【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

イランイスラム革命後初めての日イラン条約2本承認、衆から参へ10議案送付【4月21日(木)】

2016年04月21日 17時03分50秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 ホメイニさんにイスラム原理主義革命がつくった「イラン・イスラム共和国」と日本国との間の二国間条約「日本イラン受刑者相互移送協定」が衆議院で全会一致で承認され、30日以内の国会承認が決まりました。

 児童扶養手当法改正案、第6次地方分権一括法案など7法案が、衆から参に送られ、連休前から連休明けに向けての国会日程が見えつつあります。

【平成28年2016年4月21日(木)】

【衆議院本会議】

 衆・本会議では、まず、新議員の紹介。民進党の北神圭朗さんが紹介されました。

 国土交通委員長が、人手不足解消のための「流通業務の総合化・効率化促進法改正案」(190閣法14号)と大型客船誘致の「港湾法改正案」(190閣法19号)を報告。共産党の反対、自民党・公明党・民進党の賛成多数で可決し、参に送られます。

 「JBIC国際協力銀行法改正案」(190閣法25号) は共反対、自公民賛成多数で可決し、参送付。海外で現地の通貨による融資ができる法案。

 これは海外なのでいいのですが、上述の国交省の法案などは、国内に向けての融資機能強化。財政難で、直接の補助金よりも融資する方向性になっているのですが、長期的に国民を縛ることになるので、私は慎重な考え方です。

 衆本に戻って、「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)は、共反対、自公民賛成多数で可決し、参へ。

 「東京オリパラの新国立競技場建設費補充のための、JSC法およびサッカーくじtoto法改正案」(190閣法31号)も可決し、参へ。共産党と社民党が反対し、自公民が賛成しました。ここだけ、社民党の賛否を書くのは、文部科学委員会は社の委員がいるからです。衆の場合、本会議場では、自公民以外の賛否は現地でも、インターネットでも目視での確認することは困難です。 

 「使用済み核燃料再処理法改正案」(190閣法17号)は、附則の「5年後見直し」を「3年後見直し」に修正することを委員長が報告。採決の結果、共反対、自公民賛成で、衆が修正した政府案を参に送ることになりました。 

 「児童扶養手当法改正案」(190閣法26号)と「民進党対案」(190衆法16号)。まず、「民進党対案」は自公の反対、民共の賛成少数で否決。衆で廃案となり、参には送られません。この後、「児童扶養手当法改正案」は全会一致で可決し、参送付。

 「日本イラン受刑者協定の承認を求める件」(189条約15号)は全会一致で承認されました。次に、「日本オマーン投資協定の承認を求める件」(190条約2号)と「日本イラン投資協定」(190条約3号)は共反対、自公民賛成多数で承認されました。

【参議院厚生労働委員会】

 参厚労委はまず、一般質疑。

 この中で、自民党の武見敬三さん(東京選挙区選出、日本医師会組織内)の質疑中に、自民党の石井みどりさん(日本歯科医師会組織内)が週刊誌のコピーを読んでいる姿が=画像・参議院インターネット審議中継からスクリーンショット=。



 自民党公認の山田宏候補予定者に愛人と隠し子がいるとの報道で、山田さんはすでにTwitterで事実を認めました。「現職優先」はどこもそうですが、参議院自民党はそれが特に強い所という印象を持っています。非改選の医師会議員の横で非改選の歯科医師会議員が、選挙番の新人の愛人隠し子報道を眺めている姿。

 一般質疑の後、同日衆本を通過したばかりの、「児童扶養手当法改正案」(190閣法26号)が付託され、塩崎厚労相が趣旨説明。参考人質疑の三原じゅん子委員長への一任も決めました。

【衆議院総務委員会】

 衆総務委は、けっこう大事な法案。「ビッグデータ利活用のための個人情報保護法改正案」(190閣法48号)の質疑が終局。討論では、「民間企業に行政が応えて、個人情報を売却する理由が、立法事実として審議で明らかにならなかった」「昨年の平成27年改正法から続き、個人情報の利活用に傾き過ぎている」との意見が出ました。

 討論では、共社反対、自公民賛成多数で可決されました。次の衆本で可決し参へ。附帯決議つき。

【衆議院農林水産委員会】

 衆農水委は、一般質疑のみで散会しました。この委員会では独立行政法人設置の法案が趣旨説明されていましたが、与野党理事間でなんらかの折衝があり、法案審査はせず、きょうは一般質疑になったようです。

【衆議院原子力問題調査特別委員会】

 衆原子力特別委は、一般質疑をしました。

【参議院外交防衛委員会】

 参外防委は、条約1本を審査終了しました。「日比社会保障協定の承認を求める件」(190条約7号)は全会一致で承認することに決まりました。

 この審議のなかで、一つ気になったことがありました。アントニオ猪木さんが、「私は60歳までアメリカで年金保険料を払っていたが、申請て手続きが煩雑で、年金受給を断念した。友人の中では今でも争っている人がいる」。政府は、日本は各国語のパンフレットをつくっていると答弁しました。この件に関して、以前、30代半ばまで日本で働き、米国に渡って働いている友人が日本に一時帰国した際に、私が聞いたことがあります。日米社会保障協定で、日本での厚生年金保険料と、アメリカでの厚生年金保険料がつながるので、年金はある程度受給できる見通しとのこと。ただ、それ以前の問題として、日米社会保障協定の名前を知っていて、それを話題にした日本人は私がはじめてとのことでした。30歳代半ばで渡米すれば、その間の日本での年金加入期間はどう考えても25年未満でしょう。ならば、年金がどうなっているのか気になるものではないかと私は考えます。誰もそのことに気づかないものなのでしょうか。きょう、アントニオ猪木さんが申請が煩雑で受給を断念したとの話を聞いて、グローバリゼーション化の社会保障について、ちょっと考えてしまいました。

【参議院内閣委員会】

 参内閣委は、一般質疑として、「子ども子育て」に関する参考人質疑がありました。

【参議院法務委員会】

 参法務委は、「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)の濃厚な審議。岩城法相の答弁はやや不安定か。次回は参考人質疑をすることになり、散会しました。

【参議院環境委員会】

 参環境委は、まず、丸川珠代大臣が熊本でのがれき処理などについて報告。

 続いて、「PCBポリ塩化ビフェニール処理法改正案」(190閣法40号)。質疑の後、採決。全会一致で可決しました。3か月以内の政令で定める日に施行。

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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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