宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。業界内で圧倒的ナンバー1。

新しい参議院事務総長に小林史武さん、岡村隆司事務総長はちょうど3年で退く

2022年12月10日 21時56分03秒 | 国会人事
[画像]参議院議長に当選した尾辻秀久さんを、議長席に導く小林史武事務次長(当時)、ことし2022年8月3日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 参議院本会議で、岡村隆司事務総長が退き、後任に小林史武さんが当選しました。きょう令和4年2022年12月10日から、尾辻秀久議長・長浜博行副議長のもとで、参議院の議事や人事をつかさどることになります。

 岡村さんは感染対策での代表質問のマイク消毒、車椅子ユーザーのスロープ設置などで事務をつかさどりました。残念ながら参議院に多い印象が古今東西ある中堅職員の長期病欠があったようで、その任務もこなしたと思われます。

 また参議院事務総長は衆議院と違って、押しボタン式投票の時間を区切って、集計し、スクリーンに表示する機械のスイッチを右手人差し指で操作するという大役がありますが、感染対策で休止しています。

 参議院事務総長は5代連続で、ほぼ3年間で交代するルーチンとなっています。

 小林さんはおそらく本会議場で首相の真後ろが指定席となる議事部長などが長く、建制順で2番目ながら最エリートコースの委員部の経験は歴代総長よりもやや短いかもしれません。

 ねじれのない3年間となりますが、小林総長も、次の参院選の後の院の構成・臨時国会まで続けるでしょうから、なにか変化があるかもしれません。

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統一教会被害者救済法が成立して「安倍晋三元首相暗殺の歴史的2022年イヤー」閉幕、旅館業法は継続審査へ

2022年12月10日 21時29分30秒 | 第210回臨時国会 黄金の2年間 統一教会
[写真]崩れ落ちる安倍晋三元首相・清和研会長、ことし7月8日。

 統一教会の財産的被害者救済法が成立しました。来年も宗教法人法81条の解散命令に向けた文化庁の「質問権」の動きや「児童虐待の観点からの統一教会問題」(立憲国対委員長)が続きそうです。行き過ぎた旧民主党たたきで機能しなくなった日本民主主義の帰結は、安倍晋三元首相暗殺による政局の加速化でした。陰湿で思ったことを言わず、集合知としての選挙の暴力を続ける日本人1億人にとっての敗戦の1年が終わろうとしています。

【参議院本会議 きょう令和4年2022年12月10日(土)】
 「障害者総合支援法・精神福祉法・難病医療法など一括改正法」(210閣法17号)が可決し、成立しました。難病医療法の改正条項は、中根康浩元衆議院議員が自公過半数のなか「附則に5年後見直し条項をつける」との与野党修正により成立した項目が改正の立法事実ですが難病医療受給者証の交付など小幅な改正にとどまりました。法制化された難病医療制度は続くことになります。

 「C型肝炎給付金支給特措法の延長・改正法」(210衆法15号)が可決し、成立しました。
 「民法親族法包括改正法」(210閣法12号)が可決し、成立しました。
 「改正PFI法」(210閣法9号)が可決し、成立しました。新自由主義的だとれいわ新選組が反対し、立憲民主党が「元祖改革政党だ」として賛成する景色が長く続いています。
 「改正地方自治法」(210衆法17号)が号可決し成立しました。第33次地方制度調査会の答申を受けた改正案は来年になります。

 そして「消費者契約法改正案」(210閣法18号)と「法人寄附不当勧誘防止法」(210閣法22号衆議院修正)がついに緊急上程。賛成討論が相次いでから採決され、可決し、成立しました。なお法律内に予算措置条項はありません。

 この後、岡村隆司参議院事務総長が辞任し、後任に小林史武・新事務総長が決まりました。

【参議院消費者問題特別委員会 同日】
 午前9時から「救済2法案」で岸田文雄首相に4時間半コースの審議をへて可決すべきだと決まりました。首相は前日に文化庁に届いた質問権についての統一教会の第1次回答は段ボール8箱分なので見ていないとしました。首相は宗教法人解散について質問権の作業を進めるとして、否定しませんでした。

【衆議院厚生労働委員会 同日】
 ノーマスクを拒否できる「旅館業法改正案」(210閣法6号)について、委員長が継続審議にしたいとはかり、認められました。本会議上程。

【衆議院憲法審査会 同日】
 波静かに開かれ、森英介会長が、新藤義孝さんら与党が提出した「国民投票法改正案」(208衆法34号)を継続審議にしたいとはかり、認められ、本会議に上げました。

【衆議院本会議 同日】
 上述の210閣法6号、208衆法34号などの法案の継続を議決し、第211回通常国会に先送りされました。

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立憲・維新2党首が異例の「お互いを慰労しあう党首会談」を開催、泉代表「8項目共闘で提出したがまだ成立していない項目は来年も続く」安住淳・遠藤敬両国対委員長が「追加共闘」含めて協議することが決定

2022年12月10日 20時50分55秒 | 第211回通常国会(2023年1月)
 第210回臨時国会の事実上終了の5分後から、立憲民主党と日本維新の会の2党だけで20分弱の党首会談を開き、大阪府議会議長が反対するなどの衝撃を呼んだ「8項目共闘」を「すべて達成できた」と慰労し合いました。このような党首会談は異例。

 泉健太代表は「20日以内召集の国会法改正案を2党で提出する」とした項目について「成立まで目指したい」として来年の通常国会にも継続したいとの意向をにじませ、安住淳、遠藤敬国対委員長が年末年始に協議することが決まりました。

 異例の土曜開催となった衆議院本会議は午後5時過ぎに、「被害者救済法」の参議院本会議審議を見守るために「休憩」となりましたが、成立は固いため、事実上衆議院は閉幕となりました。

 統一教会問題について、両代表らは「自民党に解決しようとする機運がなかった」と指摘。立憲は、40回のヒアリングをしたことから「国会に被害者や弁護士を呼ぶことで大いに力をつけることができた」と自画自賛。馬場伸幸代表は「維新は新人議員が多いので、立憲と協議する中で学ぶことが多かった」と語り合いました。

 一方、3月告示に迫った大阪の知事・市長を含んだ第20回統一地方選について馬場さんからの言及は無し。同党の近畿の衆議院議員は「9人区で3人当選させるノルマで、維新の支持率が高い思うかもしれないが、3人目の候補がなかなか決まらないなど楽ではなく、共闘をやめてくれるのが一番うれしい」と地元の実情をにじませました。

 泉さんは、安住さんが文を練った8項目の「法案の成立をめざすといった約束を成立していないものは、来年も継続させたいとしました。

 精査すると、第1項目の「国会法改正法案については、20日以内に国会召集を義務付ける法案を作成し、各野党の賛同を得た上で、臨時国会の冒頭で提出する」、第3項目の「保育園・幼稚園などの通園バスで置き去りにされた幼い子の犠牲を無くす対策として、通園バス置き去り防止装置の設置を義務付ける法案を共同で作成し、各野党の賛同を得た上で、早期に臨時国会に提出する」第4項目の「いわゆる文書通信交通滞在費については、先の国会の経緯を踏まえて、両党協力をして、使途の公表などを定めた法案の成立をめざす」第6項目の「現下の経済情勢を踏まえると、若者や子育て世代が厳しい経済状況におかれており、両党はこうした世代に対し、より具体的に有効な対策を提言し、政府に対し、その実現を求めていく」ーーこの4項目は提出したけれども成立していないので、できれば継続したいと泉代表が手ごたえをもとにした意欲をにじませています。

 具体的には、安住国対委員長と遠藤国対委員長のやり方にゆだねる方針で、1月中旬にも決まる「ペーパー」が来年の国会をうらなうことになりそうです。

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【岡田克也】6年半ぶりに政局のメーンストリームに、立憲民主党幹事長として救済法案6党幹事長会談

2022年12月10日 08時39分20秒 | 岡田克也、旅の途中
[写真]岡田克也幹事長や長妻昭政調会長の動向をトップで報じるNHKニュースおはよう日本、おととい2022年12月8日午前7時1分。

 ウクライナ戦争・コロナ第8波の今週令和4年2022年12月第2週は、きょう10日に国会会期末を迎えます。

 岡田克也さんが6年半ぶりに、政局の主役メーンストリームで主役をはった1週間となりました。8日は、NHKニュースおはよう日本で7時1分に報じられ、朝日新聞では1面トップから数えて登場人名第1号となりました。

 統一教会の財産的被害者の救済法案は立憲民主党の長妻昭政調会長が「4党協議会」で交渉。しかし、自民党の実務者2人ともに、茂木敏充幹事長率いる「茂木派」の所属であることから、茂木さんや、共産の小池晃書記局長が入った「6党幹事長会談」に実務を含んだ最終判断が求められました。


[写真]岡田克也幹事長をトップで報じた朝日新聞2022年12月8日付。

 岡田さんは、日本維新の会の藤田文武幹事長とも連携して、茂木幹事長から政府案の修正(見直し規定短期化、配慮規定の十分配慮規定への格上げ)を勝ち取り、その翌日に政府案が審議入りしました。今日夕方参議院でも可決成立のはこび。

 岡田さんは、2015年の平和安全法制政局「シールズの夏」で野党一本化に成功。そして、2016年春には、松野頼久・維新の党代表と新党を結成し、「保育園落ちた」の山尾志桜里政調会長を起用。が、参院選と都知事選後の代表選に立候補せず一線を退きました。その後枝野幸男さんの代表選落選などもあり、影響力を落とし、希望の党騒ぎでは「岡田克也ネットワーク」を結成。無所属ながら「民進党」という組織には属していましたが、2018年5月に、玉木雄一郎代表らが「国民民主党」を結党するため、強制的に離党させられました。


[写真]維新の党の松野頼久代表との合併合意で注目を集めた岡田克也民主党代表(当時)、2016年。

[写真]岡田克也さんの民進党強制離党記者会見でうなだれる筆者。左からフランス10及川健二記者、岡田克也衆議院議員、フリーライターの畠山理仁記者。

 その後「大きな塊おじさん」として2020年9月15日の立憲民主党結党に主要な役割を果たし、今週久しぶりのメーンストリームで主役をはりました。

 以上です。
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