【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

野田総理がはしごから落ちかけても、安倍総裁がはしごから落ちない隠された真実とは?【追記・訂正あり】

2012年11月26日 20時51分11秒 | 第46回衆院選(2012年12月)大惨敗


 報道によると、愛知13区(大西健介さん)遊説中の野田佳彦総理(民主党代表)が2012年11月26日(月)、街宣車に乗りかける際に、はしごから落ちかけたそうです。

朝日新聞デジタルから引用はじめ]

首相、街宣車でバランス崩す 「民主党ずっこけません」

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野田佳彦


街頭宣伝車に登ろうとしてバランスを崩し、下から支えられる野田佳彦首相=26日午前10時45分、愛知県安城市、細川卓撮影

 野田佳彦首相(民主党代表)が26日午前、愛知県安城市での街頭演説で街頭宣伝車によじ登る際、体のバランスを崩して地面に落ちそうになるハプニングがあった。このあと演説を始めた野田首相は「アクシデントがございましたが、民主党はずっこけません。必ずよじ登って参ります」と語り、笑いを誘った。

 バランスを崩したのは、手すりのようにつかまっていた宣伝車の看板の縁が突然ぐにゃりと曲がったためらしい。周囲にいた警護官数人が首相の体を支え、ことなきを得た。

[引用おわり] 



 さて、私は、敵情視察、敵の大将、自民党の安倍晋三総裁の東京14区、都電・地下鉄の町屋駅前の街頭演説会に行ってみました。ここで、党本部ホームページでは、午後2時半。東京14区支部の告知では午後2時となっていました。自民党お得意の総裁がわざと遅れるスケジュールとにらみました。

 
 寒い雨の中、お客さんを呼び込むために「この後、安倍自民党総裁がお忙しい中、松島みどりの応援にかけつけて、お話しいただきます」と謎のアナウンス。ちなみにここはまだ民主党の公認予定候補が立っていません。定刻午後2時になっても、予想通り、安倍総裁(以下、安倍ちゃん)は現れず、前都議が「これから安倍総裁が参りますが、同じく私どもの元首相である三木武夫は『雨天の友』と言いました」と述べ、ここに集まった人は雨天の友だと強調しました。そして、午後2時15分から、「区議会議員を順不同でございますが、ご紹介させていただきます」として名前を読み上げました。五十音順でもなく、途中で一人だけ「議長」と呼ばれた人がいて、ホントウに順不同だったようですが、寒い雨のなか、念仏のように名前が響きました。区議の多さはさすが自民党。荒川区議会は今週11月29日(木)から投票4日前の12月12日(水)まで第4回定例会が開かれるということなので、ぜひ専念していただきたい。

 この後、3年3ヶ月浪人してきた、松島みどり元経産副大臣、元国交副大臣が演説。昔の日常活動用ポスターには「自民党から生まれた松島みどりです」と書いてあり、保守合同の年に生まれて、初の小選挙区選挙で、自民党の公募候補として立候補しました。このとき、自民党は朝日新聞政治部の記者全員に声をかけたと言われていますが、応じたのは松島さんだけだとされています。そう言うと、失笑する人がいるかもしれませんが、そういう日本はもう止めましょう。むしろ、松島さんは立派です。松島さんはいじめ問題を取り上げて、「民主党の幹事長をされている人は日教組の親分だそうですが」と演説すると、場が静まりかえりました。これはしかたがありません。「自民党から生まれた松島みどり」さんは、自民党用語として「親分」と言ってしまいましたが、これは私たちの世間でいう「日教組のドン」という意味です。ちょっと自民党に染まりすぎたのかな。さらに公共事業・事前防災にふれて、災害時に、「この下町を燃えない街にする」「荒川を船で渡って避難できるようにする」と生へのあくなき執着心をみせました。100歳まで生きてほしい。

 そして、午後2時半になっても予想通り、安倍総裁は現れず。 ここで女性の聴衆一人が突然大きな拍手。これは乾杯の音頭が長い人へ「早く終われ」の意味だったのでしょうか。しかし、なおも安倍総裁はあらわれず。ようやく午後2時46分に、安倍ちゃんが登場。「そうさい~~~!」という大きな歓声が沸きました。

 

 というわけで、自民党の広報車「あさかぜ」に乗り込む安倍総裁。つまりなぜ、野田首相がはしごから落ちかけたのに、安倍総裁がはしごから落ちないかというと、自民党の広報車「あさかぜ」は後ろ開きで、はしごは使わず、車内から屋上に上がるから、はしごから落ちる場面はないのです。民主党も「ダッシュ号」などの広報車を持っていますが、自民党のように後ろがデッキになった広報車はありません。それでいて、100億円ぐらい借金があるらしいので、お金の使い方が下手な政党です。あさかぜに乗るのが夢という自民党地方議員は多いですが、野党の間に仕分けられなかったのでしょうか。

【追記・訂正 2012年11月27日 午後8時】

 昨日付のエントリー(野田総理がはしごから落ちかけても、安倍総裁がはしごから落ちない隠された真実とは?)の中で、「民党の広報車「あさかぜ」は後ろ開きで、はしごは使わず、車内から屋上に上がるから、はしごから落ちる場面はないのです。民主党も「ダッシュ号」などの広報車を持っていますが、自民党のように後ろがデッキになった広報車はありません」と書きましたが、これは勘違いで、ダッシュ号は後ろから乗り込める構造になっていました。思いこみでした、失礼しました。



【追記・訂正おわり】



 こうして安倍ちゃんの寒空の熱弁が始まりましたが、2枚上の2時15分の写真と、この2時56分の写真とで、たいして観衆が増えていないんですよね。むしろ寒雨に待たされた熱心な党員の腰が冷えて、選挙を戦えなくなりますよ。自民党は「総裁が総理ではない」ということすら理解できないなら、いったいこの3年3ヶ月間何をやってきたのか。昨日の枝野幸男経済産業大臣は党本部の告知時刻より6分早く現れ、「早く枝野にしゃべらせろ」とのヤジに応じて、すぐにマイクを持ち、遅れてやってきた自称「民団」に妨害されたんですよ。いったいどっちが与党で、どっちが野党なのか。そして主権者はだれなのか。まさに「安倍ちゃんに日本を渡すな」と私は言いたい。

 安倍総裁は安倍内閣時代に神戸につくったスーパーコンピューターが「何で一番でないといけないのですか、という民主党の妨害にあいましたが、一番になったんですよ」と、事業仕分けを民主党の妨害と表現しました。また、「~なんですよ」として、上から下へ納得させようとする口調があるように感じました。そして、最後に「私たちはこの選挙負けるわけにはいかないんです」と叫ぶとこの日一番大きな拍手が聴衆からわきました。日本最大のシロアリは自民党なんじゃないの。

 ◇

 さて、冒頭に、1001ピクセル×1423ピクセルの巨大な写真を掲示して、パソコンでクリックして開くと巨大な写真で驚いた人はごめんなさい。

 

 民主党選挙対策本部事務総長補佐の馬淵澄夫さんが2012年11月26日(月)午後5時半から党本部で記者会見して、発表した第46回衆院選の民主党ポスター東京版です(民主党広報委員会提供)。で、はしごから落ちかけた野田さんをSPが支えたのですが、「動かすのは、決断。」という野田佳彦の総理力にハッとした人は、野田民主党を支えてください。支え方が分かりますか。

 例えば、ここに掲示したポスター。これは著作権法第40条1項などから、著作権は存在しますが、自由利用が認められています。だから、上の写真を右クリックで取り込んだり、あるいは、この写真のインターネット上のアドレスはhttp://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2c/30/543cb5e5198969b5b8c505b3a503e22b.jpgです。こういった写真や、リンクを友人に送る。そうすると、野田民主党をよろしくと働きかける。背中を押す。あなたはオピニオン・リーダーの仲間入りです。

 ケータイメールのサイズが大きければ、下の写真は中くらい(456ピクセル×640ピクセル)。

 

下の写真なら小サイズ、221ピクセル×314ピクセルなんですよ。


 で、こういった写真は著作権はあるものの自由利用が認められています。この写真をケータイメールで送る行為は、公示前でも、公示後でも公職選挙法の事前運動にも文書図画(ぶんしょとが)の頒布(はんぷ)にも抵触しないと考えられます。一筆添えてもかまいません。思い浮かばない人は無理する必要はありません。その選挙区に住む候補者の名前を教えてたり、街頭演説会場を教えたり、衆院選は選挙区は個人名で比例区は政党名だと教えたり、期日前投票所を教えたりしても問題ありません。ただし、「投票してね」とは書かないで下さい。公示前なら事前運動だし、公示後なら文書違反になるし、送ったとたんに、証拠が残ります。まあ、「よろしく」で分かる友達にしっかりと働きかけてほしいのです。

 上の方の写真の位置とか、アドレスとか、もっと加工しやすく掲載してほしいと思うでしょうが、そのくらい自分でやってください。自立してください。

 馬淵・選対事務総長補佐は「私はデザイナーでありませんし、これは私見ですけど、まさに胆力をもって決断したことを表している」として、14日の解散宣言に触発されたとしました。野田さんと馬淵さんは政権交代前も、そして、政権を3年3ヶ月担当した今も、野田総理とシロアリ退治で心を一つにして、比較第1党に向けてばく進しています。

 そのうえで、同時に発表したTVCM第2弾(12月1日から放送)について「製作費・オンエアの量は明らかにしない」と述べました。民主党は政党なので、入札に関する法律の対象外ですが、政党交付金があるので、野党時代にシロアリがたかっているとの指摘もありました。しかし、岡田克也(前)幹事長が、党職員トップの党事務局長に党広報委員会事務部長を兼任させて責任を持たせる党改革を実施しました。このため、党本部全体が広報委員会に連帯責任を負うかっこうになりました。広報委員長として野田代表最側近の手塚仁雄さんが目を光らせていることもあり、シロアリがたかることなどありません。それは当然です。野田政権は、政府として、もっとすさまじいシロアリを仕分けしているのですから、そんなこと問題ありません。馬淵さんがポスターのベールを取ったとき、思わず息をのみました。今まで見た中で、最高の政治ポスターです。

 総理が転びそうになったら、SPだけでなく、日本国民1人1人が支えないといけません。「どこに投票したらいいのか」と悩んでいる友達の背中を押してあげてください。私たちは一人ではありません。今と未来への責任。動かすのは、決断。