ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

民主党7奉行がひな壇にそろい踏み 閣外の守護神、仙谷由人さんが野田内閣をただす

2012年10月31日 16時24分57秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]野田首相ら7奉行内閣をただす仙谷由人さん、2012年10月31日、衆議院本会議、民主党ホームページから。

 ついにこの日が来ました。

 第181回臨時国会冒頭の野田佳彦首相の所信表明に対する各党代表質問が行われ、総理ら民主党7奉行のうち、 唯一閣外にとどまり党の留守番を任された民主党副代表、仙谷由人さんが演壇に上がり、野田内閣を身内ながら厳しく叱責。

 ひな壇の向かって左には、野田佳彦首相、玄葉光一郎外相、前原誠司国家戦略相、樽床伸二総務相、ひな壇向かって右には岡田克也副総理、枝野幸男経産相が着席。これにより、2012年(平成24年)10月31日(水)午後2時、初めて民主党7奉行全員がひな壇に上がった状態になりました。

 民主党7奉行そろい踏みは、憲政史上初めて。

 これは岡田さん、仙谷さんが1990年2月18日に初当選、野田総理ら5人が1993年7月18日に初当選して以来、19年目の秋の臨時国会で実現しました。とはいえ、全員が第45期衆議院で初入閣。鳩菅および小沢一郎氏につぐ「第二期民主党・反小沢」のエース格の7人ですが、鳩山内閣(小沢一郎幹事長)では、岡田さん、仙谷さん、前原さんの3人しか入閣しておらず、人材を使えずスタートダッシュに失敗しました。それでも反小沢を貫き、あまりにも経験の多い第45期のしめくくりとして実現しました。

 きょうは民主党のまた新しい出発の日です。

 渡部恒三先生が選び、名付け、育てた民主党7奉行ですが、安住淳さん、松本剛明さん、細野豪志さん、長妻昭さん、山井和則さん、馬淵澄夫さんらを加えた方が良いとの声もあり、各々がより若い世代を取り込む動きが活発に繰り広げられてきました。

 仙谷さんは「今の日本は4重5重の構造的危機にあります」として、震災、原発事故、失われた20年、欧州政府債務危機らとしっかり闘うよう、閣内6奉行に覚悟を迫りました。押っ取り刀で、特例公債法案の成立を呼びかけ、「野党にも健全野党は何かを考えてほしい」として、7奉行が対峙する自民党らに呼びかけました。

  さらに閣外にいる自由な立場から、喫緊する最大の的である「参議院自民党」を名指しし、「参議院自民党は問責決議を振りかざし、自縄自縛に陥っている」とし、議員席を見渡し「自民党総裁のガバナンスを疑わざるを得ない」と痛烈に皮肉りました。

 定数是正法案については、「違憲の衆議院の首班指名には、legitimacyが欠けている」との原理を示し、次の任期に禍根を残さないよう呼びかけました。

 復興予算にシロアリがたかった経緯など閣外だから質問できること、日本再生戦略のように省庁横断的課題、パッケージインフラのように閣内だと言及がはばかられる雰囲気がある政策課題を積極的に取り上げました。そして、仙谷さんの政治家としての譲れない一線だったのでしょう、民主党結党時の党綱領的文書「私たちの基本理念」に触れ、「総理にはど真ん中の中道をどこまでも進んでほしい」として、民主中道の道を歩むよう質問をまとめて、降壇しました。

 これに先立つ代表質問には安倍晋三・自民党総裁が登壇。首相経験のあるシャドウ首相が現首相を冒頭でただすのもこれが初めて。憲政史に残る一日となりました。

 日本デモクラシーの新しい一日でした。そして、今、政権にあって国難にあたっているのが7奉行であるということです。ようやく「もはや小沢ではない」当たり前の政治が戻りつつある新進党解党から15年目の秋です。

 7奉行とともに日本再生に国民全員の総力を結集しましょう。



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