【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

全国比例)「いそざき哲史」が心に刻む仲間の思い「私を自動車の代表に」動画書きおこし

2013年06月30日 22時31分53秒 | 第23回参院選(2013年7月)二番底

[写真]参院選の全国比例の候補(予定者)、いそざき哲史(磯崎哲史)さん、いそざき哲史公式サイト内「メディアキット」から。

 昨日の「YouTube動画書きおこし」エントリーが好反応だったので、続けます。

 きょうは、全国比例の新人の、いそざき哲史(磯哲史、いそざきてつじ)さん。

 自動車総連組織内候補です。まあ、私は外野手(ライトかセンター)で、詳しい人は「おいおい産別の候補は産別にまかせろよ」と言うでしょうが、YouTubeにのせた動画を書きおこしちゃいけない、などということはありえません(参照:日本国憲法21条など)。



[書きおこしスタート]

 みなさん、こんにちは。いそざき哲史(てつじ)です。本日はお疲れのところ、本集会にお集まりいただきましたことを心より感謝申し上げます。

 さて、日頃より、私への支援を広げる活動に組合員のみなさまがご協力いただいておりますことに、重ねて深く感謝を申し上げます。

 昨年1月(2012年1月)より、みなさんにご協力をいただきながら、全国の仲間のみなさんを訪問する活動をずっと続けて参りました。

 (摂氏)30度を超える猛暑のなかで、ツナギを油まみれにして汗だくになって働いている(工場の)仲間。

 真冬の雪が降りしきる中で、お客様の車を素手でていねいに洗う(販社の)仲間。

 そうした仲間のお一人お一人に会い、地域は違っても、仕事は違っても、懸命に働く仲間のみなさんの思いと現状を、深く、深く、心に刻んで参りました。

 そして、今改めて思います。なぜ、こんなに真面目に懸命に努力をしている仲間、そのご家族、若者、子どもたちが、こんなに不安を抱かなければならないのか、やりどころがない不満を抱きながら生活しなければならないのか。

 額に汗して真面目に働く者が将来に安心できる環境をつくっていかなければなりません。自動車関係諸税の(シンプル化の)とりくみで、私たちは結果を出しました。(自民党政権時に)40年間も実現できるかどうか分からない不安があるなかで、訴え続けてきました。そして、昨年その税金の体系に風穴を開けました。まだまだ、活動は途中です。この活動をさらに続けて行かなければならないと思っています。私はあきらめたくないんです。何としてもこの活動、石にかじりついてもでもやり抜いていかなければならないと思っています。

 自分たちの将来を安心できる環境をつくるために、みんなで声を上げましょう。活動を続けていきましょう。

 私を自動車の仲間の代表にしてください

  お願いします。私は必ず仲間のみなさまの思いを形にします。よろしくお願いします。本日はありがとうございました。

 [書き起こしは以上です]

 ということで、いそざき哲史さんの自動車総連の働く仲間への思いでした。

 いそざき哲史さんは44歳。もちろん、自動車総連の働く仲間全員の代表ですが、日産労連からの挑戦です。日産労連は先代の「寺さん」寺崎昭久さんの引退から12年間全国比例の参院議員を出していませんでした。12年ぶりに日産労連にお鉢が回ってきたということは、NRP(日産リバイバルプラン)の後では初の全国比例新人ということになります。奇遇にも、私はNRP(ゴーン・ショック)のとき、私は日経新聞横浜支局県内自動車業界(おもに県内販社と、県内に本社があるメーカー、部品会社)をメーン担当していました。まあ、NRPの前と後で、同社広報の態度は豹変しましたが、そんなことはどうでもいい、ある意味人として当然ですから、なんとも思っておりません。

 いそざきさんは、44歳と若いですが、次に日産労連の新人にお鉢が回るのは、12年後56歳になりかねないので、さっと決意を固めたのでしょう、と推測します。

 きょうの読売新聞にトヨタ自動車本社が愛知県内工場の期間従業員を募る求人広告を出していました。円安もあり、自動車産業も求人増ということのようです。アメリカでは、UAW(United Auto Workes)という産別があり、聞くところによると、フォードのラインは本数は違うかも知れませんが、フル稼働に戻っているようです。終身雇用で健康保険などいたれるつくせりだったフォード。

 さて、選挙の事前情勢ですが、連合傘下の産別から9人が立候補を準備を進めています。全員当選は極めて厳しい情勢です。ただ、産別候補は、どんな順風のときでも1人、2人取りこぼすところがあります。ですから、しっかりと組織内を固めるだけでなく、「政治離れをしている組合員」あるいは、協力会社など組織化されていない自動車産業で働く人が「自動車の仲間の代表」という意識を持つべきだと考えます。だから、外野手というより、観客席なので、このブログを書きました。

 そして、火力発電用燃料の輸入で、少なくともあと数年、我が国の貿易赤字は続きます。それを縮小する力を持つのは、自動車産業しかありません。自動車産業で働く人は、全員が経済界の日本代表チームのメンバーです。

いそざき哲史候補(予定者)の背中を押すことで、「自分の将来を安心できる環境」と同時に「日本人全員が将来を安心できる環境」も、つくっていただきたい。国家を担って額に汗する人は鮮やか。必ず報われます。


「総務会長」の報道が半減 国会空洞化を解消した衆参ねじれの効果

2013年06月30日 11時48分03秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]自民党の野田総務会長、自民党ホームページから。

 衆参ねじれで、与党自民党の内閣提出法案の事前審査制による国会空洞化に歯止めがかかったことが分かりました。

 衆参ねじれ直前の2007年1月25日召集の第166通常国会(第1次安倍内閣)と、2013年1月28日召集の第183通常国会(第2次安倍内閣)の「総務会長」などの新聞記事登場件数を調べてみました。



 「総務会長」は、6年前は朝日・読売・毎日の合計で「602件」ひっかかるのに、今国会は「300件」と半減したことが分かりました。

 個人名で、6年前の「丹羽雄哉」は「81件」で、「野田聖子」は「74件」。知名度が高い野田総務会長でも、ねじれ前の丹羽会長に比べて新聞登場回数は減っています。

 「政調会長」は1108件から738件と3割減りました。さらに「自民党 and 政調会長」で絞ると、794件から496件と4割減っています。

 個人名でも6年前の「中川昭一」が「262件」で、「高市早苗」は「181件」となっています。

 野田聖子さんにしろ、高市早苗さんにしろ、女性起用をしていなかったら、総務会長、政調会長の注目度がもっと減っていた可能性があります。

  事前審査制とは、内閣提出法案(閣法)であっても、自民党の政調会→総務会を通らないと、国会に提出できないという制度。このため、閉ざされた自民党総務会を通れば、衆・委員会、本会議、参・委員会、参・本会議はセレモニーにすぎないとして「国会空洞化」「国会軽視」につながってきました。

 議会制度の権威、大山礼子駒大教授(元国会職員)の『日本の国会』(岩波新書)は、その序章で、「衆議院の本会議審議時間は当初、年間100時間を上回っていたのだが、近年は60時間程度まで減少している」「国会審議の形骸化を招いた最大の原因が、自民党政権下で形成された与党事前審査制の慣行にあったことは疑いない」(2ページ、3ページ)と分析しています。そして、「法案修正が活発に行われている諸外国の議会でも、実は修正の多くは与党議員の発議によるものなのである」と指摘しています。先の第183通常国会は、附則も含めて閣法を、自民公維みの5党が修正し、修正案朗読者は民主党衆院議員がつとめるパターンが頻出しました。 私は衆院・委員会をインターネットでみていて、たびたび目にしました。

 そして、生活保護法改正法案や電気事業法改正法案に興味がある人は、会期末に向けて、インターネットで参・厚労委や参・経産委を見ていた人は、「会期末までに審議時間が間に合わないのではないか?」と、会期終了の3日~2週間前には気づいた人が多いでしょう。そこで、Twitter上で廃案に向けた世論が盛り上がったこともあり、廃案となったようです。その経緯もまた、野党参院議員から説明があるという新しいデモクラシーが始まりました。

 このような法案審査システムは、ねじれ解消ならいったん打ち止めになるでしょう。

 ただ、衆参ねじれが、国会という平場でインターネット入りで、法案をこねるという、当たり前の民主主義を国民が取り戻すきっかけになったことはたしかです。