【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

◎第3者保証融資を禁じた民法改正法が可決 前川清成さん「私はサラ金の利下げのため立候補した」

2013年06月11日 15時51分57秒 | 第183通常国会(2013年1~6月)附則・附帯決議

[画像]企業融資の第3者保証禁止の民法改正法案の質疑に立つ、民主党の前川清成ネクスト法相、2013年6月11日(火)、参・法務委、参議院インターネット審議中継からキャプチャ。

【2013年6月11日(火) 参・法務委】

  企業金融での第3者保証を禁止する民法改正法案(前川清成君外民生社3党提出、183参法6号)が、みんなの党提出の修正案を受け入れた上で、可決しました。正直、可決するとは思わなかったので軽く驚きました。

 法案提出者の前川清成ネクスト法相は、小川敏夫・元法相、生活の党の森ゆうこさんが答弁しました。

 千葉景子法相の諮問を受けた、法制審議会(の専門部会の)中間答申(◎「連帯保証人廃止」へ 民法改正法案、2015年常会提出へ 2009民主党マニ実現、自民党・銀行が巻き返しへ)について、民主党の有田芳生委員は「酒場でも話題になった」と評価。これについて、公明党の魚住裕一郎さん(=来月全国比例改選)が「私も弁護士。方向性は賛成だし、法案提出の労は他としたいが、民法という基本法を改正するのはドラスティックすぎないか」としました。

 これに対して、前川さんは「民法の代わりに利息制限法を改正しても、これは金融会社だけでなく個人同士にも適用される法律だ」、「保証会社を儲けさせるという意図はない」といった趣旨の答弁をしました。

 みんなの党の真山勇一さんも「民法という基本法を法制審議会が議論しているさいちゅうに議員立法で変えるのはいかがなものか」としました。そのうえで、真山さんが法制審の議論について問うと

 「法制審で議論しているから基本法である民法を国会で審議してはいけないなどということはない。釈迦に説法だが、日本国憲法第41条によると、国会は国権の最高機関だ!」と気色ばみました。 

 日本共産党の井上哲士さんが、「サラ金問題のときに、前川発議者が尽力したのは、よく覚えている」と指摘すると、前川さんは「私は(弁護士としてたたかった)サラ金の金利を引き下げるために立候補しました」と9年前の立候補の動機を明かしました。 

 前日の参考人質疑をうけて、「多額の預金を持つ経営者が、子どもを自立させるために融資を受けて起業させ、その連帯保証人になることができなくなる」との質疑には、「そんなのはレアケースだ!」と喝破しました。

 このあとの採決では、真山さんがみんなの党の修正案を提出。これを受け入れる格好で、法案は、賛成多数で修正可決されました。これはちょっと軽く驚き、軽く感動しました。会期中の衆院での可決・成立に関しては、現在分かりません。なお、アパートの入居の際の連帯保証人とは全く関係ありません。



 この写真は、このブログを始めた年の最初の大晦日(2007年12月31日)の秋葉原ヨドバシカメラです。(大晦日の東京(このまち)で)。ここには、ある金融機関の子会社であるサラ金の簡易審査・融資機械が置かれています。そして、この中にいる2人のうち、左側は大晦日なのになぜか半ズボン姿の小学生の男の子、奥側は、手続きがうまくいかず、ボタン類を連打する母親の姿がありました。このエントリーには、自民党員から「自民党だっていいこと(グレーゾーン金利)をしているんだから認めてくださいよ」というコメントが寄せられましたが、すでに削除しました。我が国は、規制でがんじがらめなのですが、なぜ、ヨドバシカメラの敷地内に、他国で見ない、「信用枠の自動販売機」があるのでしょうか。そして、この金融機関の親会社は日本最大の国債保有会社となっています。このように政権交代なき自民党長期政権では、信用枠の自動販売機という、北朝鮮も、アメリカにもない世界の非常識が平然と行われていたのです。いわば「命を担保にする自民党系金融」と言えるでしょう。私は絶対に許せない。

 この日の参院では、9つの委員会が開かれ、民主党から5人の質疑者と2人の答弁者が登場しましたが、全員が非改選議員でした。このようにして改選議員を支える輿石東クラスの卒のなさは評価せざるをえません。一方、委員長としては、相原久美子内閣委員長(自治労)、武内則男厚生労働委員長(高知)、中谷智司(なかたに・ともじ、徳島)農林水産委員長の3人は改選議員ながら委員長の重責を果たしました。
 
 前川さんのような議員が自民党に一人でもいればいいのですが、それは無理です。逆に言うと、前川さんのような議員が民主党にはいるんだなあ、と私も再認識しました。前川さんは第1次与党期に内閣府復興副大臣を務めました。より適宜適材適所ができるように、自民党の派閥のように、人事権者に紹介できるシステムを民主党も3年前後でつくっていかないといけません。 

 政権交代があったから、自民党政権の経済政策が見直されているだけであって、自民党は年利30%のサラ金の存在を認めてきました。そして、そのサラ金の融資資金は、メガバンクの融資です。いわば、自民党に投票したら、あなたは殺されると言っても言い過ぎではないでしょう。

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