【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎ついに問責の連鎖を断ち切ったぞ 野田首相が参議院本会議場の演壇で「緊急質問」に答弁

2012年11月02日 11時10分25秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[画像]問責決議を受けながら、参議院本会議の演壇に登壇した野田佳彦総理(民主党代表)、2012年11月2日、参議院インターネット審議中継から。

 ついに問責決議が解けました。野田佳彦首相は2012年11月2日(金)、国会法74条および76条にもとづき、野党9会派が平田健二議長に提出した質問に対する口頭での答弁のため、参議院本会議場の総理大臣席に座り、演壇で答弁しました。参院で問責決議を受けた内閣総理大臣や大臣(衆院議員)が、参議院本会議場に入り、演壇で発言したのは憲政史上初めて。

 これにより、問責決議により大臣が辞職(内閣改造による事実上の更迭)に追い込まれる問責政局の連鎖は完全に終焉しました。きょうは参議院と国会のまた新しい出発の日です。

 野田総理は、「緊急質問というかたちで、今こうしてこの演壇に立たせていただいております。引き続きご審議をお願いしたい」とし、これからも参議院に出席し続けることを断言し、内閣総辞職要求をはねとばしました。問責決議が可決された事実については、「反省すべきは反省し、国政の諸課題に邁進していきますので、(法案の)参議院でのご審議をお願いしたい」と語り、問責の重みを「肝に銘じ」、「正心誠意(誠心誠意)」、国難を一つ一つ乗り越えていく決意を表明しました。

 問責決議を政治的なかけひきにしてしまう悪弊を断ち切ることが出来ました。野田さんの正心誠意が、策士策に溺れ、自らを問責してしまった参議院自民党を破りました。このもようは、NHK国会中継はされませんでした。2日間にわたる本会議NHK中継を逃しました。来夏に半数改選となる参議院全体にとって大きな損失です。

 今国会中に参議院予算委員会集中審議を開いて、NHK入りの審議で名誉挽回をはかるやさしさ。石井一委員長にはあります。ピンさんはそういう男です。

 その一方で、きょう午前中の衆院委員会は、法案審査の前提になる大臣の所信表明がされ、財務金融委員会などが「店開き」しました。召集週の店開きは速いペースですが、今国会は、残り19営業日しかありませんから当然です。この中で、国土交通副大臣のうち1人が委員会に現れず、大臣がお詫びし、なぜ現れなかったのか調査・報告することを約束しました。さらに、内閣府副大臣である前川清成参議院議員が金融庁なので、「中塚一宏大臣のもと」と言うべきところを他の担当の上司である「小平忠正大臣のもと」と言い間違える場面があり、自民党の山本幸三理事のやじで気付く場面がありました。例え秘書官が何らかの間違いをしたのであっても、すべては副大臣の責任です。

 衆議院も、参議院も、府省も、しっかりしなければいけません。国難を楽しむ余裕を持つか、さもなくば消えるかのいずれかです。

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