[写真]日本銀行、東京都中央区日本橋本石町、2016年6月23日、筆者・宮崎信行撮影。
日本銀行(黒田東彦総裁)は、平成28年2016年9月21日(水)の金融政策決定会合で、異次元の金融緩和についての「新しい枠組み」を発表しました。
量的緩和の「ペース」については天井に届いて打ち止めにしたものの、量的緩和を「続ける時期」は延長したという意味あいにとらえられ、異次元の金融緩和の長期戦を宣言したとみられます。いずれにしても、黒田総裁の今の任期が終わっても、量的緩和は続けるしかない状況であることは、間違いないでしょう。
平成25年2013年4月4日、黒田東彦総裁就任後の最初の金融政策決定会合で、日本銀行券の「量」マネタリーベースを「年間60~70兆円ペースで増加するよう金融市場調節を行う」と決定しました。
「マネタリーベースコントロール」と名付けた政策を3年半続けたことで、きょう現在の「量」は、400兆円(4兆ドル)というおびただしい量になりましたが、不幸中の幸い、4分の3は、倉庫(日銀当座預金勘定)で寝てます。これにより、政府発行の国債の3分の1が日銀内に封じ込められたかっこうとなりました。
その後、2014年秋に、「年80兆円ペース」に追加緩和。このメッセージは、私は、総裁が首相に消費税を増税させるために背中を押した、と解釈していますが、安倍首相はそれを拒んで、衆議院を解散し、勝利しました。
そして、2016年9月21日で、黒田さんは、「マネタリーベースコントロール」から「イールドカーブコントロール」へと転換しました。この日に黒田さんがつくった言葉です。国債を銘柄別(30年物、10年物、2年物など)に取引金利を、日銀の買い入れの入札を通じて一定の範囲にとどめる、という意味あいです。そして、「年80兆円ペースをめど」と、「めど」を付けました。「オーバーシュート型コミットメント」という新語も黒田さんは発表。これは、日銀が掲げた目標のうち金科玉条のように言われている目標(物価年2%上昇)を達成しても、干渉し続けるという宣言です。すなわち物価上昇目標は量的緩和の口実に過ぎなくなっていた現状を、別の表現で認めた、と私はとらえます。
それと、日銀は、10年物国債を「ゼロ%程度」で誘導するとしました。これは実は、現状よりも「国債の価格が安い(金利が高い)」金額を示したことになります。考え方では、国債の価値がやや下がるという認識が浮き彫りになっているのかもしれませんが、ここはそんなに難しく考えなくていいでしょう。
これにより、いわゆる「マイナス金利」による、地銀などの経営難による、口座を持つ国民への預金保険発動の時期はやや遠のいたとも考えられ、「銀行の銀行」である日銀には、銀行経営者の声が届きやすいようだな、と私は思いました。
「政府の銀行」としての日銀は、今のペースでの国債買い入れを続けることに変わりはありませんから、財務省理財局も意気に感じて、借り換えも含んで様々な銘柄の国債を発行することで、日本政府と日本銀行があたかも「統合政府」なような感覚で、ともに中長期的な国益を考え、協力すべし。
「国の唯一の発券銀行」である日銀としては、銀行、政府との対話を元に、大胆にできることをやる勇気が必要です。その場合、大企業名目固定月給正社員を世帯主とする中間層が、今までと同様に、毎年4月、じわりじわりと可処分所得が下がっていく「じり貧」が続くと予想されます。政府が社会保険料や税金の改革で、中間層がせめて子育て・教育しやすい環境を整えることが、国益のために必須です。
消費税法については、税率8%で据え置いて、10%プログラム規定は改正ではなく削除してしまう方がよいでしょう。
衆議院議長は9月16日付で、秋の臨時国会でも、黒田さんを国会で答弁できる「政府特別補佐人」にすることを、首相の求めに応じて承認しました。別にいつものことですが、黒田さんには、説明しなくてもいいから、とりあえず、顔を出してもらう必要があると考えます。
なお、参議院での国会同意人事で、「黒田総裁」に「反対」した議員は、日本共産党と希望の会(社民党と生活の党)の2013年当時の現職は全員が反対しています。 民進党会派に属する参議院議員のうち、風間直樹さん、川田龍平さん、真山勇一さん、舟山康江さんの4名が、2013年当時の現職として、反対票を投じていました。
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時事通信ニュース速報によると、ともに国土交通省が所管する第11管区海上保安本部に入った那覇空港事務所からの情報として、米軍機が沖縄本島辺戸岬沖の海上に墜落したもようだ、と報じました。
沖縄タイムスの電子版によると、墜落したのは、海兵隊のAV8B「ハリアー」のようです。これは戦闘攻撃機なので、日本の専守防衛・個別的自衛権にはまったく要らないもので、米海兵隊が調達していることに異存はありませんが、別段我が国の離島防衛に使うわけでもなく、仮に策源地攻撃ができるのならば、その能力はあってもいいのですが、基本的には、わが国の国益とは関係ないところで、米軍が沖縄の置いていた、ということだろうと推測できます。
詳細は現時点では、不明です。続報は、このエントリーとは違うところで、報道されるでしょうから、そちらをご参照ください。
2016年9月22日、木曜日・祝日の、お彼岸のお中日の午後のことと思われます。
場所は沖縄本島のイチバン北の沖合で、いわゆる「北部」「やんばる」と呼ばれる地域の北側。沖縄本島で最も人が少ない地域であり、沖であることから、日本国民への被害はないでしょう。もちろん米軍機搭乗者の全員無事を祈ります。
ただ、米海軍嘉手納基地や、米海兵隊基地がある方面ですので、先日の米軍属による強姦殺人事件と同様に、沖縄北部での反基地感情への影響が懸念されます。語弊がありますが、沖縄地上戦での犠牲者は、本島の他の地域よりは少なかったのに、70年経って、危険性が入れ替わったように感じます。
安保法の強行採決から1年経って、北朝鮮が核弾頭実験に成功し、ミサイルを発射しているのに、「抑止力が高まる」という自民党の説明は破綻したと考えます。
(関連記事=沖縄タイムス、米軍嘉手納基地離陸のハリアー、沖縄本島東側の近海に墜落か)
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