[写真]岡田克也民進党代表=民進党本部提供写真=
民進党代表を兼ねる、岡田克也さんは、結党初陣となった、第24回参議院通常選挙の翌日となった、2016年7月11日、メールマガジンやSNSで、
「民進党再生の一歩を示すことができたと思います」と発信しました。
岡田さんは「新聞社の出口調査によると、無党派層の投票先の第1位が民進党だったということで、その割合は、民主党最盛期の時期と比べるとまだまだ不十分」としながらも、手ごたえを感じました。
岡田さんは「特に、1人区の最後の接戦を制して、(無所属の)青森や大分などで当選してくれたこと、少し無理をして2人目を出した北海道や愛知で2人当選が果たされたことなど、明るい話もあります」と語りました。
岡田さんは、青森など無所属4候補の行き先には言及せず、31議席を獲得したとし、倍増まではいかなかったとしました。この参院選は、2004年の改選期のため、岡田系が多いのですが、郡司彰参議院議員会長、芝博一、福山哲郎両元官房副長官、鉢呂吉雄元選対委員長、柳田稔参議院議員らが順当に当選。青森県では、新生党結党35人衆の一人田名部匡省先生の娘である、田名部匡代元衆議院議員が当選しました。このほか、連合組織内も8名と復調しました。
[写真]民進党開票センター、民進党本部内、2016年7月10日(日)、筆者・宮崎信行撮影。
選挙戦では、岡田さんが後継者にもくろむ、20歳年下の山尾志桜里政調会長が警護官を従えて全国遊説。岡田代表も負けじと、飛行機使用を解禁して、駆け巡りました。岡田さんの日程は、民進党と岡田克也事務所が共同で練りました。
[画像]第24回参院選の政見放送の山尾政調会長と岡田代表=テレビ画像からスクリーンショット=
岡田さんは「皆さまのご協力に対して心から御礼を申し上げ、何とか政権交代可能な政治を実現するために力を合わせて頑張っていきたいと思います」と決意しました。
(C)宮崎信行、Nobuyuki Miyazaki。
第24回参院選では、連合、日本労働組合総連合会に加盟する、産別、産業別労働組合組織内候補が健闘しました。
史上最多の12名大量擁立でのぞんだ連合。3年前は6名の当選にとどまりましたが、今回は8名が当選と復調。惜敗した候補も含めて全員が10万票を超えました。労働運動の底力を見せつけました。
民進党内でのトップ当選は小林正夫さんで3選。27万0285票。小林さんは3年前の予算委で小林の思いを発表。
「福島第一原子力発電所の事故でございます。この事故について言葉が見付かりません。日々、胸が痛む日が続いているということが正直なところでございます。被害に遭われた方たちが一日も早く元の生活に復帰できること、そして福一の原子力事故、あの現場が一日も早く完全収束になる、このことを私は期待をし、また今後そういう過程を見守っていきたい」と語りました。
電力総連組織内、さらに、東京電力労組組織内議員のトップ当選は、3・11後初めて。笹森・第4代連合会長逝去後でもはじめてになります。
自動車総連・全トヨタ労連組織内の、濱口誠さんが26万6623票で初当選。2位か~(笑)という感じもしますが、24年間議席を守った直嶋さんの後継者として、組織内外での活躍が期待されます。
参・国対委員長をつとめる現職の後継者である、電機連合・矢田稚子(やた・わかこ)さんは21万5823票。電機連合としては上位当選。おそらく女性は初めてではないでしょうか。電機連合組織内は、出身企業が不振だと、参議院事務所内まで暗くなるところがあります。矢田さんはパナソニック労組ということで、前の連合会長のところになります。
ここで、一つお願いしたいのは、矢田さんはおそらく同盟系では初めての女性ではないでしょうか。今回非改選の連合組織内議員のうち、総評系は3名とも女性(総評3人娘)なんですね。ぜひ、同盟系も組織の力で、女性の候補者を増やしてほしいと思います。
川合孝典が19万6023票で国政復帰。いうまでもなく、JAゼンセンの役割は増すばかり。川合さんも、3年前までにやった、小沢さんを応援する会(笑)ではなく、ゼンセンにとどまらずすべての非正規労働者を応援する団長となっていただきたい。
難波奨二さんが19万1823票。JP労組合併の効果がどうなっているのかは正直知りませんが、局長会に負けずに、難波さん2期目もがんばっていただきたい。
江崎孝さんが18万4187票で2選。ちょっと順位は意外ですが、しっかりと自治労まとめてきたなという印象です。
那谷屋正義さんが17万6683票で3選。日教組は、選挙区では、兵庫県で県教組組織内現職が落選。愛知県ではしっかりと議席を確保し、山梨県では後継者となる社会福祉法人理事長が粘り強く勝っています。
石橋通宏さん17万1486票で再選。情報労連は、全逓がJP労組となり、総数はやや減りましたが、確実に取り続ける、優等生。
非産別3名とあわせて、11名が比例で当選しました。
JR総連現職、JAM新人、基幹労連元職、私鉄総連新人は、3万票前後足りませんでした。ただ、JAMと基幹労連はこれまでのように一緒ならば単純計算で当選ですし、無理な話ですが、JR総連とJR連合が一緒にやれば当選でしょう。私鉄総連も、JR系や都市交系となんらかの協力ができれば、通ったのではないでしょうか。やはり、労働運動はすべて団結から始まるとの私の信念を強くする結果となりました。
ゼンセンが伸びているのは希望だし、小林さんのトップ当選はなんかうれしい。全トヨタ労連が2位となると、日産労連・ホンダ労組はどう思うのか、仲良く。総評系がじりじり下がっているところも気になりますが、票読みはしっかりしている気がします。
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(この記事の初投稿日時は2016年7月11日午後1時で、それからバックデートしたい予定)
安倍晋三首相(自民党総裁)は第24回参院選(2016年7月10日施行)で改憲勢力3分の2を衆参で確保できたことを受けて、第192回秋の臨時国会(2016年9月召集)で憲法改正発議案をまとめることを明言しました。
自民党総裁は「この選挙で憲法の是非は問われていない。憲法改正を国民に問うのは国民投票だ。今後、憲法審査会で議論しながら、国民的な理解が高まる中で、どういう条文か、に収斂してくいくことが期待できる。第1次政権の際に国民投票法ができた。今回、18歳から投票できる法律もできた。しっかりと橋がかかった。これからは(衆参各院の)憲法審査会でいかに与野党が合意をつくっていくかだ。私の任期はあと2年だが、自民党としての目標で、落ち着いて取り組んで生きた」と語りました。
第24回参院選で憲法改正を争点にしていないので、各院の発議を受けた国民投票を急ぐ構えをみせたもので、まさにペテン師です。
第192回秋の臨時国会では、衆参両院で、第9条「自衛権を認める」、第13条など「公益及び公の秩序に反しない限り基本的人権を認める」、新98条「緊急事態宣言」の3点をとりまとめ、年内から来年にかけて発議。国民投票法(日本国憲法改正手続き法)では、早ければ60日以内に国民投票。投票率の足切り要件がないため、投票率にかかわらず、過半数の「是」で憲法が改正されます。
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[写真]公明党結党大会が開かれた豊島公会堂は取り壊され、後には「鹿島建設」の看板が・・・先月、筆者・宮崎信行撮影。
きのうの、第24回参院選で、公明党支持者の24%以上が野党統一候補に投票したことが分かりました。2016年7月10日付朝日新聞が報じました。
出口調査によると、32ある1人区で、公明党支持者の66%が自民党公認候補に投票したものの、24%が民進党公認など野党統一候補に投票しました。「答えない」が1割いましたので、実際には、公明党支持者の4人に1人以上が岡田克也民進党代表が率いる野党統一候補に投票しました。
無所属で出馬した、山形県では公明党支持者の38%以上、沖縄県では34%以上が投票しました。ただ、民進党公認でも、秋田県は44%が野党統一候補に投票しました(惜敗)。秋田県の自民党候補(当選)は特定秘密保護法で質疑打ち切り動議を提出しました。
個別的自衛権が日常生活に影響する、沖縄、山形、秋田の有権者が、地球の裏側で人を殺す集団的自衛権と国民の生命と財産を守る個別的自衛権を混同させて行う、憲法9条の改正(自民党憲法改正草案では「自衛権の行使はこれを妨げない」)に反対しているものとみられます。
公明党支持層の25%は、全有権者の1%に相当します。
平和の看板は支持者が守ったと言えそうです。
[画像]池田大作創価大学創立者(創価学会名誉会長)と語らう、若き日の程永華中国大使(創価大学名誉博士)=聖教新聞からスクリーンショット。
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第24回参議院議員通常選挙は、平成28年2016年7月10日施行されました。
開票は途中ですが、
おおむね、自民党が改選55議席と非改選66議席で、121議席。
公明党が改選14議席と非改選11議席で、25議席。
自民党が単独過半数を得られなかったため、引き続き、2年前後は、自公の連立政権が続く見通し。
安倍首相が設定した「消費税を先送りするという新しい判断の信を問うための連立与党改選過半数の61」は、合計69ですから大きく目標を達しました。
その一方、岡田克也民進党代表が設定した、「参議院で改憲発議に必要な3分の2をとらせないための、改憲4党で改選78議席未満」については、76となり目標を達しました。ただ、非改選の無所属のうち4名が改憲勢力だとされており、わずかに改憲勢力が3分の2を持った模様で、秋の臨時国会以降、自民党憲法改正草案をもとにして、衆議院憲法審査会、参議院憲法審査会が動き出す見通し。
3月27日に結党した、民進党は34議席を獲得。非改選の17から倍増し、合計52議席(川田龍平さん含む)となりました。
共産党は改選6で合計14となり、引き続き、交渉会派(議院運営委員会理事を出せる会派)。
社民党は1議席を獲得し、合計2議席。
生活の党は3議席を獲得し、合計4議席。
このため、野党4党は70議席となり、議席占有率28%となり、一定の成果を収めました。
おおさか維新の会は7議席を取り、合計12議席で、新しく交渉会派に。
複数区では民共の選挙協力が不調の面もありましたが、参・複数区の問題のため、次は3年後になります。
1人区では、野党が11勝21敗になりました。東日本では野党4党が勝ち、西日本では自民党が勝つ現象があり、明治維新以来の歴史的経緯を踏まえた、深刻な分断状況が出てきたかもしれません。
参議院の複雑な選挙制度と、憲法改正草案のとっつきにくさ、金融システムの不安定・変動性から、民意が見えない選挙結果となりました。
二大政党の議席占有率は、3年前の67%から72%に向上し、民進党の復活を印象付けました。
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