【2014年4月18日(金)衆議院厚生労働委員会】
難病患者の自己負担をつくる見返りに指定疾患数を56から300に増やす、「難病患者自己負担法案」(186閣法24号)と「小児慢性特定疾患法案(児童福祉法改正案)」(186閣法25号)が採決されました。
昨秋の「社会保障制度改革プログラム法」のときから、この問題をずっと追求し続けてきた、民主党の中根康浩さんが修正案を提出。これに与党・自民党、公明党のほか、単独での修正案を出した共産党も含めて全員が賛同し、全会一致で修正可決しました。
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この後、「社会保障制度改革プログラムにもとづく地域包括ケアシステム法案」が審議入りしました。参議院先議のストレスチェックを義務付ける労働安全衛生法改正案(186閣法64号)の衆議院での可決・成立は連休明けにずれ込む見通し。
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中根さんはみずから討論に立ち、「修正してもなお問題点は多いが、早い成立を心待ちにしている(新しく助成対象となる疾患の)患者のためにも、難病対策を一歩一歩進めるために、民主党は賛成することになりました」と説明しました。
修正により、法案に初めから書いてあった「5年後の見直し」が「3年後の見直し」になったほか、附帯決議では「疾患数の上限を外して、難病の治療法をもっと確立すべきだ」と盛り込まれました。
自己負担制度が法定化されたということは、政省令によって、将来、負担額が大きくなる可能性もありますので国会のチェックが欠かせません。
昨秋の臨時国会の11月15日の「社会保障制度改革プログラム法」の強行採決により提出された予算関連法案は思いのほかに全会一致となりました。法律は2015年1月施行。
[当ブログ内2013年11月15日付エントリーから引用はじめ]
ねじれ解消の安倍自民党が数の横暴で強行採決 社会保障制度改革プログラム法案 衆・厚労委
[引用いったんおわり]
全額国費負担が一部自己負担になるといっても、政令どころか省令に委任されてしまうので、法案では金額は分かりません。
昨秋のプログラム法の審議のなかで、中根さんに対して田村憲久厚労大臣が答弁したところでは「月4万4400円」でしたが、その後患者団体の猛反発もあり、大幅に引き下げられました。きょうの田村大臣の答弁では、「月3万3300円なので、国民健康保険3割負担ならば月ちょうど1万円」。ここまでの答弁では、ALS患者など重病の人で、かつ世帯収入も低い場合は、「月1000円」ということになるようです。
田村大臣は、難病医療の公費負担について「もともと治療方法の研究から始まった制度で、(自己負担をゼロにしてきたことで)症例を集めることができた」と語りました。ところで、安倍首相を治した「画期的新薬」も製薬会社が全額公費負担だから開発するし、医師も処方しやすいことで生まれたのではないかーーとこのブログに書いてきましたが、ことしの予算委でぽつりと「外国でできた薬なんですけど」と総理はつぶやきました。田村大臣は指定疾患の56を300に増やすことについて「300より増やしてもいい」と答弁し、上記のように、附帯決議では「(法律の)上限を取り外すべきだ」との決議になりました。症例も2倍になるので、やはりこの分野は日本がしっかりと新薬開発をリードしてほしいです。
与党の声は政府の声、野党の声は国民の声。
一連の審議のなかで、ALS患者が使う「鼻マスク」が、「呼吸器」とみなされないので、助成の対象にならない、と傍聴した患者団体の人から指摘があったと、民主党から政府に声が届きました。
田村大臣は最終盤の答弁で「委員の立場もよく分かります。私も野党としてそちらの席から質問していました。野党はいろいろ患者団体の方から要望を聞いて、それを政府に伝えればよい。 その日患者団体から聞いたことを伝えると、それを聞いた別の患者団体が後から要望に来る。政府はそのバランスをとらないといけません。ただ、きょうALS患者のみなさんの声を聞けたよかったと思う」と語りました。
岡崎の人は、裏切らない。いや裏切れない。
山がちな岡崎の人は、代々徳川家康家の家臣であることが誇りであったため、家康を裏切る者がいなかったことが家康が政権を取れた一つの要因です。
[2013年11月19日付関連エントリーから引用はじめ]
【衆議院本会議 2013年11月19日(火) その2】
[引用おわり]
社会保障の充実と引き換えに消費税増税をお願いした国民との約束を中根さんは裏切れないのでしょう。
一方、岡崎の侍はその忠誠心の高さがあだになって、主君・家康の思う通りにならなかった事例が一つだけあります。清州同盟の兄貴分である織田信長が、家康の子であり武田信玄の孫である長男・信康を切腹させるよう命令したとき。家康は信康を小屋に閉じ込めていました。これは、気の利いた家臣が信康を逃してほしいという考えだったようですが、あまりに殿への忠誠心が高く、またその機転も利かず、最終的に信康はわずか20歳で生涯を閉じました。
[当ブログ内2013年10月30日付エントリーから引用はじめ]
中根康浩さん「もっととんがれ!」厚生労働、消費者委員会ダブルヘッダー 比例復活の足腰示す
[引用おわり]
当ブログは中根さんにもっととんがってほしいとしました。
中根さんは、我が党の野田佳彦総理が政治生命をかけた社会保障と税の一体改革法(2012年8月22日法律68号)の党内論議で、当時は民主党員だった旧小沢ガールズ、三宅雪子さんに「選挙で落としてやる」とヤジを飛ばしたとされます。
三宅元議員の4万5915人のツイッターの過去のツイートには、次のようにあります。
<script charset="utf-8" type="text/javascript" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
これについて、中根さんが謝罪し、手打ちになりました。
その後、三宅さんは我が党を離党し、供託金没収のうえ落選しました。
中根さんは、難病法案の審議を終えた後、同じく社会保障制度改革プログラム法関連法案である「地域包括ケアシステム法案」(186閣法23号)の対案として、野党各党(共産党含む)共同提出の対案「介護・障害福祉従事者の人材確保法案」(186衆法10号)の趣旨説明に立ちました。
このとき、民主党初当選ながらお金をもらって自民党に移籍した後藤茂之・厚労委員長は、「中根康浩君」と質疑者席をみながら指名しましたが、趣旨説明者なので大臣と同じ答弁者席にいるので、驚いていました。中根さんは泰然自若としていました。
中根さんのTwitterのフォロワー数は45人んなので、三宅元議員の1000分の1弱になりますが、次のようにツイートしています。
<script charset="utf-8" type="text/javascript" src="//platform.twitter.com/widgets.js"></script>
「山井先輩に感謝!」と謙遜しました。
時々、国土交通委員会で地元の質問もしっかりやっている中根さん。先日も、「細野代議士と会える!東京日帰りバス旅行と自誓会パーティー、参加費3万円(パーティー券2万円含む)」と企画した中根さんが、足腰強く比例復活して、現職議員でいる理由は次の一点に集約できます。
それは、消費税増税をお願いした国民を裏切らない、いや裏切れないからです。
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