【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

真の国士だ!前川喜平さんが「集団的自衛権はいらない」SEALDsデモに参加していた 産経など報道

2017年08月14日 21時50分39秒 | 人物

[写真]前川喜平さん、2014年3月26日の、衆議院インターネット審議中継から、宮崎信行が当時スクリーンショット。

 真の国士です。感動しました。

 前文部事務次官の前川喜平さんが、福島県で講演。このもようは、「産経ニュース電子版」のWEB編集チームが、テキストで報じました。

 それによると、前川喜平さんは、当時、文部科学審議官(次官級)。最終攻防となっていた、平成27年2015年9月18日、(関連エントリー

18日(金)の安保法成立を阻止! 第189回通常国会大詰め、衆参で牛タン戦術などの死闘続く



 の夜、国会正門前の、学生市民団体「SEALDs(シールズ、自由と民主主義のための学生緊急行動)」=現在は解散=の抗議活動で、「♪集団的自衛権はいらない!」のラップのリズムに乗って、デモに参加し、安保法制に反対していたことを明らかにしました。

 このうごきは、杉田和博・内閣官房副長官(事務)が率いる、警視庁公安部なども情報を漏らしたようで、内閣人事局は、この後に、前川さんを文部科学事務次官に決めました。

 政官要覧(平成25年秋号)によると、前川さんは、1955年1月生まれで、東大法学部卒業。

 前川さんの祖父は、学生寮「和敬塾」の創設者として知られ、右翼の大物との扱い方もあります。1968年末から1970年初頭まで2年間、和敬塾から早稲田大学に通った、村上春樹さんの代表作「ノルウェイの森」では、その第2章で「この寮の唯一の問題点はその根本的なうさん臭さにあった。寮はあるきわめて右翼的な人物を中心とする正体不明な財団法人によって運営」されていた、名指しは避けながら批判的に描かれています。

 その寮長の孫が、文部科学省の次官級審議官として、「集団的自衛権はいらない!」とラップに乗せて反対したわけですが、真の国士だからでしょう。文科省は日本学生支援機構を所管しています。

 産経新聞電子版によると、前川さんの発言は以下の通りですが、シールズの綴りが違っていますので、そこだけ、私が勝手に直させていただきました。


[産経新聞電子版から引用はじめ]

(前略)

 (前川氏の該当部分の発言要旨)

 ここだけの内緒の話ですけど、2年前の9月18日、国会前にいたんです。

 「SEALDs(シールズ)」の連中はね、ラップのリズムで「集団的自衛権はいらない」って言ってるわけですよ。「集団的自衛権はいらない」って非常に散文的な言葉ですけど、これがあのリズムに乗るところがすごいですよね。「集団的自衛権はいらない」「集団的自衛権はいらない」ってこういうリズムで、こういくわけですね。

 これもシュプレヒコールっていうのかなとか、つまんないこと考えながらですね、面白いなって思って。

 私は安保法制は解釈改憲によるものですけども、集団的自衛権を認めるという解釈は成り立たない。立憲主義に反すると、やっと憲法の話になってますけどね。

 戦争はしないと9条で宣言している。自衛隊の存在を多くの国民が認めている。それは、ここまでは認められるというコンセンサスに近いものを作ってですね。専守防衛で自衛隊ならば、実力組織として認めてもいいんじゃないか、というところで踏みとどまっていたのが自衛隊だったと思うんです。

 それをいともあっさりと踏み越えてしまったんですね。しかも法制局の見解だ、閣議決定だと政府の中の考え方として、集団的自衛権は憲法上認められていると、ありもしないことを言って、あってはならない憲法解釈に基づいて法律作っちゃったわけですから。

 私は個人的には、安保法制は、集団的自衛権に基づく条文はすべて憲法違反だと思います。

 いや、これは安保法制は賛成の人もいますから、これは私の意見です。

 あの法律は作るべき法律ではなかったと思っていますので、そのためには一個人として、一国民として正門前に私は声を出す場がなければいけないと思ってですね。声を出すといったって、みんなに混じって言ってたんですけど。

 みんなに混じって言ってただけで、しかも行ったのは9月18日の1回きりですからね。あの日はですね。今日行かなきゃもうないと思ったんですね。その日は安保法制が参議院で成立した日ですから。

 何も好き好んで満州事変の日にやらなくてもいいと思ったんですけども。9月18日ですから、まさに日本が中国侵略を、本格的な中国侵略を始めた日ですよね。1931年9月18日。

 だからまあ、日本が誤った戦争をしたというこの痛切な反省の上にできている憲法だからこそ、平和憲法というわけですから、その平和憲法を本当に土足で踏みにじるような行為、これはやっぱり問題だと思ってましたから、だからそれはですね、バレてませんから。

 これ、バレてたらおそらく事務次官になってなかったんです。あの、おそらく。

 まさかねえ、これから事務次官になるっていう人間がですよ、安保法制のデモにいるとは思わないですよね。

 だからこれ、本当に内緒の話ですから。(WEB編集チーム)

(後略)

[引用おわり]


 前川さんがデモに参加していた時間帯の、国会のようすは次の通りです。

[当ブログ内エントリーから引用はじめ]

18日(金)の安保法成立を阻止! 第189回通常国会大詰め、衆参で牛タン戦術などの死闘続く

2015年09月18日 23時29分21秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

[画像]安保法案成立阻止のため、「憲法クイズ」を引用しながら迫真の演説をする、小西洋之さん、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【平成27年2015年9月18日(金) 参議院本会議】

 午前0時10分開議。

 中谷元防衛大臣問責決議案が議題になりました。ここで、自民党から「趣旨説明・討論・投票を10分以内に制限する動議」が提出されました。民主党が「記名投票表決を求める動議」を出したため、記名投票採決され、可決しました。

  続いて、本題。自民党の討論に立った江島潔さんが「自衛隊統合幕僚監部の文書を共産党が違法に入手した」「蓮舫代表代行ら民主党は人のことを言う前に、みずからを反省すべし」とし、共産党の仁比聡平さんらの抗議で場内が騒然としました。

 採決され、投票総数232、賛成89、反対143で、中谷大臣問責決議案は否決されました。午前2時2分に休憩しました。

 午前10時再開。山崎正昭議長不信任決議案が提出されました。これも10分以内に制限されました。趣旨説明で足立信也さんは「定数是正の参院選挙制度改革でリーダーシップを発揮しなかった」とも批判しました。討論で徳永エリさんは「安保法案の衆参の参考人・公述人に女性がゼロだったので、各党の女性の会で鉢巻をして山崎議長を探したが所在が分からず、鴻池特別委員長は要望書をていねいに読んでくれた」とし「女性の壁などと報じられたのは残念だ」としました。共産党の井上哲士さんは「地方公聴会の派遣報告を委員会でしなかったのは参議院史上初だ。議長の名前で出席依頼を出しており、議長にも責任がある」としました。投票総数224、賛成76、反対148で否決。午前11時24分ごろ、休憩になりました。

 安倍晋三首相が入室して、午後1時再開。郡司彰さんから「内閣総理大臣安倍晋三君問責決議案」が提出されました。郡司彰民主党参議院議員会長は「この夏から、安保法制反対との思いに駆られ、戦争を経験した世代、若者、学生、母親、学者が行動している」とし、「安倍総理はそのなかに入って説明したのか」と問いました。午後2時43分、投票総数233、賛成89、反対144で否決されました。休憩。 

 午後8時31分再開。

 ここで、公報通り、安保2法案(189閣法72号、73号)が議題として宣言されました。

 民主党はすかさず「鴻池特別委員長問責決議案」を提出。自民党が「趣旨説明は25分間、討論は15分間に制限する動議」を提出し、堂々めぐりで可決。

 小西洋之さんが登壇し、「憲法クイズ」の議事録を読む、迫真の演説を55分間繰り広げました。

 討論。

 午後11時2分に開票し、問責決議案は否決されました。

 ここで山崎議長は「延会」を宣言。

 これにより、18日(金)中の可決・成立は阻止されました。 

【同日 衆議院本会議】

 設定は午前1時。

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 午後4時32分、15時間半遅れで、開議。

 動議が出て、安倍内閣不信任決議案(189衆決議 号)が議題になりました。

 枝野幸男さんが趣旨弁明。

 討論は、自民党の棚橋泰文さん。

 次に、民主党の岡田克也代表。岡田さんにとっては、2005年8月8日の郵政解散で奪われた、内閣不信任決議案の演説の雪辱を果たしました。これについては別エントリーを投稿します。

 公明党の赤羽一嘉さんの鬼気迫る討論には、世の無情を思わざるを得ませんでした。

 維新の党の松野頼久代表は、初当選以来続けてきた、「ストップウォッチではかりながら演説する」ことをしなかったように見えました。

 共産党の志位和夫委員長も討論。堂々めぐりの結果、投票総数464、賛成139、反対325で、安倍内閣不信任決議案は否決されました。

 これにより、第189回通常国会の衆議院は事実上閉幕しました。

 大島議長は午後9時台に本会議を再開し、「あす午前1時00分」に設定し、延会しました。60日ルール3分の2条項で、参議院自民党をけん制するねらいと思われます。

(後略)

[当ブログ内エントリーから引用おわり]

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

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