先の総選挙での民進分裂により力が分散した野党6党ですが、今第196回通常国会では「野党合同ヒアリング」が力を発揮しました。
最大野党の立憲民主党の代議士会室に充てられた、衆議院本会議場真裏の、衆議院第16控室。
2月以降、存在感を発揮した、野党6党の合同ヒアリング、私もきょう初めてですが、見てきました=写真は筆者撮影=。
開かれたのは「第5回イラク日報隠ぺい疑惑野党合同ヒアリング」と「第12回財務省セクハラ問題野党合同ヒアリング」。
このうち、前者は「小西洋之参議院議員への統幕一佐暴言問題」を先に議題にし、大半の時間を割きました。
目を引いたのは、防衛省の出席者が局長だったこと。政権交代が2度あったことで、最近は、野党の部会にも、各省の国会提出予定の説明には、大臣官房長が出てくるようになりました。一方、「セクハラ」では、財務省大臣官房参事官が出席。官房参事官が、火曜日に退任した「セクハラ前次官」の退職金の質問に答えられるわけがなく、意図的に、答えられない人を出して時間を空費させる戦術は明らか。セクハラ次官で「もらい事故」となった内閣府・法務省・厚労省・人事院・消費者庁は、人事院は課長で、その他は課長補佐・局参事官・課企画官でした。財務省はそろそろこういう手法からは脱却していただきたい。
防衛省の武田博史・人事教育局長は、小西さんから直接現場から電話を受けていたことも含めて中間報告を説明。議員とのやりとりで、武田局長は口頭で、事務次官が「自衛官が、お前は敵だ、と言っていると小西議員から電話を受けた」と述べた答申書があることを説明。「国民の敵だとは言っていない」との防衛省の中間的な報告とは、齟齬がある面がヒアリングで明らかになりました。
きょうは、50分前後の防衛省ヒアリングの中で、暴言調査に当たっている部署について、武田局長が「調べているのは統幕長です」と答え、議員から統幕のどこだと更問いを受けたときに「総務部の一佐の方です」と、一佐を「方」と呼んだことが、印象に残りました。
防衛省は、ほとんどの社が政治部記者を1人だけ置いていますので、防衛省経験のある政治記者は中堅以上ということになります。武田局長は照れ隠しもあってか、終了後に、知っている政治部記者数人と「異動したの?」と新しい名刺を交換し合って、局長らしさを見せていました。
一方、財務省の官房参事官は、名前は「柳瀬」さんということですが、ほとんど答えられないうえ、「必要ならばテレビ朝日からさらなる情報を求める」と各方面をけん制。かなり騒然としました。立民事務局から「代議士会の準備があるので終わってください」と声がかかり、水入りとなりました。
共産党からは、両会合を通じて、本村伸子さん、防衛省のヒアリングは赤嶺政賢さん、財務省は畑野君枝さんが居ましたが、まったく違和感がありませんでした。
小西さんに対する統幕一等空佐の問題は、中間報告をもらいましたが、ここまでの事実でもかなり、根深い、深刻な問題を含んでいます。これは改めて、連休中にでも、書きたいと思います。
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(C)2018年、宮崎信行。
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Miyazaki Nobuyuki