ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

泉健太代表、岡田克也幹事長に加えて、安住淳国対委員長で提案型野党から対向型へ、ネクスト・キャビネットは長妻昭政調会長

2022年08月26日 20時12分55秒 | 新・立憲民主党2020年9月15日結党
[写真]徳永エリ常任幹事会議長、岡田克也幹事長、泉健太代表、西村ちなみ代表代行、きょう2022年8月26日、参議院議員会館で、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の泉健太代表が呼びかけた両院議員総会がきょう令和4年2022年8月26日(金)午前11時から、参議院議員会館内「講堂」で開かれました。泉さんがまず両院議員総会長の阿部知子衆議院議員から川田龍平参議院議員への交代を提案。全会一致で承認されました。

 この後、泉代表が、西村ちなみ代表代行、逢坂誠二代表代行、岡田克也幹事長、徳永エリ常任幹事会議長、安住淳国会対策委員長、大串博志選挙対策委員長、長妻昭政務調査会長を提案。

 福田昭夫さんが「ネクスト・キャビネットをつくってほしい」、山岸一生さんが「ジェンダー平等を留意してほしい」と発言。その後、満場一致で承認されました。

 小川淳也前政調会長と枝野幸男前代表に役職は示されませんでした。

 ここに至る日程としては、7月10日(日)深夜に「1人区2勝のみ、比例は改選では野党第2党」との結果をみつつ泉さんは続投。その週に「8月10日総括」の日程を出しました。その後「提案型野党を標榜したことで何をやりたい政党か分からない印象を与えたので、国対、選対を見直していかなければならない」とした総括がまとまり、代表が「臨時国会前人事刷新」の日程感を打ち出しました。第210回臨時国会召集要求書を提出しながらも、人事が刷新されませんでしたが、きょう両院議員総会となりました。内定者とされた岡田さんは、今週内定者だけで話し合いを持っていたことを明かしました。

 このほか、森本真治・組織委員長、大島敦・企業団体交流委員長、吉田忠智倫理委員長、金子恵美会計監査、野田国義会計監査が決まりました。

 英断はネクスト・キャビネットの設置。日本の場合は、国対に置くと衆参いずれにも理事がいることもあり、長妻ネクスト官房長官として政調部会を「ネクスト大臣」とし、泉ネクスト総理が主催する「ネクスト閣議」も開く方針を示しました。若手登用も言明しました。

 英国の影の内閣に範をとる、ネクストキャビネットは小沢一郎代表の民主党と、谷垣禎一捜査氏の自民党以来となります。2008年は小沢さんが側近で農林畑の山田正彦さんを「厚労相」、ものづくり日立労組出身の大畠章宏さん「金融担当相」をにつけて「勉強してこい」としながらも不平を持って山田さんが辞任したこともあり、「ネクスト総務大臣」の原口一博さんしかリアル大臣にスライドしない混乱もありました。

 泉体制で執行役員は12名(女性6名)でしたが、組織委員長らを執行役員から外して9名(女性2名)となりました。

 2016年4月の民主党と維新の党が合併した「民進党」では、月曜昼の執行役員会は岡田代表、松野・江田両代行、枝野幹事長らに絞られ、当初の規約通り政調会長は外れていました。このことには、山尾志桜里政調会長(当時)が不満を持ったようで、翌年に「幹事長内定」の報道が出る直前までの動きにつながったと思われます。この「民進党」は岡田代表・枝野幹事長・安住国対委員長で、蓮舫代表体制で大串政調会長。その後、「枝野代表選対」の中心が長妻さんだったということで、オリジナル立憲としては長妻さんが代表的な人物となりそうです。この6年前の少人数執行役員制に戻すよう、岡田さんが泉代表に伝えていたようです。

 このあたりの2015年平和安全法制から2017年希望の党さわぎまでの主流派が「黄金の3年間」に満を持して登場した気がします。岸田文雄首相は2年1か月後の自民党総裁選が宏池会会長として一番気がかりでしょうから、野党の黄金の3年間は、第20回統一地方選でリソースを正しく配分すれば順風満帆に第50回総選挙を迎えられる確率は高く、かなり順風満帆になる公算は濃厚だと、私は考えます。

 一方、下野後10年の「民主しぐさ」。


[写真]最前列で泉健太代表の話を聞く、菅直人元首相(左)。


[写真]最後列に座る野田佳彦元首相。

 菅直人元首相75歳が、泉代表の最前列に陣取る気合を見せつつ、野田佳彦元首相は最後列に座りました。この10年間、野田さんが両院議員総会に現れることは珍しく、「現役だ」ということだと考えられます。きょうは枝野幸男さん、小沢一郎さんも会場におそらくいなかったと思います。福山哲郎さんは参院選後の総括からは両院議員懇談会に顔を出しているようです。

 このため、おととし9月の結党以来、枝野さん、福山さん、泉さん、逢坂さん、西村さんよりも常任幹事会の流れを知る岡田克也常任顧問69歳の執念が、黄金の3年間スタートにあたっての幹事長復帰を勝ち取ったことになります。けっして派閥を作らず、身銭は切らず、落選者に電話一本せずに、常任顧問として常任幹事会には顔を出し続ける「無料の物だけ使い倒す」岡田流で幹事長復帰となり、民進系の安住さん、枝野系の長妻さん、蓮舫系の大串さんらを取り込みつつ泉代表とともに若手の登用を主導して老害批判をかわそうという岡田さんの考えが透けて見えます。

 この党にはほかにも変なことがあり、執行役員会や常任幹事会に事務局長が2回に1回程度しか現れず、十数分遅れたり、前世紀は新生党秘書仲間だった中国ブロック常任幹事と肩を抱き合いながら退室したりしています。国対委員長も毎回定刻に着席しているのに、事務局長はどんな特命事項をしているのでしょうか。そして、総支部長の選任がまだら模様だという問題。この点も、泉代表が、岡田幹事長に期待していることなのは間違いないと思います。

このエントリーの本文記事は以上です。
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報じられている以外で、内閣府の2012年7月3日の岡田克也記者会見で世界日報が「進化論に関する副総理の見解」を質問した経緯、岡田さん「全く覚えていない」とし説明は内閣府に問い合わせるよう求める

2022年08月26日 17時19分44秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]岡田克也・立憲民主党幹事長、きょう2022年8月26日(金)、宮崎信行撮影。

 立憲民主党の岡田克也幹事長は記者会見し、報じられている以外に、2012年7月3日の岡田副総理兼内閣府特命担当大臣の記者会見で、世界日報記者が「進化論に関する副総理の考え方」を質問した経緯を「全く覚えていない」としました。筆者が指摘しました。

 内閣府の公式ホームページでは世界日報の山本記者は4回質問。うち3回は細野豪志大臣。そして、最後1回岡田副総理に「進化論」質問をした後には出席の形跡がありませんが、これについて、岡田さんが何か指示したわけではないとしました。

 岡田さんは「世界日報を記者会見に入れるかどうかは内閣府が判断しており、それが妥当だったかどうかはある。なかなか難しい問題ではあると思います。一応メディアですから。但し、統一教会との関係がはっきりしていれば入れるべきではなかったのではないかと思う。経緯は分かりませんので、たまたま入っていた人が質問したのかもしれない。内閣府に問い合わせるかどうかは、私が聞くというよりも内閣府としてそういう扱いをしているのならば内閣府が説明を問われると思う」と語りました。

 岡田さんは副総理在任中に執務室がある官邸から内閣府4号館庁舎に移動して、閣議後記者会見を午後に開いており、会見要旨は下野から10年経っても、政府公式ホームページに残っています。

 上述のサイトでは、世界日報の「山本」記者が、当時の玄葉光一郎外相が「時代に適応して変わり続ける種が強いのだ」としたとし「進化論的な政権運営についての発言」だと強調。それに関連して、岡田さんが「行政事業レビューというのは、事業仕分けの進化形としてある」と発言したとし、世界日報記者が「この「進化」という表現を副総理はどういう意味合いでお使いになられたのか」と質問しています。岡田さんは「言葉のとおりです。私はもう少しはっきり申し上げたのは、行政改革懇談会の席で、強いものが生き残るのではなくて、変化に対応したものが生き残るのだということを申し上げたことがあります。別にこれは進化論という考え方を私が信じているから申し上げたのではなくて、もう少し一般的に受け止めていただければと思います」と答えています。


[写真]内閣府4号館で記者会見する岡田副総理(当時)=左から2人目=ら、2012年、宮崎信行撮影。

 「世界日報」は株式会社世界日報社が発行する統一教会と極めて近い新聞社であることは明確です。筆者は統一教会は宗教団体ではなく反社会的団体だと考えます。但し、「山本記者」が、信者だったり、現在も社員だったりするとは限らず、クリスチャンとして「進化論」について日本の副総理に対してぶつけた、「きわめて高尚過ぎる」質問だった可能性があります。

 きょう日調べたら、この件には、ブーメランがあり、世界日報の山本記者は2011年10月14日に初めて内閣府の大臣記者会見で質問しており、細野豪志・内閣府特命担当大臣に質問しています。これを含めて3回細野大臣に原発事故に関する質問をしています。

 「記者会見オープン化」は、岡田克也さんが4期ながら旧自民系のホープとして政調会長をした後に、鳩山由紀夫代表が幹事長代理として手を貸してほしいと求めた際に「3つの条件の1つ」として実現。幹事長代理定例記者会見を、きょうの場所と同じところが始めました。その後、2009年5月に2度目の幹事長となりました。この時から筆者は参加しています。同年8月政権交代。外務省の大臣会見のオープン化が2009年9月に実現したことは記憶にある方も多いと考えます。この経緯からして、2011年当時の細野・内閣府担当大臣の記者会見はある程度「岡田ルール」が援用されていたと思われます。下野後の路線対立もあり、細野さんは自民党に移らざるをえなくなったのですが、細野大臣には、ややもらい事故のような気の毒な形にも感じます。

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岡田克也・立憲民主党新幹事長が記者会見へ

2022年08月26日 12時30分00秒 | 岡田克也、旅の途中
 立憲民主党は、この後午後1時半から、岡田克也新幹事長が記者会見すると明かしたり、党公式Twitterで発信したりしました。
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次の内閣を設置明言、泉健太代表、2012年以降初めて

2022年08月26日 11時34分00秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
 立憲民主党の泉健太代表は次の内閣を設置すると、両院議員総会で明言しました。
 最大野党の次の内閣設置は2012年以降初めて。
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