【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎「2012年12月4日(火)公示、2012年12月16日(日)投開票」 第46回衆院選 

2012年11月14日 20時13分03秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

 野田佳彦首相(民主党代表)らは政府・民主三役会議を開き、第46回衆議院議員総選挙を

 12月4日(火)公示

 12月16日(日)投開票

 で行うことを決定しました。

 期日前投票は自治体により、12月5日(水)から。

 有権者の1割を占める東京都内では、11月29日(木)に都知事選が告示されるため、同日から12月3日(月)までの5日間は、都知事選が告示後、衆院選が公示前という状況になるため、事前のポスター戦術や後援会個別訪問などで早め早めの対応が必要となります。いずれにしろ、候補(予定)者も、有権者も選挙でやるべきことができる、当事者意識のみならず当事者能力を問われる選挙になります。

 当ブログは、当初は「(議員)仕分け解散」と名付けることを考えていましたが、野田総理の覚悟と、8月8日民自公3党の消費税増税後は「近いうちに国民のみなさまに信を問う」との合意を誠実に履行することから、「国民の手に政治を取り戻す解散」、「近いうちに信を問う解散」と命名候補にあげつつあります。そして何よりも「政権交代ある二大政党政治を守る解散」であって、これはまさに2012年12月を生きる全日本国民に課せられた使命です。ここで二大政党政治が壊れたら、日本は滅亡します。

 安住淳・幹事長代行は14日のNHKニュース7で、「第1党をめざしてたたかう」と述べ、「私たちには至らない点もああった。しかし私たちがここで頑張らないと、二大政党政が定着しなくなり、日本がとけていく」とし、「中間層のみなさんがより豊かな安定した生活ができるようになる」ための「改革の党」だとし、この3年3か月の第45期衆議院で「改革をやっていける人材を育ててきた」と語りました。同日離党を表明した小沢鋭仁さんについては「有権者に対する裏切りだ」と語りました。

 
[写真]安住淳さん(首相官邸ホームページ)から。

 岡田克也副総理は総理の解散表明の前夜の記者会見で「日本という国、そして日本人、国民、それにとって将来何が必要かと、そういう視点で物事を判断するということに尽きると思います。目の前でいろいろな御意見もあるにしても、それは説得しなければいけないということで、日本にとって将来必要なことをしっかりやっていくというのが野田政権の私は基本的な姿勢だ」とし、「様々な困難な課題を乗り越えていくというのが野田政権の使命、あるいは運命である」と語っていました。


[写真]野田首相の解散表明前夜に語る、岡田克也副総理、2012年11月13日(火)、筆者撮影。

 細野豪志・政策調査会長は12日の衆院予算委員会でNPO税制をめぐって、自民党から「変なNPOもあるぞ」とやじられ、「そこが自民党との発想の違いないんです。NPOの良し悪しを官が決めるのではなく、民が決めるのが民主党だ」と語りました。これに先立ち、中塚一宏・内閣府特命担当大臣は「公とは官だけではない」として財政的に限界がきている国家・自治体の役割を民間セクターにも担ってもらう「新しい公共」を強調しました。


[写真]細野豪志・政策調査会長。

 なお、特例公債法案(181閣法1号)は民主党の古本伸一郎さん、自民党の竹本直一シャドウ財務相、公明党の斉藤鉄夫さんらが提出した修正案を民自公3党が可決。この法案では異例の付帯決議がつきました。民主党の小野塚勝俊さんが「国会としてきわめて重い決議だ」として、平成27年度(2015年度)まで特例公債が発行が可能になったからと言って、放漫財政が許されるわけではないと戒め、財政健全化目標の法制化も検討するという衆院の意思を示しました。与党であれ、政府外議員として、国会が政府を予算でコントロールする財政民主主義の観点がようやく国会議員に浸透し、それを担える人材が育ちつつあることを感じました。


[画像]付帯決議を提出する小野塚勝俊さん、2012年11月14日、衆議院財務金融委員会、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 いずれにしろ、二大政党政治の存亡の危機となる選挙です。しっかりと計画を立てて、この短期決戦にのぞんでいきましょう。ちなみに私はすでに前日に家族および家族経営法人全員分の年賀状を印刷発注を終えておりました。そなえよつねに。前回と違い出張旅費が全然ないのでそれはこれから計画を立てます。いずれにしろ、人としても国としても強くなれる良い機会です。政権交代のその先にあるもっと大事な政治を国民の手に取り戻す歴史的局面です。議論から説得へ。一人一人ができることをしていく。当事者能力を鍛えていけば、必ず道は開けます。

総選挙12月4日公示、16日投開票 野田政権決定(朝日新聞) - goo ニュース
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◎消費税増税で近いうちに国民の信を問うため野田佳彦首相、あさって衆議院解散へ

2012年11月14日 18時05分47秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]NHKニュース7から。

 野田佳彦民主党代表(首相)は(1)特例公債法案が成立し(2)自民党が来年の通常国会で定数削減に協力することを確約することを条件に、2012年11月16日(金)に衆議院を解散することを明言しました。衆議院解散は戦後23回目。党首討論での安倍晋三・自民党総裁への答弁。民主党代表である首相が衆議院解散時期を明言するのは立党以来初めて。報道によると、自民党は役員会で首相の提案を受けることを決定しました。

 2日前に解散を明言することで、自民党と公明党との選挙後の協力関係を構築するのがねらいとみられます。小学生の時、通知表で「正直のうえに馬鹿がつく」と先生から言われた野田首相は8月8日(水)に消費税増税について「近いうちに国民の信を問う」と自民党総裁(谷垣禎一さん)、公明党代表(山口那津男さん)に明言しており、消費税増税について、国民の審判を仰ぐとともに、3党の約束を守ることで、選挙でたとえ倒れても前に向かって倒れ、参院第一会派として、衆院野党第1党として「次の次」をめざす構え。8月8日に発言は小沢一郎氏が参院での採決前に衆院に不信任案を出すというトリッキーな国会戦術に谷垣さんがまたしても翻弄された格好でしたが、谷垣さん、山口さん、野田さんの信頼感で、政党助成金がでない小沢一郎氏の息の根を止め、小沢グループを根絶やしにする「小沢根絶やし解散」と名付けてもいいでしょう。大事な政策について主権者たる国民の審判を仰ぐ、日本の議会制デモクラシーの、また新しい出発の年となります。

 民主党は同日、第180通常国会に提出したものとまったく同じ「1人別枠方式を廃し、衆院定数を0増5減し、第46回総選挙から比例定数を40削減し全国比例にする法案」を国会に提出しました。この法案は8月28日(火)に衆議院で可決していることから、このまま解散総選挙になだれ込んでも、最高裁が第46回総選挙のやり直しを求めることはない見通し。選挙は現行定数480で、300小選挙区の現区割りで施行する見通し。

 2012年11月16日(金)に参議院で特例公債法が可決・成立した後の、衆議院本会議で解散詔書が発せられる見通し。野党が提出すると思われる野田内閣不信任案は上程したうえで、採決前に解散する議事日程を組むことが確実と思われます。解散は夜遅くなる見通し。羽田孜さん、森喜朗さん、中川秀直さん、中野寛成さんらにとってはこの日で引退となります。

 第46回衆議院議員総選挙は、最高裁判所裁判官国民審査とのダブル選挙になります。

 投票日は12月16日(日)の見通し。与党からすれば抜き打ち的に早く12月9日にやった方が有利ですが、12月16日は有権者の1割が都知事選とのトリプル選挙になることから、16日投開票の可能性も高く、今後高度な政治判断が必要となります。午後6時過ぎの夜の政府・民主三役会議で決定する見通し。

 11月16日(金)解散。

 11月29日(木)都知事選告示。

 12月4日 公示。

 12月9日(日) 選挙サンデー。

 12月16日(日) 第46回衆院選、最高裁裁判官国民審査、都知事選。

 民主党、自民党、公明党らの党首会談。

 12月下旬 第181特別国会召集。

 ということになりそうです。(未確定)。

 我が党は第46回衆議院議員総選挙に向けて、「今と未来に、誠実でありたい。」とするCMをあすから放送します。

 我が党は、岡田克也幹事長・輿石東幹事長が150億円の政党基金をつくってきましたから、どうぞご安心ください。一方、党を壊した小沢一郎氏率いる国民の生活が第一には政党助成金が出ないので兵糧がない白兵戦になるのは確実。 仲間の大事さを痛感できる選挙になるでしょう。そして有権者一人一人にとっては、当事者意識を持つのは当然で、当事者能力を求められることになる選挙です。選挙ごとに投票先を変える「その都度支持者」は政治を不安定にさせる元凶であることを自覚すべし。私たちは短いメッセージで方向性を示す説得部隊にならないといけません。



 政治が足の引っ張り合いをしている場合ではありません。

 私たちは思います。

 今と未来に、誠実でありたい。

 これからのこの国は大きな決断をいくつもしていかなければなりません。どちらが正しい、どちらが間違っていると決めつけにくいものばかりです。

 魔法なんてありません。地道にねばり強く、一生懸命にできるだけ多くの人がうなづけ合える一点を見つけ出す。

 私たちは、民主党です。

 3年前と違い、雨の中での戦いです。しかし、雨天の友をみつける機会です。あるいは景気の現状を考えれば嵐です。ただ、9月などの鉱工業生産を見れば、来年1月以降にはもっと大きな嵐になります。補正予算を組む財源も少ない。しかし、この国は大きな決断をしていかなければなりません。そのための足腰の強い説得部隊になる。傍観者であれば分け前に預かる時代は遠く過ぎ、当事者意識を持つのはもちろん、当事者能力が問われる時代になりました。しっかりとした候補者を見抜く。短いメッセージで政策を発信して、行動してもらえるオピニオン・リーダーになる。世間にも子孫にも後ろ指を指される生き方をしない。その野田佳彦の生き様をみんなが支え、メッセージを発信する。その能力が問われる。それがこの第46回衆院選です。

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小泉政権のツケ「物価スライド特例」国会が是正へ 消費税8%時現金給付法案も可決 衆厚労委

2012年11月14日 12時21分22秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

[写真]左上から時計回りに小泉純一郎首相(首相官邸ホームページから)、山本孝史・元民主党参議院議員(山本孝史ホームページ)、岡田克也副総理(内閣府)、小泉進次郎衆議院議員(自民党ホームページ)。

【衆議院厚生労働委員会 2012年11月14日(水)】

 長妻昭委員長が午前9時に開議。さっそく三井辨雄(みつい・わきお)厚労大臣が2本の法案を趣旨説明しました。

 国民年金法改正案(180閣法26号)

 年金生活者支援給付金法案(180閣法83号)

 の2本です。

 このうち、国民年金法改正案は前国会中に内閣修正がかかっています。これは6月15日の3党合意にもとづき、平成24年度予算から年金交付国債を削除し、年金特例公債につけかえるという修正です。さらに、きょうの大臣趣旨説明の直後に、民主党・無所属クラブ・国民新党から衆院修正案(後藤斎さんら発議)が提出され、岡本充功さんが読み上げました。

 これにより、小泉内閣など自民党清和会政権時代に発動されなかった物価スライド(デフレ期だったので給付額下げ)が発動されることになります。国民年金月7万円の人ならば、1000円近く下がると認識しています。

 その一方、3党合意に基づき提出されていた年金生活者支援給付金法案は消費税8%時(2014年4月)から、国民年金月7万円の人に7000円程度の現金を(積立金ではなく)税金から支給する法案です。

 両法案はすでに3党合意済みで、今国会中に成立し、施行する見通し。なお、日本共産党の高橋千鶴子さんは「(小泉内閣以来)10年間生じた特例水準のかい離を3年間で解決しようとしている」ことは急すぎるとの認識を示しました。

 法案は昼過ぎ、国民年金法改正案は修正可決、年金生活者支援給付金法は原案通り可決されました。長妻委員長があすの衆院本会議で委員長報告(「修正」と「可決」)をし、本会議でも可決し、参議院に送付する見込み。

【小泉純一郎・進次郎、山本孝史・岡田克也の長い道】

 わが党の思い出に残る第159通常国会(年金国会)。1月召集から3月末までしっかりと予算成立に協力した上で、4月からの後半国会にテーマを作りチームプレーで政府を「至誠にもとるなかりしか(言行不一致はないか)」と攻めて攻めて攻めまくった健全野党、民主党の青春。攻めて攻めて攻めまくった菅直人代表は自らの年金納付記録の備えにていねいさを欠き辞任しましたが、後を継いだ岡田克也代表が閉会後の第20回参院選で立党以来初の国政第一党になりました。


[写真]第162回国会(郵政国会)の「年金制度をはじめとする社会保障制度改革に関する両院合同会議」にのぞむ、民主党の山本孝史さん(左)、岡田克也代表(右)、山本たかしさん公式ホームページ

 この会期末、2004年6月3日(木)の参議院厚生労働委員会で「初代年金王子」の山本孝史さんが2004年年金改革法(100年安心プラン)の質疑に立っています。

[国会議事録データベースから引用はじめ]

○山本孝史君 三回厚生大臣をおやりになって、大臣のときに年金改正があったかどうか、ちょっと私、記憶にないんですが、健康保険はあったこと承知していますが、今お口にされました物価スライドということとマクロ経済スライドと、これは意味は同じですか、違いますか

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済全体のそのマクロ的な観点からいえば、年金とは違いますよ、それは。

○山本孝史君 違うんです。これは、厚生省が巧妙なんです。スライドという言葉を使っているから、総理もそうだと思うんです、皆さん、最初、物価スライドとか賃金スライドと同じものだと思ったんです。でも、マクロ経済スライドという言葉は物価スライドとは全く意味が違うんです。そこ、ちょっと、申し訳ないけれども、ちょっと時間止めていただいて、総理にまずそのことをあそこで理解してもらってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは違うと今言ったでしょう、今違うと答弁したでしょう、違うと。(発言する者あり)

○山本孝史君 済みません。だから、どう違うかということを総理はどう理解しておられるか、恐れ入ります、御自分の言葉で……

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはね、専門家に聞いてください、専門家に。(発言する者多し)

[引用終わり] 

 このように小泉首相は物価スライドがなにか理解しておらず、挙げ句の果てに「専門家に聞いてください。専門家に」と発言しています。

 年金が最大の争点となり国会が閉じ、この5週間後、わが党は立党以来初めて国政選挙で改選第1党に躍進しました。


[画像]立党以来始めての国政選挙第1党になった民主党の岡田克也代表、2004年7月11日、翌日付日本経済新聞から。

 山本さんは1997年の第140通常国会で衆院厚生委員会で岡田克也筆頭理事と山本孝史次席理事で新進党コンビを組み、小泉厚相と相対峙しています。委員長は町村信孝さん、自民党側筆頭理事は津島雄二元厚相でした。

 このとき、コンビを組んだ、岡田克也さんは第180通常国会の2012年2月10日(金)の衆院予算委員会で「年金の物価スライド、これは既に制度としてあるもの、残念ながら最近それがきちんと運用されてこなかったということであります。年金は、物価が上がればそれに応じて上がる。今度の消費税五%上げるというときにも、それに応じて年金の給付額は上げるということも織り込んでいるわけでございます。下がったときには下げる。そして、の下げるべきものが下がっていなかったので、今回きちんと下げるということであって、上げるときには、物価が上がったときには上げる。物価が下がったときには上げないということでは、これは次の世代にみんな負担をかぶせるだけでございます。そういう意味で、これはルールに基づいてやっているということでございます」と答弁しています。

 岡田さんは物価スライドにより、デフレ時には年金支給額と保険料は下げるべきだとしています。そして、過去にきちんと発動していなかったので、ツケが真我照って将来世代に負担をかけていると小泉内閣の対応を批判しています。

 実は、初代年金王子は年金国会で、「物価スライドを発動しないでくれ」と主張しているんです。それは彼の当時の選挙区、大阪の経済状況の厳しさをダイレクトに国会にとどけようとしたのでしょう。かつて、小泉厚相、町村厚生委員長、津島筆頭と100時間審議でわたりあった岡田筆頭は山本さんに厳しいように思えますが、それ以前の問題です。それは、小泉さんが首相になっても、物価スライドを知らずに、「専門家に聞いてください。専門家に」と厚生官僚に丸投げした姿です。これは、日本国憲法第83条の「国の財政を処理する権限は、国会の議決にもとづいて、これを行使しなければならない」に違反しています。「官僚の議決にもとづいて」ではありませ。だれか小泉さんを憲法違反で訴えてください。

 残念なことがありました。先週11月7日(水)の衆・内閣委の一般質疑です。岡田副総理が、「年金の2・5%の特例の法案、これは急いでやるべきでぜひ自民党にもご協力いただきたい」と述べたところ、小泉進次郎さんが「もちろん特例公債法案は私も早く成立させると考えています」と答える場面がありました。岡田さんは小泉首相のツケである2・5%分の物価スライド未発動分の特例水準を廃止する180閣法26号を成立させて財政健全化を進めたいと協力を求めたところ、進次郎さんは「特例」と聞いて「特例公債法案」(181閣法1号)と取り違えてしまいました。1期生の進次郎さんを憲法83条違反ととがめるほど、私も大人げなくありません。ただ、父親のツケは世襲しないで、地盤とカバンを世襲しているのは納得いかない。進次郎さんは岩手4区に国替えしたらどうなんだ。

国会会議録データベースから引用はじめ] 

平成十六年六月三日(木曜日)

   午前十時二分開会
    ─────────────
   委員の異動
 六月二日
    辞任         補欠選任
     宮崎 秀樹君     愛知 治郎君
     小池  晃君     池田 幹幸君
 六月三日
    辞任         補欠選任
     池田 幹幸君     小池  晃君
    ─────────────
  出席者は左のとおり。
    委員長         国井 正幸君
    理 事
                武見 敬三君
                藤井 基之君
                辻  泰弘君
                森 ゆうこ君
                遠山 清彦君
    委 員
                愛知 治郎君
                有村 治子君
                金田 勝年君
                佐々木知子君
                斎藤 十朗君
                田浦  直君
                伊達 忠一君
                中原  爽君
                南野知惠子君
                浅尾慶一郎君
                朝日 俊弘君
                大脇 雅子君
                柳田  稔君
                山本 孝史君
                渡辺 孝男君
                井上 美代君
                池田 幹幸君
                小池  晃君
                福島 瑞穂君
                西川きよし君
   国務大臣
       内閣総理大臣   小泉純一郎君
       厚生労働大臣   坂口  力君
   内閣官房副長官
       内閣官房副長官  山崎 正昭君
   副大臣
       厚生労働副大臣  谷畑  孝君
       厚生労働副大臣  森  英介君
   大臣政務官
       厚生労働大臣政
       務官       竹本 直一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        川邊  新君
   政府参考人
       総務省行政評価
       局長       田村 政志君
       厚生労働省年金
       局長       吉武 民樹君
       厚生労働省政策
       統括官      水田 邦雄君
       社会保険庁長官  真野  章君
       社会保険庁運営
       部長       薄井 康紀君
       農林水産大臣官
       房審議官     山田 修路君
   説明員
       会計検査院事務
       総局第二局長   増田 峯明君
    ─────────────
  本日の会議に付した案件
○政府参考人の出席要求に関する件
○国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
○年金積立金管理運用独立行政法人法案(内閣提
 出、衆議院送付)
○高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部
 を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ─────────────

○委員長(国井正幸君) ただいまから厚生労働委員会を開会いたします。(中略)

○委員長(国井正幸君) 国民年金法等の一部を改正する法律案、年金積立金管理運用独立行政法人法案及び高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律案の三案を一括して議題とし、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑のある方は順次御発言願います。(中略)

○山本孝史君 民主党・新緑風会の山本孝史でございます。
 この委員会で二回目の質問に立たせていただきますけれども、私は、今国会、年金国会と言われておりますけれども、この年金のことについて議論をする国会という場、それはある意味では、この審議は国会の権威を高める、あるいは国会の権威をしっかり守っていく、そういうことも意識しながらこの委員会審議にも臨んでいかなければいけない、そういう思いでやってまいりました。その点において、前回申し上げましたけれども、私は大変に悲しい思いをしております。一つは地方公聴会でございます。
 地方公聴会が開かれたと聞けば、何か審議をよくやっているな、こういうふうに聞こえるかもしれません。しかし、総理、御存じでしょうか。この地方公聴会は新横浜、新幹線の新横浜駅のすぐそばのホテルで行われました。新横浜といえば、今やもう東京の通勤圏でございます。新幹線に乗ればわずか十五分で行けるようなところで、これが地方公聴会をやったという、正に形だけを取る与党の皆さん方のこのやり方というのは、私はやっぱり国民をだましているというふうに思います。

(略)

○山本孝史君 一方的にそうして決めていかれると、私、今こう御質問申し上げて、自民党の先生方もそうだねと、参考人もやる方がいいねと、中央公聴会、これほどの重要な法案で、これから先、これまでですと五年に一遍財政再計算で国会で審議をしてまいりましたけれども、そういうことがやらなくてもいいという法律の立て方になっていますから、そうすると、年金というものがこれから先国会で議論されるということは約束されているわけでもない。そういう意味で私は、一〇〇年安心プランと言うならば、今回こそしっかりとした議論をすべきだと、こう思っています。一方的に委員長がそういうふうに仕切られるということについて、私は強く抗議を申し上げたいと思います。
 私、五年前に衆議院議員でございました。そのときも残念ながら年金法案は自民党と公明党の連立政権の下で強行採決されました。今回もそういう動きになるのではないかということを大変に心配をしております。度々に指摘をしておりますけれども、政府の責任は極めて不十分、あるいは意図的に年金制度がどうなるかということについて国民に説明を回避していると思っています。このことも私は大いに反省をしていただきたいと思います。
 もう一点、大変悲しい思いをしておりますと申し上げましたのは、国会議員の中に国民年金の保険料未納あるいは未加入である方が大変に多いということです。それは、残念ながらこれは社会保険庁の制度の運営がまずい、あるいは年金制度が複雑である、そういった事態の中で起こってしまったという方もたくさんおられるというふうに思います。私どもの菅代表もそんなお一人だったと思っております。しかしながら、そのときに、私は国会議員としてどういう姿勢を取るべきかということを前回も申し上げました。それは、自らが国民年金の加入状況というものをよく把握をして、万が一そういう事態にあるならば、そのことを国民に公表して謝罪をして、そして委員会の審議なりあるいは国会の採決なりに臨んでいく、これが国民に信頼される国会の運営の在り方であると、こう申し上げてきたわけであります。
 しかしながら、今日ここにこうやってお座りの委員の皆さんの中に、とりわけ自民党の皆さん方の中に、昭和六十年以降、国民年金加入が義務化された以降で、かつ国会議員になって以降の年金保険料の納付状況を公表しておられない方がおられます。私の調査が間違っていれば後で訂正をさせていただきますので、その方は是非委員長のところに私はちゃんと納めているということを申していただければと思いますが、各新聞社等の調査によりますと、ここにおられますところの中原先生、それから今日は宮崎先生の代わりにお座りの愛知先生、そして有村先生、伊達先生も私は調査しましたけれども、分かりません。もし……
   〔伊達忠一君「新聞社、テレビに答えています」と述ぶ〕

(略)

○山本孝史君 三回厚生大臣をおやりになって、大臣のときに年金改正があったかどうか、ちょっと私、記憶にないんですが、健康保険はあったこと承知していますが、今お口にされました物価スライドということとマクロ経済スライドと、これは意味は同じですか、違いますか。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 経済全体のそのマクロ的な観点からいえば、年金とは違いますよ、それは。

○山本孝史君 違うんです。これは、厚生省が巧妙なんです。スライドという言葉を使っているから、総理もそうだと思うんです、皆さん、最初、物価スライドとか賃金スライドと同じものだと思ったんです。でも、マクロ経済スライドという言葉は物価スライドとは全く意味が違うんです。そこ、ちょっと、申し訳ないけれども、ちょっと時間止めていただいて、総理にまずそのことをあそこで理解してもらってください。

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それは違うと今言ったでしょう、今違うと答弁したでしょう、違うと。(発言する者あり)

○山本孝史君 済みません。だから、どう違うかということを総理はどう理解しておられるか、恐れ入ります、御自分の言葉で……

○内閣総理大臣(小泉純一郎君) それはね、専門家に聞いてください、専門家に。(発言する者多し)

○委員長(国井正幸君) 厚生労働大臣。坂口厚生労働大臣。(発言する者あり)坂口厚生労働大臣。坂口厚生労働大臣。(発言する者あり)

○国務大臣(坂口力君) まあ総理が、総理が全部が全部お答えになられるというわけじゃありませんから……

○委員長(国井正幸君) 坂口厚生労働大臣、どうぞ。

○国務大臣(坂口力君) まあ全部が全部総理が御理解いただいておるわけじゃありませんから私が申し上げたいというふうに思いますけれども、それは、物価スライドとそれからこのスライドとは違います。
 このスライドの場合には〇・九%ずつ現在の物価スライドから引いていくわけでありますから、そこは二〇二三年まで違うわけでございます。(後略)

国会会議録データベースから引用いったん終わり]

国会会議録データベースから引用再開] 

第180国会2012年2月10日(金)衆議院予算委員会

(前略)
○岡田国務大臣 今言われた中で、まず年金の物価スライド、これは既に制度としてあるもの、残念ながら最近それがきちんと運用されてこなかったということであります。
 年金は、物価が上がればそれに応じて上がる。今度の消費税五%上げるというときにも、それに応じて年金の給付額は上げるということも織り込んでいるわけでございます。下がったときには下げる。そして、その下げるべきものが下がっていなかったので、今回きちんと下げるということであって、上げるときには、物価が上がったときには上げる。物価が下がったときには上げないということでは、これは次の世代にみんな負担をかぶせるだけでございます。そういう意味で、これはルールに基づいてやっているということでございます。(後略)

国会会議録データベースから引用おわり]

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