【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎女性が輝く民主党、32人以上を公認 与党過去最多、ガラスの天井こえ、日本再生

2012年11月21日 20時07分29秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗

[写真]衆院東京6区の小宮山洋子・厚生労働大臣(当時)、厚労省ホームページから。

 民主党は2012年11月21日(水)午後5時半から、先週金曜日の衆議院解散に伴う第46回衆院選(12月4日公示、16日投開票)の第1次公認候補237人を発表しました。この中で女性は32人を公認。政権政党の公認候補として最多となりました。

 一方、自民党は23人。

 二大政党の公認が現時点で、55人となっており、前回の小選挙区(300名)24人、比例(180名)30人の合計54人を超えて、女性衆議院議員が過去最多となる可能性が高まってきました。女性の立候補や投票は、昭和21年4月10日の戦後初(明治憲法最後)の総選挙から実現し、39人が当選。ところが、この「39人のガラスの天井」は長く続き、女性の国会進出は遅れてきました。前回初めてガラスの天井を破りましたが、衆議院に限れば、さらに小選挙区に限れば、世界的に極めて異例の少なさとなっています。参院民主党は女性比率が15%で相対的には女性が多いです。

 民主党は東京6区で小宮山洋子さんを引き続き公認。小宮山さんは、第180通常国会で厚生労働大臣(保育所)と少子担当大臣(認定こども園)を兼務し、衆議院で129時間、参議院85時間、の合計214時間の審議をこなして、幼保一体化法(子ども子育て支援法)を含む社会保障と税の一体改革法をついに成立させました。

 
[画像]214時間の審議をこなして、子ども子育て新システム(幼保一体化)を成立させた小宮山洋子・厚労相(保育所)兼少子化相(認定こども園)、衆議院インターネット審議中継。

 宮城1区(仙台市青葉区・太白区)では「3・11」で衆院予算委員を務めた郡和子・復興大臣政務官。新潟1区では西村智奈美・厚生労働副大臣、徳島2区では高井美穂・文部科学副大臣、青森3区では衆議院の議場内交渉係をつとめた田名部匡代(たなぶ・まさよ)元農水政務官らを引き続き公認しました。


[画像]答弁する衆院宮城1区の郡和子・復興大臣政務官、参議院インターネット審議中継から。


[画像]衆院新潟1区の西村智奈美・厚生労働副大臣、参議院インターネット審議中継から。


[画像]衆院徳島2区の高井美穂・文部科学副大臣、衆議院インターネット審議中継から。 

  なお、12月4日公示、16日投票の選挙は、衆院選ですので、蓮舫・前行政刷新担当大臣は参院議員で2016年7月まで任期があるため、立候補しません。念のため。

  青森1区では参院選で苦杯をなめた、波多野里奈さんが再チャレンジ、栃木4区には比例北海道単独議員だった工藤仁美さんが新天地に。千葉3区は元秘書の青山明日香さんが挑戦。京都1区(京都市の一部)では祐野恵・前京都府長岡京市議、大阪1区(大阪市の一部)には吉羽美華・前大阪府寝屋川市議ら複数の女性地方議員経験者が勇気ある国替えで、国政をめざします。埼玉7区に新人の島田智哉子さん(元参院議員)、東京11区に太田順子さんら女性歯科医の公認も目立ちます。

 民主党は今後も2次公認や、比例単独名簿(公示直前に発表見通し)などでも女性を擁立するため、女性候補はさらに増える見通しで、政権政党として過去最多を更新するのは確定的。これから馳せ参じても間に合うかも知れません。

 民主党では女性の活躍が目立っており、職員でも最大の支援団体「連合」とのパイプ役の責任者が女性で、事務局次長。国会内でも30歳代を中軸にベテラン、若手、たくさんの女性政策秘書(筆頭秘書)が国会議員・国会事務所を支えています。

 前回の選挙では、安倍晋太郎・安倍晋三(現自民党総裁)親子の山口4区に戸倉多賀子さんが挑戦して、比例復活もならず先週衆議院が解散されたので繰り上げ当選もならず。竹内綱・吉田茂親子の高知県では、1区、2区、3区がすべて女性でしたが、全員落選。これらの選挙区はすべて自民党が国会ができて以来強く、空港があるなど公共投資も優先的に投入されてきましたが、この4人の女性の闘いを含めて、政権交代が実現したんだと考えています。第46回衆院選の高知1区では32歳ながら県議2期をつとめた大石宗(おおいし・しゅう)さんが公認されました。女性の勇気で、男性も大いに奮い立ったのでしょう。

 もちろん、公認されたからと言って、当選するかどうかはすべは有権者次第です。

 もっと女性が輝く国会が、なかでも小選挙区選出議員が最多になること。それが震災後日本の再出発であり、日本のフロンティアであり、ようやく世界で認めるJAPANになることです。

 女性候補者だけでなく、女性有権者も大事です。

 昭和21年4月、文部省は次のようなポスターで、婦人(女性)の投票を呼びかけました。

 「このたび、婦人方の投票が、物をいう時期がまいりました」「皆さんは男性よりも忠実です」「皆さんはご婦人独特の正義感を持っておられます。他にまどわされずに、政見の正邪をご自身で判断されるでしょう」「皆さんは、男性よりもずっと鋭い直感力というか、一種のカンを持っておられます。人物の真偽を、そのカンで嗅ぎ分け、必ず眞もの(本物)に投票されるでしょう」。

 日本復活のヒントが見えてきました。

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