[画像]野田佳彦さん、2013年6月24日(月)、衆議院本会議、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
野田佳彦さんが4年ぶりに本会議で質問しました。お得意のノー原稿でした。
野田さんの野党議員としての本会議登壇は4年ぶり。第171通常国会の平成21年7月14日(火)の本会議に「麻生内閣不信任案」に賛成討論しています。そして、驚くべきことに、前回の都議選の後、最初の本会議演説でした。
4年前の野党の野田さんは次のように演説しました。
「まず初めに、一昨日、首都決戦東京都議会議員選挙におきまして、私ども民主党、おかげさまで第一党に躍進をさせていただき、そして、目標であった自公過半数割れを実現することができました。応援をいただいた都民の皆様、有権者の皆様に心から感謝を申し上げるとともに、これからが勝負であり、勝ってかぶとの緒を引き締めて、次なる戦いに挑んでいきたいと思います」
「さて、今回の都議会議員選挙は、もちろん都政の争点、新銀行東京の問題、あるいは築地市場の移転の問題、いろいろな争点はありました。しかし、総選挙直前の都議選であって、間違いなく有権者は麻生内閣不信任、自公政権不信任の意思表示を明確にあらわしたと確信をしています」
「(自民党内では)麻生さんでは勝てないからといって、麻生おろしが顕在化する、署名集めをする、あるいは総・総分離を行おうとする、あるいは外部の雑誌に論文を発表する。この矜持を失った浅ましい自民党の姿こそ、国民が見放しているんです。また、本議案は単なる麻生内閣不信任決議案にとどまらず、少なくとも、四年前の郵政選挙以来三分の二を占めるに至った与党のこれまでやってきた行状に対する私は不信任だと思っています。」
「私は、昨年の十月五日、遺児と母親の全国大会に出席をさせていただきました。各党の代表者が出席をされていました。遺児とは、残された子供という意味であります。交通遺児、災害遺児、自死遺児、こうしたお子さんたちの悲鳴を聞きました。
お母さんが朝も働く、昼も働く、夜も働く、でも生活するので手いっぱい、子供の教育費に手が回らない、子供たちは進学をあきらめざるを得ない、学校をやめざるを得ないという窮状でありました。何と十七年ぶりの全国大会です。それだけ限界に来ているということでありました。
政治家の世襲についてさっき言及しましたが、もっと問題なのは、我が国では貧困の世襲が今起こっているということであります。そこに自公政権は何らかの手当てをしましたか。母子加算は、参議院では成立をしたけれども、衆議院では、復活を出しても、自民党も公明党も相手にしないじゃありませんか。
お母さんと子供の笑顔が広がる国は幸せな国です。それを阻む政権は、これだけでも十分に不信任に値すると思います」
まさに昔日の感がする面があります。読み返すと、その後与党になった民主党が奢っていった権力の魔性も感じます。そして、野田内閣総理大臣が社会保障と税の一体改革に走ったこともよく分かるしそれは二大政党でも、自民党にはできない民主党にしかできない政策であり、その旗はこれからも自信をもって引き継いでいくべきでしょう。
そして、4年後の野田さんは、多数与党から激しくヤジを浴びながら、相変わらずのノー原稿で次のように発言しました。
「20世紀前半の外交を反省すべきだ」
「サミットではなぜ日米首脳会談がなかったのか。その直前に米中は8時間会談しているではないか」
「安倍総裁、黒田総裁が着地に失敗して困るのは国民だ。出口戦略についてうかがう」
「44兆円の国債発行枠を守るのか。3本の矢の機動的財政出動の「機動的」とは、国土強靱化で税金をばらまくことではないのか」
「分厚い中間層の復活こそが成長戦略そのものだ」
「解雇の金銭解決や限定正社員の拡充を検討しているが、止めるべきだ」
「最後に、1票の格差の是正と定数削減について、今回の約束は(解散に関する)「近いうち」という定性的なものではなく、具体的に(今国会末までという)期限が決まっていた。総理は、この約束を守ろうとしたのか。『定数削減はポピュリズムだ』との発言をしたとも聞いている。ポピュリズムで3党合意をしたとはゆるせない。唄の文句ではないが、『だました私が悪いのか、だまされた私が悪いのか』。言い訳は聞きたくない。第1党の党首として責任をどう感じているのか。せめて、次の臨時国会までに決めよう」
野田さんは4年前とちがい、「きのうおとといの地方選に負けたから総理は総辞職するか、解散しろ」という演説はいっさいありませんでした。地位は人を育てる。3年3ヶ月間政務三役を続け、1年4ヶ月総理をつとめ、消費税法を成立させ、解散をやったことが、長期的な視点の演説になったと感じます。
4年ってずいぶん、長いんですね。小学校2年生が6年生になり、中学校1年生が高校2年生になる。それが4年間ですが、50歳代のおっさんがここまで成長してしまう政治というものが、私にはおもしろくてたまらない。
そして、前総理を罵倒する自民党の連中の意味のないヤジ。チルドレンの顔ぶれは変わっても、ヤジの中身はまったく変わっていない。小選挙区制は、スウィング(振り子)の激しさで、議員が入れ替わってしまうデメリットがあります。
こういった人材育成の問題と、国民が政権担当能力可能な政党をしっかりと2つ持てるように。
野田さんの演説同様に、骨太の政治をこれからやっていきましょう。
さあ、新しい野党の始まりです。
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