安倍内閣は2013年6月14日(金)の閣議で岡田克也君提出「投票価値の平等および区割り改定法案に関する質問主意書」(183質問96号)を全閣僚の署名、花押(かおう)入りで決定しました。
この中で、参院で審議中の「0増5減区割り反映法案」(183閣法51号)について、岡田さんが「一人別枠方式を廃止し、定数295を人口比例で都道府県に割り振ると、鳥取県は1となるところ、法案では2となっている。実質的に1人別枠方式は残ったままではないか」と質したのに対して、安倍内閣は「法案は0増5減緊急是正法の規定に従い、区割り審からの区割り改定案の勧告を受けたものだ」としました。 第45期衆議院最後の法律を、その後に3つの高裁が選挙無効としながらも、あくまでも区割り審の改定案を反映しただけに過ぎないとの認識を示したものです。
そのうえで、答弁書は「実質的に1人別枠方式が残っている、とのご指摘はいずれも当たらないものと考えている」と閣議決定しました。
ということは、今国会が0増5減区割り反映法の衆院再議決・成立で閉じて、仮にこのまま第47回衆院選を施行し、その100日以内に高裁から「鳥取県の定数2は実質的に1人別枠方式が残っており、平成23年3月最高裁大法廷判決に反する」との判決が出た場合、仮に安倍首相が連勝して、第3次安倍内閣が発足していても、きょうの答弁書による政治責任は極めて重大で、総辞職に追い込まれてから、再選挙などにのぞむことになりえます。
〔都議選・参院選応援議員は「中選挙区は誰でも落選の可能性がある」と大ブーイング〕
都議選・参院選にかかわっている人からは「誰もが落選する可能性がある中選挙区制はもうこりごり」との声が出ています。ですから、「抜本改革」は論外であり、小選挙区・比例代表並立制は維持すべきです。そして、参院、地方議会もなるべく小選挙区にする方向性でしょう。無投票で再選し続ける中選挙区も、告示までにはさまざなかけひきがありお金がかかるようです。
それはさておき、第183通常国会のうちに、みんなの党の18増23減法案を「見直し規定」つきで成立させた方が、各党派のためになるのではないでしょうか。
〔岡田さんは質問主意書嫌い〕
ちなみに、岡田さんは質問主意書嫌いで知られます。これは東大法学部を出て、通商産業省に入省した22歳の4月に、最初にやらされた仕事が質問主意書作りだったから。一度書いた原稿を、関係する各省の各局を訪ね歩きながらチェックを入れてもらう仕事にうんざりしたようです。ここから、岡田さんが質問主意書嫌いである理由は2つ考えられます。1つはけっこう正直な人なので心情的に嫌だという理由。そして、もう1つはしょせんは22歳の官僚が1人でやっている仕事だという認識です。
〔総務省選挙部官僚は、1億人有権者の頂点?〕
この答弁書は、おそらく自治行政局選挙部の官僚が書いたのでしょう。旧自治省は、毎年必ずではありませんが、多くの場合、トップ入省者を自治行政局選挙部に配属させてきました。これは、将来的に事務次官・局長コースになるにしても、知事になるにしても、選挙部にいた方が、政治家ににらみが利かせられるからだとされています。いわば私たち1億人と同様に、霞が関旧内務省系の旧自治省でも、「権力の源泉は選挙にある」と分析しているからです。
会期末まで、あと残り8営業日。しっかり最後まであきらめずに、1票の格差の是正に取り組んでいきましょう。
[お知らせ1 はじめ]
「国会傍聴取材支援基金」を設けております。日本唯一の国会傍聴記にご協力ください。
「国会傍聴取材支援基金」の創設とご協力のお願い
ご協力ください。よろしくお願いします。
[お知らせ1 おわり]
[お知らせ2 はじめ]
会員制ブログで今後の政治日程とポイントを解説しています。
今後の政治日程 by 下町の太陽
最初の1ヶ月は無料で試し読みできます。お気軽にご登録ください。
[お知らせ2 おわり]
[お知らせ3 はじめ]
このブログは次の各ホームページを参照して、記事を作成しています。
最近の法律・条約(内閣法制局ホームページ)
衆議院議案(衆議院ホームページ)
今国会情報(参議院ホームページ)
予算書・決算書データベース(財務省ホームページ)
衆議院インターネット審議中継
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ホームページ)
民主党ニュース(民主党ホームページ)
goo ニュース
[お知らせ3 おわり]