(この記事の初投稿日時は、2016年10月2日午後4時で、それから、9月20日付にバックデートしました)
観光庁を所管する、石井啓一国土交通大臣は、2016年3月30日にとりまとめた「明日の日本を支える観光ビジョン」 にもとづき、
インバウンド訪日外国人旅行客を、2020年に、年0・4億人、2030年に年0・6億人の目標を達成するために、
通訳案内士法、旅行業法などを改正して、観光業の規制を大幅に緩和する法案を、平成29年2017年1月召集の通常国会(第193回国会)に提出する考えを明言しました。
これは、9月20日(火)の閣議後定例記者会見で、「明日の日本を支える観光ビジョンにおいて、観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に位置付け、実現するために、次期通常国会に通訳案内士法、旅行業法の見直しに係る法案、更に、民泊に関する新法案を提出する方向で検討を進めております」 と語ったものです。
ビジョンでは、目標を設定。
2020年は、訪日外国人旅行客数4000万人、旅行消費額8兆円、地方部での外国人延べ宿泊数7000万泊、外国人リピーター数2400万人、
2030年は、訪日外国人旅行客数6000万人、旅行消費額15兆円、地方部での外国人延べ宿泊数1・3億泊、外国人リピーター数3600万人、
としました。十分達成可能な目標ですね。
当然、改正法案は現行法を大幅に規制緩和する方向性になるでしょう。
通訳案内士は、特区法でも規制緩和がされていますが、資格がなくても働けることになるのですから、今この資格をとろうとして、学費を払って勉強している人は、注意が必要だと、個人的には思います。
旅行業法は初めて読みましたが、短い法律です。私は以前、JR東海の広報部長に会ったことがありますが、その後どうされたかなと思ったら、旅行代理店の取締役に再就職したようです。現在も、鉄道会社による旅行代理店の支配があるようです。ただ、私は4月に桜の名所・新宿御苑に行きましたら、おそらく数千人の外国人観光客がいて、とても驚きましたが、白人、黄色人種が半々ぐらいですが、ほとんどが2人連れ。スマートフォンを使って情報を集めているようでした。旗を持ったガイドに先導されたツアー客はほぼいませんでした。もちろん、新宿までは、JR線などで来たのでしょう。とはいえ、毎日そういうわけではありません。ホテルの部屋数を独占的に囲い込めるような会社が生き残ることになるのではないでしょうか。中小業者と自治体が一過性のブームをつくりだそうという発想は、先細りのように感じます。ようするに、需要の激変に対応した供給ができる会社が残るのではないかと考えられます。
「明日の日本を支える観光ビジョン」のメニューは、とても細かい内容を網羅していますが、国交省のほかには、環境省、法務省、農林水産省、経済産業省の所管の規制緩和など多岐にわたって盛り込まれています。おそらく、厚生労働省関連での折衝が難航しているのだろうと推測されます。なので、それ以外の省と観光庁が同意できた部分を、一気に改正したい以降だろうと思われます。
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