(6日投稿で、5日付にバックデートしました)
野田佳彦氏は、きのう、平成28年2016年9月5日(月)、ホームページを更新し、
民進党代表を突如退任するとした岡田克也先生について、
「安住淳国対委員長は、岡田さんを「戦後ヤミ米を喰わずに餓死した判事さんみたいな人」と評しています」
と記しました。
この流れで、「蓮舫さんの「つまらない男」発言は誤解を招きました」としながらも、野田氏は「蓮舫さんは、12年間にわたり苦楽を共にしてきた同志中の同志です。(略)私は、蓮舫さんを応援します。出自、女性、参院議員であることなどのハンディがありますが、ガラスの天井や様々な壁を突破する力に期待したいと思います。」
とし、花斉会会員である、安住淳氏とともに蓮舫氏を支援していることを再度強調しました。
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(このエントリー記事の初投稿は6日で、それから5日付にバックデートしました)
[写真]秋の参議院議員会館上空、2015年11月、筆者・宮崎信行撮影。
安倍晋三首相は、平成28年2016年9月5日(月)、中国でのG20サミットの閉幕にあたりホテル内で記者会見し、
今月平成28年2016年9月26日(月)に召集する第192回秋の臨時国会について、
「アベノミクス加速国会」と設定しました。
安倍晋三首相(自民党総裁)は、TPP条約の承認及び国内実施法案と、消費税率10%先送り及びそれに伴う歳出削減策などを反映した臨時の税制改正法案の承認・成立を急ぐ考え。首相は政権交代後、「産業競争力強化国会」「好循環実現国会」「地方創生国会」など召集前に経済をテーマにした会期ごとのニックネームを自ら設定しています。
ただ、首相のねらいが、憲法第9条に「自衛権の行使はこれを妨げない」と挿入する等の、憲法改正の発議にあるのは間違いなく、争点隠しの思惑もすけてみえます。
ところで、首相はこのところ、内政懇談会に応じていないようです。この官邸の考え方は私は大いに支持したいところです。
記者会見の当該部分は次の通り。
[首相官邸ウェブサイトから引用はじめ]
平成28年9月5日
内外記者会見
(中略)
本年5月、日本にG7の首脳たちが集いました。「新たな危機に陥ることを回避するため、全ての政策対応を行う。」そのことを、伊勢志摩の地で、G7が合意しました。
「成長のエンジン」であった新興国経済が減速する中、世界経済の持続的かつ力強い成長をG7がリードしていく。その決意を、私は議長として、首脳宣言に取りまとめました。
あれから3か月。今回のG20サミットにおいても、最大のテーマは世界経済でありました。
私からは、伊勢志摩サミットにおける議論をベースに、世界経済が大きなリスクに直面している今、国際協調を強化していくべきである。その重要性を強調いたしました。
そして、今回、新興国とも、世界経済への危機感を共有し、全ての政策対応を行っていく必要性で、一致いたしました。財政政策、金融政策に加え、中国を始めとした新興国が、過剰設備などの構造的な問題にも、しっかりと取り組んでいくことで合意できたことは、大きな成果であったと思います。
日本も、G7の議長国として、また、今回のG20における合意を踏まえ、その責任を果たしてまいります。
先般、事業規模28兆円を超える経済対策を決定し、補正予算を編成しました。今月召集する臨時国会で、その早期成立を図るとともに、来年4月に予定されていた消費税率の引き上げを延期し、内需をしっかりと下支えしてまいります。TPPの批准と関連法案の成立も目指します。
秋の臨時国会は、いわば「アベノミクス加速国会」としたい、と考えております。
(後略)
[おわり]
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(C)2016年、宮崎信行。
[写真]上出義樹博士の「報道の自己規制」、画像はAmazon掲載のものを拝借。
元北海道新聞編集委員の、上出義樹・博士=2016年上智大学=から、著書のご献本をいただきました。
「報道の自己規制 メディアを蝕む不都合な真実」(2000円+税、リンク先はAmazon)で、発行元はリベルタ出版。
ISBNコードは、978-4-903724-48-5
上出さんは1945年北海道生まれ。北海道新聞社入社後、東京支社政経部で昭和から平成への移ろいを取材。シンガポール特派員では、4紙代表(北海道、東京・中日、西日本)の赴任記者として、共同通信とは違う角度から、日系企業などに特化した記事を執筆。北海道新聞社の外報部次長、編集委員を務めた後、退社。東京の上智大学大学院で学びながら、霞が関・永田町などの記者会見に参加するフリーランス記者としても活躍してこられました。
私はおもに、2012年の岡田克也副総理の週2回の定例記者会見で、ご一緒し、政権末期にはたいてい並んで座っていました。
ファクト面で秀逸なのは、第4章「原発報道と自己規制」。
第4章では、上出さん自身が出席していた、2011年3月12日の経済産業省の原子力安全・保安院の記者会見で、中村幸一郎審議官が「炉心溶融ですね。燃料が溶け出していると見ていい」とかなりはっきりした口調で言ったのに、その2日後に「まだ溶融という段階でない」と発言したとの生々しいファクト。これについて、その2日間に、官邸にいる同省出身の貞森恵佑首相秘書官が、「重要事項を首相がテレビで知るのはおかしい。事前に知らせろ」と叱り、重要事項はまず官邸が先に発表するというルールが確立したとのファクトが示されています。
ファクト以上に本書の画期的な点は、筆者が大学院で指導を受けながら博士号を取得した研究、論文が基だけに、メディア論としては極めて体系的な章立てがされていることと、同時期にフリー記者として記者会見に参加していたことを活用した独自の現場記者調査が止揚していることです。私はメディア論は詳しくありませんが、おそらく同種の著作は初めてでしょう。
全10章の章立ては次の通り。
第1章 なぜ報道の自己規制が問題なのか
第2章 自己規制の理論的枠組と仮設
第3章 自己規制の系譜
第4章 原発報道と自己規制
第5章 安倍政権と報道の自己規制
第6章 足利事件に見る報道責任と自己規制
第7章 自己規制と記者たちの認識
第8章 自己規制の朝日新聞モデル
第9章 マスメディア批判のさまざまな視座
第10章 報道の自己規制の克服にむけて
となっています。
序論では、「記者クラブ」「日本新聞協会」「メディア系列」の「3つのK」を問題視したフリーマン氏など先行した研究の論文をていねいに紹介。日本、カリフォルニア市、英議会などを対象にした先行研究をひもときながら、若干の筆者自身の日本の現状の紹介があります。
そして、上出博士が現役フリー記者として知遇を得た現役メディア記者に対する「自己規制の圧力はあるか」との独自調査。その問いに、読売新聞記者に限れば半数が「ある」と答えたのに対して、朝日、NHKの記者は「ゼロ」だったことを紹介。
上出現地調査を、同時期の日本大学新聞学研究所の大規模調査と比較。日大大規模調査では「ジャーナリズムに影響を与える要因」の問いに「メディア側の自己規制」を複数回答の1つに挙げた人が全体の1割強にとどまっており、上出現地調査を裏付ける部分がありました。しかし、筆者は日大大規模調査の「ジャーナリズムが果たすべき役割」の問いに「政治指導者を監視する」が断然トップ「人々の政治決定に必要な情報の提供」が2位につけていることに注目。「建前と実態のかい離があるのではないか」と指摘し、その後の論考へとつなげていきます。
私・宮崎信行個人としては、日経新聞勤務中に、記者クラブで耳なじんだ「黒板協定」の形成経緯をはじめて知りました。NHK本部には記者クラブが2つあり、そのいずれも、民放記者は入れないというのも、ここ数年にわたる、第2次第3次安倍内閣とNHK籾井勝人会長と国会野党とのバトルがくすぶり続けたまま決着しないことへの新しい視座を得ました。
情報源と記者との関係という、俯瞰的、客観的、体系的に説明しづらい事象を、博士論文として体系的に明らかにしたことが、本書の特筆すべき点です。「誰にぜひ読んでほしい」ということではなく、数十年単位というかなり長期的な期間にわたって参照され続ける著作になるだろうと考えます。
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(C)2016年、宮崎信行。
政府は、JOGMEC法改正法案を、第192回臨時国会に提出する方針を決めました。
JOGMEC(ジョグメック)は「独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構法(平成十四年七月二十六日法律第九十四号)」を設置根拠としています。
政府は一般会計の政策経費圧縮の折、日銀の超低金利を受けて、財投機関債に活路を見出そうとしており、今回も平成28年第2次補正予算案(閣議決定済み)、来年度予算案(概算要求締め切り)の関連法案として、JOGMECの機能を向上させるもの。
JOGMECが海外の石油などエネルギー開発会社を購入することができるようになるのが柱。
海外のエネルギー開発は、政府系機関にしかできないように思うので、ぜひ積極的に、進めてほしいと願います。
これを機に、JOGMECの財務諸表をていねいに読んでみました。前身の組織が、大臣命令で不正経理が暴かれ、組織改革につながった経緯があります。JOGMECは、石油、鉱物資源などジャンルごとのお金の流れを発表していますが、おおむね問題はないように感じます。やや借入金が多いような気がしますし、財投債も政府は無保証ですが、超低金利を活用した資金調達は賛同できるところです。海外での営業軍資金をもっと増やしてもいいようにも思いますが、人件費の圧縮の余地は無くは無いように感じました。
特許法・独占禁止法などの法案がTPP特別委で審査される見通しで、衆参経産委は電力関連の法案もなく、審議はスムーズに進むのではないかと考えられます。
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(C)宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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