【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

民主党の渡辺周さん「防衛大臣の手元にあるあんちょこが既にここにある」と答弁を先読み 自衛隊法改正法案

2013年06月04日 19時21分13秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

【画像】「大臣がこれから答弁しようとしているあんちょこがここにある」と語る渡辺周さん、2013年6月4日、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

【2013年6月4日(火) 衆・安全保障委員会】


  陸上自衛隊などが海外で邦人を保護する際に、今までの航空機・船のほかに、クルマも使えるようにする「自衛隊法改正法案」(183閣法63号)が委員会で審議されました。

 自民党の小野寺五典防衛大臣が、自分の省が書いた法案の委員会審議にのぞむのは就任半年後にして初めて。

 議院運営委員会野党側筆頭理事でもある、民主党の渡辺周さんが質問に立ちました。

 朝鮮半島を想定した有事について質問した周さんの質疑に対して、小野寺大臣が「特定の地域を想定した質疑には答弁できない」と繰り返すと、周さんが「大臣の手元にある答弁のあんちょこがここにあるんですよ」と手に取って見せながら、「次はこう答弁するんでしょう」と述べ、防衛省運用企画局が書いたとする、大臣答弁を長時間朗読する場面がありました。

 これに面食らった自民党の小野寺大臣は「先輩(渡辺前防衛副大臣)ですからよくおわかりの通り、特定の地域をあげて議会で答弁するわけにはいきません」として「武士の情けをお願いします」と「助命」嘆願。

 あんちょこを手に取る周さんは、どや顔でにやけていました。基本、周さん「イヤなやつ」ですからね。読売出身だし。しかし、小野寺大臣の「助命」はあっさりと受け入れる二大政党の政治家らしい姿が見られました。

 自衛隊法改正法案では長島昭久・前防衛副大臣が本会議場で最高指揮官の不在を哨戒するなど民主党副大臣経験者による、諜報、哨戒活動による民主党ペースの審議が続いています。とはいえ、民主党は法案を廃案に追い込もうとしているのではなく、むしろPKOでの駆けつけ警護に法的に道を開くことをねらっています。

 日本維新の会議員からも、「今までクルマが使えなかったことの方がおかしい」との正論が出ています。民主党・日本維新の会による、戦後レジームからの脱却が急ピッチで進んでいます。

 「憲法改正」をかかげ立党しながら、半世紀以上綱領を実現できていない自民党の優柔不断がきりもみ状態のように壊れていく気配を感じます。

 さて、政権再交代後の防衛大臣は、周さんか長島さんか。こちらの長く見応えあるレースも、早くもホイッスルが吹かれました。

 泰然自若と、栄誉礼、儀仗を受けなければなりません。にやけた瞬間にシビリアン・コントロールやポリティカル・コントロールは崩れます。

 備えと訓練を怠ることは、どんな職業でも、あってはなりません。
 
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政府、初代内閣情報通信政策監に遠藤紘一さんを閣議決定 元リコー副社長 岡田克也・古川元久が主導

2013年06月04日 19時05分39秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]遠藤紘一・内閣情報通信政策監(政府CIO)、2013年4月、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 政府は2013年(平成25年)6月5日(火)の定例閣議で、初代の「内閣情報通信政策監」(政府CIO)に遠藤紘一さんを任命しました。天皇陛下が5月31日公布された内閣法等の一部を改正する法律(平成25年法律22号)の第16条に「内閣官房に内閣情報通信政策監を1人置き」「内閣官房長官と副長官を助け」ITの活用により「国民の利便性の向上と行政運営の改善に資する物を統理する」としています。

 遠藤さんは元リコー副社長で、このクラスの内閣官房(首相官邸)事務方幹部に、官僚経験のない民間人が起用されるのは、初めて。遠藤さんは設置根拠ができる前の昨年から、岡田克也・副総理(当時)の指名や、古川元久・元国務相らの推薦で、政府CIOをつとめてきました。 

 行革に限らず、マイナンバー(社会保障と税の共通番号)を活用して、国民の行政手続きの簡略化も期待されています。

 法案では、閣僚による「高度情報通信ネットワーク社会本部」の本部長(総理大臣)が本部員(省の大臣)に対して報告を求めることができるとしています。政府提出の法案では「本部が、」とあるのを「本部長が、」と改めさせる民主党の後藤祐一議員の衆議院修正(参考エントリー◎マイナンバー法成立へ 後藤祐一さんの「官房副長官めざす人のポイント」反映 「自公民維み」5党共同修正)があったので、遠藤さんの求めに応じて総理大臣が省の大臣に対して情報を出すよう命令することができるようになりました。

 なお、岡田副総理(当時)は昨年8月の記者会見で、
 記者からの
 「
(問)日本経済新聞社の持木と申します。すみません、ちょっと遡って、政府CIOの件で一つ聞きたいことがありまして。最初のころは閣僚級での検討をしていたということだったと思うのですけれども、結果的に遠藤さんになった理由を教えていただけますでしょうか」
 との問いに対して、
 「(答)閣僚級での検討をしていたという、日経新聞はそう報じられたかもしれませんが、何か根拠があったのですか。根拠があったのですか。そういう報道に対してコメントする必要はないと思います」
 と述べ、日経新聞の人事報道が根拠のない誤報であったことを批判しています。 

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高橋千秋・前特別委員長が安倍首相をただす 「アベノミクスの前提は一体改革法による外国の信認」

2013年06月04日 16時49分34秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]質疑する高橋千秋さん、2013年6月4日(火)、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

【参議院経済産業委員会 2013年6月4日(火)】


 岡田克也さんの側近中の側近である、民主党の高橋千秋さん(三重選挙区今夏改選)が安倍晋三首相(自民党総裁)をただしました。

 昨年の第180通常国会で、参議院社会保障と税の一体改革に関する特別委員長。採決直前には中村哲治理事(国民の生活が第一=院替え落選)らから解任動議を出されましたが、粛々と否決の上、歴史的な法案を本会議で委員長報告し、可決・成立しました。

 議題は、社会保障と税の一体改革3党合意法を肉付けする「消費税転嫁法案」(183閣法36号)。

 千秋さんは、まず「TICADⅤ成功おめでとうございます」と述べ、第5回日本アフリカ開発会議(TICAD)の閉幕をねぎらいました。前回TICADの5年前も自民党政権でしたが、「私も経産(政務官)や外務(副大臣)としてアフリカ担当としてTIVADVを準備しました」と与党期の実績をアピールしながらも、「それとは別に法案の話に入ります」。

 「昨年委員長としてすべての審議を聞いてきましたが、社会保障の充実のために消費税を上げる3党合意をした」として総理に認識をただすと、「財政の健全化のために(谷垣総裁は)3党合意した」と述べ、「増税分は全額社会保障にあてるとして、安倍政権は3党合意に従う」と、ちぐはぐな答弁。

 千秋さんは「消費税を上げることで(財政健全化が担保されているとして、)外国はアベノミクスを信認している。しかし、それを国土強靱化にあてるのは矛盾している」と指摘しました。

 首相は「これは『機動的な』財政出動だ」とし、「「昨年の底割れを下支えしデフレ脱却するためのマクロ政策として必要だ」としました。

 千秋さんは「デフレ脱却しなければならないし、財政再建しなければならないという認識を私も持っている」としました。

 首相は「増税分は社会保障にあてるということを政府としても、もっと説明しなければならない。セーフティーネットがあって初めて人間は暮らしていける」と語りました。


[画像]答弁する安倍首相、2013年6月4日(火)、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

 法案の個別内容について、千秋さんは「内閣府公正取引委員会の臨時職員を増やすのはいいが、業界ごとの事情の中で、「(親会社が仕入れ先に)値引きしろ」というような話はあまり(表に)出てこない」として12条の内容は実効性があるのかと指摘。法律による規定は、できるだけ必要最低限にすべきだが、「下請けいじめ防止は現行の法律でも昨日していない」として、「(現行法による公取の仕事は)そこをきっちりやるべきだ」と求めました。

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