菅義偉首相(自民党総裁)がおとといの報道ステーション(テレビ朝日)に出演した際に「イギリスでは新しい変異種が発生した。変異種が国内では1例でも発生したら、すぐに停止する」と発言。その時間帯までに、市中感染者が入院していた公算が高まりました。
首相がビジネストラックでの英国などからの入国を継続する水際政策をとったことには自民党内から批判が上がっており、首相の基盤が弱まる可能性があります。
物理的な意味で、厚生労働省庁舎とお互いの半分近くが丸見えの位置にある、東京新聞社のスクープのようです。それに前後した時間帯で日テレニュース24(
首相がビジネストラックでの英国などからの入国を継続する水際政策をとったことには自民党内から批判が上がっており、首相の基盤が弱まる可能性があります。
物理的な意味で、厚生労働省庁舎とお互いの半分近くが丸見えの位置にある、東京新聞社のスクープのようです。それに前後した時間帯で日テレニュース24(
)も報じ、厚労省も夕刻前後に発表しました。
東京新聞電子版がさきほど報じたところでは、先月22日に英国から帰国した日本人男性が空港検疫(厚労省所管)で検査し、このときは「陰性」。しかし、念のため14日間の自主隔離を求められました。ちなみに、14日後は今月6日(水)になります。しかし、市中で会食。その後、先月29日に「陽性」となり、今月7日に入院しました。この間、会食した濃厚接触者のうち、1人が先月30日に発熱し、今月8日に入院したと報じられました。首相が報道ステーションに出演したのは8日ですから、その時間帯までに、市中感染者が入院していた公算が高まりました。
報道ステーションは自公政権と距離があるとされてきましたが、首相の支持率が下がったからか、8日はスタジオで事前収録で出演しました。水際で英国からの入国を日本人ビジネスマンに限り継続する決定をし、与党内からも批判されていることに関連した質問で、菅首相は「イギリスでは新しい変異種が発生した。変異種が国内で一例でも発生したら、すぐに停止する」と語りました。政治部長から更に問われ首相は「市中で一例でもあったらそこの国はすぐに停止する」と明言しました。首相は「判明」ではなく「発生」という言葉を使いました。8日の報ステ出演の時点で、政府や東京・千葉都県などの公共セクターが英国からの変異種による市中感染者がいるとの情報はつかんでいたとみられ、それが首相に伝わっていなかったことは確実とみられます。
首相は連日、内閣官房、厚労省の幹部から報告を受けていますが、総務省からは受けていません。首相は総務大臣経験者ですが、いわゆる自治三局(旧自治省)では局長を「ふるさと納税」の意見対立から「校長」に左遷する見せしめ人事をしており、菅さんに報告を上げようという意識が希薄だとみられます。
エビデンスは確定していませんが、英首相は正式記者会見では変異株の感染力が最大で1・7倍であるのではないかとの見立てを明示しました。また蛇足ながら筆者が付け加えると「ウイルスのスパイクの欠け」が少ないと若年層への感染力がより高い懸念もあるでしょう。菅首相が悪い噂が上がらないようなしくみをつくってしまっていたことがうかがえます。この有事に、筆者も「裸の王様だ」とまでは言いませんが、総務省への冷徹な左遷人事のしっぺ返しのような気もしなくもありません。来週月曜日の通常国会召集を待たずに、今週から自民党内で抗議の声が上がることも予想されます。
東京新聞電子版がさきほど報じたところでは、先月22日に英国から帰国した日本人男性が空港検疫(厚労省所管)で検査し、このときは「陰性」。しかし、念のため14日間の自主隔離を求められました。ちなみに、14日後は今月6日(水)になります。しかし、市中で会食。その後、先月29日に「陽性」となり、今月7日に入院しました。この間、会食した濃厚接触者のうち、1人が先月30日に発熱し、今月8日に入院したと報じられました。首相が報道ステーションに出演したのは8日ですから、その時間帯までに、市中感染者が入院していた公算が高まりました。
報道ステーションは自公政権と距離があるとされてきましたが、首相の支持率が下がったからか、8日はスタジオで事前収録で出演しました。水際で英国からの入国を日本人ビジネスマンに限り継続する決定をし、与党内からも批判されていることに関連した質問で、菅首相は「イギリスでは新しい変異種が発生した。変異種が国内で一例でも発生したら、すぐに停止する」と語りました。政治部長から更に問われ首相は「市中で一例でもあったらそこの国はすぐに停止する」と明言しました。首相は「判明」ではなく「発生」という言葉を使いました。8日の報ステ出演の時点で、政府や東京・千葉都県などの公共セクターが英国からの変異種による市中感染者がいるとの情報はつかんでいたとみられ、それが首相に伝わっていなかったことは確実とみられます。
首相は連日、内閣官房、厚労省の幹部から報告を受けていますが、総務省からは受けていません。首相は総務大臣経験者ですが、いわゆる自治三局(旧自治省)では局長を「ふるさと納税」の意見対立から「校長」に左遷する見せしめ人事をしており、菅さんに報告を上げようという意識が希薄だとみられます。
エビデンスは確定していませんが、英首相は正式記者会見では変異株の感染力が最大で1・7倍であるのではないかとの見立てを明示しました。また蛇足ながら筆者が付け加えると「ウイルスのスパイクの欠け」が少ないと若年層への感染力がより高い懸念もあるでしょう。菅首相が悪い噂が上がらないようなしくみをつくってしまっていたことがうかがえます。この有事に、筆者も「裸の王様だ」とまでは言いませんが、総務省への冷徹な左遷人事のしっぺ返しのような気もしなくもありません。来週月曜日の通常国会召集を待たずに、今週から自民党内で抗議の声が上がることも予想されます。
インターネット版官報
Ⓒ2021年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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