【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎0増5減法案があす成立 12月衆院選は前回と同じ区割り 定数削減は参院不成立へ

2012年11月15日 12時36分24秒 | 第181臨時国会(2012年10~11月)友情解散

【衆議院政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会 2012年11月15日(木)】

 参院の定数是正4増4減法案可決後に、加藤公一委員長が再開を宣言。自民党の細田博之さんらが提出した「0増5減緊急定数是正法案」(180衆法27号)と民主党の安住淳さんが提出した法案(181衆法1号)が同時に議題になりました。

 両案の趣旨説明は、自民党案は細田博之さん、民主党案は松本剛明さんが担いました。この後すぐに、民主党の逢坂誠二さんが修正案を提出し、民主党案から「0増5減」の削除を提案し、「0増5減」に関しては細田案が独立する格好になりました。

 採決の結果、「0増5減」は、民主党、自民党、公明党などの賛成多数で可決しました。午後の衆院本会議で可決し、参院に送付。今日中に参議院政治倫理の確立および選挙制度改革に関する特別委員会(轟木利治委員長)で審議し、あすの参院本会議で可決・成立する見通し。これにより、1票の格差是正のために国会としてできる最低限の努力ができたことになります。

 一方、分離した民主党案の「さらに比例を40議席削減し比例を全国ブロックにして一部連用制を導入する法案」は民主党と日本維新の会の賛成多数で可決しました。しかし、この人数では参院の過半数に及ばないため、この法案は参院で成立しない見通し。 

 第46回衆議院議員総選挙(2012年12月4日公示、16日投開票)は、減員の対象となっている5つの県を含めて、前回と同じ選挙制度(ルール)で行われることが確定的になりました。

 300小選挙区と比例代表180の定数480議席。小選挙区は個人名の単記式、比例代表は政党名の単記式の2枚投票で、小選挙区比例代表並立制。比例区は引き続き、全国11ブロックのドント方式による議席配分で、小選挙区落選者の比例復活あり。小選挙区供託点以下候補者は比例復活不可能、という第45回総選挙とまったく同じ方式で行われることになりました。

 0増5減法は公布日に施行されますが、衆議院選挙区画定審議会による2010国勢調査を踏まえた新区割りによる公職選挙法改正が解散後で不可能なことから、新制度は第47回総選挙以降に持ち越されます。

 残念な面もありますが、国会が法律を成立させることで、選挙は「違憲状態だが有効」になると思われ、最高裁が選挙のやり直しを命じることはないと考えられます。 

 2012年11月14日(水)の党首討論で、野田佳彦首相(民主党代表)は安倍晋三自民党総裁は2013年通常国会での定数削減についての文書での約束を提案し、直後の自民党役員会で受け入れを表明したことから、きょうあす中にも、公党間の覚書が成立すると考えられます。この覚書のような文書は総選挙結果による党首交代があっても有効なものでなければならないことは、野田さんと安倍さんの約束であると同時に、全主権者が二大政党につきつけた約束であることは言うまでもありません。

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参院定数是正法案があす成立へ 第23回参院選から福島・岐阜1人区、神奈川・大阪4人区【追記あり】

2012年11月15日 10時10分24秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

【倫選特委(政治倫理の確立および公職選挙法改正に関する特別委員会) 2012年11月15日(木)】

 あすの衆議院解散を前に、午前9時、加藤公一委員長が開議を宣言。参院二大政党から、一川保夫・民主党幹事長、藤原正司・民主党新緑風会副会長、自民党の世耕弘成・参院政策審議会長が答弁席にかけつけ、「参院定数を是正する4増4減法案(公職選挙法改正法案)」(180参法36号)の趣旨説明が行われました。

 質疑を希望したのは、日本共産党、社民党、日本維新の会の3党。答弁は、先の通常国会(180回国会)では自民党は溝手顕正・参院幹事長がつとめましたが、今回は世耕さんにかわりました。

 日本維新の会の石関貴史さんは「将来的に道州制をめざしているので、参院の選挙区は都道府県単位から道州にあわせたブロック単位にするという考えもある」と述べました。

 討論は日本共産党のみで反対。

【追記 2012年11月15日 午後7時】

 午前10時の初エントリーのときに、前国会で参院で可決しているので、衆院本会議で可決すれば成立すると書きましたが、今国会ではあくまでも衆院先議なので参院での可決が必要でした。勘違いによる間違いです。失礼しました。文章は最新の情報を入れて直しました。

【追記終わり】

 採決の結果、賛成多数で可決。この後の衆院本会議で可決し、午後6時半からの参院政治倫理の確立および世隠居制度に関する特別委員会(轟木利治委員長)で審議入りしました。もともと参院先議で、180回国会で参院で可決。衆院送付後、閉会中審査処理をし、今国会に持ち越していたため、あす午後の参本で可決・成立します。公布日に施行されます。このため2013年夏の第23回参院選は、福島県が改選1人区、岐阜県も改選1人区に減。神奈川県は改選4人区、大阪府も改選4人区に増。この改選2増2減を2回やるので、4増4減ということになります。人口による自動的な計算とはいえ、福島県が原因になることについては審議のなかでも懸念が出ました。

 なお、具体的には福島県は民主党の金子恵美・復興政務官と自民党の森まさこさんが1議席をめざして激突することになります。岐阜県では前回2位当選の平田健二・議長の去就も注目されます。

 この日の審議でも4増4減だけではなく、選挙制度そのものを抜本改革すべきだとの意見は、衆院議員である質問者、参院議員である答弁者双方から出ましたが、持ち越しとなりました。各党協議会から外して、国会議員以外による第3者機関の設置が不可避な世論となりつつあります。

 あす解散まで48時間を切り、環境整備が急ピッチで進んでいます。

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