宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

平成24年10月29日(月)召集 野田総理「成長戦略と財政健全目標入りの新・特例公債法案」提案

2012年10月19日 21時07分30秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]党首会談の結果を記者に説明する野田佳彦・民主党代表(首相)、2012年10月19日(金)午後4時50分、国会内民主党代議士会室、筆者撮影。

 まず、朗報で、東海大学が経営する病院に入院した田中けいしゅう法相は「元気だ」ということが、その筋からの情報として入りましたので、どうぞご安心ください。

 さて、2012年(平成24年)10月19日(金)、国会議事堂中央部3階正門側(皇居側)の委員長室で、党首会談がありました。ところがこれ、見かけない光景がありました。民主党の野田佳彦代表(総理)が3時56分、部屋に入りました。ちなみに山口那津男・公明党代表は総理より2分前に入り、安倍晋三・自民党総裁は総理より2分後に入りました。ところが民主党の輿石東幹事長は野田総理が入った2分後に入りました。私、与党の党首(総理)が先に入り、与党の幹事長が後から入るというシーンは、私の知る限りでは初めてです。

 党首会談は40分間で、やや長めだったと思います。この後、総理と輿石幹事長は、民主党の衆議院側控え室に入り、記者ブリーフィングにのぞみました。ここでも見慣れない光景があり、会談の内容をすべて総理が説明し、記者からの質問にもすべて総理が話しました。隣にいた輿石さんはひと言も発しませんでした。見慣れない光景で、報道では、自民党の安倍総裁は記者会見で、幹事長会談で解散時期について総理から具体的な説明がある、との話になっていたことから、「今までの政党間の常識ではない」と語ったようです。しかし、総理自ら記者ブリーフィングをする政治なので、安倍さんの常識が勝つか、野田さんの常識が勝つか、それはこれからの歴史的局面で結果が出るでしょう。

 野田さんは3つの提案をしましたが、自公党首は衆議院「解散の時期を明示してほしいとのやりとりに終始した」(総理)とのことでした。3つの提案のうち、2つめは、衆参の定数是正法の成立に向けて幹事長レベルで協議してほしい、3つめは社会保障制度国民会議(設置時期は来年8月まで)は「解散があると40日以上(政治的空白期間が)空くので」(総理)速やかに設置させてほしいとのことでした。

 そのうえで1つめの提案ですが、特例公債法案については、少なくともどの党が政権をとってもしばらくは特例公債を発行せざるをえない財政状態が続くので、ルールとして、平成24年度特例公債法案(参院で審議未了廃案)の本則のところや付則を書き直して再提出したり、3党間で覚書を交わしたりしたいとの提案でした。そして、自民党が提出した「財政健全化責任法案」(林芳正さんら提出、直近では、第177参法1号=第177国会で審議未了廃案)の第5条を活用して、「平成24年度から平成27年度、あるいは(平成24年度から)平成32年度まで」の期間について、経済成長と財政健全化目標を法案に明示して、その間は予算と一体的に審議・成立させると本則に書いたり、付則に書いたり、3党間で覚書を交わしたりしたいとの提案でした。

 「平成24年度から平成27年度まで」は、2012年度から2015年度までで、実質的には3年と3ヶ月間ほどになります。
 「平成24年度から平成32年度まで」は、2012年度から2020年度までで、実質的には8年弱ということになります。

 なお、ここで総理が提案した自民党の財政健全化責任法案の該当部分は次の部分だと考えられます。


第177国会議案から引用はじめ]
第一七七回
参第一号

   国等の責任ある財政運営を確保するための財政の健全化の推進に関する法律案

(前略)

 (財政健全化目標)
第五条 財政の健全化の推進は、一会計年度の国及び地方公共団体の財政赤字額が生じないようにすることを目指しつつ、次に掲げる当面の目標(以下「財政健全化目標」という。)を達成するよう行われるものとする。
 一 平成三十三年度以降において一会計年度末の国の長期債務残高及び地方公共団体の長期債務残高の合計額の当該会計年度の国内総生産の額に占める割合が安定的に低下する財政構造を実現すること。
 二 前号に掲げる財政健全化目標の達成のため、平成三十二年度までを目途に、一会計年度の国の基礎的財政収支額及び地方公共団体の基礎的財政収支額の合計額の黒字化(当該合計額が零を上回ることをいう。)を確実に達成するものとし、遅くとも平成二十七年度までに、当該合計額の対国内総生産比(当該合計額を零から差し引いた額の当該会計年度の国内総生産に占める割合をいう。以下この号において同じ。)を平成二十二年度の当該合計額の対国内総生産比の二分の一以下とすること。(後略)

[引用おわり]

 この法案は自民党が下野直後に林芳正さんらが参議院に提出。その後、国会戦術上の理由から衆法として財務金融委員会筆頭理事の名前で出し直し、再度、参法として提出されました。この法案は、私は最初に精査したところ、たいへんな「噛ませ犬法案」だと気づき、民主党国対幹部に伝えたところ、「あんなの審議入りしないよ」と言うことでしたが、その後、菅直人首相がふたたび審議入りしても良いと発言し、最終的には、 昨年の第177通常国会で審議未了廃案となりました。この法案は、一度成立させると、翌年度から野党・自民党は「民主党は財政健全化責任法に違反した法律破りの無責任与党だ」というキャンペーンをしたでしょう。それを野田さんがここで持ち出して、新・特例公債法案に入れようと提案したのはすぐれた政治センスです。なぜなら、今の任期では、今年度と来年度予算しかないのですから、自民党が当初想定していた「噛ませ犬」はできないでしょう。

 自民党も一度出した法案なのですから、野田さんの「新・特例公債法案」を審議し、賛成すべきでしょう。公明党は平成24年度特例公債法案(180閣法2号内閣修正)に衆院で反対しましたが、参院では審議未了廃案となりましたので、再度、「新・特例公債法案」の野田提案に乗ってみた方がいいでしょう。いずれにしろ、この提案への答えがないのに、衆議院を解散するわけにはいかないでしょう。

 野田総理はこのほか、「6月の3党合意は重い」「(8月8日の3党首会談の)「近いうちに信を問う」という言葉も重い」と語りました。さらに「ダラダラと政権の延命をするつもりはない。条件が整えば信を問う」と述べました。さらに「特定の時期を明示してほしいという自公の要求に対して、近いうちという表現はギリギリの表現だ」ともしました。まったくその通りで、3党合意があるにもかかわらず、8月8日の一体改革法案の参院採決の直前にあのような振る舞いをした自公に対して野田さんは十分すぎるほどの誠意を示しています。

 山口さんは、「近いうち」「12月9日」がともに結果として「嘘」となり、支持母体で突き上げを食らうのではないでしょうか。安倍総裁は私の常識にはないと言っているようでは戦後レジームからの脱却はできません。

 責任ある政治、どちらに分があるかは民主党。そして、民主党の中にもいろいろな民主党がありますが、野田民主党。私は責任を持って断言します。

 なお、この後、開かれた政府・民主三役会議で第181回国会(第181臨時国会)が平成24年(2012年)10月29日(月)に召集され、当初会期は1ヶ月程度とすることが決定されたようです。確認できたら、改めてエントリーをおこそうと思います。

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白浜体制6年目に突入 参議院公明党、白浜一良会長続投、国対委員長には西田実仁さん

2012年10月19日 21時07分12秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]参議院公明党会長続投が決まった白浜一良さん

 第181臨時国会(2012年10月29日召集)をみすえて、参議院公明党(19議席)は、2012年10月18日(木)、議員総会を開き、役員を互選しました。

 この結果、白浜一良さんが会長に6選し、白浜参院公明党が6年目に突入。来夏の第23回参院選まで、臨時国会、通常国会での野党にしろ、与党にしろ、3党協議にしろ、さまざまな対応に柔軟に取り組む体制ができました。白浜さんは、大阪選挙区で来夏改選を迎えますが、いまだに公認は出ていません。同党は「任期中に66歳を超えない」という公認の不文律がありますが、参院会派会長という幹部としての特例が適用される可能性が出てきました。幹事長には、引き続き木庭健太郎さん(コバケン)が当選。国会対策委員長には、活動量の多い、西田実仁(にしだ・まこと)党広報局長がつくことになりました。これまで、国対委員長を務めてきた新進党1995年東京都連100万票トップ当選の魚住裕一郎さんは来夏の参院選比例代表候補としての運動に専念するためでしょうが、副会長になりました。顧問には、衆参最年長の草川昭三さん、副会長のもう一人には、今期での引退を表明し後継者の公認が出ている松あきらさんが当選しました。

 副幹事長には来夏改選の山本香苗さんと山本博司さんがつきました。西田新国対の筆頭副委員長には、先の通常国会で議運理事をつとめた長沢広明さん、副委員長には若手の谷合正明さんが続投したほか、新しく第22期参議院2010年初当選組の、東京選挙区・竹谷とし子さん、大阪選挙区・石川博崇さん、比例の横山信一さん、秋野公造さんがつきました。

 政策審議会長には質問主意書連発男で有名な浜田昌良さん。

 このなかで、来夏改選ながら東京選挙区で公認が出ていない、山口那津男党代表が会派役員にはつきませんでした。この辺の、「山口・白浜」の緊張感が気になるところです。このほか、来夏改選の医学博士・渡辺孝男さん、地球環境博士・加藤修一さんの「博士コンビ」は役員にならず、おそらく引退されるのだろうと考えられます。気になるところでは、2016年改選の荒木清寛さんも役についていません。ただ、公明党は第180通常国会の途中、国民の生活が第一結党にともなう院の構成の変化で、どういうわけか常任委員長ポストが1つから2つに増えました。なぜそうなったのかは、参議院の伏魔殿で、報道はまったくされないのですが、西田さんが法務委員長、草川さんが総務委員長でしたが、おそらく西田さんが交代するのではないでしょうか。


[写真]西田実仁・公明党参院国対委員長。

 さて、草川顧問の4月4日の予算委員会での「国会日程の立て方」についての総理へのアドバイスを紹介したいと思います。通常国会が9月8日に閉会し、臨時国会が10月29日に召集されるのですから、そのブランクは例年に比べて短いくらいです。ところが、この間、野党、有識者、新聞投稿などで「早く臨時国会を開け」「難問山積」「臨時国会を開かないのは民主主義の危機」などという世論がわき上がったのでしょうか。そもそも、「難問山積」という人に限って、具体的に審議すべき法案名をあげられなかったような気もします。

 草川さんは次のように話しています。

 「通常国会というのは、御存じのとおり、まず予算をつくる、予算を皆さんに審議していただく、だからこれが最大の条件ですよ。だから、百五十日間という憲法できちっと保障された通常国会というのがあるわけですよ。それで、様々な問題がありますね。例えば今度だって、大災害があったわけですから、早急に規制庁もつくらなければいけない、あるいはエネルギー問題についてもどうしなきゃいけない、あるいは四月一日からもスタートをするという様々な問題を我々は抱えているわけですから、そういうことは通常国会でさっとやらなきゃいかぬわけですよ。そして、こういう税を変更するという問題は、過去の歴史から考えたってやっぱり臨時国会ですよ。それで、臨時国会に集中して議論をするというようなことがどうして今の内閣の頭に浮かばなかったかということに、私は、天下を牛耳られる、これから運営をされる民主党内閣としては大変根本的に私は欠けているのではないだろうか。単純なスケジュールの問題じゃないと思うんです。歴史を見れば分かるはずです。その点についてどうお考えか、お答え願いたいと思います」。

 つまり、通常国会で予算を仕上げて、その他の法案を成立させて、超大型一般法案は臨時国会でやってきたのです。それは野田内閣は衆参ねじれでありながら、当初予算の成立と一体改革法案の成立という2つの案件を第180通常国会で仕上げたのです。だから、会期は229日間という実質的には最長のロングラン国会になりましたし、特例公債法案、定数是正法案が残ってしまいました。さらにすでに10月中旬なのに、一回も補正予算をしていません。だから、通常国会から臨時国会まで、心の空白感を感じたのでしょう。これはクラシック音楽で言えば、休符の問題。ベートーベン、ブルックナーが好きな人なら耐えられた空白です。沈黙がこわい人。テレビを消すのがこわい人。それは死を恐れる人です。しかし、輪廻転生、人は必ず死にます。必ず死ぬから、子供が生まれることが許されるのです。3000年、いや4000年生きたい。しかし、人はいつか死ぬ。しかし、国は生き続ける。臨時国会を開け開けと言っていた人は国会議員だろうとなかろうと、与党だろうと野党だろうと死ぬのがこわい人です。もう見抜かれているんです。そして、何よりも、定められた会期内のなかでしっかりと法案を仕上げる。テキパキとメリハリをつけて、手際よく、きょう1日をしっかりと生きる。その姿勢が問われているのです。

 公明党もある一定の時期から議員の顔が変わりました。新進党や、小渕恵三・経世会内閣を経験している人と、森・小泉・安倍・福田清和会自民党内閣を知っている人。朱に交われば赤くなるとはこういうことだなあと感じます。しかし、例えば、山口那津男さんが12月9日解散が実現せずに、立場が悪くなっても心配はいりません。私はあなたが新進党公認候補として、小選挙区でよく闘ったことを覚えています。自民党公認の新人、平沢勝栄さんと言っても正直誰だか分かりませんでしたが、今になってみると、山口さんは新進党として小選挙区の恐さを身を以て証明した人だと感じます。新進党の志があれば、どんな格好でも国政に居場所があるでしょう。公明党の真価が問われることになる、白浜体制6年目となります。

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10月18日(木)のつぶやき

2012年10月19日 01時13分12秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

#kokkai #seiji #nhk #dpj #ldp きょう午前10時から参議院決算委員会。9月8日の閉会後初めての国会審議です。NHK中継はありませんが、参議院インターネット審議中継で放送されます。webtv.sangiin.go.jp/webtv/index.php

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#kokkai #senkyo 昨日の「第22回参院選1票の格差」訴訟の「違憲状態」最高裁判決すでに判決全文がアップロードされています。裁判としては2件です。一本目courts.go.jp/search/jhsp003…二本目courts.go.jp/search/jhsp003…


#kokkai きょう午前10時からの参議院決算委員会で議題となるのは、おもに、平成23年度第3次補正予算書だと思います。下のリンク先(PDF)で補正予算書を見ることができます。「明細書」を見ると、分かりやすいと思います。bb.mof.go.jp/server/2011/dl…


【ニコ生(2012/10/18 10:00開始)】《復興予算の検証》 【参議院 国会生中継】 ~平成24年10月18日 決算委員会~ #kokkai #復興予算 live.nicovideo.jp/watch/lv112080…

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#kokkai 参議院決算委員会が定刻の10時になっても開議しません。おそらく理事会で、出席閣僚の人選について与野党間の協議がされているのではないかと思います。決算委員長は自民党の山本順三さんなので、与党が強行的に開くことはできません。#kokkai #seiji

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#kokkai 参議院決算委。執行中も含めた復興予算の使途について。こういう言い方もなんですが、以前は国会でこのように予算の執行や決算について、与党が政府を追及する場面はありませんでした。もっと早くこういう国会があれば、借金1000兆円(国と地方)にならなかったのにと思います。


全国防災対策費は、再来年6月から、個人住民税均等割年1000円(県税、市税半分ずつ)を上乗せする「復興増税」をあてることになっています。これは極めて逆進的な税制に思えます。#kokkai


最強の事業仕分け。RT @hiro_channel 時間有る人は国民監視しよう!⇒@kokkai_live 【ニコ生(2012/10/18 10:00開始)】《復興予算の検証》 【参議院 国会生中継】 ~平成24年10月18日 決算委員会~ #kokkai #復興予算


参議院決算委員会。午後の質疑が始まりましたが、自民党宮城県の熊谷大さんが「田中慶秋法務大臣に質問通告していましたが、いらっしゃってますか」と質問。そのまま速記が止まった状態です。被災地選出の新人にスキャンダル追及をさせる戦術でしょうが、もっと本質的な議論を期待したいところです。

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Reading:19日に党首会談 自民“応じる” NHKニュース nhk.jp/N4476e1y

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民主輿石氏、衆院解散「首相から具体的提案も」 幹事長会談で  :日本経済新聞 s.nikkei.com/T21IhB

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自民安倍総裁、党首会談「解散についての具体的提案が前提」  :日本経済新聞 s.nikkei.com/RFneoD


参議院決算委員会は散会しました。熊谷大議員が田中法相の出席を求め、少数会派を先回しにして質疑が進みましたが、最終的に質問を放棄しました。復興基本法に「全国防災」をまぎれこませた自民党が、この期に及んでスキャンダル追及をねらうのは残念というよりも、悲しい思いです。恥を知れ!自民党。

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