【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

海江田代表「税制改正は暦年か、会計年度が常道だ」自民党の秋の法人減税は常道に反すると述べる

2013年06月17日 20時27分36秒 | 第184臨時国会(2013年8月)黄金の3年間

[写真]民主党代表の海江田万里ネクスト首相、2013年6月17日(月)、民主党本部、筆者撮影。

 民主党代表の海江田万里ネクスト首相は、2013年6月17日(月)の定例記者会見で、安倍首相・甘利経財相らが秋の臨時国会で投資減税などの法人税法改正法案を提出し、成立させ、秋のうちに施行しようとしていることについて、「税制は基本的に(所得税のように)暦年か、(法人税の)会計の年度が変わるのにあわせてやるが常道であり、周知徹底が必要なので、『きょう決めて、あすから』というのは無理がある」と語りました。

 投資減税のみならず、秋の臨時国会で税制改正法を成立させ、すみやかに施行すべきではないとの原理原則を示したもので、安倍自民党の税制改正方針は常道に反するとしました。

 教科書でも、神野直彦著『財政学 改訂版』の90ページには、「課税について毎年度の予算によって、議会の承認を得る方法を一年税主義という」「人間の生活のサイクルとなっている1年間が通常、財政をコントロールするのに適切な期間だとされている」とあります。人が春夏秋冬1年のサイクルで生活しているので、税制改正も年に1度ということになります。

 アベノミクスの成長戦略として打ち出している「投資減税」ですが、今期赤字の企業は単年度ではまったく減税になりません。東証1部上場企業の社長が9割9分サラリーマン社長の現代日本では、社長も幸せにならないし、財務担当取締役も幸せにならないし、税理士も幸せにならないし、株主も従業員も幸せになりません。さらに増益基調の大企業の法人税額が大幅に減るので、財務官僚も幸せになりません。

 幸せになるのは政治献金が貰える自民党幹部と、天下り先が増える経産官僚のごく数十人だけの特権です。

 海江田万里さんは初当選後ほとんどの期間を、国税改正法案を審査する衆議院財務金融委員か、歳入歳出を審査する衆議院予算委員のいずれかを務めています。

 

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2013年06月17日 20時08分42秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【参議院本会議 2013年6月17日(月)】

 国会がやっと前へ進みました。

 改正災害対策基本法と大規模災害復興法が全会一致で可決・成立しました。

 これは昨年の通常国会で、中川正春・内閣府防災担当大臣が提出した災害対策基本法第1弾改正の附則第2条と、国会が付けた附帯決議にもとづいて、自民党政府が国会に提出した法案です。

 昨年の第1弾改正災害対策基本法の附則第2条には「政府は、東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。以下この条において同じ。)から得られた教訓を今後に生かすため、東日本大震災に対してとられた措置の実施の状況を引き続き検証し、防災上の配慮を要する者に係る個人情報の取扱いの在り方、災害からの復興の枠組み等を含め、防災に関する制度の在り方について所要の法改正を含む全般的な検討を加え、その結果に基づいて、速やかに必要な措置を講ずるものとする」

 とあります。

 そして、参議院の附帯決議には「これからの災害対策基本法改正に向けて、避難や減災など災害に対する基本的考え方をはじめ、防災会議や災害対策本部など組織・権限の在り方、大規模災害発生時の災害緊急事態の布告の内容やその手続、さらに災害からの復興の進め方に至るまで、現行法のあらゆる問題点について迅速に検討を進め、必要な法案を策定し、提出すること」とあります。

 次の大災害に向けた復興法がきょう参議院で全会一致で成立しました。

 いわば、2011年3月11日から、2年3ヶ月。被災地はがれきがなんとか取り除かれ、復興はまだ始まってもいない段階ですが、きょう国会は次の災害に向けた法律をつくったのです。日本が次の時代への幕を開けようとした日です。それが2万人の海に還った同胞へのご供養です。

 自治体は、足の弱い人など「避難行動要支援者名簿」をあらかじめつくり、消防などに提供できます。災害時には「被災者台帳」を作成しなければなりません。新しい公共の考え方を具現化して、国と自治体は「ボランティアにより行われる防災活動が重要な役割を果たしていることに鑑み、その自主性を尊重しつつ、ボランティアとの連携に努める」とし、「民間の団体の協力の確保に関する協定」を結ぶことができます。

 「内閣総理大臣は、」「復興を推進するために特別の必要があると認めるときは、内閣府に復興対策本部を設置することができる」とあらかじめ定めました。政府が復興基本方針を決められます。自治体が「漁港、道路、海岸保全施設、河川等の災害復旧事業」ができないときは、国が代行します。災害後の都市計画決定を市町村の依頼で、都道府県が代行できます。そして「著しく異常かつ激甚な非常災害が発生した場合」は「臨時の医療施設、埋葬及び火葬並びに廃棄物処理」は国会を通さず政令で政府が決められます。

 2011年3月11日、国会では参議院第1委員会室で決算委員会が開かれ、NHK国会中継のさいちゅうでした。緊急地震速報が放送され、カメラが引いた画面になり、現場にいるアナウンサーが小声で緊急地震速報を読み上げていると、やがて激しく委員会室のシャンデリアが揺れて、アナウンサーの声が大きくなり、渋谷のスタジオに切り替わりました。

 しかし、国会はその半年前の夏からの衆参ねじれのため、11月まで復興基本法の成立が遅れ、「事前防災のための全国防災対策費」というダムの穴を野党・自民党にあけられる格好で、衆参過半数で成立しました。自民党は人の足下を見た火事場泥棒です。

 さて、今回の法律で自治体の防災訓練が義務化されました。今までは義務ではなかったのですね。私は毎年9月1日に学校で防災訓練を受けました。そのとき、鞄を置いて避難しましたが、高学年になると、実際に避難するときには鞄を持っていくだろう、という議論をしたことがありました。いずれにしろ、当事者意識を持っていないと、当事者能力は持てません。「そなえよつねに」というボーイスカウト、ガールスカウトの精神を持つことが、大事です。

 白川方明・日本銀行総裁は、円(Yen)の決済機能を守りました。世界金融史に残る功績です。その一方、日本国憲法第9条はいまだに改正の発議すらされています。国民の中に、当事者意識を持たない者がいるから、日本国が当事者能力がないのです。

 冒頭の写真、きょうの参議院第1委員会室の上空は雨雲らしくものがありますが、やや茜色がかった青空でした。

 国会がやっと「3・10」、振り出しに戻りました。

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都議選・会期末・参院選・秋の臨時国会 今後の政治日程(2013年6月17日版)を更新しました。

2013年06月17日 08時45分00秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[写真]国会前庭、筆者撮影。

 おはようございます。

 さて、来週水曜日でいよいよ会期末です。

 金融商品取引法改正法案、0増5減区割り反映法案、電力改革法案、生活保護3法(生活保護法改正法案、生活困窮者自立支援法案、子どもの貧困対策推進法案)に加えて、このところ停滞していた条約案件(二国間の投資協定、社会保障協定)なども会期末までに仕上がる見通しが立っています。

 その一方、安倍首相が秋の臨時国会を「成長戦略実行国会」と名付け、税制調査会を前倒し、設備投資のための法人減税を秋に法制化するという異例のスケジュール感を出しています。

 すでに、都議選・会期末・参院選・秋の臨時国会と連動した流れが始まっています。向こう3年間の国政の枠組みが決まるかも知れません。 

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