【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

参で刑事訴訟法改正案が審議再開 中小企業の生産性向上法案が参委可決【4月14日(木)】

2016年04月14日 19時29分52秒 | 第190回通常国会(2016年前半)

 参議院で大きな動きが2つ。まず、刑事訴訟法改正案(189閣法42号)が、きょねん8月21日(金)の参議院本会議以来、審議が再開しました。機械の固定資産税を半額にする「中小企業の生産性向上法の改正案」(190閣法46号)の質疑があり全会一致で可決。あす衆院に送られます。

 ◇

 ところで、Google検索では、検索先のページでの滞在時間が長かったページが、検索結果の上位にひっかかるようになっています。そのため、当ブログでは、このブログ内の存在する関連記事をご紹介する際、リンク先アドレスではなく、ほぼ全文を当該ページに貼り付けるよう、今後の編集方針をとっていきます。記事の作成に活用した引用元のウェブサイトの一覧は、ひきつづき、ページの末尾に掲載していきます。

【平成28年2016年4月14日(木)参議院経済産業委員会】

 「中小企業の生産性向上法改正案」(190閣法46号参議院先議)の質疑が行われました。

 民進党の柳澤光美さんは政権時には経済産業副大臣をつとめました。UAゼンセン組織内。今国会で勇退します。柳澤さんは「久しぶりの経産委だ」として、「経営力向上計画をつくるうえでの認定経営革新等支援機関は引き続き指定されるのか」と問い、政府側から確認を得ました。副大臣経験者らしく「これとは別の法律である産業競争力強化法の第6章に書き込んだり、新法で対応できなかったのか」と具体的な法制執務的な提案。もちろん、すでに議題となった法案ですので、「今後は、ある程度時限を限って見直すべきだ。経営支援メニューの棚卸しが必要だ」と中期的な提言をしました。

 審議はきょう1日だけで終了。討論はなく、採決。全会一致で可決しました。あすの本会議で可決。参先議なので、衆議院に送付。衆では、原発の法案があるため、成立は連休明けと思われます。

 関連エントリー記事は、この記事の下の方につけますので、ご関心があれば、お読みください。

【同日 参議院法務委員会】

 今国会の注目点だった「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号衆修正)がついに審議入りしました。

 民進党の小川敏夫元法相はまず、「憲法の通信の秘密(21条2項)があるが、通信傍受の乱用防止は法案でどのように保証されているのか」と問いました。この法案は、束ね法案で、(1)いわゆる可視化(2)通信傍受の拡大(3)司法取引の新設ーーの3点セットですが、やはり通信傍受の拡大を問題視していたようです。衆では、当時の上川陽子法相が答弁しましたが、内閣改造があり、参では岩城光英法相の答弁になります。岩城法相は「裁判官による傍受令状が必要だ」と語りました。小川さんは重ねて、「例えば、通信傍受の現場に、事件とは無関係の、有名芸能人の親戚から電話が来たら、現場の捜査官は自分の判断で聞いてしまおうと思うのではないか」と尋ねました。法相は「たしかに事前に止める手立てはない」としながらも、「捜査の証拠には使わない」と理解を求めました。

 日本共産党の仁比聡平さんは、足利事件や今市事件を例に、「衆では質疑されなかった」可視化の問題点を突きました。衆での参考人質疑に登場した「それでもボクはやってない」の周防正行監督の意見が多く引用されました。

 この後、さっそく第1回目の参考人質疑の開催が、魚住裕一郎・法務委員長に一任されました。

 最後に、今月就任した、新しい最高裁判所事務総長があいさつ。この中で「裁判員裁判はおおむね順調に進んでいる」との認識を示しました。
 
【同日 衆議院本会議】

 まず参から回付された「改正地域再生法」(190閣法15号)が同意され、成立しました。日本版CCRC生涯活躍のまちや、企業が自治体に寄付した場合の控除制度を盛り込みました。

 続いて、「第6次地方分権一括法案」(190閣法52号)が審議入り。地方版ハローワークが入っていますが、第6次となると、さすがに小粒な地方分権という印象です。

 これとは別に、「国家戦略特区法改正案」(190閣法53号)が審議入り。こちらも累次の改正で、(構造改革特区ではなく)国家戦略特区のみの改正法案ですが、企業の農地所有を時限で認める農地法の特例措置が焦点になりそうです。後述しますが、衆議院農林水産委員会は衆議院地方創生に関する特別委員会に対して連合審査会の開催を要求しました。

【同日 衆議院農林水産委員会】

 まず、「国立研究開発法人森林研究整備機構設置法案(森林法改正案)」(190閣法50号)が趣旨説明されました。この後、上述の通り、同日衆本で審議入りした特区法改正案に盛り込まれた、農地法の特例に関して、衆議院地方創生に関する特別委員会に対して連合審査会を申し入れることを議決しました。

【同日 衆議院総務委員会】

 「ビッグデータ活用のための関係法律の一括改正法案(個人情報保護法改正案)」(190閣法48号)が趣旨説明されました。匿名加工情報のビッグデータ販売が可能になります。これとは別に、医療分野でのさらなる改正を安倍首相が官邸内の規制緩和に関する会議に対して指示したと報じられました。自民党政府には、国民への分かりやすい説明を求めたいところです。

【同日 参議院内閣委員会】

 「サイバーセキュリティー基本法改正案」(190閣法11号)が審議されました。山本太郎さんが「原発へのサイバー攻撃」を勘案した修正案を提出しました。修正案は否決。この後、討論では、日本共産党の山下芳生副委員長(前書記局長)が反対。採決では、共生反対、自公民賛成で可決しました。あす成立。

 この後、一般質疑としての参考人質疑を議決しました。参議院事務局によると、子ども子育ての一般調査として参考人質疑をすることで合意されており、新年度入りでやや沈静化した感じもある「保育園国会」はまだまだ続く気配です。言いたいことがある人は今のうちに国会に言ってしまいましょう。

【同日 参議院厚生労働委員会】

 きょねん提出された「確定拠出年金法改正案」(189閣法70号)。与党から技術的な修正案が出ました。共社反対、自公民賛成で修正議決しました。あす可決し、衆に送付、来週成立のはこび。

【同日 参議院外交防衛委員会】

 「日本カンボジア航空協定の条約承認を求める件」(189条約13号)と「日本ラオス航空協定の条約承認を求める件」(189条約14号)が全会一致で承認されました。あす、両院承認。

【同日 参議院総務委員会】

 「NICT法改正案」(190閣法38号)が審議入りしました。

【同日 参議院文教科学委員会】

 「国立大学法人法改正案」(190閣法35号参先議)が審議入り。馳浩文科大臣「卓越した研究をする大学を優遇するとともに、すべての国立大学法人の資産を活用する」という感じの趣旨説明でした。一部の国立大学を優遇するのか、すべての国立大学を優遇するのか、さっぱり意味の分からない法案です。文部科学省高等教育局は、もっと高い志でやってほしいです。明治維新文明開化の黄昏を感じる、と言ったら大げさでしょうか。

【同日 参議院環境委員会】

 「PCBポリ塩化ビフェニール処理特措法改正案」(190閣法40号)が趣旨説明されました。

きょうの国会審議の概要は以上です。

 続いて、きょうのエントリーに関連する、当ブログの過去の記事をご紹介します。

○関連エントリー

当ブログ内エントリー記事から全文引用はじめ]

中小企業の生産性向上設備投資促進税制の裏打ちとなる、中小企業等経営強化法案提出

2016年03月04日 23時59分37秒 | 第190回通常国会(2016年1月~)

(このエントリーは2015-12-08 10:15:46に投稿したものを全面的に書き直して再投稿)

 政府は平成28年2016年3月4日(金)、「中小企業の新たな事業活動の促進に関する法律の一部を改正する法律案」(190閣法46号)を提出しました。

 経済産業省は昨年「生産性向上設備投資促進税制」を要望し、平成28年度税制改正大綱で認められました。これをもとに、当ブログは昨年12月、「中小企業の生産性向上に関する法律案」と報じましたが、経済産業省は「中小企業等経営強化法案」の愛称で、今回の法案を提出しました。

 法案は、中小企業・小規模事業者等は、経営力を向上させるための事業計画(「経営力向上計画」)を作り、事業所管大臣の認定を受けると、固定資産税の軽減(3年間半減)や金融支援等の特例措置を受けることができる、という内容。

 固定資産税は総務省の所管のため、国会での質疑では総務省、経済産業省双方の答弁を求めることになりそうですが、法案は今国会で成立すると思われます。公布から3か月以内の政令で定める日に施行。

●以下は、2015-12-08 10:15:46の初投稿時の内容です。  

 政府自民党は、平成28年2016年1月に召集される第190回通常国会に、「中小企業の生産性向上に関する法律案」(第190閣法 号)を提出する見通しとなりました。

 きょうの読売新聞で知りました。

 生産性が年平均1%以上上がる設備投資が対象。

 「平成28年度(2016年度)の税制改正(地方税)法案」に、2016年度から2018年度までに、機械を購入した中小企業の、機械にかかる固定資産税を本則の年1・4%から0・7%に引き下げる改正条項が入りそうです。

 この政策減税により、地方税(市町村税)は年額180億円の減税が見積もられているようです。人口10万人の市で年2000万円の減収。

 機械のような動産に固定資産税をかけている国は少ないそうです。今後も固定資産税の課税客体から機械は除く方向で、中長期的な税制改革が進む見通し。

 「中小企業の生産性向上に関する法律案」は、経済産業委員会に付託される見通し。年次税制改正(地方税)法案は総務委員会に付託されると思われます。

 両院の両委員会の4委員長は公明党2名、自民党1名、民主党1名の配分なので、ていねいな根回しの後に、提出されるのではないでしょうか。審議されれば、3月に成立し、4月1日に施行すると推測されます。

 ◇

 政府自民党はあさって、税制改正大綱をまとめる見通し。これを財務省と総務省が税制改正法案にまとめて、提出します。

 自民党税制は、「重箱」をつくって、「あんこ」を入れる格好になります。

 おととしの臨時国会の召集日に「産業競争力強化法」が提出されました。参議院事務局がつくった法案要旨に、「設備投資を通じた企業内での新陳代謝の活性化のため、リスクの高い先端設備投資を促進するための措置を講ずる」とあります。平成25年12月11日法律98号となりました。

 そして、年明けの通常国会の2月に提出された、平成26年税制改正(国税)法には、「生産性の向上につながる設備(先端設備等)を取得した場合に、即時償却又は五%税額控除ができる制度(生産性向上設備投資促進税制)を創設する」とあります。

 これにより、「産業競争力強化法」という重箱に、税制改正であんこが入ったわけです。

 2つの法律を足すと、「先端設備投資をすると、即時償却ができる」。つまり、新しく買った機械は、減価償却ではなく全額、その期(年度)に即時で償却できる。全額経費となるので、利益を減らして法人税を減らすことができます。

 そんなこと知らなかったなあ、というのが読者のみなさまの正直な印象でしょう。

 アベノミクスの大きな推進要素となったこの政策減税。実際には、安倍首相はおととしの臨時国会を事前に「産業競争力強化国会」と名付けていました。しかし、「特定秘密保護法国会」となりました。

 しかし、法案として国会で審議していたのですから、それをもって、非民主的とは言い切れません。

非民主的なのは、複雑な税制だと考えます。

 私の憶測では、先の通常国会で成立した「都市農業振興基本法」と「女性の活躍推進法」は、そのような重箱だと考えます。女性の活躍では「罰則規定が無い」とする批判を新聞で見ました。おそらく法人税の租税特別措置が、平成28年度か平成29年度かの年次税制改正法案に入ってくるのだろうと推測しています。

 これらのすべてのもとのなるのが、あさって決まる自民党税制改正大綱、与党税制改正大綱、政府税制改正大綱なのです。

 これに抵抗して、民主党は、政府税制調査会の会長を財務相、会長代行を総務相として、インターネット中継する改革をしました。が、有権者の関心を呼ばず、罵声の中、民主党は政権を去りました。

このエントリー記事の本文は以上です。

[全文引用おわり]

当ブログ内エントリー記事から全文引用はじめ]

刑事訴訟法・刑法など改正の「可視化」「司法取引」法案が第189通常国会提出へ、成立時期ずれ込みも

2014年07月10日 05時25分54秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

 刑事事件の2~3%にあたる殺人など裁判員対象事件や、特捜部独自捜査事件での、取り調べの可視化・録画録音を義務付けるとともに、経済事件での司法取引や、通信傍受法の対象を拡大するなどの、刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正の答申案を法制審議会の部会が2014年7月9日まとめました。秋の法制審総会で法相に提出するはこび。刑法・刑事訴訟法・通信傍受法などの改正法案は、第189回通常国会(2015年1月召集)に提出する見通し。

 法制審の他の部会が進めている、民法債権編(債権法)の施行以来120年ぶりの大改正法案の要綱と同じく、「骨抜き」があるようです。ともに民主党政権の法相が法制審に答申し、数年かけている間に、自民党政権となって官僚、既得権益者、審議会委員、族議員らにより骨抜きされてしまった要綱となったようです。

 さらに、来年の通常国会で両方が議論されるとなると、ともに成立させるのは、至難の業となりそうです。

 ただ、第46期衆議院では、法務省提出法案が増えており、第2次安倍内閣の法案のうち、提出から成立までもっとも時間がかかっている「テロ組織への資金提供禁止法案」(183閣法30号)は、衆・法務委が1日審査しただけで、継続審査となっています。

 もともと、債権法改正は2009年に千葉法相、刑事訴訟法改正は2011年に江田法相が法制審に諮問した順になります。ともに重要法案であり、衆議院先議になる見通し。

 さらに、法務省関係で特別委員会が設けられたことはありませんし、だいいち、答弁に立つ法務大臣は一人です。内閣法制局は第2部が担当しますが、集団的自衛権を行使する自衛隊法など安保法制再整備法案も第2部の担当になります。民法改正と刑法改正を通常国会の衆議院予算通過後に審議入りしても、会期内に参議院で両方成立させるのは常識的に不可能と考えられます。性質からして、与野党など議院修正はかなり難しい法案です。法務省内の「刑事局は民事局よりも偉い」という対立が白日のもとにさらされるかもしれません。

 債権法では「会社・社長以外の連帯保証人を無効とする」、刑訴法では「全事件を可視化する」という部分は骨抜きになっており、民主党の対応が焦点になりそうです。いずれにせよ、両方のうち、少なくとも片方は、衆参選挙イヤーの2016年通常国会までもつれると思われます。衆参法務委から国政全般を巻き込んだ大政局が起こるとは思えませんが、二大政党の「姿勢」を「見る人は見ている」ということになりそうです。まさに、谷垣さんの口癖、「民、信なくんば立たず」になりそうです。

 法制審部会の答申案はまだ法務省ウェブサイトには掲載されていませんが、報道によると、次のような内容です。

 ・裁判員裁判対象事件(殺人・放火など)や検察独自捜査事件の取り調べについて、全過程を可視化するよう義務付け、機材などが整ってから開始する。

 ・企業、汚職、薬物犯罪などで容疑者・被告に不起訴処分や求刑の軽減を約束したうえで、他人の犯罪について供述させる「協議・合意制度」(司法取引)の導入。

 ・振り込め詐欺、組織的窃盗など9種類の犯罪でも通信傍受ができるように追加する。

 ・国選弁護人の対象を全事件の容疑者に拡大する。

 ・検察官が弁護士に対して「証拠一覧表」を交付する。

 ・犯人隠避、証拠隠滅、犯人威迫などの罪の法定刑を引き上げる。

 ・ストーカー、性犯罪などの被害者の氏名・住所を、証人尋問や証拠開示で被告側に明かさない制度を導入する。

 細川・羽田内閣を含めて、非自民法相はほとんど死刑を執行しておらず、戦後の死刑執行は自民党員の法相が9割5分以上になります。しかし、小川敏夫ネクスト法相(元法相、参・法務委)は谷垣法相よりも前に死刑執行命令を出した当事者経験があります。(「死刑執行を発表する小川法相記者会見要旨」はこちら)、私は刑法訴訟法第475条などによる死刑執行こそ我が国法体系を守るために必要であり、究極の政権担当能力であると考えています。

 鳩山元法相が自民党に復党したようですから、現在、二大政党以外に死刑執行経験者はいません。公明党、維新、みんなに刑法・刑訴法に関する議論をする資格はない、その党内法務部会に何の意味もない、と私には思えますが、いかがでしょうか。

 大臣の心の重荷は情報公開法が軽くします。民主党政権の千葉景子法相は、実際に死刑執行を見ました。死刑執行経験者同士の静かなバトルという、政権交代ある二大政党政治のひっそりとしながらも本格的な幕開けです。

[追記 2015年1月6日 午前9時]

昨年末に衆議院解散があり、第188回特別国会が開かれました。このため、2015年1月召集の通常国会の回次は「189回」となりました。タイトルを「189回」に修正しました。
[追記終わり] 

[全文引用おわり]

[当ブログ内エントリー記事から部分引用はじめ]

参議院で刑事訴訟法改正案が審議入りも継続審査の見通し 7常任委員会開かれる きょうの国会

2015年09月10日 15時33分14秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【平成27年2015年9月10日(木) 参議院法務委員会】

 司法試験の出題委員の法科大学院教授の漏えい事件が発生。東京地検特捜部は「土地勘」があるようで、捜査しているようです。さっそく、これに関する一般質疑がありました。

 この後、今国会の重要案件である「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号=衆議院修正)の趣旨説明がされました。「通信傍受拡大」「可視化新設」「司法取引新設」の3本立て。ただ、会期末まで2週間しかありませんので、参で継続審査になることは確実。ちなみに「3年以内に施行」と条文には書いてあります。

[部分引用おわり]

[当ブログ内エントリー記事から部分引用はじめ]

領域警備法案などが実質審議入り 刑事訴訟法改正案はホリエモン参考人質疑 きょうの国会

2015年07月10日 22時09分10秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

【同日 衆議院法務委員会】

 「刑事訴訟法改正案」(189閣法42号)のロングラン審査がなおも続きます。私も含めて「労働法制、安保法制なみに重要法案なのになかなか目を注げない」状態が続いていましたが、きょうのたぶん合計4回目の参考人質疑は1人だけ意見を述べ、1人に質疑するという珍しい形式。ホリエモンこと堀江貴文さん(SNS株式会社創業者)が登場し、ライブドア事件で東京地検特捜部に逮捕され、拘留されたときの経験と、その後の活動で得た知見を披露しました。このもようは、一部テレビニュースでも報じられ、ようやく関心が高まりそうです。


[画像]衆議院法務委員会で、刑事訴訟法改正案で参考人として陳述する、堀江貴文元ライブドア代表取締役、2015年7月10日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 堀江さんは、ライブドア代表取締役として拘留されていた時に「精神的なプレッシャーで脳の記憶が書きかえられてしまう。会ったことがない人と共謀したかのように錯覚してしまう」とし、「民主党議員の偽メール事件が拘留中に起きた時は、『ひょっとして自分が酔ったときにそんなメールを送ったのかな』 と思うほどプレッシャーを感じながら過ごした」、「私は公判前整理手続きで裁判官の裁量保釈により保釈された。今回の改正法案には司法取引が入っているが、今は検察審査会もあるが、検察官だけが起訴できる、検察官起訴便宜主義であり、(ライブドア事件のような)検察官独自捜査事件では、『不起訴にする、起訴猶予にする』と言って主犯格を追い詰めることができる」などと語りました。

 議員からの質疑に答えて、「(捜査中に)おかしいと思っていたことが、証拠開示制度により、部下の巨額の横領だったことが裁判で分かったこともある」、「拘置施設の職員が少なく、金曜日、土曜日に弁護士の面会がしずらい。そのため、特捜部は土曜日、日曜日の取り調べでぐっと攻めてくる。今後は弁護士が同席して取り調べてほしい」と語りました。

 一人だけの参考人質疑なので、1時間強で終了し、法案審査に。

来週からは、民主党の山尾志桜里筆頭理事、維新の党の井出庸生理事が、与党・自民党と法案修正協議にのぞむことになります。

 なお、徹底審議により、少しずつ与野党がほぐれてきた面もあり、自民党の元法務副大臣(元日産自動車取締役、世襲議員)の奥野信亮委員長が特定の野党系無所属議員に対して、「これからはなるべく出席してくださいね」と促しながら、「次回は14日に開く予定ですが、最終確認してから、公報をもってお知らせします」と語りました。与野党間の堀が狭まってきたので、ぜひ修正をして、国会が検察より上位にあることを超党派で示してほしいところです。

[部分引用おわり]

このエントリー記事の本文は以上です。

(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki 
(http://miyazakinobuyuki.net/)

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