[写真]定例記者会見する細野豪志・民主党幹事長、2013年6月27日(木)、民主党本部内ホール、民主党ホームページ写真から。
民主党の細野豪志幹事長は、2013年6月27日(木)の定例記者会見で、自民党の安倍総裁(首相)が前日の記者会見で「この参議院選挙、負けるわけにはいきません。必ずやねじれを解消しなければなりません」と強調したことに関して、仮に衆参ねじれが解消したら、消費税増税の負担軽減に関する自公民3党税制協議について「慎重に考える」と述べ、離脱することを示唆しました。
ところで、政治記事用語の「党幹部が示唆する」の「示唆する」とは、「それとなく気づかせる」「その可能性を否定しない」という意味です。「明示する」と字面が似ていますが、全く違います。
記者会見で 細野幹事長は、「政権再交代直後は、(自民党税制調査会などは民主党の)税調に配慮してきたが、社会保障制度になると不熱心で、(現在まで)そういう対応にとどまっている中で、慎重に考える、ということです」と述べました。
衆参ねじれが解消した場合は、自公民3党税制協議から離脱し、消費税増税の負担軽減などの税制改正協議を、公明党と自民党だけにまかせ、国会提出後に民主党が審議・採決に参加するだけの対応にとどまる可能性を示しました。
昨年6月の3党合意にもとづき、衆院選挙後も民主党は松本剛明税調会長が、自民党の野田毅税調会長と協議して、「平成25年度国税改正法(平成25年法律8号)」 には、はじめから附則に民主党の意見を入れたうえで、政府が国会に提出し、無修正で成立しました。
昨日閉会した第183通常国会では、昨年6月から積み残した「マイナンバー法」(平成25年法律27号)」と消費税転嫁法が成立し、税制分科会の3党合意の法律化はとりあえず完成。「一体改革」の片方である社会保障分科会の3党合意の実現に関心が移ったところ「社会保障制度改革国民会議」が「民主党の最低保障年金は残された課題」などとして先送りするかまえをみせています。
公明党が要望した2014年4月1日の消費税8%時の「米、味噌、醤油、新聞への軽減税率」は自民党などの反対で先送りが決定。2015年10月1日の10%時の実現についても、自民党は消極的。
一方、民主党がマイナンバーの先に見すえる「給付つき税額控除」ですが、参院選の結果にかかわらず、「衆院の57議席で、任期2016年まで」では、第46期衆議院の第2次野党民主党での法制化は時間的にも、議席的にも、「残された課題」。そのため、消費税増税にともなう低所得者や住宅購入者への負担軽減は、公明党と自民党に任せる可能性がでてきました。
参院選の国民的争点というよりも、参院選の永田町的争点が浮上しました。
【追記 2013年6月29日(土)午後6時】
[民主党幹事長会見録から部分抜粋引用はじめ]
○3党の税制協議について
【フリーランス・宮崎記者】
仮に参院選の結果衆参ねじれが解消した場合、民主党が税調3党協議から外れて、消費税の負担軽減策などは自・公だけで協議し、政府提出法案として国会に出してもらう可能性はあるのか。
【幹事長】
そこは慎重に考えないかんでしょうね。去年のあの消費増税のときの経緯がありますので、私どもとして税の3党協議もそうですし、社会保障と税の一体改革の3党協議もそうですけれども、どうするかは慎重に最終的には判断していく必要があると思います。
ただ、1つ言えることは、政権がかわった瞬間に、税調の場合はかなり丁寧にやっていると、与党の皆さんも民主党に配慮している面があると思いますが、特に社会保障と税の一体改革については非常に不熱心ですよね。実質的に年金とか高齢者医療などについて具体的な案が与党から出てきていませんから、そこは私は極めて問題が多いと思いますね。
そういう対応にとどまっている中で、この協議をどう考えるのか、そういう段階までは来ていると思います。特に社会保障と税については、本当にやる意味があるのかどうかについて、真剣に考えなければならない状況にあると思います。
【フリーランス・宮崎記者】
可能性はあるということか。
【幹事長】
慎重に考えなければならないと。
[部分抜粋引用おわり]
【追記おわり】