【衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会 2012年11月15日(木)】
参院の定数是正4増4減法案可決後に、加藤公一委員長が再開を宣言。自民党の細田博之さんらが提出した「0増5減緊急定数是正法案」(180衆法27号)と民主党の安住淳さんが提出した法案(181衆法1号)が同時に議題になりました。
両案の趣旨説明は、自民党案は細田博之さん、民主党案は松本剛明さんが担いました。この後すぐに、民主党の逢坂誠二さんが修正案を提出し、民主党案から「0増5減」の削除を提案し、「0増5減」に関しては細田案が独立する格好になりました。
採決の結果、「0増5減」は、民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。午後の衆院本会議で可決し、参院に送付。今日中に参議院政治倫理の確立および選挙制度改革に関する特別委員会(轟木利治委員長)で審議し、あすの参院本会議で可決・成立する見通し。これにより、1票の格差是正のために国会としてできる最低限の努力ができたことになります。
一方、分離した民主党案の「さらに比例を40議席削減し比例を全国ブロックにして一部連用制を導入する法案」は民主党と日本維新の会の賛成多数で可決しました。しかし、この人数では参院の過半数に及ばないため、この法案は参院で成立しない見通し。
第46回衆議院議員総選挙(2012年12月4日公示、16日投開票)は、減員の対象となっている5つの県を含めて、前回と同じ選挙制度(ルール)で行われることが確定的になりました。
300小選挙区と比例代表180の定数480議席。小選挙区は個人名の単記式、比例代表は政党名の単記式の2枚投票で、小選挙区比例代表並立制。比例区は引き続き、全国11ブロックのドント方式による議席配分で、小選挙区落選者の比例復活あり。小選挙区供託点以下候補者は比例復活不可能、という第45回総選挙とまったく同じ方式で行われることになりました。
0増5減法は公布日に施行されますが、衆議院選挙区画定審議会による2010国勢調査を踏まえた新区割りによる公職選挙法改正が解散後で不可能なことから、新制度は第47回総選挙以降に持ち越されます。
残念な面もありますが、国会が法律を成立させることで、選挙は「違憲状態だが有効」になると思われ、最高裁が選挙のやり直しを命じることはないと考えられます。
2012年11月14日(水)の党首討論で、野田佳彦首相(民主党代表)は安倍晋三自民党総裁は2013年通常国会での定数削減についての文書での約束を提案し、直後の自民党役員会で受け入れを表明したことから、きょうあす中にも、公党間の覚書が成立すると考えられます。この覚書のような文書は総選挙結果による党首交代があっても有効なものでなければならないことは、野田さんと安倍さんの約束であると同時に、全主権者が二大政党につきつけた約束であることは言うまでもありません。
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