今週月曜日(平成28年2016年9月26日)の衆議院本会議で、安倍晋三首相が、自衛官らに向けて拍手を促し、与党・自民党議員がスタンディングオベーションをしたことについて、前回の鳩山スダンディングオベーションを促した、元民主党衆議院議員で、会社員の斉藤進(斎藤進)さん(45歳)は
「なにか出征兵士を見送るようだった。私の父親は航空自衛官だったから、何かあったら覚悟するように言われていた。自衛官とその家族は不安になったのではないか。これからは自衛官になる人がいなくなってしまうのではないかと懸念している」と語りました。
筆者・宮崎信行のインタビューに答えました。
●元航空自衛官の父から「何かあったら行くから」
斉藤さん(斎藤さん)は自身の父親が防衛大学校4期生で、元航空自衛隊の斎藤芳信元1佐であり、自分は自衛官の子供だと明かしました。
斉藤さんは基地から返った父親に「何かあったら年寄りから行くから」とし、有事の際は、年寄りすなわち幹部、である自分から近隣の海外に派遣されるので、覚悟するように言われていたとしました。
●安倍スタンディングオベーション、「出征兵士を見送るよう」
斎藤さんは、「安倍スダンディングオベーション」を見て、
「なにか出征兵士を見送るような雰囲気だ。現役の隊員やその家族は不安になったのではないか」と懸念。
「父の時代は、お国のために命を落とすことはあっても、地球の裏側に送られてアメリカの戦争に付き合わされるという懸念はなかった。これからは、自衛官になる人がいなくなるのではないかと心配している」と国の未来を案じました。
●自衛官の子供だと日教組に殴られた少年時代も、1970年代で止まっている安倍さんの認識とは違う
斎藤さんは、日教組の教師から「日陰者の子供だ」と自衛隊官舎住まいの同級生だけ殴られる理不尽を経験。その後、同じ経験をしている友人の存在を仲間内の会報で知り、その父親は、自衛官トップの統合幕僚会議議長をつとめた佐久間一さん(海将・防大1期生)だと知りました。この体験が社会を変えるために政治を志すきっかけになった、としました。
日教組に対する思いでは、「安倍さんの場合は、1970年代の認識で止まっているのではないか」と違和感を示し、感覚は共有していないとしました。
●現在は会社員
斎藤さんは、東京都小平市議を経て、2009年8月に静岡8区から初当選。その後、2012年12月に議席を失い、半年間の就職活動の後、中央大学辞達学会(弁論部)の先輩にあたる、宮崎岳志さん(現在は衆議院議員に復帰)の幼馴染が経営する医療ツーリズム関連会社に就職。
国政の選挙区(母親の出身地)、市議を務めた小平市のいずれでもない、東京都内の市(奥さんの出身地)で暮し、働いています。現在は営業部に勤務。斎藤さんは、営業に回っていて、「元議員ですよね?」と言われたのは、東京大学訪問時だけだったと苦笑い。「元議員」の肩書は強みにならないが、だからと言ってマイナスにもならないとしました。
●鳩山スタンディングオベーションの真相
斎藤さんは小平市議会議員時代に、企業が障害者を雇い入れた後に解雇する事案が複数発生したことを取り上げました。衆議院議員として最初の本会議演説で、首相(所属政党の党首)が障害者施策に言及したことに、感動して思わず立ち上がったら、与党内全員が立ち上がりスタンディングオベーションになったと真相を話しました。
その後、市議時代の議事録を読んだとして、同じような経験をした人が斎藤議員室を訪れたこともあったそうです。
初当選同期議員の活躍に対する複雑な思いはまったく無く、「先輩の山井和則さんら、同期の初鹿明博さんらにがんばってほしいし、同期の玉木雄一郎さんも最近は財務省寄りからやや軌道修正してくれたので、期待している」としました。
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2016年、宮崎信行。