さて、ことしも6月になりました。
岡田克也さんは自身のブログで「抜本改革はいま議論するテーマではない」としています。
これは会期切れが近づいたので、現行の小選挙区と比例代表による衆議院選挙制度による政権交代ある二大政党政治は、今国会末の時点で、守り抜けそうだとの見通しをしめしたものです。
中小政党は、「抜本改革」の美名の下に、「中選挙区」「完全小選挙区」を訴えてきましたが、残り3週間ではゼッタイに間に合いません!
そのうえで、岡田さんは「この国会中に何を成し遂げるかということですが、大きなテーマは2つです。」として、「一票の格差の是正」と「定数削減」をあげました。
ところで、6月というと田原総一朗さん(79歳)は自身のブログで映画リンカーンを見た感想として次のように書いています。
「僕はこの映画を観ながら、ひとりの政治家を思い浮かべた。竹下登さんだ。昭和最後の総理大臣である。彼のいちばんの業績は消費税の導入だろう。リンカーンが議員一人ひとりに、さまざまな言葉を駆使して翻意を迫るさまは、僕の知る竹下さんにそっくりだったのだ。政治は綺麗ごとではない。覚悟をもって何ごとかを成し遂げようとするならば、時には悪者にもならねばならない」
「竹下さん、リンカーンのやり方はあなたと同じでしたよ」。
[画像]政権交代ある二大政党政治を事実上つくった田原総一朗さんのサンデープロジェクト、テレビ朝日、当時。
第183国会の会期末にあたって、岡田さんが自民党本部に乗り込んだり、田原さんが各党実務者を呼んで言質を引き出したりする展開を想像していましたが、どうやらそういうことにはならないようです。みんな、20歳ずつ大人になりましたから。
自民党幹事長の石破茂氏(衆院鳥取1区)は2日放送のNHK日曜討論で「緊急是正と定数削減と抜本改革をみんなごちゃごちゃにしていた」と正しい評論。そのうえで「緊急是正法(平成24年法律第95号)の区割りを反映するという司法に対する真摯な姿勢を持つのが当たり前だ」 「定数を減らせと司法は要求しているのか(いやしていない)」と徐々に論理をすり替えました。
私としては衆議院解散という慌ただしさの中で、この法案の「付則付表」の「鳥取県2」の「2」の一文字を見逃していた、という正直な反省を認めるところから、この会期末にのぞんでいきます。
任期が変われば新しい衆議院。なんで賛成したの?と言われて、「2」を「1」と思っていた、自民党によるめくらまし、煙幕に気づかなかった、ごめんなさい、というのは三権の中で選挙後の衆議院なら許されるのです。だから国権の最高機関なんでしょう。
そして、仮に通称・5増35減法案、完全人口比例法案、岡田法案を通すには、衆議院で過半数を持っていないという原理主義。ただ、努力しないといけません。岡田克也さんに全権委任でもなく、田原総一朗さんに全権委任でもなく、有権者(納税者)に全権委任されているという覚悟と気構えが必要です。これは民主政治の基本中の基本ですよ。こういうところをちゃんとしないから、20年デフレが続いたんです。
田原総一朗さんはサンデープロジェクトに岡田さんが最後に出演した2010年3月14日、番組の終わりに、「岡田さん頑張って。岡田さんに期待しているからね。」と語っています。(参考エントリーサヨナラの田原総一朗さんが「岡田さんがんばって」)
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