[写真]国会裏、2年前の2016年5月、筆者・宮崎信行撮影。
連日報道が相次いでおり、昨夜NHKなどが報じた「愛媛今治加計学園獣医師特区」で、経済産業省の柳瀬首相秘書官が「総理案件だ」と語ったとする文書が報道。日本新党出身の中村時弘愛媛県知事が「県の職員の個人的なメモだ」と所在を証明しました。
新聞投書欄では、元国家公務員らが「驚き、あきれた」と論調、NHK解説委員は「うんざり」という状況になってきました。行政文書をめぐって問題が生じているのは、国家セクターの各セクションのわずかな部局ですが、各々では、かなり深刻な問題が表面化しています。
各委員会は、「日報」「東京労働局長野村不動産社員の過労自殺問題」「今治市教育委員会の加計説明会動員問題」などをめぐって、国政調査のための一般質疑が追加されました。法案の審議が遅れ、野党が攻めながらも、方向感が見えない状態になってきました。
今後は、経産省4人衆である、柳瀬秘書官、藤原内閣府次長、今井首相政務秘書官、谷元首相夫人付きの証人喚問なども焦点になりそうです。
【衆議院総務委員会 平成30年2018年4月10日(火)】
前回、野党の欠席戦術のため、開催中に日程が先送られた議題がありました。
「合併特例債法5年延長法」(196衆法 号)が、起草されて、全会一致で認められました。これは、私も震災国会のときから、「東日本大震災復興自治体以外にも広がるのではないか」などと批判的に類似の改正を伝えてきましたが、今となっては、まあいいのではないかといったところです。
そして、細かい改正条項を網羅した「電気通信事業法改正案」(196閣法33号)が趣旨説明され、審議入りしました。
【衆議院安全保障委員会 同日】
イラク日報問題について、陸自のほか、空自の報告遅れなどを一般質疑がただしました。
希望の党の後藤祐一さんは、小野寺五典防衛相はイラク戦争時の外務政務官、大野敬太郎・政務官の父が防衛庁長官、福田達男・政務官の父が官房長官だったと指摘。大野政務官が「父の名前が出てこようと、国益のために経緯を調査する」と気色ばんだ時に自民党席から拍手。後藤さんは「なんの拍手だ」といましめました。
【衆議院経済産業委員会 同日】
経産省案件では、「生産性向上特別措置法案」(196閣法21号)と「産業競争力強化法改正案」(196閣法22号)の審議が遅れています。参考人質疑があり、冨山和彦さんや、神津里季生・連合会長らが意見を述べました。その後、各党による法案審査がありましたが、採決はせず、散会しました。
【衆議院本会議 同日】
「出国税特定財源化法」(196閣法4号)が参議院から回付。質疑や、討論は無く、採決され、賛成多数で、参議院からの回付を承諾し、成立しました。「4月1日に施行」を「公布日に施行」という修正が参で入っていました。
「人事訴訟法改正案」(196閣法11号)を全会一致で可決し、参議院に送りました。
「REVIC株式会社地域活性化支援機構法5年延長法案」(196閣法17号)が賛成多数で可決し、参へ。
「都市再生法特別措置法改正案」(196閣法24号)が可決し、参へ。
この後、「気候変動適応法案」(196閣法27号)が趣旨説明・代表質問され、中川雅治・環境大臣が「画期的な法案だ」と胸を張りました。
【参議院財政金融委員会 同日】
「国際観光旅客税法案」(196閣法2号)が採決され、可決すべしと決まりました。
【参議院法務委員会 同日】
「裁判所職員定員法改正案」(196閣法10号)が採決され、可決すべしと決まりました。
【参議院国土交通委員会 同日】
「建築基準法改正案」(196閣法44号参先議)が採決され、共が「部分的に」反対、自公民など賛成多数で可決すべしと決まりました。
【参議院厚生労働委員会 同日】
まず、東京労働局の、野村不動産社員過労自殺に関する不適切な行政をめぐって一般質疑がありました。
その後、「HACCP法制化のための食品衛生法改正案」(196閣法6号参先議)が趣旨説明されました。
【衆議院農林水産委員会 同日】
「相続未登記農地利用促進法案」(196閣法36号)が趣旨説明されました。
【参議院外交防衛委員会 同日】
日報をめぐり一般質疑。防衛省の法案採決は延期され、外務省の条約承認案は審議入りできないまま、散会。
【参議院文教科学委員会 同日】
今治市教育委員会が、学校法人加計学園岡山理科大学獣医学部の説明会に動員をかけていた事案が浮上。一連の情報は、1日の開校を待って、流れだしたのかもしれません。一般質疑がなされました。
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Miyazaki Nobuyuki