[写真]民進党の岡田克也代表、2016年4月22日午後4時半過ぎ、東京永田町の民進党本部、筆者・宮崎信行撮影。
民進党の岡田克也代表は、平成28年2016年4月22日(金)、定例記者会見を定刻より1時間半遅く午後4時半から行いました。
シングルマザーなどひとり親世帯への、児童扶養手当の多子加算(第2子、第3子・・・)の倍増法について、「実現したのは歓迎する」と語りました。
法案は今週、衆本で全会一致で可決。参議院では既に委員会で審議入りしたことから、今国会での成立は確実、12月支給分から適用へ。
具体的には、第1子の月4万2000円は変わりませんが、第2子が月1万円、第3子が月6000円になります(年収227万円超は漸減)。
岡田代表は「本会議の代表質問でも取り上げたわけですが、ようやく1年経って可決したのは歓迎します。ただし、中身を見ると額が少ない。 第2子が月1万円、第3子は月6000円になり、安倍さんの「倍増」しているというのはたしかにその通りですが、第3子は1日200円で、それでどうやって生活していくというのか」と語りました。
岡田さんは第2子、第3子の「差別」解消を訴えました。
さらに、現在の4カ月に1回支給では「まとめて出して3~4カ月やっていくことは厳しいから頻度を増やすべきだ」と語り民進党対案(廃案)にあった「毎月支給」の採用を要求。「ただちに毎月支給が難しければ、年金のように2か月に1回という手もある」としました。
岡田民進党の今後の方向性としては、
児童扶養手当の増額と、第2子以降の「差別」を解消。
毎月ないし2か月に1回支給。
「18歳まで」から「20歳まで」へ。
の3点を引き続き訴えていくことになりそうです。
ことし12月支給分からの増額はもともと、岡田さんの衆議院本会議での提案を、昨年10月に、公明党政務調査会長に新しく就任した石田祝稔さんがはじめてのNHK日曜討論で賛同。これを受けて、自民党の塩崎恭久厚労大臣が第3次安倍第1次改造内閣発足後の、「1億総活躍社会パッケージ」に入れ込みました。
岡田さんは政府提出法案に「我々はやむなく賛成したが、これで終わりではない」と決意を語りました。
当ブログ内の関連エントリー2本を以下、ご紹介します。
[写真]官邸・国会に続く、初夏の坂道、2015年6月、筆者・宮崎信行撮影。
児童扶養手当法改正案提出の機運が与野党に高まってきました。
児童扶養手当法(昭和36年法律238号)は、その第5条で「手当は月4万1000円とする」「2人以上の場合は、それぞれ3000円、そのうち1人は5000円とする」と書いてあります。
要するに、母子(シングルマザー)・父子など寡婦のひとり親世帯では、子ども1人なら月4万1000円ですが、2人だと月4万6000円、3人だと月4万9000円。2人以上のひとり親世帯の負担感が問題となっていました。
今週の衆議院予算委員会閉会中審査では、公明党の石田祝稔・政務調査会長が質問しました。石田さんは前月に5年間務めた前任者が入閣したため、政調会長になり、NHK日曜討論に続き、テレビ入り予算委でもトップバッターとなりました。
石田さんの質問に対して、塩崎厚労相は「年末までに加算額の拡充も含めて検討したい」と答弁しました。
これを受けて、民主党の岡田克也代表は12日(木)の記者会見で、「国会に法案を出すことも含めて検討したい」と語り、政府から閣法が提出されない場合も、民主党独自の議員立法を、平成28年2016年通常国会に提出するかまえを見せました。このため、いずれにせよ、児童扶養手当法改正法案が提出される公算が高まりました。
塩崎厚労相の発言は、今月とりまとめる政策パッケージ「1億総活躍社会」に入れ込んで、補正予算案のメニューに入れることを念頭に置いた可能性があります。これについて、岡田代表は「補正だと1回きりになる。恒常的な制度が必要だ」とし、補正ではなく、本予算で対応すべきだとの基本を明示しました。
子どもの貧困は、今さらながら、今年になってから、世論の関心が高まっており、一気に解決するチャンスです。ただ、厚生労働委員会は積み残しが多く、とくに残業代ゼロの労働基準法改正案とのかけひきが予想されます。かけひきですが、「残業代ゼロよりも、子どもの貧困対策だ」との世論が高まれば、参院選を前に政府・自民党も柔軟な国会対策に応じ、政策実現につなげることはできそうです。
(このエントリーの初投稿日時は10日午前7時で、それから2016年2月9日付にバックデートしました)
[写真]公明党の石田祝稔政務調査会長と、民主党の岡田克也代表=ともに衆議院ウェブサイトから。
政府は、「児童扶養手当法改正法案」(190閣法26号)を平成28年2016年2月9日(火)の閣議を経て、衆議院に提出しました。
ひとり親世帯の児童扶養手当を、月額で、第1子4万2000円に重ねて、第2子が1万円(現在は5000円)、第3子以降が6000円(現在は3000円)とする法案。成立すれば、8月1日に施行し、12月支給分から適用。年収227万円から460万円にかけて漸減するのは現在と同様。
法案の概要は、厚労省ウェブサイトに載っています。
国会での審議は、「労働基準法改正案」(189閣法69号)よりも先行するとみられますが、より多くの人の負担を減らす「雇用保険法改正案」(190閣法9号)を前に持ってくる気配があり、第190回通常国会(6月1日まで)での成立は半々、といったところでしょうか。
2015年11月の当ブログ内エントリー(児童扶養手当法改正案提出、与野党に機運 第2子以降増額、2016年通常国会)にもある通り、11月の衆議院予算委員会閉会中審査で、公明党の石田祝稔(いしだ・のりとし、シュクネン)政務調査会長が、就任早々、提案。塩崎厚労相の答弁は、補正予算案での対応と思われるものでしたが、民主党の岡田克也代表が記者会見で「民主党単独でも、国会に法案を出すことも含めて検討したい」と後押ししたことが実現しました。石田政調会長と岡田代表は、衆議院初当選同期で、新進党結党メンバー。
岡田さんのお母さんは、母子家庭の3人娘で、岡田さんはひとり親世帯のバックアップに初当選以来取り組んでいます。
このエントリー記事の本文は以上です。
(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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