、トウモロコシの粉をお鍋の中でこねるのは、力が要りそうで大変そうでした、、。でも美味しそうだし、立派な食文化として、これからも主食の座を守っていってもらいたい気持ちです!」

 ということで、冒頭の写真は、タンザニアの大規模水田を見る岡田外相。規制制度改革で、JA潰しを狙っているとされる岡田さんですが、別段海外から安い輸入米で日本を席巻するようなせこい人ではありません。

 読売国際協力賞は、読売新聞創刊120周年を記念して1994年に創設。選考委員は、「佐藤謙・世界平和研究所理事長」ら5人。

 まあ、読売新聞ももっと、岡田さんの活動を中立公正に報道して欲しいものですね。

 それはさておき、岡田克也59歳。極端な新自由主義者との観測もありますが、「今思い切って国を開かないと日本は潰れる」と公言する岡田さん。日本のセールスマンとして、世界の中のJAPANへ。岡田克也の可能性への挑戦はまだまだ続きます。

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