[写真]2017年10月28日付の日経新聞(下)と読売新聞(上)、同日、筆者・宮崎信行撮影。
日本銀行(BOJ)の総裁として、黒田東彦総裁が続投する公算が高まりました。
政府は、早ければ、平成30年2018年1月にも、国会同意人事案を、衆議院、参議院に提出するとみられます。
財務省・日銀・経団連の思惑がよく分かる新聞との評価が高い日経新聞は、きょう、「黒田総裁の後継は黒田さんが有力」「市場は続投を織り込み済み」とする観測記事を、1面トップで載せました。
安倍晋三さんは、返り咲いた野党・自民党総裁としてたたかった第46回衆院選で、金融緩和を政策にして、黒田総裁が2013年4月に就任し、最初の会合で「異次元の金融緩和」を決定。今週日曜日の第48回衆院選で安倍自民党が大勝したことから、来年4月の任期切れ以降も黒田総裁が続投することが確実視されることになりました。
黒田日銀は、残存国債を買い取り日銀券と交換する「異次元の金融緩和」を推進。額面割れの国債も入札で買い取る方針で、国庫の借金である「国債」と日銀の借金である「お札(日銀券)」を交換してしまうという大胆な「財政赤字のマネーファイナンス(財政ファイナンス)」をすすめています。1990年代からの「失われた20年」でも、多くの期間、自民党が政権を握っていたことの負の遺産である、1000兆円の借金を、家計・企業セクターの預貯金と変えてしまう人類史上初の政策をすすめています。
黒田さんは量の緩和と同時に、金利を低く誘導する「質的」政策も推進。これにより、銀行の「売上高」にあたる、融資の利息が減っています。このため、きょうの読売新聞では、みずほ銀行が、向こう10年間で、社員数を6万人→4万人に減らすとの記事を掲載しました。低金利政策により、金融機関が整理縮小されることで、民間の預金やタンス現金の、流動性を不便にすることで、かつての「預金封鎖」を、形を変えて、10年単位で行うことになります。
国会同意人事については、ことし、原子力規制委員会の9月22日付のトップ人事を、参議院で5月24日、衆議院で5月26日に同意しました。実に4カ月前の同意で、それからの4カ月間、私は、テレビで、同委員会の記者会見をみて、「あれまだ変わってないの」と混乱しました。来年4月となると、予算案の審議をめぐり、与野党の混乱が予想されますので、早ければ、1月にも国会に提出される可能性もありえます。
日銀総裁人事では、黒田さんの他、中曽副総裁、雨宮理事、伊藤東大教授、本田大使らも候補に挙がっているようです。
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