ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

大混迷の様相、秘書官も野次か? 参議院本会議では国際観光旅客税法成立

2018年04月11日 17時58分20秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[画像]首相事務秘書官が野次を飛ばしたのではないかとの玉木雄一郎代表の指摘を受けて騒然とする衆議院予算委員会、2018年4月11日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 「森友公文書改竄」「加計愛媛県庁文書発覚」「南スーダン・イラク日報断続的に発見」「東京労働局長更迭」と、連鎖的に地雷が炎上しています。これ、「経緯」のまとめ文書も出てきていますが、報道されて周知の事実がいつだったかの経緯まで立体的に把握することは不可能。私もひっしに新聞を読んでいますが、一人でやっていると、だんだん分からなくなってきました。正直、きょうの予算委員会は理解不能ということになってきました。

【衆議院予算委員会 平成30年2018年4月11日(水)】

 「公文書管理に関する集中審議」。

 佐川さんの証人喚問のときに開催の合意があったんだろうと思いますが、4月中旬にずれ込みました。4月中旬のテレビ入りは、やや珍しいかと思います。ただ、きょうは水曜日ということで、党首討論の定例日ですが、きょうは、枝野幸男・立憲民主党代表と玉木雄一郎・希望の党の代表が質疑者として登場。党首討論よりも、予算委差し替え登板を野党党首が重視していることの証左。おそらくこの流れは、今後も変わらないでしょう。

 正直なんだかさっぱりわからなかったんですが、小野寺五典・防衛大臣は日報について「きょうも7か所から文書が出てきた」という趣旨のことを言いました。麻生太郎財務大臣は、決裁文書の中身を読んでいないこともあると堂々と答弁し、解釈改憲の憲法、平和安保法制など広い意味での刑法に続いて、契約の典拠である民法も破壊しかねない、法治国家破壊内閣の様相まで出てきました。

 野村不動産過労死問題で、厚生労働省の東京労働局長が官房付に更迭されたようですが、加藤勝信大臣は自らの辞任は否定しました。

 枝野代表は、経産省出身の今井尚哉政務秘書官と、谷査恵子元首相夫人付の会話について質問。安倍晋三首相は昨年の国会審議を見て、今井さんが谷さんに問い合わせたのが初めてだ、という趣旨の答弁をしました。ちょっと信じられません。

 玉木雄一郎代表に対しては、首相の事務秘書官が野次を飛ばしたのではないかと騒然。玉木さんは「分をわきまえなさい」とさとしました。

 衆参各委員会が同時に展開する4月までこじれたため、財務省、内閣府、官邸・経産省、防衛省が類焼して炎上していくようにもみえました。これはどうなるんでしょうか。与党から見て連休前の鎮火は、厳しい情勢と思われます。

【参議院本会議 同日】

 「改正裁判所職員定員法」(196閣法10号)が投票総数229、賛成210、反対19で可決し、成立しました。

 「建築基準法改正案」(196閣法44号参先議)が、投票総数229、賛成213、反対16で可決し、衆議院に送られました。

 「出国税あらため国際観光旅客税法」(196閣法2号)が上程。討論は無く、採決されました。投票総数228、賛成115、反対73の賛成多数で可決し、成立しました。施行日は来年1月7日(月)。日切れ指定でしたが、新年度に11日間食い込みました。

【衆議院内閣委員会 同日】

 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」(196衆法 号)が、委員長から起草されました。全会一致で本会議に提出することに賛同しました。

 「古物営業法改正案」(196閣法42号参先議)が、小此木八郎国家公安委員長から趣旨説明されました。

【衆議院厚生労働委員会 同日】

 早い時間に流会しました。野村不動産に関する説明について野党が理事会での再説明を求めていたところで、東京労働局長の更迭の報も加わり、与党も折れたのではないか、と思います。

【衆議院文部科学委員会 同日】

 「著作権法改正案」(196閣法28号)の参考人質疑。午後は法案審査をしました。この後、委員長が質疑終局を宣言。採決はせずに、散会しました。与党が、つるしが降りていない法案の趣旨説明をする本会議を定例日に確実に開きたい意向で、上程の法案の時期を調整しているのかもしれないですし、そうでないかもしれません。

【衆議院国土交通委員会 同日】

 「交通バリアフリー法改正案」(196閣法23号)が趣旨説明されました。前回の改正から10年が過ぎて、交通面でのバリアフリーをさらに進める法案。バリアフリー化はかなあり進んできた印象がありますが、立法事実として2020年東京五輪を強調しすぎるきらいがあるように思います。

 これに先立つ一般質疑では、立憲民主党の早稲田友季さんが、森友問題の国交省の対応について、いつも通りていねいにつきました。この辺の国交委でのていねいな追及も、財務省など各所の大炎上をアシストしてきたことになります。ここ5年間ずっと続く公明党大臣のもと法案が通りやすい状態は維持されています。

【衆議院農林水産委員会 同日】

 「森林経営管理法案」(196閣法38号)「農林漁業信用基金法改正案」(196閣法39号)

 自民党の山本拓さんは、花粉症対策について質問。農水省は花粉症発生対策として、スギやヒノキの伐採を進めていると答弁しました。あすも質疑することにして、散会。

【衆議院経済産業委員会 同日】

 「生産性向上特別措置法案」(196閣法21号)と「産業競争力強化法案」(196閣法22号)が長時間審議されました。世耕弘成大臣は「サンドボックスは必要」「機械の固定資産税免除は大事」「アベノミクスは成果を上げたが、最大は金融政策」などと答弁しました。次回以降も審議することにして、散会。

【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会 同日】

 「福島県選挙区特例法改正案」(196衆法10号)が、超党派の衆議院議員から説明され、質疑答弁がありました。全会一致で可決すべし、と決まりました。これに先立ち、総務大臣のあいさつや、昨秋の第48回衆院選の報告がありました。

【参議院国際経済・外交に関する調査会 同日】
【参議院国民生活・経済に関する調査会 同日】
【参議院資源エネルギーに関する調査会 同日】

 来年のとりまとめに向けて、参考人質疑がありました。

このエントリーの本文記事は以上です。

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政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案が可決「男女の候補者の数が【できる限り】均等にするようにする」今国会成立へ

2018年04月11日 13時42分57秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

 「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律案」(196衆法 号)が、さきほどの衆議院内閣委員会で、全会一致で可決されました。

 今国会で成立する見通し。公布日に施行されます。

 超党派の合意を得て、山際大志郎内閣委員長が説明しました。

 法律案は、

 男女共同参画社会基本法の基本理念にのっとり、

(1)基本原則は、衆議院議員、参議院議員、地方議会議員の選挙で、男女の候補者の数ができる限り均等になることをめざすこと。
(2)男女とも、選挙と議員活動で、家庭生活との両立が継続的にできるよう配慮する。
(3)国、地方自治体、政党、政治団体は基本原則を実現するよう自主的に取り組む。
(4)国、地方自治体は各種施策を行う実態の調査や情報の収集をし、啓発活動、人材育成などをとりくむ。
(5)国は、調査の結果、必要があれば、法制上、財政上の必要な措置を定める。

 となっています。

 努力義務規定だけで、まったく不十分な法律案ですが、第2弾の法改正、予算要求の根拠になる規定ができたので、今後のはずみにはなりそうです。

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【出国税1000円】2019年1月7日(月)施行決定、国際観光旅客税、参議院で法律成立

2018年04月11日 10時10分07秒 | 第196回通常国会(2018年1月召集)働き方 カジノ

[写真]国会議事堂、宮崎信行撮影。

 出国税改め、国際観光旅客税が、来年、平成31年2019年1月7日(月)から新設されることが決まりました。

 参議院はきょう、4月11日(水)の本会議で、「国際観光旅客税法」(196閣法2号)を採決。

 自民党、公明党、維新が賛成し、立憲民主党、希望の党、民進党、共産党が反対。投票総数228、賛成155、反対73の賛成多数で可決し、成立しました。来週にも公布。

 法律は、

 「国際観光旅客等の国際船舶等による本邦からの出国には、この法律により、国際観光旅客税を課する」

 とし、

 「国際観光旅客税の税率は、本邦からの出国一回につき、千円とする」

 と定めています。

 法律の全文は→参議院ホームページ

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